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第13話 理事長室でアリシアとの再会する
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「こ、これが王都なのですか!? な、なんと大きくて、それでいて人が多いのです!? わ、私がいた田舎ではこんなに多くの人はいませんでした。お祭りでもやっているんのですか!?」
フィオナは馬車の中から王都の市場(いちば)を見渡して大はしゃぎをしていた。市場には活気があり、多くの人が行き来している。
「ふっ……驚いているようだな。これくらい、王都では普通の事だよ。特別、珍しい事ではない。祭りの時にはもっと賑やかで人がごった返しになるんだよ」
「へ、へぇー。と、都会の人はこれくらい普通なんですか」
純朴で可愛らしい少女だ。我が姉、アリシアとは大違いだな。
「全く、調子が狂う。純朴で可愛い少女との会話など、俺には経験がない事だ」
「純朴で可愛い少女って私の事ですか?」
「他に誰がいる?」
今、ここの空間には俺とフィオナしかいない。フィオナはわかりやすい程、顔を赤くする。
「わ、私。そんな事言われたの初めての事なので、とても恥ずかしいです」
「ん? そうか。俺は可愛いと思うけどな、フィオナのこと」
「アーサーさんもとってもかっこよかったです。あの時、竜(ドラゴン)を颯爽と現れて倒した姿は、まるで白馬に乗った王子様みたいで……」
フィオナは頬を赤くしていた。
「……ん?」
まずい。なんだか、良い雰囲気になっているような気がするが。それではまずい。このフィオナは庶民の出身ではあるが、主人公であり、この国の第二王子でもあるリオンと恋仲になり、行く行くは結婚し、この国の王妃になるのだ。
それはもう、大抵のルートで俺が死亡した後に、その二人は幸せそうにウェディングドレスとタキシードを着て、周囲の人々から祝福をされるのだ。
そういう幸せな結末が起こる事を知っている俺は、わざわざその幸せを邪魔しようなんて気にはならない。俺のような悪役貴族とそういう関係になるのは彼女にとっても幸せな事ではないはずだ。
だから、俺は彼女との恋愛フラグは早いうちに叩き割っておいて、主人公のリオンとの恋愛フラグが立つように仕向けなければならないと思ったのである。
「……っと。どうやら着いたようだ。ここが魔法学園『ユグドラシル』だ」
「こ、ここが。そうなんですかぁ。へぇ。すっごく大きな建物ですね」
俺達の前には巨大な建物が聳えていた。俺達は馬車から降りる。
男子寮は右側の方にあり、女子寮は左側の方にある。
「ここでお別れだな」
とはいえ、同じ学園に同学年として入学するのだから顔を合わせる機会などいくらでもあるだろう。別に寂しくとも何ともないが。
「そ、そうですね。アーサーさん。この度は命を救って頂き、誠にありがとうございました」
フィオナは頭を下げる。
「気にするな……というより、俺は余計な事をしてしまったのかもしれないしな」
予定では正ヒロインのフィオナは主人公のリオンに救われて、それがきっかけになり、紆余曲折あって、二人は恋仲になる。俺がフィオナを助けなければ後に主人公であるリオンが通りがかって、助けたのだろう。
そう考えると俺がした事は二人の間に立つはずであった恋愛フラグを折ってしまった。つまりは余計な事をしただけになる。とはいえ、フィオナがその事を知る由もなかった。
「え? どういう事ですか?」
「何でもない。忘れてくれ」
俺は頭を振る。
「それで、アーサーさんさえよろしければ命を助けて頂いたお礼をしたいのですが、いかがでしょうか?」
「お礼?」
「な、何か私にできる事はありませんか? こう見えても、私、料理が得意なんです。お昼休みにお手製のお弁当を持ってくるくらいできますよ」
胸を張って言われる。
「いや。よしておいた方がいい。俺はこれから学園で嫌われ者になるような男だからな。俺と一緒にいると君の評判まで下がってしまう。だからあまり俺に近づかない方がいい」
「え? そうなんですか? とてもそんな方とは思えませんが」
「君を助けたのはたまたま。ただの気紛れだよ。深く考えないでくれ。お礼なんて考えなくていい。君はただ、普通に学園生活を送ってくれればいいんだ」
「け、けど――」
「俺の事は忘れてくれ。それじゃあ、俺は行くから」
