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番外編
【書籍化記念SS】いっくんの愛は重い・1
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自分の身体を支えられなくなった凪沙が崩れるようにベッドに倒れ込んだらその上に被さるように一哉が肌を重ねてくる。
「んあ!」
「可愛い、凪沙」
グッと奥に押しつけるように腰を入れてくるので凪沙の喉から声にならない声がこぼれた。
「っぁ!」
「今すごい締めたな。気持ちよかった?」
「ふ、ぁ、ぁっ」
「凪沙、こっち向いて」
そう言って力をなくしかける凪沙の顔を一哉の手が持ち上げる。その長い指が首筋を支えながら息ごと飲み込むように凪沙のくちびるを塞いできた。
「ぁんっ」
身体の中が燃えるみたいに熱い。ゆるい刺激を受けながら口の中で逃げ惑う凪沙の舌を追いかけるように一哉の熱い舌が絡め取っていく。貪るようなキスを繰り返されて凪沙の意識はゆらゆらと揺れ出して何も考えられなくなってきた。思考が飛びそうになったところにいきなり腹から持ち上げるように腰を浮かされて凪沙の目が覚める。
「ふああ!」
「今飛びかけただろ。だめだよ」
「んあ! いっくん、待ってぇ!」
「待たない」
「ふ、あああっ」
「もっと俺のこと感じてよ」
そう言って一哉が耳元に囁きながら重く圧し掛かってくるので凪沙はまた息を詰まらせる。
「んあ、感じてるっ! 感じてるよぉ!」
「もっと」
――もっとぉ!?
「あん、あだめ、いっく、それだめ……っ!」
「なにがだめ?」
中を刺激するように腹をググッと抑えられて凪沙は震える声をあげて抵抗するが一哉はそれをまるで無視してなんなら楽しそうに手に力を込めてくる。
「あん、や、あっ! むり、それだめぇ! ああん! いっくんがぁ!」
「そう、俺がここにいるの。わかるだろ? ちゃんと感じて」
だから十分すぎるくらい感じている! と、言っているのになぜ一哉に伝わらないのか。いやきっと伝わっているのにそれを面白がるように一哉は毎度凪沙を攻め立てるのだ。
「ああんっ! イッちゃう! それされたらイッちゃうっ!」
「イッていいよ。可愛い凪沙」
そのまま何度か果てさせられて最後はやっぱり気を飛ばして気づいたら朝になっていた。
◇
「最近、いっくんの愛が重いと思うの……」
「やだぁ~のろけぇ?」
恥ずかしいはあってもそれ以上に体力的危機を感じて琴美に思わずこぼす凪沙がいる。最近の一哉から受ける愛の表現が露骨で執拗なのは凪沙にとって幸せではあるものの少し悩みの種でもある。
「凪沙たちは会えなかった五年間が長いじゃん。想いあっていても離れてもう会えないと思ってた切ない時間をこえて今があるわけでしょ? いっくんが重くなるの当たり前じゃない? むしろいいじゃーん。愛されてるってことで」
琴美の冷やかすような言葉だがいたって真面目な表情で言われると、凪沙の方が顔を赤くしてしまう。
「もうちょっと、体力つけようかな……」
「それがいいね」
それにも茶化さず真面目に返されてやっぱり頬を染めてしまう凪沙だ。そして紅茶を飲みながら琴美の指に光るあるものに目を奪われている凪沙の視線に今度は琴美が頬を染めた。
「えへへ」
「素敵。琴美の細い指によく似合ってる」
「本当? 婚約指輪なんか勿体ないからいいって思ってたんだけど……ちょうど誕生日前だからって買ってくれた」
「ねぇ、ちょっとよく見せて」
そう言ったら恥ずかしそうで、でもとても嬉しそうに頬を緩めて手を差しだしてくる琴美。その左手の薬指にはキラキラと輝くエタニティリングが光る。照明の光を吸収するのか輝きは増し、見つめる凪沙の瞳さえもキラキラと反射される。
「素敵~」
「普段使いにもできるし重ね付けも出来そうで気に入ってる。ずっとつけてたい」
そう笑う琴美の顔はいつも以上に可愛く見えた。
琴美がついに結婚することになった。一番古くから付き合いのある琴美の結婚は自分のことのように嬉しい凪沙ではあるがそのせいで無駄に意識もしてしまった。
想い続けた一哉と一度は離れた、そして五年ぶりの再会から今。幸せ過ぎるような一哉との甘い暮らしに満たされてそれ以上の欲などなかったのに。琴美が結婚することになって凪沙もまた一哉とのこの先を考えてしまう。
――いっくんと……結婚? 私が? いっくんのお嫁さん?
