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ターゲット第2弾!

体育祭練習

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朝、悠と和音と一緒に教室に行くと木藤花苗が女子に囲まれて話していた。

花苗「昨日和音君家にお泊まりしてさ~」

自慢げに話す木藤さんを見てくすっと笑う。
基本女子は私には近寄らない。だからこそ、木藤さんの自慢話を聞いててんやわんやと盛り上げる。
まぁ木藤さんからすれば自分も媚びを売ろうっていう算段なんだろーけど…

そしてこの日から体育祭の練習が始まった。

福沢「双葉ーっ!リレーの練習しようぜ!」

雛「はぁい!」

福沢「双葉って100m何秒?」

雛「えっと確か…14.5?くらいだったかな」

福沢「速くね?」

雛「そう?」

福沢「なに?榛名たちに特訓とかして貰ってんの?」

雛「いや?でも、悠たちとかけっことかしてたからかな?」

福沢「そっかー…ブロック対抗リレー
がんばろーね、双葉!」

雛「うん!頑張ろうね、福沢くん!」

雛が彼ににっこり笑うと顔を赤くして小さく頷いて雛の頭を優しく撫でた。

福沢「とりあえず、男女別で走るとおもうんだけど、どうする?バトン渡しの練習だけでもしとく?」

雛「そうだね。するよりしない方がマシかも!」

福沢「せんせー!
ちょっと練習手伝ってください!」

先生「あ、そうか。
お前たちブロック対抗だったな!」

雛「ブロック対抗って男女別?」

先生「いや、今年から男女混合になったんだよ。
女子2、3年のダンスと男子2、3年の組体操が入って時間短縮になってな」

福沢「まじか…」

先生「だから、男女一緒だからお前たちでバトン渡しになるから…」

雛「あ、なら、先生タイム計ってもらっていいですか?ブロック対抗ってトラック一周でしょ?
だいたい2人で何分くらいか…みたいな?」

先生「わかった」

雛「やった!福沢くんやろやろ!」

福沢「そうだな」



悠「あれ?ヒナ…福沢となにしてんの?」

和音「あー…ブロック対抗の練習だろ」

悠「あぁ…そっか。
ヒナブロック対抗でるんだったな」

和音「俺ヒナが走ってるとこ初めて見たけど速いじゃん」

悠「ヒナ足速いからな」



福沢「双葉!」

雛「はいっ!」

福沢「はいっ!」

パシッ!

雛「はぁ…はぁはぁ…はぁ…」

福沢「はぁ…はぁはぁはぁ…はぁはぁ…」

雛「大丈夫だった?」

福沢「うん。今のをキープしててくれたら俺やりやすいかな」

雛「りょ…かい」

福沢「双葉大丈夫?」

雛「…疲れた。
やばい…フラフラする…
ちょ…保健室行ってくるね…」

福沢「1人で大丈夫か?」

雛「へーきへーき」

福沢「俺、先生に伝えとこうか?」

雛「あ、ほんと?
ならお願い」


あー…あっっつ…
汗やば…梅雨だから尚更…
はぁ…何でうちの学校体育祭がこんな梅雨時なんだろ…普通は5月でしょ。
現在保健室。ベッドに座って休憩中です。
綾ちゃんいないからどうしようか迷ったけどここ落ちつくし、風通しがいいし…
足をブラブラさせながらスマホでケータイ小説を読んで過ごした。体育の時間が終わると悠たちが迎えにきたため教室に戻って着替えた。

昼休み…悠と和音たちには先に行っててと伝えトイレに行くと…

「あーっ!もうほんとにムカつく!双葉雛!」

「しーっ!誰かきたらどうすんの?」

「大丈夫よ!
こんなとこほとんど人こないんだし!」

木藤花苗のでかい声が聞こえた。
雛は1つのトイレに入ってスマホの録音機能を作動させて彼女の声を録音した。

花苗「チビで貧乳のくせにほんとにウザイ!
悠くんたちにベタベタしやがって…おまけになんなの!?『雪斗先生』って!楠木先生に馴れ馴れしすぎだろ!嫌がってんのわかんないのかな?
双葉って馬鹿なんかな?
あんなガキっぽい顔で平然と高等部に入れるとかまじ意味不明!!
あのクソガキ…体育祭で絶対恥かかせてやる!」

へぇ…私に恥を…ね…
やれるもんならやってみろよ。

「なにをするの?」

花苗「あの借り物競争ジングスあるの知ってる?自分の名前入れて好きな人がそれを引いたら結ばれる、ってやつ」

借り物競争かぁ…
亜衣と翔がでるって言ってたな…
あと悠と和音も早々とでるの決定してたっけ…

花苗「あたし体育委員になって悠くんが走るレーンにあたしの名前を入れたの。悠くんはアンカーだから絶対あたしの名前を引く。たいていみんな自分のレーンにある箱を開けるからね。
あと双葉の名前も入れたの。双葉は隣のクラスの超キモい男子が走るレーンにwwww」

こいつ…また勝手なことしやがって…

雛は小さく溜息をつき録音をOFFにすると亜衣からLINEがきていた。
今から行くと送り屋上に向かった。

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