14 / 39
第14話 理事長室での出来事
しおりを挟む
「久しぶりだな。アーサー。アリシアもだが、大きくなったな」
理事長室にいたのはカレンだった。理知的な印象を受ける美しい女性だ。俺達からすれば叔母という立場ではあるが、それにしては随分と若々しい印象を受けた。実際、彼女の年齢は30手前といったところのはず。
それだけの若さで魔法学園で理事長を任せられるという事はそれだけ彼女が辣腕だからとしか言いようがない。秀でた魔法の才と頭脳、人間性があるから彼女は若くしてその立場に就く事が出来たのである。
「ええ。カレン叔母さんもお元気そうで」
「叔母さん言うな。私はまだ20代だぞ」
「そ、それもそうですが。何歳でも俺達からすれば叔母さんは叔母さんです」
「うむ。それもそうだが」
「では、カレン理事長もお元気そうで、何よりです」
俺は無難にそう呼んでおく。
「そうだな。何とか無病息災でやっているよ。——と、世間話をしている場合ではなかった。お前をここに呼んだのには理由があるんだ」
「理由?」
「どうやら、最近、魔族の動きが活性化されているそうなんだ」
「魔族の動きが活性化?」
「ああ。1000年前に勇者により封じられた魔王が復活するのではないか、と言われている。その為、魔族の動きが活性化するのではないか、もっぱらの噂だ」
1000年前に勇者により魔王は封じられた。そして、その勇者の血というのは代々、王族に受け継がれている。王族には勇者の血が流れており、それが王族に特殊な力を授けているらしい。
原作ゲームでは俺、『アーサー・フィン・オルレアン』はその弱い心を魔族に狙われる。洗脳され、魔族側の味方についたり、あるいは命欲しさから味方である魔法学園の生徒達を魔族達に売り飛ばし、用が済んだらここぞとばかりに処分されるのだ。
それがこの『アーサー・フィン・オルレアン』に訪れる数多の死亡ENDのうちのいくつかに絡んでくる。
「だから注意しておくんだ。学園の中にも魔族の息がかかっている者が現れてくるかもしれない」
「勿論、何が起こるかもわからないので注意だけは怠らないようにはしますよ」
「そうだな。それと先ほどのアリシアとの話にも関係しているのだが、庶民の出自のフィオナ・オラトリアという少女が今年、お前達と同じ学年に入学してくるのだが。彼女は使い手が滅多にいない光属性の魔法を使えるそうなんだ」
それについても知っている。というか、なんなら先ほどまで一緒にいたのだ。俺と彼女は。
「その光属性の魔法というのが特に魔族に対して有効らしいんだ。それもあって、王族はそのフィオナ嬢にこの魔法学園の入学を許可したのだ。彼女がこの学園で学び、力をつける事は魔族に対して有効な対抗手段になるのではないか、という算段でな」
「そ、そうですか……フィオナが光魔法を」
「フィオナ? 何か彼女の事を知っているのか?」
「え? いや……別に。先ほどまで一緒にいたから知っているだけです。知り合いといえば、知り合いです」
「知り合い? 彼女は田舎町からこの王都に向かってきただけのはず。どこに知り合うタイミングがある?」
「えーっと、それは」
俺は手短にフィオナとのいきさつを説明する。
「ふーむ。ドラゴンね。普通、ドラゴンというのは洞窟の奥深くに住んでいて、こんな街の近くには出没しないのが通常だ。となると可能性としては魔族の息のかかった者かもしれない」
「魔族の息がかかったもの?」
「恐らくはフィオナに秘めている光属性の魔法を恐れたのだろう。そして、そのフィオナを始末しようと考え、何らかの手段でドラゴンを操り、けしかけた。これは全てただの推察ではあり、確証はないが。そう考えれば自然だ」
「へー……」
