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「お兄ちゃん。カメラマンね」
妹が唐突に言った。
「カメラマン?」
「そう。私達がお兄ちゃんが選んだブラを試着するの。それをお兄ちゃんが撮るの」
「いやいや。勝手に決めるな」
「私は美沙希ちゃんの提案に賛成よ」
小泉さんは賛意を表明する。
「私も賛成です」
真凛ちゃんは恥ずかしそうに賛意を表明する。
真凛ちゃんまで・・・この3人の女子の中で唯一の常識人だと思っていた真凛ちゃんまで賛成するなんて・・・くっ、妹の影響か。自由奔放な妹の影響か!
「3対1で私の勝ちだね」
妹が勝ち誇った顔で言う。
「数の暴力だ」
僕は抗議する。
「暴力じゃないわ。民主主義よ。ねっ小泉さん」
妹は同意を求める。
「そのとおりよ。美沙希ちゃん。日本は民主主義の国よ。だから多数派の意見には従わないとダメよ。真凛ちゃんもそう思うでしょ?」
「はい。そう思います」
「というわけでお兄ちゃん、カメラマン。よろしくね。ブラを選ぶ役もよろしくね」
「店員さんに怒られると思うのだけど」
僕は最後の抵抗を試みる。
「問題ないですよ」
女性店員が言った。
背後で僕たちの会話を聞いていたらしい。忍者か。いや女性店員だからクノイチか。って、こんなくだらないこと考えてる場合ではない!
「いいんですか?」
「はい。今日はお客さん、少ないですし、問題ありません。それにこんな面白そうなイベント邪魔するなんて私にはできません」
「店長さんに怒られるんじゃないですか?」
「私が店長なので大丈夫です」
店長だと・・・大学生くらいにしか見えないのに。
「店長さんはまだ20歳なんだよ」
小泉さんは個人情報を教えてくれた。
「はい。高校卒業してこの店をオープンしたんですよ。女性用の下着が好きでね。それでね、勢いでオープンしちゃったんです」
「すご~い」
妹が感嘆とする。
「私はね、すべての女性に自分に似合う下着を着けてもらいたいと思ってるんです。きっとその女性に似合う下着はある。そう私は思ってるんです。そのサポートをする。それが私の使命だと思ってるんです」
「カッコイイ」
妹は目をキラキラさせている。
「ふふっ。ありがとう。でもね、この仕事を始めたのはサポートをするだけが目的じゃないんです。もうひとつ大きな目的があったんです」
「何ですか?」
妹が訊く。
「お客さんの下着姿が見れるからです。私、お客さんの下着姿を見るのが好きなんです。大好きなんです。見てるだけで興奮してしまうくらい大好きなんです」
「・・・」
僕は唖然とする。
「ランジェリーショップなら自然な形で女性の下着姿が見れる。私がデザインした下着を着けた女性を見られる。私が選んだ下着を着けた女性を見られる。そう思ったんです。そう思わなかったらランジェリーショップをオープンしてなかったと思います。使命感だけではオープンする勇気は持てなかったと思います。下着姿の女性を見たいという欲望があったからオープンできた。そう私は思ってます」
・・・何てことをカミングアウトしてんだ。この店長は。途中まで良い話だったのに。
「というわけで、今回のイベントは若い女の子たちの下着姿が見られる絶好の機会なので止める理由はありません。自由に自分たちの好きな下着を着けて撮影をしてください」
「店長さん。ありがとうございます」
妹がぺこりと頭を下げる。
小泉さんと真凛ちゃんも頭を下げる。
「いえいえ。お礼を言うのは私のほうですよ。これから若い女の子たちの下着姿を見せてもらえるんですから」
「お兄ちゃん、店長さんの許可も貰ったし、問題ないよね?」
「ないわよね?清水くん」
と小泉さん。
「ないですよね?お兄さん」
と真凛ちゃん。
「ないですよね?お客さま」
と店長さん。
僕は数の暴力に屈した。「わかったよ。やればいいんだろ」
民主主義なんて嫌いだ・・・心のどこかでそう思った。
妹が唐突に言った。
「カメラマン?」
「そう。私達がお兄ちゃんが選んだブラを試着するの。それをお兄ちゃんが撮るの」
「いやいや。勝手に決めるな」
「私は美沙希ちゃんの提案に賛成よ」
小泉さんは賛意を表明する。
「私も賛成です」
真凛ちゃんは恥ずかしそうに賛意を表明する。
真凛ちゃんまで・・・この3人の女子の中で唯一の常識人だと思っていた真凛ちゃんまで賛成するなんて・・・くっ、妹の影響か。自由奔放な妹の影響か!
