『天使』にも『悪魔』の顔がある

双葉 陽菜

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偽物の可愛いはいらないよ?

さぁ!開幕です!

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資料室にくると埃っぽくて少しむせた。

まだ…来てない…?

キョロキョロ見渡すとたくさん積まれた本の影にスヤスヤと寝息を立ててねている田隈の姿があった。

やっぱり整った顔立ちしてるな…
長いまつ毛…柔らかそうな黒髪…私たちシックスターの一員と言っても誰も疑わないくらい…

そう思って髪に触れようとしたら

田隈「ん…」

雛は慌てて手を引っ込めた。

田隈「ふあ…来てたんなら起こしてくれればよかったのに…」

雛「いまきたの」

雛は立ち上がってくるりと後ろを向いた。その途端田隈に腕を引かれ近くの机の上に座らされた。そのまま田隈は雛の逃げ道を塞ぐように壁に手をついた。つまり、壁ドンの状態…

それでもキッと見る雛に少し不服そうな顔をしながらもゆっくりと話し始めた。

──────田隈昴Said────

目の前で俺を見つめる彼女を見る。

こんなに近くにいるのに…どれだけ手を伸ばしても届かない…

「先に質問していいか?」

彼女はそっぽを向いて「どうぞ?」という。こういう態度を取られるとまた自惚れてしまう。
もしかしたらなんていう余計な考えが出てしまう。

みんなが知らない双葉の本性を唯一見せてくれる相手なんだと錯覚してしまう。

「お前はあの頃は俺のこと好きだった?」

雛「うん。そうだよ」

真面目な顔で頷き言った。

「お前はあの時何を聞いた?
絵理や周りからは何を言われた?」

これは2度目。
1度目ははぐらかされた。

雛「えー…なんだったかなぁ?」

「はぐらかすな」

雛「…っ…っ 田隈が絵理に告白した。絵理と田隈の間に入る隙はない。絵理と田隈は両思いだから諦めろ…だったかな」

雛は辛そうな顔でうつむいて言った。

「でもそれは全部嘘で…「うん。知ってるよ」…え?」

雛「私の予知能力なめてもらっては困るな。田隈の表情からして嘘ってわかってたよ。
田隈が別に絵理のこと好きじゃなかったことも私が好きだったことも…全部全部わかってた。
なのになんであの時あなたが絵理と付き合ったこと私に言ってくれなかったのかな?」

「全部知ってた?ならなんであの時俺に何も言ってくれなかったんだよ。なんで、犬飼たちなんだよ…なんで…」

雛「あのね?いじめられてる子ってそんな簡単に言えるような立場じゃないんだよ?そんな簡単に人に告げ口できないの。それはなぜか。周りにもし大人に知られたら注意されてその腹いせにまたエスカレートするってわかってるから…
あんたは私とは校内でしか会わなかったでしょ?それは周りみんなが知ってた。だからあなたが知れば私が告げ口したってことになる。だからいいたくなかったの。でも翔たちは違った。1番に気づいてくれて…私たちの地元の公園だったかな…誰にも聞かれない場所でいろいろ聞いてくれたの。だからだよ」

彼女の前に立ち顔を見つめる。顔を上げた彼女の顔は小等部時代に見たときの面影はほとんどなく、あぁ…成長したんだなと思った。

雛「あのときあんたが絵理と付き合わずに私とちゃんと向き合ってくれてたらいまとは違ったかもしれないね」

少し悲しそうな顔で言った双葉を見て俺は何も言えなかった。
あのとき俺が聞いたのは双葉が俺じゃない誰かを好きだということ。その頃双葉とよくつるんでたやつらだった。

そんな双葉を見るとそこには小等部時代に1度だけ見たか弱い双葉がいた。
俺はそのまま双葉を抱きしめた。
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