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宵闇の演舞
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九葉家は、いわゆる「見える」者が多く生まれてきている。
子供の頃に、自ら体験する事で、自然界と人と幽界との
繋がりを感じて来た。
近所のお宮さん、古いお堂、お地蔵さん。
外に出れば沢山の見えないものに
守られて、子供は大きくなっていく。
七歳までは、神の内。
生まれて数か月からの付き合いがある悠里は、
そろそろ春の足音が聞こえてきそうな時期に生まれた。
お互いの家を行き来するようになって、
一緒に走り回って遊ぶ事が、日々の楽しみだった。
祭禮に出られる事は、とてもありがたい事なのだと
教えられて育った。
多くの人が、支え合って、この何にもない
広い空と、豊かな自然の中で暮らしている。
恵みを分け合って、結の心を忘れずに生きているのだと。
俺の父親は、夕焼けみたいな人で
温かで、寡黙ながらも家族思いな人だった。
心を、静かに保って祭禮の最後の演目に挑む。
今日は、10年ぶりに悠里の見ている前で
できるのかと思うと、わずかながら緊張する。
あらゆる人の想いを受けて、
昇華させる。
人が、見えない想いを一心に受けながら
舞う姿には、果たしてどんなものが宿るのだろうか。
俺は、父親のその姿を見た時に
父親が、どこか遠い存在になってしまった気がして
鳥肌が立った。今でも忘れはしない。
ありきたりな言葉かもしれないが、
降りて来た気がしたのだ。
悠里も、ここを去る前に見た俺の父親の
姿を見て泣いていたのだ。
俺は、役目を引き継いでも
本当に見て欲しかった相手が居なくて
心は、くすぶり続けていたのだ。
一年に一度、内なる自分を高め、対峙する思いだ。
禊を済ませて、夜更けになると
装束に着替える。
今夜の月は、微笑んでいる。大丈夫だろう。きっと万事うまく行く。
日付も変わる頃に、雨はすっかり上がっており
会場には、人が集まっているのが空気で分かる。
受け継がれてきた面の、収まる箱を丁寧に取り出して
細く息をついた。
この後の記憶は、実は曖昧だった。
悠里に聞いてみると、
『一心不乱って、あの事だと思った。礼緒くん、終わった後に失神したんだよ。』
人として、見えざる存在と舞い
まるで、燃え尽きたかのように失神するとは。
俺は、どこまで父親の背中を追うのだろう。
俺は、控室に連れられて酸欠になり
その場でくずおれていたのだ。
すぐに面を取ってもらい、しばらくは動けなかった。
遠くで、拍手の音が聞こえていた。
悠里の姿を見たのは、翌日。
つまり、今だ。
『大丈夫?本当に…礼緒くん、すごくてね。テレビの取材の人とかも
撮影してたんだよ。ホント…お疲れ様。』
俺は、家の座敷に寝させられていて
ずっと放置されていた。
さっき、やっと起き上がって風呂に入ったばかりだ。
まだ少し頭が重い気もしたけど
悠里がすぐ側でニコニコと話している姿を見ていると
疲労感は薄らいで来た。
「俺は、じいさんも、ましてや親父も越えられないだろうけど…」
『僕は、それぞれ大好きだよ、三者三様って言うでしょ。ぁ、僕は礼緒くんの家の人が
舞う姿が子供の頃から大好きでさ。みんな、大好き。』
悠里らしい、優しい答えが心地よかった。
悠里は、座布団をひざ下からどかして
横に座っていた。
「結局、あれから見舞いに行けなくて…悪かった。」
『うぅん、そんな…あの一度だけでも、僕は嬉しくて仕方なかったよ。』
「いつまで、こっちに居られるんだ?」
『あ。その事なんだけどね…僕、こっちに戻る事になったんだ。』
悠里の表情には、迷いもなさそうで
もしかしたら、怪我をきっかけに?と思って
「まさか、どこか体が…」
悠里の肩を掴みかけたが、やめた。
『怪我はもう大丈夫、抜糸が済んで傷口も綺麗にふさがって来てるよ。』
「頭だったな、」
『傷はそんなに深くないの。高さもそんな高くは無い所だったから。』
「しばらくは、養生するんだろう?」
『そんなとこ、でも、仕事もコッチでまた探さないとね。』
俺は、もう一人の悠里に言った言葉を思い出す。
「お前に、言っただろ?うちで、働かないか?って」