幼いころから飽きるほど告げてしまったプロポーズ。幼かったから言えたのか。今とても言える気がしない。けれどその言葉は今度は一哉から言ってほしい……そう思うのは乙女の夢ではないか。そして今ならそれも叶うのかもしれないと凪沙は淡い期待を抱いていた。
「んあ!」
「可愛い、凪沙」
グッと奥に押しつけるように腰を入れてくるので凪沙の喉から声にならない声がこぼれた。
「っぁ!」
「今すごい締めたな。気持ちよかった?」
「ふ、ぁ、ぁっ」
「凪沙、こっち向いて」
そう言って力をなくしかける凪沙の顔を一哉の手が持ち上げる。その長い指が首筋を支えながら息ごと飲み込むように凪沙のくちびるを塞いできた。
「ぁんっ」
身体の中が燃えるみたいに熱い。ゆるい刺激を受けながら口の中で逃げ惑う凪沙の舌を追いかけるように一哉の熱い舌が絡め取っていく。貪るようなキスを繰り返されて凪沙の意識はゆらゆらと揺れ出して何も考えられなくなってきた。思考が飛びそうになったところにいきなり腹から持ち上げるように腰を浮かされて凪沙の目が覚める。
「ふああ!」
「今飛びかけただろ。だめだよ」
「んあ! いっくん、待ってぇ!」
「待たない」
「ふ、あああっ」
「もっと俺のこと感じてよ」
そう言って一哉が耳元に囁きながら重く圧し掛かってくるので凪沙はまた息を詰まらせる。
「んあ、感じてるっ! 感じてるよぉ!」
「もっと」
――もっとぉ!?
「あん、あだめ、いっく、それだめ……っ!」
「なにがだめ?」
中を刺激するように腹をググッと抑えられて凪沙は震える声をあげて抵抗するが一哉はそれをまるで無視してなんなら楽しそうに手に力を込めてくる。
「あん、や、あっ! むり、それだめぇ! ああん! いっくんがぁ!」
「そう、俺がここにいるの。わかるだろ? ちゃんと感じて」
だから十分すぎるくらい感じている! と、言っているのになぜ一哉に伝わらないのか。いやきっと伝わっているのにそれを面白がるように一哉は毎度凪沙を攻め立てるのだ。
「ああんっ! イッちゃう! それされたらイッちゃうっ!」
「イッていいよ。可愛い凪沙」
そのまま何度か果てさせられて最後はやっぱり気を飛ばして気づいたら朝になっていた。
◇
「最近、いっくんの愛が重いと思うの……」
「やだぁ~のろけぇ?」
恥ずかしいはあってもそれ以上に体力的危機を感じて琴美に思わずこぼす凪沙がいる。最近の一哉から受ける愛の表現が露骨で執拗なのは凪沙にとって幸せではあるものの少し悩みの種でもある。
「凪沙たちは会えなかった五年間が長いじゃん。想いあっていても離れてもう会えないと思ってた切ない時間をこえて今があるわけでしょ? いっくんが重くなるの当たり前じゃない? むしろいいじゃーん。愛されてるってことで」
琴美の冷やかすような言葉だがいたって真面目な表情で言われると、凪沙の方が顔を赤くしてしまう。
「もうちょっと、体力つけようかな……」
「それがいいね」
それにも茶化さず真面目に返されてやっぱり頬を染めてしまう凪沙だ。そして紅茶を飲みながら琴美の指に光るあるものに目を奪われている凪沙の視線に今度は琴美が頬を染めた。
「えへへ」
「素敵。琴美の細い指によく似合ってる」
「本当? 婚約指輪なんか勿体ないからいいって思ってたんだけど……ちょうど誕生日前だからって買ってくれた」
「ねぇ、ちょっとよく見せて」
そう言ったら恥ずかしそうで、でもとても嬉しそうに頬を緩めて手を差しだしてくる琴美。その左手の薬指にはキラキラと輝くエタニティリングが光る。照明の光を吸収するのか輝きは増し、見つめる凪沙の瞳さえもキラキラと反射される。
「素敵~」
「普段使いにもできるし重ね付けも出来そうで気に入ってる。ずっとつけてたい」
そう笑う琴美の顔はいつも以上に可愛く見えた。
琴美がついに結婚することになった。一番古くから付き合いのある琴美の結婚は自分のことのように嬉しい凪沙ではあるがそのせいで無駄に意識もしてしまった。
想い続けた一哉と一度は離れた、そして五年ぶりの再会から今。幸せ過ぎるような一哉との甘い暮らしに満たされてそれ以上の欲などなかったのに。琴美が結婚することになって凪沙もまた一哉とのこの先を考えてしまう。
――いっくんと……結婚? 私が? いっくんのお嫁さん?
幼いころから飽きるほど告げてしまったプロポーズ。幼かったから言えたのか。今とても言える気がしない。けれどその言葉は今度は一哉から言ってほしい……そう思うのは乙女の夢ではないか。そして今ならそれも叶うのかもしれないと凪沙は淡い期待を抱いていた。
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