捨てられたはずが、ハイスぺ幼馴染CEOの執着愛に囚われ逃げられない

sae

文字の大きさ
18 / 26
番外編

【書籍化記念SS】いっくんの愛は重い・1

しおりを挟む
 自分の身体を支えられなくなった凪沙が崩れるようにベッドに倒れ込んだらその上に被さるように一哉が肌を重ねてくる。

「んあ!」
「可愛い、凪沙」

 グッと奥に押しつけるように腰を入れてくるので凪沙の喉から声にならない声がこぼれた。

「っぁ!」
「今すごい締めたな。気持ちよかった?」
「ふ、ぁ、ぁっ」
「凪沙、こっち向いて」

 そう言って力をなくしかける凪沙の顔を一哉の手が持ち上げる。その長い指が首筋を支えながら息ごと飲み込むように凪沙のくちびるを塞いできた。

「ぁんっ」

 身体の中が燃えるみたいに熱い。ゆるい刺激を受けながら口の中で逃げ惑う凪沙の舌を追いかけるように一哉の熱い舌が絡め取っていく。貪るようなキスを繰り返されて凪沙の意識はゆらゆらと揺れ出して何も考えられなくなってきた。思考が飛びそうになったところにいきなり腹から持ち上げるように腰を浮かされて凪沙の目が覚める。

「ふああ!」
「今飛びかけただろ。だめだよ」
「んあ! いっくん、待ってぇ!」
「待たない」
「ふ、あああっ」
「もっと俺のこと感じてよ」

 そう言って一哉が耳元に囁きながら重く圧し掛かってくるので凪沙はまた息を詰まらせる。

「んあ、感じてるっ! 感じてるよぉ!」
「もっと」

 ――もっとぉ!?

「あん、あだめ、いっく、それだめ……っ!」
「なにがだめ?」

 中を刺激するように腹をググッと抑えられて凪沙は震える声をあげて抵抗するが一哉はそれをまるで無視してなんなら楽しそうに手に力を込めてくる。

「あん、や、あっ! むり、それだめぇ! ああん! いっくんがぁ!」
「そう、俺がここにいるの。わかるだろ? ちゃんと感じて」

 だから十分すぎるくらい感じている! と、言っているのになぜ一哉に伝わらないのか。いやきっと伝わっているのにそれを面白がるように一哉は毎度凪沙を攻め立てるのだ。

「ああんっ! イッちゃう! それされたらイッちゃうっ!」
「イッていいよ。可愛い凪沙」

 そのまま何度か果てさせられて最後はやっぱり気を飛ばして気づいたら朝になっていた。

 ◇

「最近、いっくんの愛が重いと思うの……」
「やだぁ~のろけぇ?」

 恥ずかしいはあってもそれ以上に体力的危機を感じて琴美に思わずこぼす凪沙がいる。最近の一哉から受ける愛の表現が露骨で執拗なのは凪沙にとって幸せではあるものの少し悩みの種でもある。

「凪沙たちは会えなかった五年間が長いじゃん。想いあっていても離れてもう会えないと思ってた切ない時間をこえて今があるわけでしょ? いっくんが重くなるの当たり前じゃない? むしろいいじゃーん。愛されてるってことで」

 琴美の冷やかすような言葉だがいたって真面目な表情で言われると、凪沙の方が顔を赤くしてしまう。

「もうちょっと、体力つけようかな……」
「それがいいね」

 それにも茶化さず真面目に返されてやっぱり頬を染めてしまう凪沙だ。そして紅茶を飲みながら琴美の指に光るあるものに目を奪われている凪沙の視線に今度は琴美が頬を染めた。

「えへへ」
「素敵。琴美の細い指によく似合ってる」
「本当? 婚約指輪なんか勿体ないからいいって思ってたんだけど……ちょうど誕生日前だからって買ってくれた」
「ねぇ、ちょっとよく見せて」

 そう言ったら恥ずかしそうで、でもとても嬉しそうに頬を緩めて手を差しだしてくる琴美。その左手の薬指にはキラキラと輝くエタニティリングが光る。照明の光を吸収するのか輝きは増し、見つめる凪沙の瞳さえもキラキラと反射される。

「素敵~」
「普段使いにもできるし重ね付けも出来そうで気に入ってる。ずっとつけてたい」

 そう笑う琴美の顔はいつも以上に可愛く見えた。
 琴美がついに結婚することになった。一番古くから付き合いのある琴美の結婚は自分のことのように嬉しい凪沙ではあるがそのせいで無駄に意識もしてしまった。

 想い続けた一哉と一度は離れた、そして五年ぶりの再会から今。幸せ過ぎるような一哉との甘い暮らしに満たされてそれ以上の欲などなかったのに。琴美が結婚することになって凪沙もまた一哉とのこの先を考えてしまう。

 ――いっくんと……結婚? 私が? いっくんのお嫁さん?

 幼いころから飽きるほど告げてしまったプロポーズ。幼かったから言えたのか。今とても言える気がしない。けれどその言葉は今度は一哉から言ってほしい……そう思うのは乙女の夢ではないか。そして今ならそれも叶うのかもしれないと凪沙は淡い期待を抱いていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

お兄様「ねえ、イケナイ事をしよっか♡」

小野
恋愛
父が再婚して新しく出来たお兄様と『イケナイ事』をする義妹の話。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【完結】妻の日記を読んでしまった結果

たちばな立花
恋愛
政略結婚で美しい妻を貰って一年。二人の距離は縮まらない。 そんなとき、アレクトは妻の日記を読んでしまう。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にエタニティの小説・漫画・アニメを1話以上レンタルしている と、エタニティのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。