【本編完結】厄災烙印の令嬢は貧乏辺境伯領に嫁がされるようです

あおまる三行

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ほどけては結われる花々の章

64.その力を

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 南方国との親善交渉は、アルベルト自身が思っていた以上に順調に進んでいた。
 予定より早々に交渉を終え、あとは和やかな懇談を残すのみ。
 外交手腕は王として身につけねばならぬ、当然の術だと理解してはいたが、それでも、相手の使節が満足そうに頷いた瞬間、胸の奥で小さな達成感が灯った。
 自分で自分のことを信頼できる瞬間は嬉しいと思ってから、アルベルトは内心で甘えるなと苦笑する。

 その矢先だった。
 控えていた従者が駆け寄ってくる。
 耳元で囁かれた報告に、アルベルトの思考は一拍遅れて停止した。
「……は?」
 聞き返した声が、自分でも驚くほど低く、硬かった。

 リヒトが拘束された。
 神殿によって、不当な形で。

 次の瞬間、ざぁっと血の気が引くのがわかった。指先が冷え、胸の奥が嫌な音を立てて軋む。

「――王宮へ帰る」
 短く言い切ると、アルベルトは踵を返した。
 南方国との今後だの、体裁だの、すべてが後回しになる。
「交渉自体は終わっている。……すまないが、後は副使に委任して……僕は、戻らねば」
「先方にはなんと……」
「どうでもいい。……あ、いや、……僕の、体調不良だとでも、説明してくれ」
 まさか正直に政治不安だとは伝えられない。
 歩きながら、怒りとも恐怖ともつかぬ感情が込み上げる。

(リヒ。予想していたのか……? だが)
 歯を食いしばる。
(僕が、親友の危機より外交を、王位に向けた自分の成果を、優先するとでも……!?)
 そんなわけがない。
 そんなふうに育ってきた覚えも、選んできた覚えもない。

 馬車にも乗らず、アルベルトは自ら馬を駆り、一心に王都を目指した。
 戻ったアルベルトが最初に向かったのは、王宮内のリヒトの執務室だった。
 扉を開けた瞬間、言葉を失う。
 書架は荒らされ、書類は床に散乱し、引き出しは無造作に引き抜かれている。
 几帳面だったリヒトの部屋とは、あまりにもかけ離れた光景。

 アルベルトは、何も言えずに立ち尽くした。

 ――いつも、こうだった。

 幼い頃から、何度も見てきた光景が、脳裏に重なる。
 アルベルトが少し、サイラスより目立ったというだけで。それを褒めてくれた、信頼する従者が消えた。
 アルベルトの席次を上に据えたという理由だけで、守ってくれた重臣が消えた。
 気づけば隣に立つ者が一人、また一人といなくなる。
 そのたびに、残されるのは空になった部屋と、説明のない沈黙だけだった。

「で、殿下!殿下、お待ちを」
 従者たちがばたばたと追ってくるが、待っていられない。

 アルベルトは、その足で第二王子サイラスの私室へ向かった。

 止める声も、取り次ぐ言葉も必要なかった。
 その足取りだけで、周囲は察したのだろう。
 廊下に控えていた侍従たちは、誰一人として口を開かなかった。
 いや、まるで、怒気に呑み込まれたアルベルトを誘うように道を開けていた。

 扉を開ける。
 そこには、予想通りの顔ぶれがいた。
 長椅子に腰掛け、余裕の笑みを浮かべるサイラス。
 その傍らには、淡い色のドレスをまとったリリアーナが、興味深そうに兄弟の様子を眺めている。

「おや、兄上。お帰りなさい。此度も成果を挙げられたとのこと、聞き及んでおります」
「――リヒト卿の姿が見えない。どこにいる?」
 挨拶も前置きもない。
 アルベルトの声は低く、押し殺されていた。

 サイラスは肩をすくめる。
「何のことやら」
 その言葉に、リリアーナがくすりと笑った。
「まあ、こわぁい。そんな怖い顔で睨まれてしまったら、わたくし、震えてしまいます……」
 口調は甘く、しかしその瞳には怯えなど微塵もない。
 その仕草が、火に油を注ぐ。
「お兄様がどうかなさいましたの?……やっぱり、お姉様と深く関わった人には、良くないことが起こるみたい」

 リリアーナは毎日とても心配そうに、「厄災の烙印」の恐ろしさについて吹聴して回っていると聞く。
 それを止められない自分にも腹が立つ。

 サイラスはしばらく考えてから、ああ、と手を叩いた。
「兄上のお気に入りの、あの口煩い文官ですか」
「……」
「残念ながら私は知りません。神殿や公爵は、今回のあの男の行動に相当、腹を立てていたようですが。……それにね、兄上」
 にっこりと。サイラスは笑う。

