最弱属性魔剣士の雷鳴轟く

愛鶴ソウ

文字の大きさ
140 / 216
第五章 神威編

139話 最強の”突き”

しおりを挟む
「随分ボロボロじゃねーか」


 その言葉はハザックにも、シエラ達にも言えた事で、お互いの様子はまさに瀕死。
 だが身体的ダメージの大きいハザックと魔力を失ったシエラ、リンリとではボロボロの類が違う。これ以上の戦闘が厳しいシエラ達に対してハザックはまだ戦う気だろう。


「こいつはおれが倒すつもりだったんだが……」


 ハザックの傷口や火傷を見てここまでのダメージを与えた人物をすぐに理解する。


「随分強くなってるな、リンリ・・・


 何気にレオがリンリの名前を呼ぶのは初めての事だ。リンリもどことなく遠慮していた節があり、この二人が仲良く喋っている姿というのはシエラも想像ができない。
 リンリがクロト達と行動を共にするその直前でリンリはレオと戦い、そしてリンリが敗れているということもあり、溝があったのだろう。


「その状態のお前を倒しても意味なさそうだな」

「それはナメ過ぎではないですか?」

「そんな状態のお前じゃ……すぐ首が取れちまう」

「自惚れを……アルバレス支部で私に手も足も出なかったのをお忘れですか?」

「なーに、その時と今とでは状況が違うんでね。目にもの見せてやるよ」


 静かな睨み合いが続き、レオの先制で戦いが始まった。





「この取り囲んでいる盗賊団を潰すわよ」

「潰すって言ってもどうやって? 多分セバルツァ支部、シルバス支部、コムラ支部から総動員されたウェヌス盗賊団本隊だよ」

「こういうのは大体統制を取ってるやつがいるのよ。でないと荒くれ集団をこんな綺麗に配置出来るわけがない」

「だったらあそこじゃない?」


 リュウが指差したのは北を封鎖している盗賊団だ。


「わかるの?」

「今は竜鎧装りゅうがいそう着けてるからね 魔力を感じ取れる。さっきレオを降ろしたところにでかい反応が一つ、そのすぐ近くに三つ。そしてあの辺に三つ、他と比べて大きな反応がある」

「当たりね。向かって!」





「オレはこの程度では殺せねぇよ」


 エヴァの作り出した嵐神槍グングニルに亀裂が走り、上空からゼノンの声が響く。直後、氷は砕け、空からゼノンが降ってくる。衝撃と砂煙を起こしながら着地したゼノンは全く聞いてない様子で首の骨をバキバキと鳴らしている。


「いやぁ、大した規模の一撃だ。だが、時間稼ぎにもならなかったな」


 エヴァが氷に閉じ込めてまだ大した時間は経っていない。
 チラッと空を旋回するリュウの姿が見えた気がしたが、それも本当にリュウだったかは判断がつかない。リュウとレオが来てくれればかなり状況は変わるが……


「エヴァ、あの技を使う」


 小声でエヴァに話しかける。
 毒が攻撃を無効化するなら毒も追いつかない速度の攻撃をするか、毒を突き破って攻撃するしかない。だが、速度重視の紫電一閃は防がれた。ならば後者である毒を突き破った攻撃をするしかない。


「でもあれって……」

「それで決まれば問題ない。それに……それ以外に有効な手段もない」

「……わかった。無理はしないで、お願いだから」

「ああ、任せろ」


 シュデュンヤーを鞘に納め、右手の指先までピンと伸ばして突きの構えを取り、そのまま獄気で硬化させる。そこに高電圧の雷を纏い、貫通力を底上げする。


「私が時間を稼ぐ!」


〈氷術 雹絶帝砲エンペラーキャノン


 エヴァはゼノンの周りを旋回しながら氷塊を飛ばし、注意をそらす。ゼノンもそれに合わせて向きを変え、氷塊を素手で砕いてはいるがこちらへの注意を完全に反らすことはできない。それもそうだろう。明らかにこれからなにかしますと言っているようなものだ。
 だが、いい。何か別の事に気を取られていれば必ず隙はある。


