【本編完結】厄災烙印の令嬢は貧乏辺境伯領に嫁がされるようです

あおまる三行

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光と影が交差する芽吹きの章

38.酔いに紛れて

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 舞踏会の会場を、カイネは辺りを見回しながら歩いていた。
 ダリウスとルーチェが踊っていた姿を思い出し、満足げに溜め息をつく。
 ダリウスは相変わらず表情が大きく変わる男ではないが、あの柔らかい視線は隠しようがない。
 ルーチェもまた、周囲の視線など意に介さず、まっすぐに彼だけを見ていた。
 噂だの偏見だの、そんなものは二人の間には入り込む余地もないらしい。
 守るべき主が、ああして堂々と幸せそうにしていた。
(執事として従者として、ほんと、報われる話だよ)
 
 視線を巡らせる。
 そして、壁際に立つ一人の女性を見つけた。
 ユフェミアだ。
(いたいた。なんだ、やっぱり心配することじゃなかったな……)
 琥珀色のドレスに身を包み、賑やかな広間から一歩引いた場所で、壁にもたれて静かに杯を持っている。
 少し酔っているのかもしれない。頬が色づいていた。
 その佇まいは、どうしても目を引く。
 灯りを受けた亜麻色の髪と、伏し目がちな淡い紫の瞳が、どこか儚げに見えた。

 しかし、案じていたのとは別のことが起こった。
 カイネの耳に、近くの貴族たちのひそひそ声が届く。

「……あの女、やけに寂しそうじゃないか」
「一人でいるのが似合わない美人だな」
「壁の花にしておくには、惜しいだろう」

 少し酒が入っているのが声の調子でわかる。
 嫌な感じがして、カイネは足を止めた。
(……やだね、全く。確かにユフェミア嬢が捨ておけないほどの美人であることは否定しない。否定しないが、それなら尚更、鏡を見てわきまえろ、と俺は思うがね……)
 案の定、数人の男たちがユフェミアを囲んでいた。
 踊りませんか、と、断られることなど考えていない声。
 せっかくの夜会ですから、と距離を詰める仕草。
 ユフェミアは微笑んでいる。
 だが、それは歓迎の表情には見えなかった。
「申し訳ありません、今夜は――」
「一曲くらい、いいでしょう?」
 誘いに応じる様子はない。
 しかしユフェミアは、はっきりと突き放すこともしていない。
 その場を離れようともせず壁にもたれ、ほのかに色づいた頬を扇子で隠している。
 潤んだ淡紫の瞳で困ったように男を見上げる姿は、見ようによっては誘っているようだ。
 カイネは少々、不思議な気がした。
(彼女なら、もうちょっと卒なく場を離れそうなもんだが。……調子でも悪いのか?)
 こういう場面の切り抜け方を、寧ろルーチェに指導している姿こそ見慣れていたというのに。
 
 ユフェミアが強く拒めないでいる様子が、逆に男たちをつけ上がらせている。
 焦らしている、と取られたのだろう。
 ユフェミアを隠すように取り囲んだ男たちがごそごそと、何やら口々に囁きかけている。
 流石にユフェミアは流石に顔を背けていた。
「すみません、私、少し酔っていますから」
「構いませんよ、寧ろ」
 今にも手を掴まれかねない様子。

 ――立ち入った行動ではある、と一瞬思った。
 しかし、カイネは肩をすくめ、迷いなく歩み寄った。
「や、失礼!」
 明るい声で割って入る。
 男たちが振り返った瞬間、にこやかながらも一切の隙を見せない笑みを浮かべた。
「恐れ入ります、――お嬢様、火急の用が」
「え?」
「こちらから呼び戻すよう、旦那様より仰せつかっています」
「なんだお前は、無礼な」
「いやぁ、申し訳ございませんね!しかし、主人の命でございまして!」

