厄災烙印の令嬢は貧乏辺境伯領に嫁がされるようです

あおまる三行

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11.甘える

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 それからの日々は、また少しずつ変わっていった。
 私が提出した書類整理の案や、生活費の管理方法が思いのほか役立ったらしく、辺境伯様は領内の課題について、これまで以上に具体的な意見を求めてくださるようになった。

「この地区の交易路は、積雪で閉ざされると聞きました。ならば、冬季のための備蓄庫を――」
 私が言いかけると、辺境伯様は静かに頷いた。
「続けてほしい」
 真っ直ぐな視線が、いつも胸の奥を温かくする。
 意見はすべて丁寧に聞かれ、必要とあらば検討され、実際に採用されていった。
 いつしか、私は辺境伯夫人としての仕事を正式に担うようになっていた。
 
 そして、冬の午後のお茶の時間は、いつからか当たり前の習慣になった。
 外は風が唸り、雪が窓を白く染めている。
 部屋の中だけは、湯気の立つ香りと、安らぎに包まれていた。
 向かい合ってお茶を飲む。
 ほんの小さな音だけが静寂を満たす。
 けれど、沈黙は重くない。ただ温かい。

 ある日、カップを取ろうとした拍子に、指先が触れ合った。
 驚いて息を呑む。
 ほんの一瞬の触れ合いなのに、体温が指先から心臓まで駆け上がっていく。
 辺境伯様も、わずかに瞳を揺らした。
 すぐに手を引かれるわけではなく、ただ、静かにそのまま触れていた。
 私は抵抗しなかった。
 緊張で喉が渇くのに、遠ざかりたいと少しも思わなかった。

 また別の日。
 ページの端を指で示すとき、手の甲にそっと触れた。
 暖炉の火がぱちりとはぜる。
 互いに言葉を失うが、逃げようとはしなかった。

 気づけば、触れることは特別な出来事ではなくなっていた。
 けれど、慣れることもなかった。
 触れるたびに、どうしようもなく胸が鳴る。

 
 騎士団とともに鍛錬する辺境伯様に、カイネとイリアの提案に乗って、間食を差し入れたこともあった。
 騎士たちは私にも丁寧に接してくれた。トトリという騎士が、今は騎士団長を務めていると聞いた。
 おっとりとした様子のトトリは、団長ではあるけれど、辺境伯様には勿論かなわないし、騎士としての実力はセレスやジークの方が上だと笑っていた。
 私の護衛を務めてくれているのは基本的にセレスだ。いつも、凛とした立ち姿の女性騎士。
 ジークは隠密行動に長けていると聞いたけれど、一度もしっかり顔を合わせられたことがない。
「昔から照れ屋な、皆の弟分なんですよぉ」とトトリはのんびり教えてくれた。

「昔から……」
 孤児だったのを拾われて仕事を与えられたと、以前聞いたことはあったけれど。
 イリアはうなずき、控えめに続けた。
「私たちの大半は、同じ孤児院の出身ですから。以前お話した通り、身寄りをなくしていたところを、旦那様が引き取ってくださったのです」
「カイネは昔から俺たちの兄貴分だったんですよぉ。旦那様との最初の交渉もカイネが、ね」
 トトリのまったりとした言葉を遮って、カイネは少し照れくさそうに頭を掻いた。
「そんな大したもんじゃない……いわゆる拾われた命ってやつだ。旦那様が現れなきゃ俺らは死んでましたよ」
 イリアがくすりと笑った。
「トトリも今は騎士団長ですが、昔から喧嘩の仲裁が上手で。セレスは曲がったことが嫌いで強くて……でも、旦那様には今も敵わないと溢しています」
「そうそう、ジークは昔から人付き合いが苦手で、始終物陰に隠れてましたね~。今は隠密として重宝されてますけど。苦手は得意に変わりますねぇ」
 語る声に、穏やかな誇りがにじむ。
「この屋敷には、旦那様に人生を救われた人がたくさんいます。だからこそ、支えたいと願うのです」
 胸の奥に、あたたかな重みを感じた。
 ――ここには、深い絆がある。
 ――そして、私もその輪に加わっていいのだろうか。
 そんな思いに囚われていると、隣で辺境伯様が静かに言った。
「……俺は場所を与えただけだ。ついてきてくれているのはお前たちで……故に、感謝している」
「……」
「感傷に浸っている暇はない」
 辺境伯様は咳払いして、私から目を逸らす。
 勝手に訓練中に押しかけて話の中に入って、迷惑をかけたかと思ったが、「気恥ずかしくていらっしゃるだけだと思います」とイリアは端的に言う。
「早く来た春ですなぁ」とトトリが言いながら、訓練用の木刀に丁寧にヤスリをかけていた。
 