「そんなに大事なものなら、きちんと鍵をかけて、しまっておかない兄上が悪いのです」

 ――昔、アルベルトが大切にしていた母の形見を失くしたと言ってきた時と。
 同じ言葉。同じ顔。
 呼吸が荒くなる。
 指が、無意識に剣の柄を掴んだ。

 ぎりりと革が軋む音がする。
 ――刃を抜けば、戻れない。

 サイラスが面白そうに口角を上げる。
「リリアーナ。兄上はどうやらご乱心召されたらしい」
「きゃあ、怖いわ」
 リリアーナは胸に手を当て、大げさに身をすくめてみせた。
 衛兵に取り押さえを命じようとした、その時。

「殿下!」
 大きな音を立てて扉が開いた。
 肩で息をする、旅装姿の青年。
「……ヴァルト辺境伯」
 アルベルトの前に割って入ったのはダリウスだった。
 異変を察して駆けつけたのだろう。

「……お話し中の入室、ご無礼をどうかお許しください。しかし、アルベルト殿下に至急、お耳に入れたいことがあり」
「止めるな辺境伯、僕は……!」
 アルベルトの声には、怒りと焦燥が滲んでいた。
 だがダリウスは一歩も退かない。
 低い声で、アルベルトを諌める。

「何をなさるおつもりですか、殿下。ここは王宮です。――裁きの前に、剣を抜く場所ではありません!」

 ダリウスは、剣にかかったアルベルトの手首を、静かに押さえた。
「怒りだけで動いてはなりません、殿下……!」
 一瞬、アルベルトはダリウスを睨みつける。
 だが、その視線の奥にある冷静さと覚悟を読み取り、唇を噛みしめた。
 まだできることはある、と。
 その表情は告げていた。

 ダリウスはただ一歩前に立ったまま、二人を遮る。
 ゆっくりと、剣から手を離し――アルベルトは、強く封じるように息を飲み込んだ。
 作り慣れた笑みは弱々しく、へら、と眉を下げる。
「……すまない、サイラス。僕は少々、疲れていたようだ」
「……」

 サイラスはつまらなさそうに鼻を鳴らして、「この一件は記録しておいてもらいましょう」と従者を呼んでいた。
 張り詰めた空気の中、リリアーナだけが、楽しげに微笑んでいた。



 王都の邸は静かだった。
 王宮へ向かったダリウス様を見送ってから、私たちは今後のことを話し合っていた。
 応接間に集まっているのは、私と、カイネ、ユフェミア、イリア。

 そんな折、来客の報せが入った。
「……公爵家の使用人です。エドムンド公爵の名を出しております」
 報告の声は、硬い。
 ユフェミアがすぐに立ち上がった。
 表情はいつも通り柔らかいが、声に一切の隙がない。
「では、奥様はここにはいらっしゃらないとお伝えして」
「ユフェミア」
 私は、ゆっくりと息を吸った。

「……私が行きます」
 カイネが即座にこちらを見る。
「奥様?」
 イリアも眉を寄せた。
「危険です。向こうは――」
「分かっています」
 言葉を遮って立ち上がる。
 膝が震えていないことを、自分で確認する。

「相手は、――義父は、私を舐めているのです」
 それは怒りでも虚勢でもなかった。
 ただの事実だ。
 少し大きな声を出せば言うことをきく、私がそういう存在だったことは確かだった。
 おどおどして、公爵家の令嬢としての自分の、当然の権利も主張できないままで。
 ――もう、そんな私はいない。

「それに私は、兄様の居所を、突き止めなくてはなりません。手掛かりが向こうから来てくれたのなら、受け入れなければ」
 ユフェミアが小さく息を呑んだ。
 怖くないわけがない。
 けれど、ここで引けば辿り着けない。

 イリアが一歩、私の前に出た。
「……承知しました。であれば、私はここに」
 カイネも傍にいて、手早く皆の立ち位置を決めている。
 私を囲むように、応接の距離を測る。

 ユフェミアも、静かに頷いた。
「奥様は、「当主代理」としてお座りください。いざという時は躊躇わず、必ず私の後ろに」
 その言葉に、背筋が伸びた。

 義父はわかっていない。
 私はもう、「庇護されるだけの立場」ではない。
 ダリウス様は私を守ってくれる。
 必ず守ってくれると分かっているから、彼がいない時でも、私は強くなれる。
「迎えましょう」
 扉の向こうには、公爵家の影が待っている。
 けれど、兄様の居場所を知るためならこの程度、躊躇う理由はなかった


 公爵家の使用人たちが応接間に足を踏み入れた瞬間、空気が変わったのが分かった。
 並んでいるのは三人。いずれも見覚えがある顔だった。
 公爵家にいた頃、私を「厄災の烙印」持ちだ言ってと見下した人々。
 用事を後回しにし、聞こえるようにため息をついていた者たち。

 ――また物が壊れて……ほんと厄介よね。
 ――公爵令嬢のくせに、なんであんな……
 ――お兄様が追い出されたんだから当然よ。
 ――後目もリリアーナ様に決まっているんだし、媚を売る必要もないわ。
 ――あの「烙印」の宿った目。見るだけで、気分が悪くなる……