 大きな声を出したカイネに、周囲の視線が向く。
 男たちは顔を見合わせる。
 周囲の人々の視線と、カイネの服の胸元についた辺境伯家の徽章に、舌打ちまじりに身を引いた。
 完全に不満そうだが、これ以上は踏み込まない。
 
 壁にもたれたユフェミアに、カイネは手を差し出し小声で囁いた。
「差し支えなければ、杖代わりに」
「……すみません」
 半ば当てずっぽうだったが、ユフェミアはやはり体調が万全ではないらしい。
 カイネの腕を取って歩き出した歩幅が、わずかに不揃いだった。
 普段なら決して崩れないはずの背筋も、ほんの少しだけ力が抜けている。
 人目には優雅な立ち居振る舞いの範疇だが、長くそばにいる者にはわかる程度の変化だった。

「……ユフェミア嬢。大丈夫ですか」
 離れたのを確認してから、カイネはユフェミアに向き直る。
 名を呼ぶと、彼女ははっとしたようにカイネを見上げた。
「ええ。ありがとうございます、カイネ。助かりました」
 声はいつも通り柔らかい。
 だが、瞳の奥に、かすかな揺らぎがあった。
「体調、あんまり良くなさそうに見えますけど」
 一瞬だけ、言い淀むような間があった。
 それからユフェミアは小さく息を吐き、困ったように微笑んだ。
「……少し前に、お話していた殿方にすすめられた飲み物が、思ったより強いお酒だったようです。酒精は入っていないと言われたのを信じてしまったのが、愚かでした」
「はあ⁉︎なんて真似を……」
「大丈夫です、その方とはすぐに距離を取りましたし……立ってはいられましたから」
「その言い方って、あんまり大丈夫じゃない時のやつですよね」
 ユフェミアは苦笑する。
「こんな初歩的な失敗をしてしまうなんて、情けなくて……それにルーチェ様の周囲でだらしのない姿はお見せできませんから、少し離れておりました」

 その言葉に、カイネは思わず眉をひそめた。
「誰もそんなことで評価下げたりしませんって」
「……いいえ。たとえ少しでも、埋められる隙は埋めなければ」
 ユフェミアの声は静かだったが、譲らない強さがあった。
 カイネは軽く肩をすくめる。
「わかりました。じゃあ、ちょっとだけ俺の言うことも聞いてもらいましょうか。旦那様と奥様が心配されているのは事実です。あの手の連中はまた沸いてくるでしょうし、離れて少し風にでも当たりましょう」
 ユフェミアは一瞬きょとんとした顔をし、それから、ほっとしたように目を伏せた。 
「……ありがとうございます。では、少しだけ」
 その笑みが、先程よりもわずかに柔らいだのを、カイネは見逃さなかった。
 歩調を合わせながら、さりげなく彼女の様子を見守る。
 無理に支えることはしない。ただ、何かあればすぐに手を出せる距離を保ちながら。
「はい。……ご迷惑をおかけします」
「とんでもない。ユフェミア嬢の護衛を務められるなんて、役得ですよ」
 そう言って笑うと、ユフェミアは少し驚いたように目を瞬かせ、やがて小さく頷いた。
 その表情に、先ほどまでの張り詰めた色は、もうほとんど残っていなかった。


 夜風の通るバルコニーに出た途端、二人は顔を見合わせて、思わず小さく笑った。
 あれほどの喧騒から逃げ出してきたのが可笑しくて、同時に、無事に抜け出せた安堵もあった。

 カイネは手すりに片肘をついた。
「はー、ここは空気が良いですね」
「ええ、本当に」
 ユフェミアも並んで手すりにもたれていた。
 先ほどまで囲まれていたユフェミアの姿を思い出し、胸の奥に残るざらついた感覚を、夜気に紛らわせる。
「はい、どうぞ」
 通りすがりに拾っておいた水のグラスを手渡す。
「……すみません。何から何まで」
「いえいえ。俺も少々休みたいですし」
 そう言って、首元を少し緩めた。
 


 
 
