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第3話 モルディブへ
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「モルディブ近海にある軌道エレベーターのてっぺんから、日本時間で午後8時に出発する宇宙船に乗るって段取りでいかがでしょうか」
軌道エレベーターとは地球の赤道から大気圏外へまっすぐ伸びた、結晶繊維製の巨大な昇降機の事だ。宇宙エレベーターと呼んだりもする。この、天空に向かってひたすら伸びる柱の中を上下する箱に乗り、ロケットなしでも地球の外へ出られるのだ。
「了解っす」
おれは、おどけて敬礼した。それだけおれのテンションは上がっていた。
「オフは7月1日からだけど、6月30日の昼には東京での番組収録の仕事が終わるので、成田からモルディブに飛行機で向かいます。そこから軌道エレベーターで大気圏外に出て、宇宙船と合流しますよ」
おれは事情を説明した。
「それでは、7月1日にお会いしましょう。何と言っても、広大なレクリエーション・コロニーを1人で堪能できますからね。またとないチャンスです。あなたは本当に運がよかった。8月から改装工事が始まりますから」
自分はなんて幸運なんだろう。そう感じたのは、果たしてこれで何千回目か。この惑星に星の数程存在するアーティスト志望の群れから頭1つ飛びでたうえに、使いきれないたくさんの金も、多くの人が欲しがるキンピカの名誉も、おれとエッチしてくれるかわいくてスタイルのいい女の子達も……男なら大抵の奴が欲しがる物は、何でも手にいれたのだから。
「くどいようで恐縮ですが、今度の件はくれぐれも内密にお願いしますよ。あなたが『エデン』で行う行為は、違法なんですから」
入福は人差し指を、自分の唇の前にたてながら、真剣な表情でこちらを見た。
「もちろんです」
ふわふわした喜びに浸りながらも真摯な気持ちに切りかえて、おれはきっぱり返答した。おれが味わえるのは、単に無人のコロニーを独り占めできるだけではない。太陽系内ならどこでも……月でも火星でも金星でも地球でもコロニーでも違法となる素敵な行為を、これから堪能できるのだ。
そんなこんなであっというまに忙しく時が過ぎ、日本時間で6月30日、お昼ちょうどに東京での仕事を終えると、おれは愛車を成田空港へ飛ばした。車は韓国の現代(ヒュンダイ)社製の電気自動車で、真っ赤なスポーツカーである。助手席には銅田さんが座っていた。
成田空港に到着すると、おれと銅田さんは車を降りて、スリランカ航空の旅客機に乗りこんだ。おれは色を黒に設定したホロ・グラスをかけ、帽子をかぶっていた。今時サングラスはホロ・グラスの方が主流だ。レンズの代わりに、まるでレンズのような形と大きさの立体映像が、おれの眼前に浮かんでいる。
有名人ではない連れは、素顔のままだ。ジェット機の行き先はモルディブのイブラヒム・ナシル空港だった。おれ達は、ファースト・クラスの座席に着く。飛行機はやがて出発時刻になると、滑走路からゆるやかに飛びたった。
機内でホロ・シネマを観たり、メシを食ったり、銅田さんとだべったりもしたが、ほとんどシートで死んだように眠っていたのだ。
それだけ疲れきっていた。こんなに深く眠ったのは、いつ以来の話だろう? マリアナ海溝なみに深い眠りについたらしく、夢を観た記憶もなかった。いつのまにか出発時から9時間が過ぎさって、目的地の方向に、モルディブ南方の海から空に向かって伸びる、巨大な柱の姿が見えた。これが軌道エレベーターだ。
以前も観た光景なので、最初程の感激はなかったが、それでも壮観な景色に圧倒された。やがて飛行機は、目的地のイブラヒム・ナシル空港の滑走路へと到着する。座席を離れ、ジェット機から降りたおれ達は、空港を出てインド洋に面した港に向かった。
抜けるような青い空、灼熱の太陽、済んだ空気、心が洗われるような美しい海……無機質な高層ビルが林立する日本の首都とは、まるで別世界だ。港からおれ達は、フェリーに乗りこむ。21世紀には地球熱中化の影響で世界全体が高温化していたが、現在はガソリン車も火力発電所もないので、平均気温は下がっていた。
やがて船は飛行機から降りてきた大勢の乗客を乗せ、海上に浮かぶ軌道エレベーターの地上側の発着拠点《アース・ポート》に向かって出奔した。アース・ポートは、海上を移動可能なメガフロートとなっている。
「なんでわざわざ、アース・ポートを海上に作ったのかしら。地上に固定すればいのに」
眼前に迫りつつあるメガフロートに目を向けながら、銅田さんが、そんな疑問を口にした。
「なあんだ。そんな事も知らないの⁉ 軌道エレベーターを構成するケーブルが振動や熱で伸び縮みするのよ。その対策と、低軌道を回る人工衛星やでっかいスペース・デブリとぶつかるのを避けるため、こういう形を取ってるわけ。衝突しそうになったらメガフロートを動かして、よけられるしね」
