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続 3章 ドロップ品のオークション
13-23. 猛獣使い*
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「ユウ、触れてもいいか?」
「もう触ってるよ」
「いや、そうなんだが」
アルの膝の上に乗って、アルに抱きしめられている時点で、肌が触れ合っている。でもアルが言いたいのは、そういうことじゃないと分かっている。明るい日の光が差すお風呂の中、ちょっと恥ずかしくて、答えられなかっただけだ。
言葉にする代わりに、アルの首に抱き着いて唇へキスを贈り、アルを残して湯船から上がった。僕だって触れ合いたい。でも明るいところは恥ずかしい。身体を拭いてから、用意されていたローブを羽織って逃げるように部屋へと戻ると、追いついてきたアルに抱き上げられ、そのままベッドへと転がされて、上から押さえ付けられた。
「逃げるな」
「逃げてない」
「目を離すと、ユウはすぐに俺から逃げようとする」
そんなことないと言おうとして、そうかもしれないと思い直した。ドガイに行くたびに、僕はアルとの関係に悩んで、アルを遠ざけ、傷つけた。
「ごめんなさい」
「ユウは悪くない。カリラスに、ユウの不安を聞いて、解消しない俺が悪いと言われた」
「違うよ。それは」
「違わない。俺は、ユウがこの世界の人間ではないことをそんなに悩んでいるなんて、気づかなかった。多分、本当の意味でユウの不安を理解することはできない」
世界を越えるなんて、自分が体験したから信じられるけど、信じられなくて当然だ。ましてやまったく違う常識と慣習での生活なんて想像できない。アルが悪いんじゃない。
「それでも、分かり合いたいし、そばにいたい」
「僕もだよ」
「愛してる」
「僕も」
「言葉にしてくれないのか?」
カーテンも閉められていない明るい部屋の中、ベッドに押し倒された状態で、僕にはちょっと難易度が高い。思わず目が泳ぐ僕を見ていたアルが、くすりと笑って起き上がり、ベッドから降りた。
どこに行くのかと目で追っていると、寝室のカーテンを閉めて、ローブを脱いでベッドへとあがってきたアルと、目が合った。アルの体重でベッドが沈む、それを身体で感じるのが、なんだか生々しい。
「ユウ、言葉にして」
目が合ったまま視線を外さずに、僕へとのしかかってくるアルが、僕に愛の言葉を口に出せと強要する。視線の強さが、誤魔化すことを許してくれない。思わず目を閉じると、瞼にキスをして、俺を見て、とささやかれた。
逃げられない――
そんな言葉が頭に浮かぶ。きっとここで答えたら、二度と逃がしてもらえない。でも、逃げる必要があるのだろうか。
「愛してる。だから、僕のこと、逃げられないように捕まえていて」
「二度と逃がさないから、覚悟しろ」
静かな、けれど有無を言わせない強さで告げられた言葉を受け止めるよりも早く、アルがいつにない強引さでキスをして、その勢いのままに身体を暴かれた。
「ユウ、もう一度言って」
「あ、あいしてる、あいしてるから」
「愛してるからどうした?」
「ああっ、おねがい、もう、いかせて」
「まだだ。久しぶりなんだ。もう少し付き合え」
病み上がりなだけでなく旅の直後で疲れているだろうから一回だけ、とアルが言ったのに、その一回が終わらない。ゆるゆると追い上げられて、少しの刺激だけで上り詰める、そこまで追いつめられているのに、最後の最後でかわされてしまう。欲しいものがすぐそこにあるのに、触れることを許されない。あと指一本分伸ばせば届くのに、お預けされている。
「おねがいっ、あっ、そこもっと、んああっ」
「ユウ、必死で腰を振って、可愛いよ」
「やだ、おねがい!」
焦らされて、耐えられず、自分から気持ちのいいところへ当てようと、腰が動いてしまうのに、そんな僕の必死の努力も、アルが笑いながらいなしてしまう。アルが腰を引いたせいで、気持ちのいいところに届かなくて、逃がさないようにアル腰に足を絡めているのに、それでもうまく当たらない。
「ある、ちょうだい! おねがいだから」
「ユウ、愛してる」
それまでの穏やかさをかなぐり捨てて、アルが僕の一番感じるところを何度も何度も強く突いてきた。
欲しかったものが与えられたけど、こんなに暴力的な快感が欲しかったわけじゃない。
「ああああっ! まって、ああっ!」
「欲しかったんだろう。味わえ」
「やあああぁあっ!」
「逃げるな」
「あーーっ、だめ、そこ、だめ! あああぁーーーっ!」
愛してる、逃がさない、と言いながら、アルは僕を追いつめ続けるので、僕はただただ喘ぐことしかできない。
つれなくして、しばらく餌をあげずにいたせいでお腹を空かせた猛獣に、自分の身を捧げている。けれど、欲しがってもらえるのが嬉しい。
僕はずいぶんとタチの悪い猛獣使いなのかもしれない。
捕らわれたのは、どちらなのか。
逃げられないのは、どちらなのだろう。