 ――しばらくして。
「……顔色、だいぶ戻りましたね」
 水を飲むにつれて、彼女の呼吸が整っていくのがわかる。
 先ほどまでの、今にも折れそうな緊張は薄れ、背筋も自然に伸びていた。
「ええ……情けないところをお見せしました」
「別に。俺、こういう役回りには慣れてますんで」
「そうなのですか?」
「これでも頼れる兄貴分ですよ。昔々、孤児院にいた頃に流行風邪で全員倒れた時なんてもう。熱出しながら全員分の飯作ってたんですから」
「……た、大変でしたね、それは」
「ユフェミア嬢にそう仰って頂けるなら、かつての苦労も報われるってもんです」
 冗談だとわかるように大袈裟に嘆いてみせる。
 肩をすくめると、ユフェミアはくすりと笑った。
 その笑みが、思ったよりもずっと柔らかくて、カイネは一瞬、言葉を失う。

 思うに、彼女も相当緊張していたのではないだろうか。
 自分たちの中で一番こういう場に慣れていると言っても、緊張がなくなるわけではないだろう。
 壁際に立っていたときの彼女は、確かに美しかった。だが同時に、周囲から切り離されたような、危うさもあった。
 
「だから……ほら、ここは俺しかいませんから。少しくらい、力を抜いても大丈夫ですよ。今は」
 そう言うと、ユフェミアは不思議そうにこちらを見た。
 淡い紫の瞳が、夜の光を映して揺れる。
「力を……?」
 まるで、わからないという様子だ。
 予想していたのと違う反応に、カイネは頭を掻いた。
「いやその……なんと言いますか」
「ああ成程。「安心して良い」と、仰ってくれたのですね」
 ぽん、と手を叩いたユフェミアに、目を逸らすしかない。
「……そうはっきり言葉にされると照れるんで、よしてくださいよ」
「ふふっ」

 調子を取り戻したらしいユフェミアは、優雅に微笑む。まるで格好つけた子供をあやすように。
 ――あ、そういや、俺の方が年下だったな。
 さっきから自然と前に出て、守るだの連れ出すだの、すっかり兄ぶった振る舞いをしていたことに気づいて、内心で苦笑する。
 癖のようなものだ。イリアやセレスや……他の幼馴染たちといると、どうにも兄の立場に自分を置いてしまうから、そのせいだ。
 カイネは横目でユフェミアを見る。
 淡い紫の瞳は夜を映して静かで、長い睫毛の影が白い頬に落ちている。
 儚げ、と言われる理由はよくわかる。
 少し距離を取って立っているだけで、ひとり取り残されたように見えてしまうのだろう。
 カイネは少しだけ視線を逸らし、頭の中で反省する。
(年下のくせに、つい癖で兄貴面しちまう。この人も、そう年上って雰囲気がないし……気をつけないとな)

「……それにしても、カイネは王都の社交界は本当に初めてですか?」
 ユフェミアが素直な感想を漏らす。
「どうしてそう思いました?」
「いえ……王都に来た時からずっと思っていたのですが……想像していたよりずっと、自然体で振る舞っているから」
「はは、惚れ直して頂いて結構ですよ。……というのは冗談で。旦那様のお供をするなら、必要そうなことは一通り、卒なくできないとって、必死こいて勉強しただけです」
 カイネは軽く肩をすくめた。
「旦那様の横に突っ立ってるだけじゃ済まない場面もありますから。……あとはあんまり、緊張が顔に出ないタイプなんですかね」
 その言葉に、ユフェミアは小さく笑う。
 夜風が亜麻色の髪を揺らし、淡い月明かりが白い肌を照らした。

「それに、これでも俺の父は王都の、……商人だった……ので。……身分の高い方の前に出る時の訓練を、幼い頃にちょっとばかり、受けた経験があります」
「まあ……そうでしたの」
「……いや、そんなことは、どうでもいい話です……その後は辺境で無学な庶民生活ですよ。旦那様に拾ってもらうまではね」
 少しばかり苦い思いを抱えながら、強いて笑って、ひらひらと手を振った。