『…それだけどさ、僕ここに来てたんだってね?礼緒くんまだまだ、見えるんだね。』
「家系なのかもしれない…。でも、確かにお前だった。記憶が、あるんだろう?」
『僕、夢を見てるんだと思ったし…。にしても、すごくリアルでさ。』
悠里は、テーブルの上の飲み物をグラスに移して
俺に勧めた。
長袖を着て、三角座りをしながら悠里は
『今度は、僕が起きてる時に…してよね。』
少しだけ照れた表情で言った。
「よく言うよ、子供の頃は俺を何回練習台にした?」
『…!あれは、だって…子供の頃はノーカンにしてよ。』
「俺の気持ちなんて、お構いなしに…」
『ぅあ…ごめんなさい…。イヤ、だったよね?』
「毎回、甘いお菓子くってけて、されるんだから…それほど嫌でもなかったかな。」
俺の、日常にまた…悠里が帰って来た。
信じ難かったが、どうやら本当らしくて
ここの所、悠里は荷物の整理に追われているらしい。
『そういえば、礼緒くん僕より1つ上になっちゃたんだね。あ~ぁ…』
「結構前の話だぞ?なんで、また」
『入院してる間、あんまり何でも食べられなかったでしょ?』
「…おれの誕生日に便乗して、ケーキが食べたかったのか。今からでも買いに行くか。」
『ぇ、いいよ…そんな。』
立ち上がると、悠里もつられて立ち
「今日は、悠里の快気祝いでケーキを買う。」
俺の言葉に、嬉しそうに微笑んだ。
『嬉しい…、礼緒くん。ありがとう。』
出かける準備をしていると、悠里が帽子を被っていた。
「傷跡のせいか…」
『それ程じゃないんだけどね。まだ髪が揃わない所あるから』
悠里の前に立って
「ずっと、お前を抱き締めたかったの…我慢してた。」
胸を開ける。悠里は、一瞬ためらうのかと思ったが
すぐに俺の抱擁を受け入れてくれた。
『礼緒くんは、可哀想とか言わないし、同情心じゃないでしょ?だから、いいの。』
「俺が、代わりたい程だった、ただただ、心配した。ずっと頑張って来たお前がまた、
こうして俺の前に居てくれる事が、嬉しい。」
そっと抱き締める腕には、悠里の温もりが伝わる。
『あはは、駄目だよ~、泣いちゃう…泣いちゃうからさ…そんなに優しいと』
「無理して笑うな…」
『でも、礼緒くんは俺に甘いから…あんまり頼りすぎると、嫌われちゃう。』
よく見れば、悠里の瞳には涙が今にも零れそうになっていた。
「どうしたら、悠里を嫌いになれるんだ…馬鹿げてる。」
『急に、礼緒くん積極的で…僕、頭が追いつかなくて、ほら、外出よう?ね…』
玄関に出て、座って靴を履く悠里を見ると
「…やっぱり、辛そうだな」
『ゆっくりだけど、ゴメンね…実は脚も怪我してたんだって。』
「手伝う…」
『いいよ、僕の事は、自分でしたいの。見守ってて欲しいから、手は出さないで?』
悠里の意志の強さには、昔から目を見張るものがあった。
「分かった。」
『礼緒くんになら、この気持ち…多分、分かるよね』
「そうだな。俺でも、きっと悠里と同じ様に言うだろう。…車、まわしてくる。」
悠里を車に乗せる事自体、初めてだと気が付いた。
一緒に、飲酒したことも無く。
大人になってからの楽しみを、悠里とは
経験した事が無かった。
座席の調整をした為、悠里も安心して助手席に座っている。
市内まで、出て子供の頃から互いの誕生日のケーキを
頼んでいた洋菓子店にやって来た。
『懐かしい~、わぁ、相変わらずのメルヘンな外観…子供に戻っちゃいそう』
悠里は、瞳を輝かせて洋菓子店の外観を見ていた。
車から降りて、店内に入るとベルの音が心地よく響いた。
ショーケースを子供の様に目をキラキラさせて見つめる姿は
何年経っても変わっていない。
『ホールも素敵だし、バラのも一つ一つ可愛いから悩んじゃうよね…』
「ホールでもいいし、悠里の好きなものにしたら良い。」
『ぇ!?でも…ぁ~、そろそろモンブランも出て来る頃だからなぁ…』
「…他にも色々あるんだな。焼き菓子とかも」
『さすがに、ホールケーキは気が引けちゃう。礼緒くん家の分と「あ~、それは面倒になるから…お前と俺の分で」』
悠里が、最終的に選んだのは
4号の小さめのデコレーションケーキだった。
「悠里の家で食べよう。」
『うち?誰もいないけど…』
「…だからだよ。」
鈍い奴だ、と苦笑いすると
