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第一章 学園編
30話 テリア山
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アルバレス公爵領にてバンリ、ガウィンが四魔王『土創巨兵』アリスに対して奪還戦を仕掛け、ファリオスの救援もあり、無事に勝利を収めた頃。
「ふぁ~暇だなぁ」
「もう二週間はこうしてるか?」
「そうだな」
俺達は学園の雪山合宿への参加を決め、その目的地であるテリア山を目指して二週間前に出発した。
この二週間、特に何の問題も起きず、順調に進んできた。総数二百を超える馬車が移動しているので、かなり目立ち、魔物との遭遇も危惧されていたが、街道に出てくるようなはぐれの魔物はその光景に驚いて逃げてしまうので、この二週間一度も魔物を目撃していない。
それは良いのだが、朝起きて飯を食って馬車に揺られ、また飯食って寝るという生活が二週間も続くと流石に飽きてくる。
ごく稀に魔物が先頭の方に出現しているらしいが、幸か不幸か龍騎士団が護衛についている為、その魔物も俺達の耳に届く頃には当然既に対処済みとなる。
つまり、なんのトラブルもピンチもなく一日が過ぎ、それが二週間は続いているというわけだ。
「あとどれぐらいなんだ?」
「一週間とかじゃない?」
「一週間か……ところでエヴァ、ここ二週間飯食ってる時と寝てる時しか喋ってないけど、どうした?」
「…………」
「酔ってんのか?」
「…………ん」
「あー、そうか。悪い」
と言って背中をさすってやる。
「よし、暇だから確認事項でもしておくか」
と言い出したのはレイグだ。
「おーやろぅぜやろぅぜ」
ガイナがやる気だ。やっぱり二週間はもじっとしているのはきついみたいだ。
「それじゃあ、着いてからの予定だけど……」
「確か各チームに別れてキャンプを張り、一ヶ月間の訓練で基礎的な能力の向上を目指すって言ってたよな」
「でもそれってサボれるんじゃないかしら?」
「それは無理だね、マナ。テントとか防寒具は支給されるけど、食糧なんかの消耗品は一週間分しか支給されない」
「あ、そっか」
「そう、焚き火をしようにも枝がいる。そうすれば必然的に何もしないわけにはいかない。食糧なんて言うまでもないだろう」
「枝の調達ってだけでも魔物と遭遇する可能性はあるし、食糧の調達なんて戦闘必須だな。……ところで食糧って魔物の肉とかになるのか?」
「まぁそうだね」
「なんだか嫌ね、魔物の肉って」
「美味いらしいぜぇ」
「誰か食べたことあるか?」
『…………』
「無いみたいだな」
魔物の肉か。
魔物も種類が多いが、ゴブリンとかの肉は嫌だなぁ。人型ってのは流石に抵抗がある。
そんな事を考えているとき、ガタンと音を立てて馬車が止まった。どうやら今日はここまでらしい。
「よーし!今日はここでキャンプを張る! 全員準備にかかれ!」
外からアラン団長の声が聞こえる。さて、俺達もいつも通りキャンプの準備を始めるか。
◇
それから二週間後。北の大陸、魔族領の古城にて。
「帰ったわよ。……誰も居ないの?」
「アリスか」
「ああ、そこに居たのね。今帰ったわ」
アリスがアルバレス公爵領より帰還し、それを魔族のリーダー格の男が迎える。
「どうだった?」
「あと一歩のところでバンリとガウィンを殺しそこねたわ」
「お前の奴隷は?」
「ファリオスとかいう三大将軍に邪魔されたわ。その時に傷を負って、今は治療中」
「そうか、痛手だな」
「そうね。あの二人、奴隷とはいえ底知れない力があるのは間違いない」