 そしてカイネはふと、庭園の方を見た。
 目の端に何かが走った気がしたのだ。

 月明かりに浮かぶ小径を、誰かが駆け抜けていく。

「……あ?」

 ――イリアだ。
 
(……何やってんだ?あいつ)

 イリアは逃げるような足取りで走っている。
 
 思わず眉を寄せる。
「……カイネ?」
「いや……今、下に、イリアの奴が」
「まあ」
 その横で、ユフェミアが小さく息を呑んだ。
「あら……あれは、リヒト卿ではありませんか」
 彼女の視線の先、木立の陰に一瞬だけ見えた人影。
 確かに、背格好はリヒトに似ていた。
「え」
「どうしたのでしょう……」
 庭園にはちらほらと、逢瀬を楽しむ男女の影。
「え、いや……まさか、だよなぁ……」
 カイネが言い淀むと、ユフェミアははっとしたように彼を見る。
 
 次の瞬間、耳まで真っ赤に染めて、慌てて首を振った。
「ち、違いますよね? まさか、リヒト卿がそんな……! あ、あの方は紳士ですし、何かするなんて――」
 言葉がどんどん早くなっていく。どうやら、思考が盛大に先走っているらしい。
 らしくもない慌てた振る舞いに、却ってこちらの方が冷静になってしまった。
「いや、俺もそんなことは流石に、思ってませんけど」
 即座に否定しつつ、カイネは内心で別のことを考えていた。
 ――何かあったのは、たぶん間違いない。
 イリアのあの顔。普段と変わらない無表情だが自分には分かる。あれは相当焦っていた。
 ぱっとユフェミアの方を振り返る。
 
「俺らも戻りましょう。旦那様たちの方に何かあったとか、リヒト卿から聞いたのかも」
「そ、そうですね」
 ユフェミアが胸を押さえて呼吸を整えている。

「ごめんなさい、私ったら状況も考えずに、はしたない妄想を……」
「はは、まあ、酔いのせいですよ」
「忘れてくださいませ……」
 本気で恥ずかしそうだった。
(いつもは優雅な美人って感じだけど。今は、可愛いな、この人)
 無意識にそう考えてから、僭越な感想だったと自分の思いに蓋をする。
 たった今感じたことを隠すように、ユフェミアの恥ずかしさを少しでも減らせるように。
 カイネも少し大きな声で冗談を口にした。
 
「まあ、俺だって、ほんとにリヒト卿がイリアに軽々しく手ぇ出してたら、うっかり殺しかねませんし!危ないところでした」
 冗談めかして言うつもりが、途中からやけに真剣な声音になっていた。

(実際、リヒト卿だってルーチェ様の件では旦那様を殺しかねない有様だったしなぁ)
 イリアはカイネにとっては大切な幼馴染だ。
 イリアは絶対に認めないだろうが、兄妹のような――もしかしたら、兄妹よりも近しい存在だと思っている。
 軽々しく扱われているのなら、断固として許してはならないし、代わりに戦う気はあった。
 
「……」
 ユフェミアは、ふと寂しそうに微笑んだ。
「……カイネはイリアのことが本当に大切なのですね」
「え?まあ……そりゃあ大切ではありますよ、幼馴染ですからね。今は同僚でもありますが」
「いつも、仲が良いから羨ましいです」
「ははっ、イリアの奴は絶対認めませんよ。「あなたに心配されるほど落ちぶれてない」って足を踏んで――」
「……そういうところが、仲が良いのだと思いますよ」
 なぜか、少し感情を押さえた声色に聞こえた。

「まあ……とりあえず」
 カイネは軽く息を吐いた。
「後でイリア捕まえて、話聞かないとですね」
「ええ……そうですね」
 ユフェミアは小さくうなずいた。
 夜風に揺れる銀色の髪が、月光を受けて静かに揺れていた。
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