あの時、王都の近くで起きた騒動にはそういう理由があったのか。全ては推察でしかない。確証はない。ただ、ただの偶然だとは思えない。フィオナが持っている光属性の魔法を恐れて、魔族の息がかかった者が火竜(レッド・ドラゴン)をけしかけた。
あの時の出来事にそういった理由があったのだとすると納得する事ができた。
「それで、そのドラゴンをお前は一人で倒したのか?」
「え、ええ……一応、そういう事になります」
「ふむ。やるではないか」
「ええ、はい。ありがとうございます」
「……辛気臭い話ばかりで申し訳ないな。ともかく、この学園に入学おめでとう。充実した学園生活になる事を祈っているよ」
「それはどうも。そういった学園生活が送れる事といいのですが……」
充実した学園生活……ねぇ。数多の死亡ENDを回避し、俺は学園生活を続ける事ができるだろうか。充実以前にそもそも俺はこの学園生活を生き残る事ができるだろうか。
「明日は入学式だ。今日のところは寮に戻って、ゆっくりしてくれ。長旅だったし、色々とあったからお前も疲れただろう。寮は二人で一部屋を使う事になっているから、相方とは仲良くするようにな。くれぐれも喧嘩をするなよ」
「わかってますよ。カレン叔母さん」
「叔母さん言うな! 叔母さんじゃない! 私はまだ20代だぞ! それにここでは理事長と呼びたまえ!」
「わかりましたよ。カレン、理事長」
叔母との話を終えた俺はこうして、男子寮へと向かった。
◇
「……えーっと、ここだったよな。202号室」
男子寮の202号室に俺は向かった。寮とは言ってもその外装と内装は相当に金がかかっており、まるで高級ホテルのようであった。やはり貴族や王族が主として学んでいる魔法学園らしく、それなりに金回りがいいのだろう。
入学金や学費も相当に取っているだろうし、卒業生や関係者からの多額のスポンサー料が入ってきている事が想像できた。学生の身分ではあるが相当に良い暮らしができる事が期待できた。
俺は202号室の部屋の鍵を開け、中に入った。こじんまりとした部屋だが、それでも二人で生活していく分には特に不自由する事はなさそうだ。その部屋には二段ベッドがあった。面積を節約する為であろう。
――と、既にベッドには人がいたのだ。そうだった。この寮は二人一部屋の相部屋である。つまりはルームメイトがいるのである。状況からして、そのルームメイトが先着していると見て間違いはなかった。
「よっと」
ベッドで寝ていた、一人の少年が身体を起こし、立ち上がる。
青い瞳に金髪をした美形の少年だ。気品のある雰囲気をしている。まるでどこぞの王子様のようだ。っていうか、こいつは。
「んっ!?」
「君が僕のルームメイトか」
俺の身体が無意識に硬直する。
「これから三年間、よろしく頼むよ。僕の名は――」
そいつは俺に握手を求めてきた。対して、俺は身動きひとつ取れなかった。まるで蛇に睨まれた顔をしている。
というか。俺はこいつの名前を知っていた。というか、有名人だ。
リオン・フォン・リアネスティール。
原作ゲームの主人公。この世界の王国リアネスティールにおける第二王子。絶世の美形にして、勇者の血を引くものとして、チート魔法を持っている。その上、性格も良くて人当たりも良い。完全無欠の超人。何もかもに恵まれた絵に描いたようなチート主人公。
王子様みたいというか、実際に王子様なのだ、こいつは。
原作ゲームでは、自分の才能にを過信した俺は魔法武闘大会でこいつにボコボコにされ、死亡ENDを迎える事になっている。
つまり、事故とはいえ、俺はこいつに殺されるのだ。その相手が目の前にいるのだから、無意識に警戒してしまうのは無理もない話であった。
「どこかで君と会った事はあるかな? 警戒されるような事をした覚えはないのだけれど……」
察せられたか。流石に洞察力が高い。何でも見通せるような目があるのだ。これはチート能力とかそういう類のものではなく、何でもできるただの才能でしかない。
