もう遅い、勇者ども。万能支援職レオンは王国の柱となる
追放された支援職が、世界を支える最強の男に至る物語
王都の塔に、白い朝陽が差し込んでいた。
窓辺で報告書を読んでいたレオンは、静かに羽ペンを置いた。
今日は珍しく、空が澄んでいる。
——そして、風の中に、懐かしい気配があった。
扉が乱暴に開かれた。
かつての仲間——勇者カイル。鎧は砕け、片腕は血に染まり、目は焦点を失っている。
「……レオン……助けてくれ……魔王軍が……奴らが……!」
レオンは書類を閉じた。
机の上の印章には、王国戦略顧問・レオン・アークレインの名。
国の防衛魔法陣を統括する地位。
もう彼は、冒険者でも、支援職でもない。
「助けてくれ……頼む!お前の結界がなければ、俺たちは戦えない!」
カイルの声は震えていた。
あの頃、彼は言った。
『支援職なんて、誰でもできるだろ。お前は荷物だ。』
——そしてレオンを追放した。
「……結界がないと魔王軍に勝てなかったのか?」
「そ、そうだ……だからお前が必要なんだ!俺たちはお前を誤解して——」
「誤解?」
レオンは立ち上がる。
その足元から、白い魔法陣が静かに展開した。
塔全体を覆う防御結界——魔王軍の大軍をも防ぐ国の要だ。
「カイル。お前たちが私を切り捨てた時、私の支援はすべて消えた。」
「だが……俺たちは仲間だったじゃないか……!」
レオンは振り返らない。
窓の外、王都の空を見上げたまま、淡々と告げる。
「仲間、か。
仲間ってのは、互いを信じて支える者のことだ。
お前たちは私を信じなかった——その瞬間に、絆は切れた。」
沈黙。
カイルは膝をつき、崩れ落ちる。
レオンは最後に一言だけ残した。
「支援は“仲間”のために使うものだ。
お前たちは、もう違う。」
塔の扉が閉じる音だけが響いた。
外の鐘が鳴る。
その音に紛れて、勇者のすすり泣きが遠ざかっていった。
——レオンは静かに微笑んだ。
暖かな陽光の中、彼の机には王から届いた新たな勅書が置かれている。
「王都防衛の功績により、宰相補佐へ昇進」
もう過去に縋る必要はない。
今の彼には、守るべき国があり、信じ合える仲間がいる。
「……やれやれ。ようやく、本当の“支援”ができそうだ。」
その声は、優しく、そしてどこまでも静かだった。
王都の塔に、白い朝陽が差し込んでいた。
窓辺で報告書を読んでいたレオンは、静かに羽ペンを置いた。
今日は珍しく、空が澄んでいる。
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扉が乱暴に開かれた。
かつての仲間——勇者カイル。鎧は砕け、片腕は血に染まり、目は焦点を失っている。
「……レオン……助けてくれ……魔王軍が……奴らが……!」
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机の上の印章には、王国戦略顧問・レオン・アークレインの名。
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「誤解?」
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レオンは振り返らない。
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「仲間、か。
仲間ってのは、互いを信じて支える者のことだ。
お前たちは私を信じなかった——その瞬間に、絆は切れた。」
沈黙。
カイルは膝をつき、崩れ落ちる。
レオンは最後に一言だけ残した。
「支援は“仲間”のために使うものだ。
お前たちは、もう違う。」
塔の扉が閉じる音だけが響いた。
外の鐘が鳴る。
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——レオンは静かに微笑んだ。
暖かな陽光の中、彼の机には王から届いた新たな勅書が置かれている。
「王都防衛の功績により、宰相補佐へ昇進」
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