異世界漂流者ハーレム奇譚 ─望んでるわけでもなく目指してるわけでもないのに増えていくのは仕様です─

虹音 雪娜

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第三章 来訪、襲来、ガルムドゲルン

#07 お持ち帰りで調査完了

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[対象者:リーオルエレミネアのステータスを表示]


【ステータス】
《識別》
 名前:リーオルエレミネア
 種族:魔人種(※竜人種)(紅竜族)(10)
 属性:火(10)
    聖(8)
    邪(9)
 性別:♀
 年齢:426
 職種:勇者騎竜ブレイバーライド(9)
   選択:竜巫女(5)
      竜魔導師(4)
 状態:正常(満腹)
《能力値》
 位階:32
 体力:3165/3165
 魔力:3072/3072
 筋力:919
 耐久:1048
 器用:825
 敏捷:991
 知力:1117
 精神:1226
 運 :10
《技能》
 固有:人竜変化(―)
    魔竜転生(―)
 物理:飛竜闘術(2)
 魔法:神聖魔法(8)
    ・ヒーリング(7)
    ・キュアー(7)
    ・ブレッシング(6)
    ・ホーリーガード(6)
    ・セイントオーラ(5)
    ・ピュリフィケーション(4)
    ・リヴァイヴ(4)
    ・セイクリッドシャイン(3)
    邪霊魔法(9)
    ・イビルアイ(8)
    ・サモンアンデット(8)
    ・マリオネットヴォイス(7)
    ・カースドシャウト(7)
    ・サモンゴースト(6)
    ・イビルガード(6)
    ・デモニックオーラ(5)
    ・アシッドマインド(4)
    ・デッドリーブラスト(4)
    火竜魔法(10)
    ・イグニスフレア(9)
    ・ヴォルカニックバースト(8)
    ・リーオルエクスプロード(10)
 補助:騎乗保護(―)
    霊体察知(7)
    聖気察知(8)
    無詠唱(―)
    竜祈祷(4)
    火耐性(10)
    邪耐性(8)
    聖耐性(9)
    竜体強化(10)
    火属性強化(9)
    聖属性強化(7)
    邪属性強化(8)
 一般:―
《称号》
 元・竜の巫女
 竜魔法の使い手
 魔を取り込みし者
 魔力喰いマナイーター
 勇者の騎乗竜
 魔王大戦の生き残り
 暁の桜華竜






 ……………何これ、え、俺この娘の全責任持てる自信なんてないよっ!?


 魔人種て…元竜人種っぽいから、もしかして…魔石とか取り込んじゃったとか?そんなこと出来るの…?

 職種が勇者騎竜ブレイバーライドとか、関わってた漂流者は勇者だったってことかよ…なんか称号のところに魔王大戦の生き残りって書いてあるんだけど…え、やっぱり魔王とかいるの?この世界…。
 で、その魔王から召喚勇者がこの世界を救った時、一緒に戦ってた…みたいな?
 …あれ?なんかそれどっかで聞いたな……あ!そういやアーネがそれっぽいこと言ってた気がする!世界の危機を救った伝説の勇者が漂流者だったとかなんとか……もしかして、それと関係あったりする…のか?