 そんな日々を過ごしていた。



 
 ある日。
 冬の午後は、深い静寂に包まれる。
 暖炉の火がぱちぱちと小さく弾けて、部屋の空気をほんのりと甘く温めていた。
 書類を届けようとして、応接室の扉をそっと開けたとき。
 空気の中に漂う匂いに、足が止まった。
 蜂蜜と、焦がした麦の香り。どこか懐かしい香りだった。
 視線の先、窓辺のテーブルに、小さな紙包みが置かれていた。
 中身は、丸く固められた素朴な蜜菓子。
 見た目は療養用の薬菓子に近いが、表面にほのかな砂糖の光がある。
「……?」
 執務室の机には、辺境伯様が座っていた。
 指先でひとつつまみ上げ、ほんの少し躊躇うように口へ運ぶ。
 扉の軋みに気づき、辺境伯様の肩がびくりと跳ねた。
「……ルーチェ嬢」
 こちらを見た彼は、まるで秘密を見られた子供のように固まった。
 それから急に話し出す。
「これは補給用の栄養菓だ。警備隊の疲労回復に使う分を……成分を変えたと聞いたから。確認していた」
「は、はい……」
 私は何も言っていないのに、言い訳のように、らしくもなく少し早口で。
(そう言えば)
 以前、帳簿を整理したとき、私は何度か気になっていた。
 私費という名目で、少額の出費が年に二、三度、規則的に続いていたこと。
 金額は大きくないし、用途欄には何も書かれていなかった。
 辺境伯様も何か嗜好品を買われることくらいあるだろうと、忙しくても一息つく時間はあるのだろうかと、寧ろ微笑ましく思っていた。

 補給用の物資の確認。そこにきっと、嘘はないのだろう。
 けれど、私は言葉にした。 
「……お好きなのですね、甘いもの」
 囁くと、彼は一瞬だけ目をそらした。
 耳の先が、わずかに赤く染まっていく。
「いや、まさか……」
「……私も甘いものは好きです」
「……」
「そのお菓子は私も好きです」
「……」
「辺境伯様」
「……」
「そう言えば帳簿を見せて頂いたのですが、辺境伯様が爵位を継承されて以来、極少額の私費について、用途が不明の箇所がありました」
 そこまで言うと、辺境伯様はぐっと言葉に詰まっていた。
「ルーチェ嬢。あなたはなかなか、恐ろしいな」
「……厄災の烙印以外でそう仰って頂いたのは、初めてです。辺境伯様」
 辺境伯様は大きく溜め息をついた。
「……失態だな。碌でもない姿を見せた。領主なら嗜好品など買うべきじゃない。浪費だ。倹約を推奨している俺の立場で、こんなものに気を取られるなど……」
「浪費だとは思いません」
 言葉が自然に重なった。
 自分でも驚くほどまっすぐに。
「甘いものは、心を温めます。苦しい時でも、ひと口で呼吸が戻ることがあります。辺境伯様の理想はわかりますが、少しくらい……私は寧ろ、召し上がってほしいと思います」
 沈黙が落ちた。
 蜜の香りが、やわらかく揺らぐ。
「……笑わないのか」
「笑いません」
 きっぱりと言い切ってから。
「……でも少し、可愛らしいとは、思ってしまいました。どうかお許しください」
 言ってしまった。
 逃げ道が消え、胸が熱くなる。
「かわ……?」
 まるで理解できない様子で私を見る。
 なんだか悔しいような気分になって、もう一度言った。
「辺境伯様は、かわいいと、思いました……!」
 そう言うと、辺境伯様はちらと窓に映る自分自身の姿を見た。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……変わった感覚の女性だな、あなたは」
「そうなのでしょうか」
 
