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退位勧告されたルミナス三世、離乳食の夢散る
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「き、気でも触れたか、大臣! クーデターなど、正気の沙汰ではないぞ!」
震える指で大臣を指さす国王。その声は裏返り、王冠の下の額からは脂汗が滲み出ていた。対する大臣ボルゴフは、微動だにせず、心の底から蔑むような視線を王に投げ返した。
「それは、あなたの方でしょう。正直者にしか見えない高価な生地――その実、ただの空気に過ぎぬ代物に大金を払った方に言われたくありませんな。国庫を、民の血税を何だと思っているのですか」
「い、いや、でも、あれだろ? これはわしを諫めるための、一種のパフォーマンスなんだろう? 分かった、改める! わし、今日からいい子になる! エラそうにしないし、酒も飲みすぎないようにするから!」
「……今まで、こんな男に仕えていた自分を褒めてやりたい」
大臣は重苦しい溜息をつき、天を仰いだ。その肩にのしかかるのは、積年の苦労と、それを裏切られ続けたことへの虚無感だ。
「な、納得せんぞ! 国民が納得せん! 簒奪者に支配される国など、すぐに暴動が起きるわ!」
「ご安心を、王よ。国を実質的に『経営』するのは私ですが、トップの座に就いていただくのは、こちらの清らかな方なのです」
大臣がうやうやしく紹介したのは、傍らに佇む可憐な「少女」であった。
「だ、誰だそれは?」
「王家の血筋に連なる方です。正確には、先代の王のはとこのはとこのはとこの孫ですな」
「そんなもん、ほとんど他人だろ!」
「ちゃんと最新版の王室家系図に載っているんですよ。一滴でも高貴な血が流れていれば、象徴としては十分。あなたよりもよっぽど見栄えが良い」
「……考え直さんか、大臣。給料、倍にするぞ。ボーナスも増やす。な、なんだったら、領地だって好きなだけ……」
「黙れ!」
大臣の怒号が玉座の間に響き渡った。
「危急存亡のこの時に、金? 領地? そんなものに何の意味がある! 私が欲しいのは、金で買える安らぎではない、この国の不滅の誇りだ!」
国王は「ひいっ」と身を仰け反らせ、震える声で尋ねた。
「……わしを、殺すのか?」
「ご安心を。腐っても一度は主とお呼びした方、命まで取ろうとは思いません。隠居していただければ結構です。こちらの書類にサインと印を押していただければ、城門にはすでにある程度の家財を積んだ馬車を用意しております。それでどちらへでも、お好きなところへ行ってください」
「ううっ……」
あまりにも手際の良い追放準備に、国王は絶望の涙を流した。
それを横で見ていたシャルロット姫は、素早く状況を察知していた。
(大変なことになっちゃった……。劇っていうのは見ている分にはいいけど、演じなきゃいけない方はたまったもんじゃないわ。まあ、いずれにしても、命あっての物種よね)
「じゃ、じゃあ、わたくしもカバンに荷物を詰めさせてきまーす! お父様、早く行きましょう!」
シャルロットが踵を返そうとした、その時である。
「感動の退位劇の最中に、無粋な真似を失礼しますよ」
回廊の影から玉座の間へと、不気味な魔力の揺らぎを纏ったローブの男が、二人の少女を伴って現れた。
「ご紹介しましょう。元魔王軍第六軍団長、エリアス殿です。わたしの協力者です」
「えええええええっ! ま、魔族! 本物の魔族じゃないのよ!」
シャルロットが悲鳴を上げると、背後で王がガタガタと震えながら叫んだ。
「な、な、何を考えておるのじゃ、大臣! 正気か!? 魔族と手を組むなど、正義の国アルカディアの風上にも置けんぞ!」
「あなたという方には、本当に呆れて物も言えませんな」
大臣は冷ややかな一瞥を王に投げた。
「その魔族に降伏し、媚を売ろうとしていたのはどこの誰ですか。私は、利用できるものは何でも利用すると決めただけのこと」
「そ、それとこれとは話が別だろう! お前が国を愛する気持ちというのも、結局は嘘だったのか!」
「ご安心を。エリアス殿は魔族の中でも一風変わった方でしてね。この国をどうこうしようなんて野心は持たれていないのですよ。ただ、共通の敵を排除するために協力してくださるだけです」
「嘘をつけ! フードで顔を隠しおって、そんな奴が野心家じゃないわけがあるか!」
王の言葉に、エリアスは「ふふ……」と低く笑い、ゆっくりとフードを下ろした。
「これは失礼しました」
そこに現れたのは、かつての戦いで焼かれ、ひび割れた痛ましい素顔。シャルロットも王も、そのあまりの凄惨さに絶句した。
「……す、すみませんでした」
王は一瞬で戦意を喪失し、縮こまった。エリアスは王を無視し、冷酷な眼差しをシャルロットに向けた。
「ところで、大臣。そちらがシャルロット姫ですか?」
(ひいいっ! な、なによっ!)