「……え。い、いや。別に。そういうわけじゃ。あ、あんたが有名人だものでつい緊張しちまって。そ、それだけさ」
今、俺が普通は知りもしない事を知っている事を疑われたらまずい。俺は平静を装う。
「ははっ。有名人だとか言われると気恥ずかしいな。僕の名前はリオン・フォン・リアネスティール。よろしくね、アーサー・フィン・オルレアン君」
俺達は握手を交わした。身体が未だ震えるが、何とか堪えた。
「どうして、俺の名を?」
「それは勿論。君も有名人だからさ。有力な貴族の出自だし、それに理事長の甥っ子だ。さらには君の姉君は僕の兄である第一王子と婚約関係にある。だから、君の事を僕が知っているのは当然の事じゃないかな?」
「……それはまあ、確かにそうだな」
「ともかく、これから三年間よろしく頼むよ」
「あ……ああ。そうだな。よろしくな。リオン第二王子」
「リオンでいいよ。呼び捨てにしてくれ。アーサー君」
「あ、ああ。わかったよ。リオン」
これから三年か……。三年持つといいんだけどな。いくつもある死亡ENDを回避しないと。何より目の前にいるチート野郎に殺されないようにしないと。こいつは根が糞真面目で融通が利かないから、手加減とか一切できないんだよな。
こうして、俺は原作ゲームで無残にも殺される宿敵のような奴とルームメイトになったのだ。
そして、一夜を明かし、入学式の朝を迎える事になる。
理事長室にいたのはカレンだった。理知的な印象を受ける美しい女性だ。俺達からすれば叔母という立場ではあるが、それにしては随分と若々しい印象を受けた。実際、彼女の年齢は30手前といったところのはず。
それだけの若さで魔法学園で理事長を任せられるという事はそれだけ彼女が辣腕だからとしか言いようがない。秀でた魔法の才と頭脳、人間性があるから彼女は若くしてその立場に就く事が出来たのである。
「ええ。カレン叔母さんもお元気そうで」
「叔母さん言うな。私はまだ20代だぞ」
「そ、それもそうですが。何歳でも俺達からすれば叔母さんは叔母さんです」
「うむ。それもそうだが」
「では、カレン理事長もお元気そうで、何よりです」
俺は無難にそう呼んでおく。
「そうだな。何とか無病息災でやっているよ。——と、世間話をしている場合ではなかった。お前をここに呼んだのには理由があるんだ」
「理由?」
「どうやら、最近、魔族の動きが活性化されているそうなんだ」
「魔族の動きが活性化?」
「ああ。1000年前に勇者により封じられた魔王が復活するのではないか、と言われている。その為、魔族の動きが活性化するのではないか、もっぱらの噂だ」
1000年前に勇者により魔王は封じられた。そして、その勇者の血というのは代々、王族に受け継がれている。王族には勇者の血が流れており、それが王族に特殊な力を授けているらしい。
原作ゲームでは俺、『アーサー・フィン・オルレアン』はその弱い心を魔族に狙われる。洗脳され、魔族側の味方についたり、あるいは命欲しさから味方である魔法学園の生徒達を魔族達に売り飛ばし、用が済んだらここぞとばかりに処分されるのだ。
それがこの『アーサー・フィン・オルレアン』に訪れる数多の死亡ENDのうちのいくつかに絡んでくる。
「だから注意しておくんだ。学園の中にも魔族の息がかかっている者が現れてくるかもしれない」
「勿論、何が起こるかもわからないので注意だけは怠らないようにはしますよ」
「そうだな。それと先ほどのアリシアとの話にも関係しているのだが、庶民の出自のフィオナ・オラトリアという少女が今年、お前達と同じ学年に入学してくるのだが。彼女は使い手が滅多にいない光属性の魔法を使えるそうなんだ」
それについても知っている。というか、なんなら先ほどまで一緒にいたのだ。俺と彼女は。