「…………見、た……?…………」

「あー…うん……見た、よ……。いろいろと聞きたい事はあるけど…とりあえずこの場では置いておくよ。先にみんなを紹介しておきたいし」

「…………(コクっ………」

 介護を任せていたシータ達の方を見たら、マールも気が付いたらしく目を開けてた…良かった、無事で。

「マール、大丈夫か?」

「うぅ~ん……っ!?ド、ドラゴンはっ!?あっ……」

 急にガバッと起き上がったけど、まだちゃんと回復してないせいか、クラっとした感じで抱えていたアーネの方にまた倒れ込んだ…だから無茶しないの。

「ちゃんと説明するって。そのままでいいから落ち着きなよ」

「…でもっ……!」

「あー、いいから落ち着けっての。逝ってないから心配すんな」

「え…そ、そうなの……よかったぁ………」

 安心したみたいで少しは落ち着いたっぽいな…その内スイッチも切り替わるだろ。

「んじゃ、まずは…この娘がさっきのドラゴン。名前は…リーオルエレミネア。んで、こっちが…」

「………マー、ル…………」

「…あっ!うんっ、私が、マール…マールオリザロレッタ…だよぉ……」

 アーネに抱えられて倒れ込んだまま、マールが名乗って、そして…涙を零した。

「……よかったぁ………生きて、て…くれてぇ……ありがとぉ………ふぇぇ…………」

「………マール、の……魔力………温か、かった………」

「…良かったなぁ、マール。昔っからほんま変わらんなぁ…なんでもかんでも救おうとするとこ……」

「ホントだよ、ったく…。お前相手はドラゴンだったんだぜ?」

「……だってぇ……本当にぃ、綺麗ぃだったからぁ……逝ってぇほしくないってぇ……思ったんだぁもん……」

 どうやらスイッチも切り替わったみたいだ…いつもの調子に戻ってきた。
 でも、これあれだな…これからも気を付けとかないと、また同じことやらかしそうだ……。

「………あり、がとう………マール…………」

「えっ、ううん、お礼ぃなんてぇ…いらないからぁ……」

「えっと、リーオル……いや、リオでいいか。それで、こっちの二人が…」

「シータフィオラシス、シータでええよ。その、よろしく…で、ええんよね?」

「あー、うん…そうなる、かな…。全責任持つってことになってるし……」

「せやな…ん!ほなリオも今からウチらの仲間…ウチら冒険者やから一緒にパーティー組むでっ!よろしくなっ」

 …まぁ、そうなるよなぁ……リオのステータス見てもかなりの強さだったし…なんか人外ハーレム街道まっしぐらって感じになってないか?俺……これ街に戻ったらまた絶対なんか言われるわ…ガズのおっさん辺りに。

「………よろ、しく…………シータ…………」

「んで、アタイがアーネルミルヴァ、アーネでいいぜっ。よろしくなっ!」

「……アー、ネ…………よろしく…………」

「さて、と。じゃあ話の続きは戻ってからってことにして、村に報告しにいこうか。リオも…いいよな?」

「…………(コクっ………」

 ここに縛られてるってわけでもなさそうだし、連れて帰っても大丈夫っぽいな。
 んじゃ、サクッと戻りますかね…何気に創ったはいいけど初めて使うこのスキルで。

「えっと、みんな…悪いんだけど、俺の身体…どこでもいいから掴んでもらえる?」

「…?何するん…?」

「いや、俺のスキルで村まで帰ろうかと……」

「………転、移…………」

「そうそうそれ…って、リオ知ってるんだ……」

「…………(コクっ……。…ケン、ゴ……と、コウキ……が……使って、た………」

 おっと…それが勇者の名前か…?まぁ、後でゆっくりその辺の話は伺おうかな。

「ってことだから…どこでもいいんで俺の身体に触れててもらえる…?」

 マールもアーネに手伝ってもらって立ち上がってきた…まだちょっとふらふらしてる感じだけど、自分の足で立てるみたいだ。

「そういうことなら…これでええ?」

 ……んー……んん?いや、うん、シータがそれでいいなら、いいんだけど…ね。

「じゃぁ~…私もぉ~、これでぇいいぃ~…?」

 ……あー……マールも、それでいいのね…。

「んじゃ、アタイはこうだな……」

 ……えっと、これ、つい最近もあったなぁ……え、あれはあの時だけの話じゃなかったの?みんな……。

「…………ん…………」

 ふぉっ!?えっ!それは……ちょっとマズいかもリオっ!?

 ヤバいこれはあれこれ考えてる場合じゃないっ!
 はい行こうすぐ行こうっ!

「転移!!」

 シュンっ!













 ──一瞬で景色が変わって…洞窟に向かう時にモラットさんや村のみんなに見送られた場所に転移した。

「はいっ到着!みんな離れていいよっ!」

「…あ、ホンマや……もう着いてもうた…。便利やなぁこのスキル」

「本当だぁ…もうぅ~着いちゃったぁ~…」

「めっちゃ便利じゃねーか、このスキル……」

「………懐か、し……かった…………」

「感想は分かったからみんなもう離れてっ!お願いしますっ!」

 左腕にしがみついてるシータ、同じように右腕にしがみついてるマール、で、正面から抱きついてるアーネと、そして…背中から抱きついてるリオ……。
 確かに触れてはいるんだけど、こんなガッチガチじゃなくていいんですが……っていうか、ホントもう離れて!いろいろと柔らかすぎる感触に俺がダメになりそうなのっ!

「……おや?これは皆さん…今洞窟からお戻りで?」

 あ、丁度よくモラットさんが現れたからみんなスルッと離れてくれた…と、思ったらリオだけまだ離れてない…ごめんリオ、君が一番離れてほしいんだわっ!背中が幸せすぎるんだよ…っ!