(……守って差し上げたくなった、と言ったら、烏滸がましいかしら)
(でも――私はきっと、辺境伯様に守られたいだけじゃない)
 この人の隣に、ちゃんと立ちたい。
 誰より重い責任を抱えてきた背中を、少しでも支えたい。力になりたい。――守って差し上げたい。

 そう願っている自分に気づいたのは、多分この時だった。


 
 積み上げられた書類の上に、蝋燭の炎が揺らいでいる。
 ダリウスは視線を文字へ落としたまま、ふと手を止めた。

 ――取り乱した。失態だった。
 素朴な焼き菓子の包みを、彼女に見つけられた瞬間の感覚が、まだ体の奥に残っている。
 まともに目を合わせられなかった。
 情けなくて、みっともなくて、穴があったら入りたいほどだった。

 幼い頃から、甘い味は好んでいた。子供の時分のことは流石に許してほしい。
 ただ、この歳になってもその癖が抜けない。
 奪われ、失い、耐え続けてきた日々の中で、時折、口にしていた。思考を切り替えるための手段だと言い聞かせていた。
 貧しい領の主として贅沢はできない。
 だからほんの少し、安い、けれど温かい甘味を――その時間だけは、誰にも見せずに過ごしてきた。
 使用人たちに見られた時には、糧食の確認だと言って過ごしてきた。

 それなのに。
 彼女の、驚きと、とまどいと、なぜだか、柔らかい温度を含んだ瞳。
 恥ずかしさと同時に、何故か安堵していた。
 否定も嘲りもなかった。
 ただ、穏やかに受け取られた。
 領主として弱さを見せるなど、許されないと思っていた。
 だが――

 思考がそこに至った瞬間、息を呑んだ。
 指先に力がこもる。
(何を考えている)
 軽々しく触れてよい想いではない。
 ルーチェはこの家の安らぎをようやく得たばかりだ。
 自分の勝手な感情で乱してよいはずがない。
 だいたい、金のための結婚だと彼女に宣言したのは自分の方だ。
 それでも胸の深いところで、ひどく静かで、抜き差しならない衝動が、脈打っていた。

 ――あの笑みを、もう一度見たい。

 その望みを、否定しきれなかった。
 否定しきれない自分に気づき、さらに胸が痛んだ。
 ダリウスは小さく目を閉じた。
 灯火が揺れ、机の上で影が震えた。夜は深まり、静寂はさらに濃くなる。
 けれど思考だけは、どうしても止まらなかった。