――――――――――――
「世界を越えてもその手は 裏話」を更新しています。この章は5話あります。
「もう触ってるよ」
「いや、そうなんだが」
アルの膝の上に乗って、アルに抱きしめられている時点で、肌が触れ合っている。でもアルが言いたいのは、そういうことじゃないと分かっている。明るい日の光が差すお風呂の中、ちょっと恥ずかしくて、答えられなかっただけだ。
言葉にする代わりに、アルの首に抱き着いて唇へキスを贈り、アルを残して湯船から上がった。僕だって触れ合いたい。でも明るいところは恥ずかしい。身体を拭いてから、用意されていたローブを羽織って逃げるように部屋へと戻ると、追いついてきたアルに抱き上げられ、そのままベッドへと転がされて、上から押さえ付けられた。
「逃げるな」
「逃げてない」
「目を離すと、ユウはすぐに俺から逃げようとする」
そんなことないと言おうとして、そうかもしれないと思い直した。ドガイに行くたびに、僕はアルとの関係に悩んで、アルを遠ざけ、傷つけた。
「ごめんなさい」
「ユウは悪くない。カリラスに、ユウの不安を聞いて、解消しない俺が悪いと言われた」
「違うよ。それは」
「違わない。俺は、ユウがこの世界の人間ではないことをそんなに悩んでいるなんて、気づかなかった。多分、本当の意味でユウの不安を理解することはできない」
世界を越えるなんて、自分が体験したから信じられるけど、信じられなくて当然だ。ましてやまったく違う常識と慣習での生活なんて想像できない。アルが悪いんじゃない。
「それでも、分かり合いたいし、そばにいたい」
「僕もだよ」
「愛してる」
「僕も」
「言葉にしてくれないのか?」
カーテンも閉められていない明るい部屋の中、ベッドに押し倒された状態で、僕にはちょっと難易度が高い。思わず目が泳ぐ僕を見ていたアルが、くすりと笑って起き上がり、ベッドから降りた。
どこに行くのかと目で追っていると、寝室のカーテンを閉めて、ローブを脱いでベッドへとあがってきたアルと、目が合った。アルの体重でベッドが沈む、それを身体で感じるのが、なんだか生々しい。
「ユウ、言葉にして」
目が合ったまま視線を外さずに、僕へとのしかかってくるアルが、僕に愛の言葉を口に出せと強要する。視線の強さが、誤魔化すことを許してくれない。思わず目を閉じると、瞼にキスをして、俺を見て、とささやかれた。
逃げられない――
そんな言葉が頭に浮かぶ。きっとここで答えたら、二度と逃がしてもらえない。でも、逃げる必要があるのだろうか。
「愛してる。だから、僕のこと、逃げられないように捕まえていて」
「二度と逃がさないから、覚悟しろ」
静かな、けれど有無を言わせない強さで告げられた言葉を受け止めるよりも早く、アルがいつにない強引さでキスをして、その勢いのままに身体を暴かれた。
「ユウ、もう一度言って」
「あ、あいしてる、あいしてるから」
「愛してるからどうした?」
「ああっ、おねがい、もう、いかせて」
「まだだ。久しぶりなんだ。もう少し付き合え」
病み上がりなだけでなく旅の直後で疲れているだろうから一回だけ、とアルが言ったのに、その一回が終わらない。ゆるゆると追い上げられて、少しの刺激だけで上り詰める、そこまで追いつめられているのに、最後の最後でかわされてしまう。欲しいものがすぐそこにあるのに、触れることを許されない。あと指一本分伸ばせば届くのに、お預けされている。
「おねがいっ、あっ、そこもっと、んああっ」
「ユウ、必死で腰を振って、可愛いよ」
「やだ、おねがい!」
焦らされて、耐えられず、自分から気持ちのいいところへ当てようと、腰が動いてしまうのに、そんな僕の必死の努力も、アルが笑いながらいなしてしまう。アルが腰を引いたせいで、気持ちのいいところに届かなくて、逃がさないようにアル腰に足を絡めているのに、それでもうまく当たらない。
「ある、ちょうだい! おねがいだから」
「ユウ、愛してる」
それまでの穏やかさをかなぐり捨てて、アルが僕の一番感じるところを何度も何度も強く突いてきた。
欲しかったものが与えられたけど、こんなに暴力的な快感が欲しかったわけじゃない。
「ああああっ! まって、ああっ!」
「欲しかったんだろう。味わえ」
「やあああぁあっ!」
「逃げるな」
「あーーっ、だめ、そこ、だめ! あああぁーーーっ!」
愛してる、逃がさない、と言いながら、アルは僕を追いつめ続けるので、僕はただただ喘ぐことしかできない。
つれなくして、しばらく餌をあげずにいたせいでお腹を空かせた猛獣に、自分の身を捧げている。けれど、欲しがってもらえるのが嬉しい。
僕はずいぶんとタチの悪い猛獣使いなのかもしれない。
捕らわれたのは、どちらなのか。
逃げられないのは、どちらなのだろう。
――――――――――――
「世界を越えてもその手は 裏話」を更新しています。この章は5話あります。
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