「その光属性の魔法というのが特に魔族に対して有効らしいんだ。それもあって、王族はそのフィオナ嬢にこの魔法学園の入学を許可したのだ。彼女がこの学園で学び、力をつける事は魔族に対して有効な対抗手段になるのではないか、という算段でな」
「そ、そうですか……フィオナが光魔法を」
「フィオナ? 何か彼女の事を知っているのか?」
「え? いや……別に。先ほどまで一緒にいたから知っているだけです。知り合いといえば、知り合いです」
「知り合い? 彼女は田舎町からこの王都に向かってきただけのはず。どこに知り合うタイミングがある?」
「えーっと、それは」
俺は手短にフィオナとのいきさつを説明する。
「ふーむ。ドラゴンね。普通、ドラゴンというのは洞窟の奥深くに住んでいて、こんな街の近くには出没しないのが通常だ。となると可能性としては魔族の息のかかった者かもしれない」
「魔族の息がかかったもの?」
「恐らくはフィオナに秘めている光属性の魔法を恐れたのだろう。そして、そのフィオナを始末しようと考え、何らかの手段でドラゴンを操り、けしかけた。これは全てただの推察ではあり、確証はないが。そう考えれば自然だ」
「へー……」
あの時、王都の近くで起きた騒動にはそういう理由があったのか。全ては推察でしかない。確証はない。ただ、ただの偶然だとは思えない。フィオナが持っている光属性の魔法を恐れて、魔族の息がかかった者が火竜(レッド・ドラゴン)をけしかけた。
あの時の出来事にそういった理由があったのだとすると納得する事ができた。
「それで、そのドラゴンをお前は一人で倒したのか?」
「え、ええ……一応、そういう事になります」
「ふむ。やるではないか」
「ええ、はい。ありがとうございます」
「……辛気臭い話ばかりで申し訳ないな。ともかく、この学園に入学おめでとう。充実した学園生活になる事を祈っているよ」
「それはどうも。そういった学園生活が送れる事といいのですが……」
充実した学園生活……ねぇ。数多の死亡ENDを回避し、俺は学園生活を続ける事ができるだろうか。充実以前にそもそも俺はこの学園生活を生き残る事ができるだろうか。
「明日は入学式だ。今日のところは寮に戻って、ゆっくりしてくれ。長旅だったし、色々とあったからお前も疲れただろう。寮は二人で一部屋を使う事になっているから、相方とは仲良くするようにな。くれぐれも喧嘩をするなよ」
「わかってますよ。カレン叔母さん」
「叔母さん言うな! 叔母さんじゃない! 私はまだ20代だぞ! それにここでは理事長と呼びたまえ!」
「わかりましたよ。カレン、理事長」
叔母との話を終えた俺はこうして、男子寮へと向かった。
◇
「……えーっと、ここだったよな。202号室」
男子寮の202号室に俺は向かった。寮とは言ってもその外装と内装は相当に金がかかっており、まるで高級ホテルのようであった。やはり貴族や王族が主として学んでいる魔法学園らしく、それなりに金回りがいいのだろう。
入学金や学費も相当に取っているだろうし、卒業生や関係者からの多額のスポンサー料が入ってきている事が想像できた。学生の身分ではあるが相当に良い暮らしができる事が期待できた。
俺は202号室の部屋の鍵を開け、中に入った。こじんまりとした部屋だが、それでも二人で生活していく分には特に不自由する事はなさそうだ。その部屋には二段ベッドがあった。面積を節約する為であろう。
――と、既にベッドには人がいたのだ。そうだった。この寮は二人一部屋の相部屋である。つまりはルームメイトがいるのである。状況からして、そのルームメイトが先着していると見て間違いはなかった。
「よっと」
ベッドで寝ていた、一人の少年が身体を起こし、立ち上がる。
青い瞳に金髪をした美形の少年だ。気品のある雰囲気をしている。まるでどこぞの王子様のようだ。っていうか、こいつは。