「3対1で私の勝ちだね」
妹が勝ち誇った顔で言う。
「数の暴力だ」
僕は抗議する。
「暴力じゃないわ。民主主義よ。ねっ小泉さん」
妹は同意を求める。
「そのとおりよ。美沙希ちゃん。日本は民主主義の国よ。だから多数派の意見には従わないとダメよ。真凛ちゃんもそう思うでしょ?」
「はい。そう思います」
「というわけでお兄ちゃん、カメラマン。よろしくね。ブラを選ぶ役もよろしくね」
「店員さんに怒られると思うのだけど」
僕は最後の抵抗を試みる。
「問題ないですよ」
女性店員が言った。
背後で僕たちの会話を聞いていたらしい。忍者か。いや女性店員だからクノイチか。って、こんなくだらないこと考えてる場合ではない!
「いいんですか?」
「はい。今日はお客さん、少ないですし、問題ありません。それにこんな面白そうなイベント邪魔するなんて私にはできません」
「店長さんに怒られるんじゃないですか?」
「私が店長なので大丈夫です」
店長だと・・・大学生くらいにしか見えないのに。
「店長さんはまだ20歳なんだよ」
小泉さんは個人情報を教えてくれた。
「はい。高校卒業してこの店をオープンしたんですよ。女性用の下着が好きでね。それでね、勢いでオープンしちゃったんです」
「すご~い」
妹が感嘆とする。
「私はね、すべての女性に自分に似合う下着を着けてもらいたいと思ってるんです。きっとその女性に似合う下着はある。そう私は思ってるんです。そのサポートをする。それが私の使命だと思ってるんです」
「カッコイイ」
妹は目をキラキラさせている。
「ふふっ。ありがとう。でもね、この仕事を始めたのはサポートをするだけが目的じゃないんです。もうひとつ大きな目的があったんです」
「何ですか?」
妹が訊く。
「お客さんの下着姿が見れるからです。私、お客さんの下着姿を見るのが好きなんです。大好きなんです。見てるだけで興奮してしまうくらい大好きなんです」
「・・・」
僕は唖然とする。
「ランジェリーショップなら自然な形で女性の下着姿が見れる。私がデザインした下着を着けた女性を見られる。私が選んだ下着を着けた女性を見られる。そう思ったんです。そう思わなかったらランジェリーショップをオープンしてなかったと思います。使命感だけではオープンする勇気は持てなかったと思います。下着姿の女性を見たいという欲望があったからオープンできた。そう私は思ってます」
・・・何てことをカミングアウトしてんだ。この店長は。途中まで良い話だったのに。
「というわけで、今回のイベントは若い女の子たちの下着姿が見られる絶好の機会なので止める理由はありません。自由に自分たちの好きな下着を着けて撮影をしてください」
「店長さん。ありがとうございます」
妹がぺこりと頭を下げる。
小泉さんと真凛ちゃんも頭を下げる。
「いえいえ。お礼を言うのは私のほうですよ。これから若い女の子たちの下着姿を見せてもらえるんですから」
「お兄ちゃん、店長さんの許可も貰ったし、問題ないよね?」
「ないわよね?清水くん」
と小泉さん。
「ないですよね?お兄さん」
と真凛ちゃん。
「ないですよね?お客さま」
と店長さん。
僕は数の暴力に屈した。「わかったよ。やればいいんだろ」
民主主義なんて嫌いだ・・・心のどこかでそう思った。
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