 彼らは私を見ると、一瞬だけ目を見開き、すぐに視線を逸らした。
 頭を下げる角度は浅く、形式だけのもの。

 ユフェミアが一歩前に出る。
「こちらは当主代理、ヴァルト辺境伯夫人ルーチェ様です。ご用件をどうぞ」

 その言葉に、使用人の一人がわずかに舌打ちを飲み込む。
 厄災の烙印持ちが図々しい、と。その表情から読み取れる。
 そして、もっとも年嵩の男が、一歩進み出た。

「……公爵様からの伝言でございます」
 声は慇懃だが、底にあるものは隠れていない。
「このたびの混乱を受け、ヴァルト辺境伯との婚姻関係を――解消されるべきだ、と。兄君の一件もありますから、ルーチェ様は公爵家の預かりとして保護すべきだとの仰せです。ありがたくお受け止めください」
 言葉が、冷たく床に落ちた。
 続けて、間髪入れずに。
「よって、持参金につきましては辺境伯家に返還を求めます。具体的には、魔晶石鉱山の採掘権をもって、相当と判断されました」

(……ああ、やはり。そういう話なのね)
(何も、期待していたわけではないけれど)
(それでも……)

 私はわざと、身体を震えさせた。
 いかにも怯えているように。
 彼らが見慣れた、少し脅せば言うことをきく娘の姿で。

「……そ、そんな……」
 声を掠れさせ、俯く。
 視界の端で、使用人たちの口角がわずかに上がるのが見えた。
 彼らは、私が弱る姿を見たかったのだろう。
「そ、それを……そうすれば……」
 私は、ゆっくりと顔を上げる。
 怯え俯いて。彼らを油断させるように。
 もしかしたら、私の目を見るなと言い含められている可能性もある。
「もう誰も、不幸になりませんか」
 言いながら、かつての自分が必死で願った言葉と同じだと思って、切ない気もした。
 今は演技だけれど、あの頃は――こんな人たちにも、本気でそう願っていた。
 私はそっと顔を上げて言い募る。
「リヒト兄様は、助かりますか」
「公爵様は悪いようには……」
 その瞬間、空気が止まった。
 私と目を合わせた使用人の男の瞳が、はっきりと揺れた。
 一瞬。ほんの一瞬だが、確かに。

 私は、それを見逃さなかった。
 真正面から。その顔を見つめる。
 ――こんな顔をしていたのね。この人たち。

 少しの切なさはある。けれど、この人たちに感じるのは怒りでも、哀れみでもない。
 ただ、ひどく静かな感想だった。
 権力を背景に、人を切り捨てることを当然だと思っている顔。
 自分が安全な側にいると信じ切っていた顔。
 ――今、初めて。力を持って、私に見返された顔。

 視線を外さない。
「……では、兄様はどこにいるのですか」
 言葉を尽くす必要などない。短く、端的に。
 その問いに、使用人たちの間で視線が交錯した。
 一人が、思わず一歩、座ったまま後ずさるように身を引く。
 沈黙が、じわじわと相手を追い詰めていく。

「……それは…………」
「答えてください」

 ――正しさのしるしが私に宿っているのなら。
 ――今こそ、助けてほしい。

 逃がさない。

 ――さあ、考えなさい。
 ――自分たちの悪事を隠すために一人の人間の自由を奪うこと。
 ――そのどこに正しさがあるのか、考えてみなさい。

「義父は、兄様を悪いようにはしない。そうですか。つまり、やはり義父が兄様を……そして、あなた方は知っているのですね」

 空気が、はっきりと揺らいだ。
 明らかに顔色の悪くなった使用人の一人が、ふらりと椅子の肘掛けに縋る。
 指先が白くなり、支えがなければ崩れ落ちそうだった。
 呼吸が浅く、早い。
 誰かが答えてしまうことを恐れ、同時に、誰かが答えてくれることを祈っているように。

 そして――耐えきれずに口を開いた。
「……王都、です」
 他の二人が、ぎょっとして振り向く。
「地下の……旧神殿区画……」
「どうしたんだ、黙れ!」

 遅かった。
 言葉は、吐き散らかされるように零れ落ちる。
「正式な牢じゃない……神殿の管理下だ……!お、俺は悪くない、だから……!取り調べだって……公爵様は、すぐには殺さないと……!」

 ――旧神殿区画。地下。

「……ユフェミア。分かりますか」
「ええ。十分です」
 私は、ゆっくりと息を吐いた。
「……ありがとう」

 使用人たちが、はっと我に返る。
「き、貴様……!」
 だが、もう遅い。
 私は立ち上がり、カイネに視線を送る。
 使用人たちは、初めて自分たちが何をしてしまったのかを理解した顔をした。

 カイネはにっと笑うと、扉を開けて叩き出すように客人を外へ追い出した。
「用済みです。これから忙しくなりますから、お帰りくださいませ。お客様」
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