スペース・デブリってのは、意味のある活動を行わず地球の衛星軌道を回る人工物の総称だ。老朽化して機能を停めちゃった人工衛星、それを打ちあげたロケットやその部品、ロケットの切り離しで生じた破片、飛行士が宇宙に落としていった工具や部品、等々だ。
デブリは低軌道で秒速7から8キロメートル、地上36000キロの静止軌道では秒速3キロメートルというF1もびっくりのすっげー高速でびゅんびゅん移動する。運動エネルギーは速度の二乗に比例するから、その破壊力はすさまじく、直径10センチあれば宇宙船はおじゃんになるほどのパワーを持ってる。
現在は、そういったデブリの破壊や回収の技術が進んでいるが、それでもまだまだたくさんのデブリが高速で地球の周りを回っていた。地球上と違って重力がないので、速度が落ちる事はない。
「なあるほどっ。よく考えられているわけね」
銅田さんは、おれのつたない説明に納得してくれたようだ。やがてフェリーは、空まで伸びるでっかい柱を支えてるメガフロートに到着した。おれは見送りに来た彼女に、別れの言葉を告げた。
「わざわざ、ここまでありがとう。次に会うのは7月29日の金曜だね」
「くどいようだけど、その日の昼12時に東京で『ケンタウリ』の大瀬会長とアポ取ったから、遅れないよう来てちょうだい」
「わかってるって。銅田さんこそモルディブの海、楽しんで」
「ありがとう」
嬉しそうな笑顔で、銅田さんが答えた。
「ビジネス以外で観光地に来るなんて、何年ぶりかしら」
「もう何年も銅田さんは、おれや会社のために、身を粉にして働いてきたんだから、ゆっくり骨休みしてきなよ。ついでに素敵な男性も見つけてきて」
「もうオバサンだからねえ」
銅田さんは、歯を出して微笑んだ。
「あたしは、仕事が恋人みたいなもんだし」
おれは勝手に、彼女をお袋のように思っていた。アル中のまま亡くなったクズのような実の母親よりずっと母親らしい人だ。だから銅田さんには、幸せになってほしい。おれはフェリーで再びモルディブに戻る銅田さんを見送った後、アース・ポートの入口から軌道エレベーターのかごに乗り、指定された座席に着いた。そしてシートベルトを締める。
椅子の足元には普通の靴より大きめのマグネット・シューズが一組ずつ置いてあり、おれを含めた乗客達は、履いてきた靴の上からそれを履いた。突っこんだ足の大きさにあわせて、包みこむように自動で縮んで足にフィットする。
やがて上昇を告げるアナウンスと音楽が流れだし、かごは徐々に天空めざして上がりはじめる。
軌道エレベーターとは地球の赤道から大気圏外へまっすぐ伸びた、結晶繊維製の巨大な昇降機の事だ。宇宙エレベーターと呼んだりもする。この、天空に向かってひたすら伸びる柱の中を上下する箱に乗り、ロケットなしでも地球の外へ出られるのだ。
「了解っす」
おれは、おどけて敬礼した。それだけおれのテンションは上がっていた。
「オフは7月1日からだけど、6月30日の昼には東京での番組収録の仕事が終わるので、成田からモルディブに飛行機で向かいます。そこから軌道エレベーターで大気圏外に出て、宇宙船と合流しますよ」
おれは事情を説明した。
「それでは、7月1日にお会いしましょう。何と言っても、広大なレクリエーション・コロニーを1人で堪能できますからね。またとないチャンスです。あなたは本当に運がよかった。8月から改装工事が始まりますから」
自分はなんて幸運なんだろう。そう感じたのは、果たしてこれで何千回目か。この惑星に星の数程存在するアーティスト志望の群れから頭1つ飛びでたうえに、使いきれないたくさんの金も、多くの人が欲しがるキンピカの名誉も、おれとエッチしてくれるかわいくてスタイルのいい女の子達も……男なら大抵の奴が欲しがる物は、何でも手にいれたのだから。
「くどいようで恐縮ですが、今度の件はくれぐれも内密にお願いしますよ。あなたが『エデン』で行う行為は、違法なんですから」
入福は人差し指を、自分の唇の前にたてながら、真剣な表情でこちらを見た。
「もちろんです」
ふわふわした喜びに浸りながらも真摯な気持ちに切りかえて、おれはきっぱり返答した。おれが味わえるのは、単に無人のコロニーを独り占めできるだけではない。太陽系内ならどこでも……月でも火星でも金星でも地球でもコロニーでも違法となる素敵な行為を、これから堪能できるのだ。
そんなこんなであっというまに忙しく時が過ぎ、日本時間で6月30日、お昼ちょうどに東京での仕事を終えると、おれは愛車を成田空港へ飛ばした。車は韓国の現代(ヒュンダイ)社製の電気自動車で、真っ赤なスポーツカーである。助手席には銅田さんが座っていた。