「あっ……」
まだ何か言いたそうなフィオナを振り切り、俺は魔法学園の理事長室へと向かった。そこに用があったからだ。
◇
魔法学園の理事長はカレン・エレノリアという女性が務めていた。彼女は我が母であるルミノアの妹である。つまりは我々——俺とアリシアの叔母に当たる。
魔法学園に入学するに当たって、久々という事で顔を出すように言われていたのだ。
そして俺は魔法学園の理事長室にまで辿り着く。俺がノックをしようとした時の事だった。
「どういう事ですか!? 叔母様!」
声が聞こえてきた。久しぶりに聞いたが、声自体は昔と変わっていない。この声はアリシアの声だ。聞き間違えるはずもない。俺はノックをする手を止める。
「どういう事だ? とは。何か不満でもあるのか?」
理知的な声が聞こえてきた。この魔法学園で理事長を務めている叔母——カレンの声であろう。
「あるに決まっています! なぜこの栄えある魔法学園に貴族でも王族でもない、庶民の入学が許可されたのですかっ!」
アリシアが不満に思い、怒鳴っている件は間違いなく、庶民であるフィオナがこの魔法学園に入学してきた事だ。魔法学園は原則として貴族と王族。もしくはそれに近いくらいに、家の位が高い者しか入学できないようになっている。
だが、それは原則だ。特別な事情があれば庶民でも入学は可能。とはいえ、入学は可能ではあるがその後の生活での偏見や差別は避けられそうにもなく、好奇の目で見られる事は必然でもあったが。
「フィオナ・オラトリア。彼女は確かに庶民の出自ではあるが、珍しい属性の魔法を使えるそうだ。その事もあって、入学が許可された。何の不満がある?」
「珍しい魔法を使えるとは言っても、この魔法学園は貴族か王族、それ相応の身分がなければ入学を許されないはずです」
「それは原則だ。何事も例外はある」
「……うっ、ううっ」
「それにこの件に関しては国王陛下の許しを得ているのだ。いくら学園の理事長である私でもどうする事もできない。話はそれでいいのか?」
「ひとつ、お聞きしてもよろしいでしょうか? 叔母様」
「なんだ?」
「その、フィオナという庶民の少女。その少女が自らの意思で退学を望むか、あるいは成績が芳しくなく、退学用件を満たしてしまったのならどうなるのですか?」
「それは勿論、他の生徒達と同じ扱いだ。当然、退学処分になるであろう」
「ふーん。そうですか。それはそれは。わかりましたわ」
アリシアは納得したようで随分と大人しい口調になる。
絶対、アリシアは庶民のフィオナを退学に追い込もうという魂胆なのだろう。『悪役令嬢』としてその名を学園で轟かせている我が姉——アリシアらしかった。実にその二つ名に彼女は相応しい性格や言動をしている。
庶民出のヒロインをいびり倒して退学に追い込もうなど。
ドアが開かれた。
「ん? あなたは……愚弟ではありませんか?」
アリシアは5年前と変わらない呼び名で俺を呼んだ。とはいえ、その身体は随分と変わった。成長した。淫乱に育った豊満。妖艶な美貌。17歳になった彼女は男を虜にするような魅力に満ち溢れていた。
だが、それも当然のように外見だけの事。そしてむかつく事にやはりこの学園でも成績優秀らしく、三年生では首席を務めているらしい。外見と能力だけは一級品なのだ。
さらには王国の第一王子と婚約関係にあるらしく、公私ともに順調、と言った様子。これではこのアリシアが調子に乗るのも必然と言えた。
何でも上手く行くのだから、少しでも気に入らない事があると受け入れ難いのだ。
その受け入れ難い対象というのが平民出身のフィオナなのであろう。
「お、お久しぶりです。お姉様」
「久しいわね。あなたも随分と大きくなったじゃない」
アリシアは笑みを浮かべる。
「まあ、あなたと別れてから二年は経つものね。私はあまり家に帰らなかったから、あなたと顔を会わせる機会もなかったのよね。そのあなたがどうしてここに?」
「叔母様が久しぶりに顔を見たいと言っていましたので、ここにまで」
「ふーん。そう。私は叔母様との用が済んだからゆっくり、話していけばいいんじゃない?」
そして、アリシアが去り際に告げる。
「愚弟。仮にもあなたは血を分けた私の弟なのよ。この学園に入学するのだから、恥をかかせるような真似はしない事。いいわね?」
怪しくアリシアは笑った。何か至らない事をしたらシメあげるぞという、意思表示であろう。