〈毒蛇〉


 ゼノンの両手の平から細い管の様な毒が伸び、エヴァへ迫る。それを飛んで走って避けながら負けじとエヴァも氷塊を繰り出す。


「今だ……っ!!」


 一気に踏み込み、速度を上げてゼノンに接近する。
 自分の体質が雷である最大のメリットは恐らくこの速度だろう。電流が流れるのと同じ速度で動けるわけだ。


「はぁ!!」


 ゼノンも咄嗟に振り返り、手の平から毒を噴射してガードする。そこへなんの躊躇いもなく右手の突きを放ち、魔力を開放する。
 この技は一ヶ月前、デルダインが使った恐らく最高レベルの技。高圧の電気を放ちながら一点に突く。


武雷針ぶらいしん


 〈武雷針ぶらいしん〉はデルダインの奥の手でもあった技。ただ、この技はただ雷を纏って放つ突きじゃない。雷による肉体の活性化が必須であり、調整を間違えれば体が痙攣し、動けなくなる。故にこの技の習得にはここまでの時間がかかった。
 纏った雷が毒を弾き、奥へ奥へと手を進ませる。これがゼノンの体に届けば致命傷は確実。行け……届け!!



〈毒蜘蛛〉


 エヴァの氷塊をガードしていた右手と俺の武雷針をガードしていた左手を合わせ、両手の平を組むと同時に俺の周囲に毒が溢れ出す。
 毒は俺を包むように広がり、そして迫ってくる。
 突きだけを重視していた為に反応が遅れている上、突きの体勢から動けない。目の前が紫に染まり、そして暗く……


 視界の暗転と共に俺の意識もすぅっと遠のいた。





 クロトが毒に飲み込まれ、思わず足を止める。
 獄化・地装衣インフェルノトォールを発動していたとしてもあれだけの毒を受けて無事な可能性は低い。


「ぁ……ぁぁ……」

「まずは一人ィ……」


 首の関節をポキポキ鳴らしながら振り返り、ゼノンは私に狙いをつける。
 クロトが敗れたというデルダインの超技、武雷針ぶらいしんを持ってしても貫けない毒。そしてクロト自身も今は毒にまみれて地面に倒れている。私が戦わなきゃ……ここで動かないと、みんな殺される……


「まァそう泣くなや。すぐに同じところに行けんだからよォ」


 若干困ったようにも取れる表情でゼノンは言う。自分でも気づかないうちに涙が頬を伝っていた。クロトの助かる可能性はゼロに近い……けどゼロじゃない。いくら毒に侵されていても、クロトはいつだって普通の人とは違った。
 あのガイナ達でさえも最初は私に関わろうとはしなかった。でもクロトは違った。普通雷属性って言われたら魔術の道はみんな諦める。でもクロトは違った。いつだってクロトは諦めないし、毒なんかで死ぬわけない。
 ……だったら私は、今ここで戦って勝つ。クロトも助ける……!


〈氷術 雹絶世界シルバー・攻〉


 両手を地面に付き、周囲の地面を凍てつかせる。地面から尖った氷塊が突き出る攻撃特化の雹絶世界シルバー


「うお、やる気かァ」


〈氷術 氷結下界ブリザード


 指を鳴らすと地面から突き出た氷塊が上空に突き上がり、散弾。一定範囲にあられを降らせる。それにより視界は悪くなり、ゼノンと言えど私の姿を完璧には捉えられなくなるはず。


「チィ……遅延行為に意味があるのかァ?」


 私に向かって叫んでいるんだろうけど返事はしない。苛立ったゼノンは向けて右手を突き出して毒を噴射する。あれを食らったら私も終わりだ。


〈毒蛇〉


 さっきよりも太い管のように伸びた毒蛇はあられで影しか見えないであろう私を捉え、肩から毒の蛇に噛みつかれる。



〈氷術 生贄スケープゴート


 噛み砕いたはずの私の体は氷になって砕け散る。
 以前私が使っていたただの人形を作り出す氷の身代わりアイススケープゴートと違い、攻撃を食らってから自身と氷の位置を入れ替える術。魔力の消費もかなり多い上に失敗する可能性もある賭けの術だけど、確実に相手に隙を作れる。