「それで、アルバレス領にどの程度の損害を与えれた?」
「街の一角を廃墟にしただけ。バンリとガウィンには痛手を与えたはずだけど、ファリオスが居る以上はもうあの街を足掛かりには出来ないわ」
「そうか、まぁ今回のアルバレス領襲撃はこちらに注目を向けさせるためのただのフェイク。本命は今頃終わってるんじゃないか? ククク」
◇
同時刻。俺達はテリア山に到着した。
テリア山はハングル公爵領の中にあり、逆にハングル公爵領にはテリア山以外何も無いと言っても過言ではない。
寒冷な山岳地帯である事は分かり切っていたが、雪が低くても三十センチは積もっている極寒の雪山。修行に利用する人は結構多いらしいく、定番の修行スポットになっているとかなっていないとか。
「よーし、全員いるな。これからそれぞれのチームに分かれて一ヶ月間、この山の中で過ごしてもらう。移動中の三週間、もどかしかった奴も居るだろうが、この山では好きに暴れてくれ! というか、死ぬ気でやらないと本当に死ぬからな。この山に生息してるのはどれもニ級、一級を超える魔物ばかり。加えてこの吹雪と山という環境は魔物抜きでもかなり過酷だ。十分に考えて生きろ! ……では行けッ!」
アラン団長の号令で数百人が一斉に動き出し、それぞれのチームが初動をどうするか話しながら山に入って行く。
反応は十人十色、いや、千人千色で、ワクワクしている者も居れば恐怖に顔を引きつらせている者も居る。まぁ死んでもおかしくないとあれだけ脅されれば、怖くなっても仕方ないかもしれないな。
俺は小さい頃から三級程度の魔物はよく見てきたので、魔物には慣れてる方だ。
ガイナもレイグも家が戦闘に長けた家なので、特に恐怖は感じていないらしい。エヴァは無表情だが、若干顔を引きつらせているところを見るに少し怖いようだ。マナに至っては膝が震えている。寒さのせいじゃないだろうな。
「しかし雪山だけあって寒いな」
「ああ。このコートは極寒地でも活動出来るって売り文句だったが、嘘だな」
「ま、マナがいる限りは大丈夫か」
「あんまり宛てにしないでよ?」
「エヴァもいるしな」
「寒いのは専門外……」
「とりあえず、ベースキャンプの場所を決めるよ。これから一ヶ月間、何か問題が発生しない限りはそこで過ごすことになる。じゃあ、行こうか」
「おー!」
「いっちょやるか」
「少し楽しみだ」
「…………ん」
◇
出発から一時間。俺達はベースキャンプに最適な場所を求め歩いていた。雪山とはいえ一公爵領レベルの広さがあるので、ここまで二、三チームしか見かけていない。周りの景色は白一色で、方向感覚も定かではなく、歩き回るのはかなり怖いが、レイグが先導してくれているので大丈夫だろうと任せて付いて行く。
「一時間は歩いたか」
「ああ、吹雪いてないのが幸いだな」
「そろそろ決めないとな。こういう時はどういうことに注意するんだ?」
「まぁまずは森の近くがいいな。テリア山は山と呼ばれてこそいるが、基本平原と森が組み合わさった地形が段々に積み上げられてる地形になっているから、平原で尚且つ森に近い位置が好ましい」
流石はガイナ。どういう経緯で仕入れた情報かは知らないが、この雪山合宿に関する情報だけで言えばレイグよりも頼りになる。
「へぇ知らなかったわ」
「僕もだ」
ガイナの言った条件を満たす場所を探し歩き、それから一時間ほどで俺達は最適な場所を見つける事が出来た。
位置的にはテリア山を上から見て南西の所らしい。騎士団が待機している本部からは普通に歩いて三時間ってところか。
二方向を森に囲まれた場所で近くに川も通っていることからここにしたのだ。