「わ、わかってますよ。お姉様」
「そっ。ならいいわ」
アリシアは今度こそ、その場を去って行った。そして、理事長室は俺と理事長である叔母——カレンの二人きりになったのである。
フィオナは馬車の中から王都の市場(いちば)を見渡して大はしゃぎをしていた。市場には活気があり、多くの人が行き来している。
「ふっ……驚いているようだな。これくらい、王都では普通の事だよ。特別、珍しい事ではない。祭りの時にはもっと賑やかで人がごった返しになるんだよ」
「へ、へぇー。と、都会の人はこれくらい普通なんですか」
純朴で可愛らしい少女だ。我が姉、アリシアとは大違いだな。
「全く、調子が狂う。純朴で可愛い少女との会話など、俺には経験がない事だ」
「純朴で可愛い少女って私の事ですか?」
「他に誰がいる?」
今、ここの空間には俺とフィオナしかいない。フィオナはわかりやすい程、顔を赤くする。
「わ、私。そんな事言われたの初めての事なので、とても恥ずかしいです」
「ん? そうか。俺は可愛いと思うけどな、フィオナのこと」
「アーサーさんもとってもかっこよかったです。あの時、竜(ドラゴン)を颯爽と現れて倒した姿は、まるで白馬に乗った王子様みたいで……」
フィオナは頬を赤くしていた。
「……ん?」
まずい。なんだか、良い雰囲気になっているような気がするが。それではまずい。このフィオナは庶民の出身ではあるが、主人公であり、この国の第二王子でもあるリオンと恋仲になり、行く行くは結婚し、この国の王妃になるのだ。
それはもう、大抵のルートで俺が死亡した後に、その二人は幸せそうにウェディングドレスとタキシードを着て、周囲の人々から祝福をされるのだ。
そういう幸せな結末が起こる事を知っている俺は、わざわざその幸せを邪魔しようなんて気にはならない。俺のような悪役貴族とそういう関係になるのは彼女にとっても幸せな事ではないはずだ。
だから、俺は彼女との恋愛フラグは早いうちに叩き割っておいて、主人公のリオンとの恋愛フラグが立つように仕向けなければならないと思ったのである。
「……っと。どうやら着いたようだ。ここが魔法学園『ユグドラシル』だ」
「こ、ここが。そうなんですかぁ。へぇ。すっごく大きな建物ですね」
俺達の前には巨大な建物が聳えていた。俺達は馬車から降りる。
男子寮は右側の方にあり、女子寮は左側の方にある。
「ここでお別れだな」
とはいえ、同じ学園に同学年として入学するのだから顔を合わせる機会などいくらでもあるだろう。別に寂しくとも何ともないが。
「そ、そうですね。アーサーさん。この度は命を救って頂き、誠にありがとうございました」
フィオナは頭を下げる。
「気にするな……というより、俺は余計な事をしてしまったのかもしれないしな」
予定では正ヒロインのフィオナは主人公のリオンに救われて、それがきっかけになり、紆余曲折あって、二人は恋仲になる。俺がフィオナを助けなければ後に主人公であるリオンが通りがかって、助けたのだろう。
そう考えると俺がした事は二人の間に立つはずであった恋愛フラグを折ってしまった。つまりは余計な事をしただけになる。とはいえ、フィオナがその事を知る由もなかった。
「え? どういう事ですか?」
「何でもない。忘れてくれ」
俺は頭を振る。
「それで、アーサーさんさえよろしければ命を助けて頂いたお礼をしたいのですが、いかがでしょうか?」
「お礼?」
「な、何か私にできる事はありませんか? こう見えても、私、料理が得意なんです。お昼休みにお手製のお弁当を持ってくるくらいできますよ」
胸を張って言われる。
「いや。よしておいた方がいい。俺はこれから学園で嫌われ者になるような男だからな。俺と一緒にいると君の評判まで下がってしまう。だからあまり俺に近づかない方がいい」
「え? そうなんですか? とてもそんな方とは思えませんが」
「君を助けたのはたまたま。ただの気紛れだよ。深く考えないでくれ。お礼なんて考えなくていい。君はただ、普通に学園生活を送ってくれればいいんだ」
「け、けど――」
「俺の事は忘れてくれ。それじゃあ、俺は行くから」
「あっ……」
まだ何か言いたそうなフィオナを振り切り、俺は魔法学園の理事長室へと向かった。そこに用があったからだ。