『ぁ、…そういう事ね。』
理解したらしい悠里が、一人で顔を赤くさせていた。
子供の頃に、自ら体験する事で、自然界と人と幽界との
繋がりを感じて来た。
近所のお宮さん、古いお堂、お地蔵さん。
外に出れば沢山の見えないものに
守られて、子供は大きくなっていく。
七歳までは、神の内。
生まれて数か月からの付き合いがある悠里は、
そろそろ春の足音が聞こえてきそうな時期に生まれた。
お互いの家を行き来するようになって、
一緒に走り回って遊ぶ事が、日々の楽しみだった。
祭禮に出られる事は、とてもありがたい事なのだと
教えられて育った。
多くの人が、支え合って、この何にもない
広い空と、豊かな自然の中で暮らしている。
恵みを分け合って、結の心を忘れずに生きているのだと。
俺の父親は、夕焼けみたいな人で
温かで、寡黙ながらも家族思いな人だった。
心を、静かに保って祭禮の最後の演目に挑む。
今日は、10年ぶりに悠里の見ている前で
できるのかと思うと、わずかながら緊張する。
あらゆる人の想いを受けて、
昇華させる。
人が、見えない想いを一心に受けながら
舞う姿には、果たしてどんなものが宿るのだろうか。
俺は、父親のその姿を見た時に
父親が、どこか遠い存在になってしまった気がして
鳥肌が立った。今でも忘れはしない。
ありきたりな言葉かもしれないが、
降りて来た気がしたのだ。
悠里も、ここを去る前に見た俺の父親の
姿を見て泣いていたのだ。
俺は、役目を引き継いでも
本当に見て欲しかった相手が居なくて
心は、くすぶり続けていたのだ。
一年に一度、内なる自分を高め、対峙する思いだ。
禊を済ませて、夜更けになると
装束に着替える。
今夜の月は、微笑んでいる。大丈夫だろう。きっと万事うまく行く。
日付も変わる頃に、雨はすっかり上がっており
会場には、人が集まっているのが空気で分かる。
受け継がれてきた面の、収まる箱を丁寧に取り出して
細く息をついた。
この後の記憶は、実は曖昧だった。
悠里に聞いてみると、
『一心不乱って、あの事だと思った。礼緒くん、終わった後に失神したんだよ。』
人として、見えざる存在と舞い
まるで、燃え尽きたかのように失神するとは。
俺は、どこまで父親の背中を追うのだろう。
俺は、控室に連れられて酸欠になり
その場でくずおれていたのだ。
すぐに面を取ってもらい、しばらくは動けなかった。
遠くで、拍手の音が聞こえていた。
悠里の姿を見たのは、翌日。
つまり、今だ。
『大丈夫?本当に…礼緒くん、すごくてね。テレビの取材の人とかも
撮影してたんだよ。ホント…お疲れ様。』
俺は、家の座敷に寝させられていて
ずっと放置されていた。
さっき、やっと起き上がって風呂に入ったばかりだ。
まだ少し頭が重い気もしたけど
悠里がすぐ側でニコニコと話している姿を見ていると
疲労感は薄らいで来た。
「俺は、じいさんも、ましてや親父も越えられないだろうけど…」
『僕は、それぞれ大好きだよ、三者三様って言うでしょ。ぁ、僕は礼緒くんの家の人が
舞う姿が子供の頃から大好きでさ。みんな、大好き。』
悠里らしい、優しい答えが心地よかった。
悠里は、座布団をひざ下からどかして
横に座っていた。
「結局、あれから見舞いに行けなくて…悪かった。」
『うぅん、そんな…あの一度だけでも、僕は嬉しくて仕方なかったよ。』
「いつまで、こっちに居られるんだ?」
『あ。その事なんだけどね…僕、こっちに戻る事になったんだ。』
悠里の表情には、迷いもなさそうで
もしかしたら、怪我をきっかけに?と思って
「まさか、どこか体が…」
悠里の肩を掴みかけたが、やめた。
『怪我はもう大丈夫、抜糸が済んで傷口も綺麗にふさがって来てるよ。』
「頭だったな、」
『傷はそんなに深くないの。高さもそんな高くは無い所だったから。』
「しばらくは、養生するんだろう?」
『そんなとこ、でも、仕事もコッチでまた探さないとね。』
俺は、もう一人の悠里に言った言葉を思い出す。
「お前に、言っただろ?うちで、働かないか?って」
『…それだけどさ、僕ここに来てたんだってね?礼緒くんまだまだ、見えるんだね。』
「家系なのかもしれない…。でも、確かにお前だった。記憶が、あるんだろう?」