「しかし、雪山の川って凍ってるか超冷たいイメージがあるけど温かいんだな」
「本当だね」
「それは私知ってるわよ。確かテリア山って昔は火山だったのよ」
マナが山頂の方を眺めながら話す。
「七、八年前まではよく噴火が起きていたせいで困ったハングル公爵が帝国に助けを求めた所、三大将軍である冬将軍が火山を丸ごと雪山に変えたらしいわ。だからここを流れる川は山の中にあるマグマに熱されて温水になってるのよ」
「へぇ、なるほどな」
「しかし、たった一人でこの山を、しかも火山を雪山に変えたのか?」
「らしいわよ」
「マグマを雪で……なんて魔力量だ」
「ん? どうやったら雪がマグマに勝てるんだよ?」
「あー、まぁクロトは知らねぇか。例えばな……レイグ、マナ。手伝ってくれ」
「ん?」
「いいわよ」
よし、と手を叩いてレイグとマナを向かい合わせる。
「水柱と火柱をだいたい同じ魔力量でぶつけてくれ」
〈水術 水柱〉
〈炎術 火柱〉
レイグから放たれた水柱が、マナの火柱にぶつかりジュッと音を立てて火を消していく。水が火に強い。当たり前だ。
「こんな風に魔力量が同じなら勝つのは属性的に強いほうだ。じゃあ今度はマナ、魔力量を上げてくれ」
「わかったわ」
〈炎術 火柱〉
〈水術 水柱〉
今度はマナの放った火柱がレイグの水柱を焼き尽くした。
「すごい、同じ魔術なのに……」
「属性相性が悪くても魔力量が上回れば勝てるんだ」
「なるほど、つまりマグマを鎮めるほどの雪を降らせた冬将軍の魔力は凄まじいって事だな」
「ま、そういうこった。さ、戻ってキャンプ張ろうぜ」
『おう!』
俺達が戻ろうとしたその時、左側からバキバキと木を引き裂くような音が聞こえてくる。何の音だろうかと思って目を向けると、本当に木が引き裂かれており、そこから白い毛に覆われた二足歩行の豚がこちらを見ていた。
「早速、魔物か」
俺はテンペスターを抜き構える。
「あれはホワイトオークだ。気をつけろ、二級魔物だ」
「ああ、行くぞ!」
『おう!』
「ふぁ~暇だなぁ」
「もう二週間はこうしてるか?」
「そうだな」
俺達は学園の雪山合宿への参加を決め、その目的地であるテリア山を目指して二週間前に出発した。
この二週間、特に何の問題も起きず、順調に進んできた。総数二百を超える馬車が移動しているので、かなり目立ち、魔物との遭遇も危惧されていたが、街道に出てくるようなはぐれの魔物はその光景に驚いて逃げてしまうので、この二週間一度も魔物を目撃していない。
それは良いのだが、朝起きて飯を食って馬車に揺られ、また飯食って寝るという生活が二週間も続くと流石に飽きてくる。
ごく稀に魔物が先頭の方に出現しているらしいが、幸か不幸か龍騎士団が護衛についている為、その魔物も俺達の耳に届く頃には当然既に対処済みとなる。
つまり、なんのトラブルもピンチもなく一日が過ぎ、それが二週間は続いているというわけだ。
「あとどれぐらいなんだ?」
「一週間とかじゃない?」
「一週間か……ところでエヴァ、ここ二週間飯食ってる時と寝てる時しか喋ってないけど、どうした?」
「…………」
「酔ってんのか?」
「…………ん」
「あー、そうか。悪い」
と言って背中をさすってやる。
「よし、暇だから確認事項でもしておくか」
と言い出したのはレイグだ。
「おーやろぅぜやろぅぜ」
ガイナがやる気だ。やっぱり二週間はもじっとしているのはきついみたいだ。
「それじゃあ、着いてからの予定だけど……」
「確か各チームに別れてキャンプを張り、一ヶ月間の訓練で基礎的な能力の向上を目指すって言ってたよな」
「でもそれってサボれるんじゃないかしら?」