成田空港に到着すると、おれと銅田さんは車を降りて、スリランカ航空の旅客機に乗りこんだ。おれは色を黒に設定したホロ・グラスをかけ、帽子をかぶっていた。今時サングラスはホロ・グラスの方が主流だ。レンズの代わりに、まるでレンズのような形と大きさの立体映像が、おれの眼前に浮かんでいる。
有名人ではない連れは、素顔のままだ。ジェット機の行き先はモルディブのイブラヒム・ナシル空港だった。おれ達は、ファースト・クラスの座席に着く。飛行機はやがて出発時刻になると、滑走路からゆるやかに飛びたった。
機内でホロ・シネマを観たり、メシを食ったり、銅田さんとだべったりもしたが、ほとんどシートで死んだように眠っていたのだ。
それだけ疲れきっていた。こんなに深く眠ったのは、いつ以来の話だろう? マリアナ海溝なみに深い眠りについたらしく、夢を観た記憶もなかった。いつのまにか出発時から9時間が過ぎさって、目的地の方向に、モルディブ南方の海から空に向かって伸びる、巨大な柱の姿が見えた。これが軌道エレベーターだ。
以前も観た光景なので、最初程の感激はなかったが、それでも壮観な景色に圧倒された。やがて飛行機は、目的地のイブラヒム・ナシル空港の滑走路へと到着する。座席を離れ、ジェット機から降りたおれ達は、空港を出てインド洋に面した港に向かった。
抜けるような青い空、灼熱の太陽、済んだ空気、心が洗われるような美しい海……無機質な高層ビルが林立する日本の首都とは、まるで別世界だ。港からおれ達は、フェリーに乗りこむ。21世紀には地球熱中化の影響で世界全体が高温化していたが、現在はガソリン車も火力発電所もないので、平均気温は下がっていた。
やがて船は飛行機から降りてきた大勢の乗客を乗せ、海上に浮かぶ軌道エレベーターの地上側の発着拠点《アース・ポート》に向かって出奔した。アース・ポートは、海上を移動可能なメガフロートとなっている。
「なんでわざわざ、アース・ポートを海上に作ったのかしら。地上に固定すればいのに」
眼前に迫りつつあるメガフロートに目を向けながら、銅田さんが、そんな疑問を口にした。
「なあんだ。そんな事も知らないの⁉ 軌道エレベーターを構成するケーブルが振動や熱で伸び縮みするのよ。その対策と、低軌道を回る人工衛星やでっかいスペース・デブリとぶつかるのを避けるため、こういう形を取ってるわけ。衝突しそうになったらメガフロートを動かして、よけられるしね」
スペース・デブリってのは、意味のある活動を行わず地球の衛星軌道を回る人工物の総称だ。老朽化して機能を停めちゃった人工衛星、それを打ちあげたロケットやその部品、ロケットの切り離しで生じた破片、飛行士が宇宙に落としていった工具や部品、等々だ。
デブリは低軌道で秒速7から8キロメートル、地上36000キロの静止軌道では秒速3キロメートルというF1もびっくりのすっげー高速でびゅんびゅん移動する。運動エネルギーは速度の二乗に比例するから、その破壊力はすさまじく、直径10センチあれば宇宙船はおじゃんになるほどのパワーを持ってる。
現在は、そういったデブリの破壊や回収の技術が進んでいるが、それでもまだまだたくさんのデブリが高速で地球の周りを回っていた。地球上と違って重力がないので、速度が落ちる事はない。
「なあるほどっ。よく考えられているわけね」
銅田さんは、おれのつたない説明に納得してくれたようだ。やがてフェリーは、空まで伸びるでっかい柱を支えてるメガフロートに到着した。おれは見送りに来た彼女に、別れの言葉を告げた。
「わざわざ、ここまでありがとう。次に会うのは7月29日の金曜だね」
「くどいようだけど、その日の昼12時に東京で『ケンタウリ』の大瀬会長とアポ取ったから、遅れないよう来てちょうだい」
「わかってるって。銅田さんこそモルディブの海、楽しんで」
「ありがとう」
嬉しそうな笑顔で、銅田さんが答えた。
「ビジネス以外で観光地に来るなんて、何年ぶりかしら」
「もう何年も銅田さんは、おれや会社のために、身を粉にして働いてきたんだから、ゆっくり骨休みしてきなよ。ついでに素敵な男性も見つけてきて」
「もうオバサンだからねえ」
銅田さんは、歯を出して微笑んだ。
「あたしは、仕事が恋人みたいなもんだし」
おれは勝手に、彼女をお袋のように思っていた。アル中のまま亡くなったクズのような実の母親よりずっと母親らしい人だ。だから銅田さんには、幸せになってほしい。おれはフェリーで再びモルディブに戻る銅田さんを見送った後、アース・ポートの入口から軌道エレベーターのかごに乗り、指定された座席に着いた。そしてシートベルトを締める。
椅子の足元には普通の靴より大きめのマグネット・シューズが一組ずつ置いてあり、おれを含めた乗客達は、履いてきた靴の上からそれを履いた。突っこんだ足の大きさにあわせて、包みこむように自動で縮んで足にフィットする。
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