 執務室の暖炉は静かに炎を揺らし、薪の崩れる音だけが室内を満たしていた。
 ダリウスは机に肘を置き、珍しく言葉を探すように沈黙したまま視線を落としている。

 呼び出されたカイネとイリアは、ただならぬ空気に息をつめた。
「……相談がある」
 低く、迷いを含んだ声。
 普段の毅然とした声音とは違っていた。
 二人の背筋が自然と伸びた。
「なんなりとお命じください。旦那様」
「どんなことでも、我々はご判断に従います」
「頼もしいな。……いや、そう、深刻な話ではない。……いや、うん、真剣ではあるのだが」
 珍しく歯切れが悪い。
 様子が違うことに気づいたイリアとカイネは顔を見合わせた。
「……ルーチェ嬢に、何か贈りたいと思っている」
 二人の肩がわずかに揺れる。
「それで、意見を聞きたい。女性への贈り物というものが、……その、作法が、どうにも分からない」
 強いて事務的に、普段領内の統率について語る時の口調になろうとしているようだ。
 慣れない言葉に苦戦している様子が、かえって真剣さを滲ませていた。
「……」
 長い沈黙ののち、カイネが顔を上げる。
「使用人と騎士団全員を集めて意見交換会をしましょうか」
「絶対にやめてくれ」
 食い気味に遮られる。
「なぜですか」
「俺に耐えられる気がしない」
 珍しく露骨に困っている。カイネの提案が冗談とも気づかないようだ。
 イリアが口元に手を当て、けほんと咳払いをした。
「でしたら、ルーチェ様に直接お尋ねになればよろしいのでは。欲しいものを伺うのが一番確実です」
「……無理だ」
 即答。
 イリアはきょとんとしている。
「無理、とは……?」
「彼女に聞こうとはしてみた。だがいざ言おうとすると、何故か言葉がまとまらない。領地に関することなら問題なく話せるんだ。だが……」
 イリアは小さく肩を震わせ、カイネは視線をそらしながら息を詰まらせる。
 二人の目が合った。
 声は出さない。
 ただ、長い付き合いでしか交わせない沈黙の会話が流れる。
 そこには、心からの安堵と、ほんの少しの誇らしさがあった。

 かつてイリアとカイネが、孤児たちの中で肩を寄せ合っていた頃。
 そこへ突然現れた少年――まだ爵位を継承する前のダリウスが、そこにいた身寄りのない者たちを雇い入れた。
 古くても清潔な制服と寝床を与え、教育を施し仕事を得させ、生きていけるようにしてくれた。
 その日以来、彼は主でもあり、恩人でもあり……僭越を許されるのなら、二人にとって父や兄のような存在だった。
 それは他の使用人も、騎士も、多くが同じだ。

 今、その男が誰かのためにこんなふうに迷っている。
 胸の奥が温かくなった。
「……頼む。意見をくれ。何を贈るべきだと思う」
 視線を戻したダリウスに、イリアが静かに答える。
「形に残るものが良いかと存じます。身につけられれば尚良いでしょう」
「指輪でしょうかね。一般的には。旦那様の立場なら、贈ってよろしいかと。そろそろ婚姻申請の手続きも通る頃でしょうし、ちょうどいいのでは?」
 カイネが腕を組む。
「指輪か……」
 その言葉を噛みしめるように、ダリウスはゆっくりと息を吐いた。
「指輪なら、どこで作るかですねぇ」
 カイネは火のはぜる音を聞きながら視線を巡らせる。
「王都に頼むより、領内で作った方が良いでしょうね。細工の腕は、こちらの方が確かですし」
「旦那様が以前、産業発展のために援助された細工職人がいます。旦那様のお役に立てる日を心待ちにしていると、常日頃から言っているとか」
「……そうか」
 華美な装飾ではないが、ヴァルト辺境伯領の工房で手がけられた飾り細工は、かなりの高値で取引されている。
 ただ、その性質故に大量に生産することはできず、利益も細々としたものだった。どちらかと言えば、魔道具の細かな部品や武具を中心的に生産している工房の方が多い。
 この土地では、派手さよりも強さと丁寧さが求められる。
 結果として、精密で長持ちする防具や装飾具の飾り打ちの技術もまた、育っていた。
「成程な」
「ルーチェ様の指輪のサイズは私の方で調査致します。身支度のついでにでも」
「……助かる」
 ダリウスは指先で机を小さく叩き、思案する。
 雪嵐の音のような重い沈黙が、暖炉の火に照らされて揺れた。
「ただ問題は、どんな意匠にするかでしょう」
 イリアが囁くように付け加えた。
「そうだな、縛るような形にはしたくない……彼女には、自由でいてほしい」
 暖炉の火がぱちりと弾けた。
「とにかく、気負わせないものがいい。寄り添えるような……彼女を守れるような……もう少し、考える」

 椅子に背を預け、短く息を吐く。
 その声音は、決意を秘めていた。
 カイネもイリアも、同時に目を伏せた。
 その横顔は、どこまでも静かで、あたたかかった。
 カイネとイリアはそっと視線を交わし、小さく深く頷きあった。
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