「それは無理だね、マナ。テントとか防寒具は支給されるけど、食糧なんかの消耗品は一週間分しか支給されない」
「あ、そっか」
「そう、焚き火をしようにも枝がいる。そうすれば必然的に何もしないわけにはいかない。食糧なんて言うまでもないだろう」
「枝の調達ってだけでも魔物と遭遇する可能性はあるし、食糧の調達なんて戦闘必須だな。……ところで食糧って魔物の肉とかになるのか?」
「まぁそうだね」
「なんだか嫌ね、魔物の肉って」
「美味いらしいぜぇ」
「誰か食べたことあるか?」
『…………』
「無いみたいだな」
魔物の肉か。
魔物も種類が多いが、ゴブリンとかの肉は嫌だなぁ。人型ってのは流石に抵抗がある。
そんな事を考えているとき、ガタンと音を立てて馬車が止まった。どうやら今日はここまでらしい。
「よーし!今日はここでキャンプを張る! 全員準備にかかれ!」
外からアラン団長の声が聞こえる。さて、俺達もいつも通りキャンプの準備を始めるか。
◇
それから二週間後。北の大陸、魔族領の古城にて。
「帰ったわよ。……誰も居ないの?」
「アリスか」
「ああ、そこに居たのね。今帰ったわ」
アリスがアルバレス公爵領より帰還し、それを魔族のリーダー格の男が迎える。
「どうだった?」
「あと一歩のところでバンリとガウィンを殺しそこねたわ」
「お前の奴隷は?」
「ファリオスとかいう三大将軍に邪魔されたわ。その時に傷を負って、今は治療中」
「そうか、痛手だな」
「そうね。あの二人、奴隷とはいえ底知れない力があるのは間違いない」
「それで、アルバレス領にどの程度の損害を与えれた?」
「街の一角を廃墟にしただけ。バンリとガウィンには痛手を与えたはずだけど、ファリオスが居る以上はもうあの街を足掛かりには出来ないわ」
「そうか、まぁ今回のアルバレス領襲撃はこちらに注目を向けさせるためのただのフェイク。本命は今頃終わってるんじゃないか? ククク」
◇
同時刻。俺達はテリア山に到着した。
テリア山はハングル公爵領の中にあり、逆にハングル公爵領にはテリア山以外何も無いと言っても過言ではない。
寒冷な山岳地帯である事は分かり切っていたが、雪が低くても三十センチは積もっている極寒の雪山。修行に利用する人は結構多いらしいく、定番の修行スポットになっているとかなっていないとか。
「よーし、全員いるな。これからそれぞれのチームに分かれて一ヶ月間、この山の中で過ごしてもらう。移動中の三週間、もどかしかった奴も居るだろうが、この山では好きに暴れてくれ! というか、死ぬ気でやらないと本当に死ぬからな。この山に生息してるのはどれもニ級、一級を超える魔物ばかり。加えてこの吹雪と山という環境は魔物抜きでもかなり過酷だ。十分に考えて生きろ! ……では行けッ!」
アラン団長の号令で数百人が一斉に動き出し、それぞれのチームが初動をどうするか話しながら山に入って行く。
反応は十人十色、いや、千人千色で、ワクワクしている者も居れば恐怖に顔を引きつらせている者も居る。まぁ死んでもおかしくないとあれだけ脅されれば、怖くなっても仕方ないかもしれないな。
俺は小さい頃から三級程度の魔物はよく見てきたので、魔物には慣れてる方だ。
ガイナもレイグも家が戦闘に長けた家なので、特に恐怖は感じていないらしい。エヴァは無表情だが、若干顔を引きつらせているところを見るに少し怖いようだ。マナに至っては膝が震えている。寒さのせいじゃないだろうな。
「しかし雪山だけあって寒いな」
「ああ。このコートは極寒地でも活動出来るって売り文句だったが、嘘だな」
「ま、マナがいる限りは大丈夫か」
「あんまり宛てにしないでよ?」
「エヴァもいるしな」