『僕、夢を見てるんだと思ったし…。にしても、すごくリアルでさ。』
悠里は、テーブルの上の飲み物をグラスに移して
俺に勧めた。
長袖を着て、三角座りをしながら悠里は
『今度は、僕が起きてる時に…してよね。』
少しだけ照れた表情で言った。
「よく言うよ、子供の頃は俺を何回練習台にした?」
『…!あれは、だって…子供の頃はノーカンにしてよ。』
「俺の気持ちなんて、お構いなしに…」
『ぅあ…ごめんなさい…。イヤ、だったよね?』
「毎回、甘いお菓子くってけて、されるんだから…それほど嫌でもなかったかな。」
俺の、日常にまた…悠里が帰って来た。
信じ難かったが、どうやら本当らしくて
ここの所、悠里は荷物の整理に追われているらしい。
『そういえば、礼緒くん僕より1つ上になっちゃたんだね。あ~ぁ…』
「結構前の話だぞ?なんで、また」
『入院してる間、あんまり何でも食べられなかったでしょ?』
「…おれの誕生日に便乗して、ケーキが食べたかったのか。今からでも買いに行くか。」
『ぇ、いいよ…そんな。』
立ち上がると、悠里もつられて立ち
「今日は、悠里の快気祝いでケーキを買う。」
俺の言葉に、嬉しそうに微笑んだ。
『嬉しい…、礼緒くん。ありがとう。』
出かける準備をしていると、悠里が帽子を被っていた。
「傷跡のせいか…」
『それ程じゃないんだけどね。まだ髪が揃わない所あるから』
悠里の前に立って
「ずっと、お前を抱き締めたかったの…我慢してた。」
胸を開ける。悠里は、一瞬ためらうのかと思ったが
すぐに俺の抱擁を受け入れてくれた。
『礼緒くんは、可哀想とか言わないし、同情心じゃないでしょ?だから、いいの。』
「俺が、代わりたい程だった、ただただ、心配した。ずっと頑張って来たお前がまた、
こうして俺の前に居てくれる事が、嬉しい。」
そっと抱き締める腕には、悠里の温もりが伝わる。
『あはは、駄目だよ~、泣いちゃう…泣いちゃうからさ…そんなに優しいと』
「無理して笑うな…」
『でも、礼緒くんは俺に甘いから…あんまり頼りすぎると、嫌われちゃう。』
よく見れば、悠里の瞳には涙が今にも零れそうになっていた。
「どうしたら、悠里を嫌いになれるんだ…馬鹿げてる。」
『急に、礼緒くん積極的で…僕、頭が追いつかなくて、ほら、外出よう?ね…』
玄関に出て、座って靴を履く悠里を見ると
「…やっぱり、辛そうだな」
『ゆっくりだけど、ゴメンね…実は脚も怪我してたんだって。』
「手伝う…」
『いいよ、僕の事は、自分でしたいの。見守ってて欲しいから、手は出さないで?』
悠里の意志の強さには、昔から目を見張るものがあった。
「分かった。」
『礼緒くんになら、この気持ち…多分、分かるよね』
「そうだな。俺でも、きっと悠里と同じ様に言うだろう。…車、まわしてくる。」
悠里を車に乗せる事自体、初めてだと気が付いた。
一緒に、飲酒したことも無く。
大人になってからの楽しみを、悠里とは
経験した事が無かった。
座席の調整をした為、悠里も安心して助手席に座っている。
市内まで、出て子供の頃から互いの誕生日のケーキを
頼んでいた洋菓子店にやって来た。
『懐かしい~、わぁ、相変わらずのメルヘンな外観…子供に戻っちゃいそう』
悠里は、瞳を輝かせて洋菓子店の外観を見ていた。
車から降りて、店内に入るとベルの音が心地よく響いた。
ショーケースを子供の様に目をキラキラさせて見つめる姿は
何年経っても変わっていない。
『ホールも素敵だし、バラのも一つ一つ可愛いから悩んじゃうよね…』
「ホールでもいいし、悠里の好きなものにしたら良い。」
『ぇ!?でも…ぁ~、そろそろモンブランも出て来る頃だからなぁ…』
「…他にも色々あるんだな。焼き菓子とかも」
『さすがに、ホールケーキは気が引けちゃう。礼緒くん家の分と「あ~、それは面倒になるから…お前と俺の分で」』
悠里が、最終的に選んだのは
4号の小さめのデコレーションケーキだった。
「悠里の家で食べよう。」
『うち?誰もいないけど…』
「…だからだよ。」
鈍い奴だ、と苦笑いすると
『ぁ、…そういう事ね。』
理解したらしい悠里が、一人で顔を赤くさせていた。
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