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魔法学園の理事長はカレン・エレノリアという女性が務めていた。彼女は我が母であるルミノアの妹である。つまりは我々——俺とアリシアの叔母に当たる。
魔法学園に入学するに当たって、久々という事で顔を出すように言われていたのだ。
そして俺は魔法学園の理事長室にまで辿り着く。俺がノックをしようとした時の事だった。
「どういう事ですか!? 叔母様!」
声が聞こえてきた。久しぶりに聞いたが、声自体は昔と変わっていない。この声はアリシアの声だ。聞き間違えるはずもない。俺はノックをする手を止める。
「どういう事だ? とは。何か不満でもあるのか?」
理知的な声が聞こえてきた。この魔法学園で理事長を務めている叔母——カレンの声であろう。
「あるに決まっています! なぜこの栄えある魔法学園に貴族でも王族でもない、庶民の入学が許可されたのですかっ!」
アリシアが不満に思い、怒鳴っている件は間違いなく、庶民であるフィオナがこの魔法学園に入学してきた事だ。魔法学園は原則として貴族と王族。もしくはそれに近いくらいに、家の位が高い者しか入学できないようになっている。
だが、それは原則だ。特別な事情があれば庶民でも入学は可能。とはいえ、入学は可能ではあるがその後の生活での偏見や差別は避けられそうにもなく、好奇の目で見られる事は必然でもあったが。
「フィオナ・オラトリア。彼女は確かに庶民の出自ではあるが、珍しい属性の魔法を使えるそうだ。その事もあって、入学が許可された。何の不満がある?」
「珍しい魔法を使えるとは言っても、この魔法学園は貴族か王族、それ相応の身分がなければ入学を許されないはずです」
「それは原則だ。何事も例外はある」
「……うっ、ううっ」
「それにこの件に関しては国王陛下の許しを得ているのだ。いくら学園の理事長である私でもどうする事もできない。話はそれでいいのか?」
「ひとつ、お聞きしてもよろしいでしょうか? 叔母様」
「なんだ?」
「その、フィオナという庶民の少女。その少女が自らの意思で退学を望むか、あるいは成績が芳しくなく、退学用件を満たしてしまったのならどうなるのですか?」
「それは勿論、他の生徒達と同じ扱いだ。当然、退学処分になるであろう」
「ふーん。そうですか。それはそれは。わかりましたわ」
アリシアは納得したようで随分と大人しい口調になる。
絶対、アリシアは庶民のフィオナを退学に追い込もうという魂胆なのだろう。『悪役令嬢』としてその名を学園で轟かせている我が姉——アリシアらしかった。実にその二つ名に彼女は相応しい性格や言動をしている。
庶民出のヒロインをいびり倒して退学に追い込もうなど。
ドアが開かれた。
「ん? あなたは……愚弟ではありませんか?」
アリシアは5年前と変わらない呼び名で俺を呼んだ。とはいえ、その身体は随分と変わった。成長した。淫乱に育った豊満。妖艶な美貌。17歳になった彼女は男を虜にするような魅力に満ち溢れていた。
だが、それも当然のように外見だけの事。そしてむかつく事にやはりこの学園でも成績優秀らしく、三年生では首席を務めているらしい。外見と能力だけは一級品なのだ。
さらには王国の第一王子と婚約関係にあるらしく、公私ともに順調、と言った様子。これではこのアリシアが調子に乗るのも必然と言えた。
何でも上手く行くのだから、少しでも気に入らない事があると受け入れ難いのだ。
その受け入れ難い対象というのが平民出身のフィオナなのであろう。
「お、お久しぶりです。お姉様」
「久しいわね。あなたも随分と大きくなったじゃない」
アリシアは笑みを浮かべる。
「まあ、あなたと別れてから二年は経つものね。私はあまり家に帰らなかったから、あなたと顔を会わせる機会もなかったのよね。そのあなたがどうしてここに?」
「叔母様が久しぶりに顔を見たいと言っていましたので、ここにまで」
「ふーん。そう。私は叔母様との用が済んだからゆっくり、話していけばいいんじゃない?」
そして、アリシアが去り際に告げる。
「愚弟。仮にもあなたは血を分けた私の弟なのよ。この学園に入学するのだから、恥をかかせるような真似はしない事。いいわね?」
怪しくアリシアは笑った。何か至らない事をしたらシメあげるぞという、意思表示であろう。
「わ、わかってますよ。お姉様」
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