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episode 0-1「出会い」
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私は挨拶するところがあるとママに告げられ、従兄の家に行くことになった。
ママの妹には同い年の子供がいるらしく、仲良くしてやってくれとのことだった。
「久しぶりね瞬花(湊音の母)。湊音ちゃんは元気かしら。」
「もー零澄姉さん!湊音は男の子だっていつも言ってるでしょ?そろそろ呼び方変えてよ~。もう10歳になるんだから」
湊音……それが瞬花さんの子供の名前だろうか。男の子にも女の子にもありそうな名前だ。ママがちゃん付けしてるってことは可愛い見た目なのかな?
私は二階への階段を登る。すると
「湊音は一番奥の部屋にいるよ~!ちょっと難しい子だけど仲良くしてあげてね!」
と瞬花さんは言う。
分かったと知らせるため私は手をひらひらと振る。
二階に上がってわかったことは全体的に薄暗いことだ。もう少し日の光があってもいいのではないかと思うが、他所の家なのであまりグチグチ言えない。でも足元が見ずらいのはどうかと思ってしまう。許せ。
「……ここか…?」
一番奥の部屋にたどり着いた私は、ドアの前で立ち止まる。気になるのは、少しドアが開いていることだ。不用心な奴だなと思いながらこっそり部屋の中を覗く。
「□□□□□…。◆◆。□□□□…?」
「………?」
何を言っているのか、なんならなんの言語を喋っているのかもわからい人物が薄暗い部屋でパソコンの画面を見ながら喋っていた。
「?………□□□…!」
なにか言った直後、くるりとこちらを向き、私が覗いていた隙間に鋭利なものを向けられる。もしかしてバレたのか?物音ひとつ立てていないはずなのだが、どうやら気づいたようだった。
「……ごめん、ちょっと気になって覗いてただけ。別に怪しくないよ私。」
「………君は誰?」
そういって人差し指をくいっと上に挙げたと思ったら私の身体はそいつに引き寄せられ、部屋にお邪魔した。
「?????」
何が起こったのか分からなかった。いつの間にか部屋に入っていたのだ。
「君は誰?」
もう一度そいつに質問され、向き直る。
長い白髪で毛先が黒く、サファイアブルーの瞳をした可愛らしい見た目の少女?がそこにいた。
「えーっと、私は木ノ葉依里朱。そういう君は?」
「僕は桂木湊音。木ノ葉ってことは……僕の従妹ってことになるのかな?」
「それで合ってる。」
同じ10歳とは思えないほど口が達者で、そして……10歳とは思えないくらい身長が小さかった。
130くらいだろうか……。少なくとも私より10cmくらいは小さい。
「で、なにしに来たのさ。わざわざこんな奥の部屋に」
「湊音の部屋は奥にあるって瞬花さんが言ってたから来てみただけだよ。君と仲良くできればと思っているが…」
「へぇ……僕と関わろうとしてくる人間がいたとはね。」
「まるで自分が人間じゃないみたいな言い方だね」
にしても奇妙な子だな。それに聞いたことのないあの言語は一体何なのだろう。
「さっき喋ってたよくわからない言語って、どこの国の言葉なの?」
その質問した瞬間湊音は硬直し、私のことをまっすぐ見て近づいてくる。
え?なになに。私もしかして地雷踏んだ?