「ほらぁ~、リーちゃんもぉ~離れようねぇ~」

「…………ん………」

 あ、ありがとうマール…こんな所じゃなかったら、確実にダメになってる自信がある……それくらいの破壊力がリオには備わってるってことか……この先俺、何事も無くやっていけるんだろうか…ちょっと揺らぎそうで恐い…。

「えーっと…すみません。はい、たった今戻ってきました」

「…そうですか、それはお疲れ様でした。では早速お話を伺っても?」

「あー、そうですね。ではこのままモラットさんの所に伺うことにします。いいよね?みんな」

「うん、構へんよ。モラットはんも早う知りたいやろうし」

「ありがとうございます。ではご一緒に参りましょうか」

「はい、行きましょう」


 モラットさんと一緒に真っ直ぐ村長宅に向かい、報告するため家に上げてもらった。
 モラットさんがちょっとだけ不思議そうにしてたけど。
 まぁ、そりゃ行って帰ってきたら一人増えてるんだもん、不思議に思うのは当然ですよね。


「…それで、呻き声の原因はお分かりになりましたか?」

「あ、はい。呻き声ではなく…腹の虫でしたが」

「腹の虫…ですか……?」

「ええ、この娘の。今はこの姿ですが洞窟で見つけた時はドラゴンの姿でした。なので…ドラゴンのお腹の音が呻き声の正体です」

「ド、ドラゴンが…あの洞窟に……」

 リオの方を見て元はドラゴンだったって説明したら、モラットさんも少し驚いたみたいだ。

「ですがこの通り、俺達がお腹を満たして連れ帰って来たので、もう呻き声…お腹の音が聞こえてくる事はありません」

「………ごめ、ん………なさ、い…………」

「あ、いえいえ、原因が分かって取り除かれたのであれば、何も問題はありませんよ」

「そう言ってもらえると。良かったな、リオ」

「………あり……がと、う…………」

「そもそもここに村を作った時にはあの洞窟は既にあったので…つまりこの地にいたのはあなたの方が先ということですから、こちらの都合を押し付けてしまったのではないかと…」

 確かにそうかもしれないけど、でもその洞窟にドラゴンがいたなんて誰も分からなかっただろうし、それに…

「違うんですぅ…この村がぁ在ってくれたぁおかげでぇ…この娘を~救う事がぁ出来たのでぇ……」

「そうだぜ…村長が今回の依頼を出したから、リオを見つける事が出来たんだよ…」

「そうなんよ…。もし、ウチらがこの依頼を受けてなかったら……」

「…この娘は…リオは、今ここにいなかったと思います……」

「………………」

 …あの音の間隔が短くなってた理由は…もう、限界が近かったってことだろうから……。

「そうでしたか…。そうするとあれですな、その腹の音とやらが合図だったということですな。ともあれ万事丸く収まったようで何よりです、はっはっはっ」

 今思うと本当にそうだったのかも…結界まで張ってあったのに、音だけ通してたってことは…誰かに気付かせたかったってことなのかも……つまり、あの文章の通り責任持てる人に助けてもらおうって意図があったんじゃないかな…憶測だけど。

「モラットさんと村のみんなには感謝しないといけませんね…」

「いえいえ、こちらこそあなた方に依頼を受けてもらって助かりましたので、お互い様ですよ。村のみんなには私の方から説明しておきます、不安は取り除かれました、とね」

「すみません、ありがとうございます。ではクエスト完了ということでいいですか?」

「勿論ですとも。依頼書をお貸しください、サインいたしますので」

 シータが持っていた依頼書を魔法袋から取り出し、モラットさんに渡した。
 それにサインしてもらい、これで無事クエスト完了、と。
 何か冒険した!って感じのクエストだったな…まぁ、お土産付きだけど。
 ギルドに戻ったらラナとか驚かせてみようかな?「お土産はドラゴンでした!」とか言って。

「ん、おおきに。ほな、ウチらはギルドに戻って報告やなっ」

「だなっ!戻ったらまた祝杯上げようぜっ!リオの歓迎祝いでよっ!」

「すぐお戻りですか?今からですとすぐ日も落ちると思いますが…」

「あ、いえ、帰りは大丈夫です。すぐ戻れますので」

「そうですか。では、お気を付けて。皆さんありがとうございました」


 こうして俺達はウェラーメ村での調査依頼を完遂して、みんなでガルムドゲルンへ戻った…また転移を使ったらガッチガチに固められましたが…。
 なんで?え、これ転移使う度こうなるってこと…?俺の理性、大丈夫かなぁ……。


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