見られたシャルロットは内心で悲鳴を上げた。
「確か、勇者の子を身ごもっているという話でしたね」
エリアスの言葉に、大臣は忌々しげに顔を歪めた。
「そのせいで、人選には随分と苦労させられましたよ。清らかな王族の代理を探す羽目になったのですからな」
「面白いですね。勇者の種を宿した王女か……。この娘は、勇者への対抗手段として使えるのでは」
(ヤバイ! これ、人質にされるパターンのやつだわ!)
シャルロットの生存本能がフルスロットルで回転した。彼女はパッと手を挙げて叫んだ。
「ちょ、ちょっとタイム願います! 話を止めて!」
全員の視線が集中する中、シャルロットは必死の形相で続けた。
「残念ながら、子どもは宿っていませんでした! 想像妊娠でした! 報告、遅れました!」
「……何だと?」
大臣の眉間に深い皺が寄る。王は「ええっ、わしの孫が……」と目に見えてがっかりした。
「いずれにしても、儀式に必要な『清らかな体』ではないのでしょうな?」
大臣が問い詰める。シャルロットはここで「清らかです」と言えば別の意味で殺されると直感し、なりふり構わずまくし立てた。
「それはもう、もちろんですわ! あの晩、確かに勇者様とずっこんばっこんシていたのです! むしろ、わたくしの方が勇者様をリードして、一晩中休ませなかったんですから!」
「……調べましょうか? すぐ済みますが」
エリアスが指先を光らせる。
(調べるって何する気よ、この変態!)
大臣は心底嫌気がさしたように吐き捨てた。
「……いえ、その必要はありますまい。仮に姫の体が未経験の清らかなものであっても、この下卑た気質では……そもそも禁呪の依代には無理があったのだと、今分かりました。仮にこの者で国が救われたとしても、その瞬間、アルカディアは救うに値しない国へと堕ちてしまう。王も王なら王女も王女だ。もはや、この親子を一刻も早く私の目の届かないところへ移したい」
大臣は氷のような目で、王とシャルロットに最後通告を突きつけた。
「即刻、城を出なさい。一刻(二時間)後、まだ私の視界に入る場所にいたら……その時は処刑します。さっさと消えなさい」
大臣が背を向けて立ち去ると、シャルロットは「助かった!」と心の中で快哉を叫び、いまだ状況が信じられないように立ち尽くす父を叱咤した。
「お父様、何をぼっとしているの! 早く荷物をまとめて! 死にたくなかったら走るわよ!」
震える指で大臣を指さす国王。その声は裏返り、王冠の下の額からは脂汗が滲み出ていた。対する大臣ボルゴフは、微動だにせず、心の底から蔑むような視線を王に投げ返した。
「それは、あなたの方でしょう。正直者にしか見えない高価な生地――その実、ただの空気に過ぎぬ代物に大金を払った方に言われたくありませんな。国庫を、民の血税を何だと思っているのですか」
「い、いや、でも、あれだろ? これはわしを諫めるための、一種のパフォーマンスなんだろう? 分かった、改める! わし、今日からいい子になる! エラそうにしないし、酒も飲みすぎないようにするから!」
「……今まで、こんな男に仕えていた自分を褒めてやりたい」
大臣は重苦しい溜息をつき、天を仰いだ。その肩にのしかかるのは、積年の苦労と、それを裏切られ続けたことへの虚無感だ。
「な、納得せんぞ! 国民が納得せん! 簒奪者に支配される国など、すぐに暴動が起きるわ!」
「ご安心を、王よ。国を実質的に『経営』するのは私ですが、トップの座に就いていただくのは、こちらの清らかな方なのです」
大臣がうやうやしく紹介したのは、傍らに佇む可憐な「少女」であった。
「だ、誰だそれは?」
「王家の血筋に連なる方です。正確には、先代の王のはとこのはとこのはとこの孫ですな」
「そんなもん、ほとんど他人だろ!」
「ちゃんと最新版の王室家系図に載っているんですよ。一滴でも高貴な血が流れていれば、象徴としては十分。あなたよりもよっぽど見栄えが良い」
「……考え直さんか、大臣。給料、倍にするぞ。ボーナスも増やす。な、なんだったら、領地だって好きなだけ……」
「黙れ!」
大臣の怒号が玉座の間に響き渡った。
「危急存亡のこの時に、金? 領地? そんなものに何の意味がある! 私が欲しいのは、金で買える安らぎではない、この国の不滅の誇りだ!」
国王は「ひいっ」と身を仰け反らせ、震える声で尋ねた。
「……わしを、殺すのか?」
「ご安心を。腐っても一度は主とお呼びした方、命まで取ろうとは思いません。隠居していただければ結構です。こちらの書類にサインと印を押していただければ、城門にはすでにある程度の家財を積んだ馬車を用意しております。それでどちらへでも、お好きなところへ行ってください」