「なに……?」

「そこ……」


〈氷術 武器具現 『トマホーク』 氷斧両断二投撃ひょうふりょうだんにとうげき


 背後に回り、それぞれの手から氷の斧を作り出して、ゼノンへ向けて回転しながら発射する。


「うお……」


 両サイドから迫ってくる斧を両手を広げ、毒でコーティングして受け止める。
 回転した斧は毒を弾き飛ばして迫るが、溢れ出る毒を完全に弾き飛ばすことは出来ず、停滞している。


「もう一度……!」


〈氷術 武器具現 『トライデント』 氷槍猪突猛進撃ひょうそうちょとつもうしんげき


 そこへ続けざまに氷槍を生成し、ゼノンの心臓めがけて飛ばす。
 斧を弾き、両腕を氷斧で防いだところへ決定打を打ち込む。氷結下界ブリザード生贄スケープゴートで隙を作り、大技二連続で確実にトドメを刺す私が即興で考えた戦法。


「こりゃ……やべぇなァ!」


 ゼノンに氷槍が突き刺さる直前、ゼノンの全身から今までの比にならない量の毒が溢れ出し、氷槍はおろか氷斧をも飲み込んだ。氷結下界ブリザードの効果時間も終わり、視界も通るようになる。
 そして現れる、まさに怪物。
 紫の毒は足の無い化け物を象る。上半身は大きく、尻尾は長い。顔は蛇の骸骨に似ており、蛇で言えば胸にあたる所から太い二本の腕が生えている。中心にいるゼノンは嬉しそうな笑みを浮かべながら叫ぶ。


「まさかこれを使わされることになるとは思わなかったぜぇ……」


〈奥義 毒大蛇キングコブラ


「これで沈めた街はいくつになるっけなァ」


 両腕が地面を掴み、威嚇するように吠える。毒が空気すらも溶かす音が、生物の咆哮のように聞こえるのだ。
 毒が象っているだけのはずなのに、命を持った生物と変わらない程の迫力。むしろこっちの方が怖い。


「こいつはオレの体を完璧に守り、触れるもの全てを毒に侵す。まさに攻防をいっぺんに行える最強の毒さ」


 ゼノンの言っていることは多分真実。
 それに私の氷ではきっとあの毒は貫けない。でも、黒氷なら……まだ可能性はある。
 まだまだ練習段階。でも、今ここを破るならこれしかない。


「はぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」


 胸の魔石に触れ、全身から魔力を解放させる。私の魔力量と魔力の器じゃこの術は使えなかった。でも、闇の魔石を器として活用すればそれも可能になる。魔石を器に、そして長い時間をかけてそこに魔力を溜め続けていた。


「クロトの為に悪魔にでもなると覚悟を決めた。でも、私は……クロトが私に付けてくれた名前を忘れない!」

「な、何だこの魔力……」


 黒氷術を戦闘で使うには魔力がまるで足りない。だから強力な魔力増幅の術を編みだす必要があった。ネグラが表に出ている時は魔石に蓄積された膨大な魔力を使うから問題なかったけど、私が自分の意思で使うなら話は別。だからネグラと同じように魔石の魔力を引っ張り出す!


〈氷術奥義 氷纏・姫装束イエロ・プリンセスコート


 服が氷で作られた真っ白なドレスに変わり、髪の毛が金から黒へ変化する。魔力がとめどなく溢れ、失った体力も戻ってきている。
 クロトの様に体質ごと属性に変換する事は出来なかったけど、天装衣の魔力増幅だけを行い、その氷を着る・・事にした。それが氷纏・姫装束イエロ・プリンセスコート


「これが私の新しい力!」


 頭に何か乗った感触がしたので、触れてみると氷のティアラが乗っていた。お姫様みたいでちょっと恥ずかしいけど、この姿なら負けない。
 クロトは私が助ける。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

慈愛と復讐の間

レクフル
ファンタジー
 とある国に二人の赤子が生まれた。  一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。  慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。  これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。  だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。 大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。  そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。  そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。  慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。  想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。 魔力があっても普通の魔法が使えない俺。 そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ! 因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。 任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。 極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ! そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。 そんなある日転機が訪れる。 いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。 昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。 そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。 精霊曰く御礼だってさ。 どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。 何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ? どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。 俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。 そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。 そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。 ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。 そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。 そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ? 何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。 因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。 流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。 俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。 因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

処理中です...