「寒いのは専門外……」
「とりあえず、ベースキャンプの場所を決めるよ。これから一ヶ月間、何か問題が発生しない限りはそこで過ごすことになる。じゃあ、行こうか」
「おー!」
「いっちょやるか」
「少し楽しみだ」
「…………ん」
◇
出発から一時間。俺達はベースキャンプに最適な場所を求め歩いていた。雪山とはいえ一公爵領レベルの広さがあるので、ここまで二、三チームしか見かけていない。周りの景色は白一色で、方向感覚も定かではなく、歩き回るのはかなり怖いが、レイグが先導してくれているので大丈夫だろうと任せて付いて行く。
「一時間は歩いたか」
「ああ、吹雪いてないのが幸いだな」
「そろそろ決めないとな。こういう時はどういうことに注意するんだ?」
「まぁまずは森の近くがいいな。テリア山は山と呼ばれてこそいるが、基本平原と森が組み合わさった地形が段々に積み上げられてる地形になっているから、平原で尚且つ森に近い位置が好ましい」
流石はガイナ。どういう経緯で仕入れた情報かは知らないが、この雪山合宿に関する情報だけで言えばレイグよりも頼りになる。
「へぇ知らなかったわ」
「僕もだ」
ガイナの言った条件を満たす場所を探し歩き、それから一時間ほどで俺達は最適な場所を見つける事が出来た。
位置的にはテリア山を上から見て南西の所らしい。騎士団が待機している本部からは普通に歩いて三時間ってところか。
二方向を森に囲まれた場所で近くに川も通っていることからここにしたのだ。
「しかし、雪山の川って凍ってるか超冷たいイメージがあるけど温かいんだな」
「本当だね」
「それは私知ってるわよ。確かテリア山って昔は火山だったのよ」
マナが山頂の方を眺めながら話す。
「七、八年前まではよく噴火が起きていたせいで困ったハングル公爵が帝国に助けを求めた所、三大将軍である冬将軍が火山を丸ごと雪山に変えたらしいわ。だからここを流れる川は山の中にあるマグマに熱されて温水になってるのよ」
「へぇ、なるほどな」
「しかし、たった一人でこの山を、しかも火山を雪山に変えたのか?」
「らしいわよ」
「マグマを雪で……なんて魔力量だ」
「ん? どうやったら雪がマグマに勝てるんだよ?」
「あー、まぁクロトは知らねぇか。例えばな……レイグ、マナ。手伝ってくれ」
「ん?」
「いいわよ」
よし、と手を叩いてレイグとマナを向かい合わせる。
「水柱と火柱をだいたい同じ魔力量でぶつけてくれ」
〈水術 水柱〉
〈炎術 火柱〉
レイグから放たれた水柱が、マナの火柱にぶつかりジュッと音を立てて火を消していく。水が火に強い。当たり前だ。
「こんな風に魔力量が同じなら勝つのは属性的に強いほうだ。じゃあ今度はマナ、魔力量を上げてくれ」
「わかったわ」
〈炎術 火柱〉
〈水術 水柱〉
今度はマナの放った火柱がレイグの水柱を焼き尽くした。
「すごい、同じ魔術なのに……」
「属性相性が悪くても魔力量が上回れば勝てるんだ」
「なるほど、つまりマグマを鎮めるほどの雪を降らせた冬将軍の魔力は凄まじいって事だな」
「ま、そういうこった。さ、戻ってキャンプ張ろうぜ」
『おう!』
俺達が戻ろうとしたその時、左側からバキバキと木を引き裂くような音が聞こえてくる。何の音だろうかと思って目を向けると、本当に木が引き裂かれており、そこから白い毛に覆われた二足歩行の豚がこちらを見ていた。
「早速、魔物か」
俺はテンペスターを抜き構える。
「あれはホワイトオークだ。気をつけろ、二級魔物だ」
「ああ、行くぞ!」
『おう!』
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