「ううっ……」
あまりにも手際の良い追放準備に、国王は絶望の涙を流した。
それを横で見ていたシャルロット姫は、素早く状況を察知していた。
(大変なことになっちゃった……。劇っていうのは見ている分にはいいけど、演じなきゃいけない方はたまったもんじゃないわ。まあ、いずれにしても、命あっての物種よね)
「じゃ、じゃあ、わたくしもカバンに荷物を詰めさせてきまーす! お父様、早く行きましょう!」
シャルロットが踵を返そうとした、その時である。
「感動の退位劇の最中に、無粋な真似を失礼しますよ」
回廊の影から玉座の間へと、不気味な魔力の揺らぎを纏ったローブの男が、二人の少女を伴って現れた。
「ご紹介しましょう。元魔王軍第六軍団長、エリアス殿です。わたしの協力者です」
「えええええええっ! ま、魔族! 本物の魔族じゃないのよ!」
シャルロットが悲鳴を上げると、背後で王がガタガタと震えながら叫んだ。
「な、な、何を考えておるのじゃ、大臣! 正気か!? 魔族と手を組むなど、正義の国アルカディアの風上にも置けんぞ!」
「あなたという方には、本当に呆れて物も言えませんな」
大臣は冷ややかな一瞥を王に投げた。
「その魔族に降伏し、媚を売ろうとしていたのはどこの誰ですか。私は、利用できるものは何でも利用すると決めただけのこと」
「そ、それとこれとは話が別だろう! お前が国を愛する気持ちというのも、結局は嘘だったのか!」
「ご安心を。エリアス殿は魔族の中でも一風変わった方でしてね。この国をどうこうしようなんて野心は持たれていないのですよ。ただ、共通の敵を排除するために協力してくださるだけです」
「嘘をつけ! フードで顔を隠しおって、そんな奴が野心家じゃないわけがあるか!」
王の言葉に、エリアスは「ふふ……」と低く笑い、ゆっくりとフードを下ろした。
「これは失礼しました」
そこに現れたのは、かつての戦いで焼かれ、ひび割れた痛ましい素顔。シャルロットも王も、そのあまりの凄惨さに絶句した。
「……す、すみませんでした」
王は一瞬で戦意を喪失し、縮こまった。エリアスは王を無視し、冷酷な眼差しをシャルロットに向けた。
「ところで、大臣。そちらがシャルロット姫ですか?」
(ひいいっ! な、なによっ!)
見られたシャルロットは内心で悲鳴を上げた。
「確か、勇者の子を身ごもっているという話でしたね」
エリアスの言葉に、大臣は忌々しげに顔を歪めた。
「そのせいで、人選には随分と苦労させられましたよ。清らかな王族の代理を探す羽目になったのですからな」
「面白いですね。勇者の種を宿した王女か……。この娘は、勇者への対抗手段として使えるのでは」
(ヤバイ! これ、人質にされるパターンのやつだわ!)
シャルロットの生存本能がフルスロットルで回転した。彼女はパッと手を挙げて叫んだ。
「ちょ、ちょっとタイム願います! 話を止めて!」
全員の視線が集中する中、シャルロットは必死の形相で続けた。
「残念ながら、子どもは宿っていませんでした! 想像妊娠でした! 報告、遅れました!」
「……何だと?」
大臣の眉間に深い皺が寄る。王は「ええっ、わしの孫が……」と目に見えてがっかりした。
「いずれにしても、儀式に必要な『清らかな体』ではないのでしょうな?」
大臣が問い詰める。シャルロットはここで「清らかです」と言えば別の意味で殺されると直感し、なりふり構わずまくし立てた。
「それはもう、もちろんですわ! あの晩、確かに勇者様とずっこんばっこんシていたのです! むしろ、わたくしの方が勇者様をリードして、一晩中休ませなかったんですから!」
「……調べましょうか? すぐ済みますが」
エリアスが指先を光らせる。
(調べるって何する気よ、この変態!)
大臣は心底嫌気がさしたように吐き捨てた。
「……いえ、その必要はありますまい。仮に姫の体が未経験の清らかなものであっても、この下卑た気質では……そもそも禁呪の依代には無理があったのだと、今分かりました。仮にこの者で国が救われたとしても、その瞬間、アルカディアは救うに値しない国へと堕ちてしまう。王も王なら王女も王女だ。もはや、この親子を一刻も早く私の目の届かないところへ移したい」
大臣は氷のような目で、王とシャルロットに最後通告を突きつけた。
「即刻、城を出なさい。一刻(二時間)後、まだ私の視界に入る場所にいたら……その時は処刑します。さっさと消えなさい」
大臣が背を向けて立ち去ると、シャルロットは「助かった!」と心の中で快哉を叫び、いまだ状況が信じられないように立ち尽くす父を叱咤した。
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