やがて目の前まで来た湊音が私に腕を伸ばし……
「おーい依里朱。長居してもあれだし、帰るわよ~」
ママの声が聞こえた瞬間、背後にあったドアを勢いよく開いて階段を駆け下りる。
「じゃ、またね瞬花。暇な時また来るわ」
「は~い。依里朱ちゃんもまたきてね!次来たときはお菓子準備しておくから!」
気さくな笑顔で送り出してくれた瞬花さんに手を振り、私とママは帰路につく。
「湊音ちゃん、そうだった?」
「……不思議な奴だった。それとなんか…………ちょっと不気味…」
そう感想を述べ、しばしの沈黙の後私たちは話題を切り替えて雑談しながら帰宅するのだった
ママの妹には同い年の子供がいるらしく、仲良くしてやってくれとのことだった。
「久しぶりね瞬花(湊音の母)。湊音ちゃんは元気かしら。」
「もー零澄姉さん!湊音は男の子だっていつも言ってるでしょ?そろそろ呼び方変えてよ~。もう10歳になるんだから」
湊音……それが瞬花さんの子供の名前だろうか。男の子にも女の子にもありそうな名前だ。ママがちゃん付けしてるってことは可愛い見た目なのかな?
私は二階への階段を登る。すると
「湊音は一番奥の部屋にいるよ~!ちょっと難しい子だけど仲良くしてあげてね!」
と瞬花さんは言う。
分かったと知らせるため私は手をひらひらと振る。
二階に上がってわかったことは全体的に薄暗いことだ。もう少し日の光があってもいいのではないかと思うが、他所の家なのであまりグチグチ言えない。でも足元が見ずらいのはどうかと思ってしまう。許せ。
「……ここか…?」
一番奥の部屋にたどり着いた私は、ドアの前で立ち止まる。気になるのは、少しドアが開いていることだ。不用心な奴だなと思いながらこっそり部屋の中を覗く。
「□□□□□…。◆◆。□□□□…?」
「………?」
何を言っているのか、なんならなんの言語を喋っているのかもわからい人物が薄暗い部屋でパソコンの画面を見ながら喋っていた。
「?………□□□…!」
なにか言った直後、くるりとこちらを向き、私が覗いていた隙間に鋭利なものを向けられる。もしかしてバレたのか?物音ひとつ立てていないはずなのだが、どうやら気づいたようだった。
「……ごめん、ちょっと気になって覗いてただけ。別に怪しくないよ私。」
「………君は誰?」
そういって人差し指をくいっと上に挙げたと思ったら私の身体はそいつに引き寄せられ、部屋にお邪魔した。
「?????」
何が起こったのか分からなかった。いつの間にか部屋に入っていたのだ。
「君は誰?」
もう一度そいつに質問され、向き直る。
長い白髪で毛先が黒く、サファイアブルーの瞳をした可愛らしい見た目の少女?がそこにいた。
「えーっと、私は木ノ葉依里朱。そういう君は?」
「僕は桂木湊音。木ノ葉ってことは……僕の従妹ってことになるのかな?」
「それで合ってる。」
同じ10歳とは思えないほど口が達者で、そして……10歳とは思えないくらい身長が小さかった。
130くらいだろうか……。少なくとも私より10cmくらいは小さい。
「で、なにしに来たのさ。わざわざこんな奥の部屋に」
「湊音の部屋は奥にあるって瞬花さんが言ってたから来てみただけだよ。君と仲良くできればと思っているが…」
「へぇ……僕と関わろうとしてくる人間がいたとはね。」
「まるで自分が人間じゃないみたいな言い方だね」
にしても奇妙な子だな。それに聞いたことのないあの言語は一体何なのだろう。
「さっき喋ってたよくわからない言語って、どこの国の言葉なの?」
その質問した瞬間湊音は硬直し、私のことをまっすぐ見て近づいてくる。
え?なになに。私もしかして地雷踏んだ?
やがて目の前まで来た湊音が私に腕を伸ばし……
「おーい依里朱。長居してもあれだし、帰るわよ~」
ママの声が聞こえた瞬間、背後にあったドアを勢いよく開いて階段を駆け下りる。
「じゃ、またね瞬花。暇な時また来るわ」
「は~い。依里朱ちゃんもまたきてね!次来たときはお菓子準備しておくから!」
気さくな笑顔で送り出してくれた瞬花さんに手を振り、私とママは帰路につく。
「湊音ちゃん、そうだった?」
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