「んっ!?」
「君が僕のルームメイトか」
俺の身体が無意識に硬直する。
「これから三年間、よろしく頼むよ。僕の名は――」
そいつは俺に握手を求めてきた。対して、俺は身動きひとつ取れなかった。まるで蛇に睨まれた顔をしている。
というか。俺はこいつの名前を知っていた。というか、有名人だ。
リオン・フォン・リアネスティール。
原作ゲームの主人公。この世界の王国リアネスティールにおける第二王子。絶世の美形にして、勇者の血を引くものとして、チート魔法を持っている。その上、性格も良くて人当たりも良い。完全無欠の超人。何もかもに恵まれた絵に描いたようなチート主人公。
王子様みたいというか、実際に王子様なのだ、こいつは。
原作ゲームでは、自分の才能にを過信した俺は魔法武闘大会でこいつにボコボコにされ、死亡ENDを迎える事になっている。
つまり、事故とはいえ、俺はこいつに殺されるのだ。その相手が目の前にいるのだから、無意識に警戒してしまうのは無理もない話であった。
「どこかで君と会った事はあるかな? 警戒されるような事をした覚えはないのだけれど……」
察せられたか。流石に洞察力が高い。何でも見通せるような目があるのだ。これはチート能力とかそういう類のものではなく、何でもできるただの才能でしかない。
「……え。い、いや。別に。そういうわけじゃ。あ、あんたが有名人だものでつい緊張しちまって。そ、それだけさ」
今、俺が普通は知りもしない事を知っている事を疑われたらまずい。俺は平静を装う。
「ははっ。有名人だとか言われると気恥ずかしいな。僕の名前はリオン・フォン・リアネスティール。よろしくね、アーサー・フィン・オルレアン君」
俺達は握手を交わした。身体が未だ震えるが、何とか堪えた。
「どうして、俺の名を?」
「それは勿論。君も有名人だからさ。有力な貴族の出自だし、それに理事長の甥っ子だ。さらには君の姉君は僕の兄である第一王子と婚約関係にある。だから、君の事を僕が知っているのは当然の事じゃないかな?」
「……それはまあ、確かにそうだな」
「ともかく、これから三年間よろしく頼むよ」
「あ……ああ。そうだな。よろしくな。リオン第二王子」
「リオンでいいよ。呼び捨てにしてくれ。アーサー君」
「あ、ああ。わかったよ。リオン」
これから三年か……。三年持つといいんだけどな。いくつもある死亡ENDを回避しないと。何より目の前にいるチート野郎に殺されないようにしないと。こいつは根が糞真面目で融通が利かないから、手加減とか一切できないんだよな。
こうして、俺は原作ゲームで無残にも殺される宿敵のような奴とルームメイトになったのだ。
そして、一夜を明かし、入学式の朝を迎える事になる。
0
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
悪役令嬢が睨んでくるので、理由を聞いてみた
ちくわ食べます
恋愛
転生したのは馴染みのない乙女ゲームの世界だった。
シナリオは分からず、登場人物もうろ覚え、タイトルなんて覚えてすらいない。
そんな世界でモブ男『トリスタン』として暮らす主人公。
恋愛至上主義な学園で大人しく、モブらしく、学園生活を送っていたはずなのに、なぜか悪役令嬢から睨まれていて。
気になったトリスタンは、悪役令嬢のセリスに理由を聞いてみることにした。
ヒロインだけど出番なし⭐︎
ちよこ
恋愛
地味OLから異世界に転生し、ヒロイン枠をゲットしたはずのアリエル。
だが、現実は甘くない。
天才悪役令嬢セシフィリーネに全ルートをかっさらわれ、攻略対象たちは全員そっちに夢中。
出番のないヒロインとして静かに学園生活を過ごすが、卒業後はまさかの42歳子爵の後妻に!?
逃げた先の隣国で、まさかの展開が待っていた——
悪役令嬢に転生しましたが、全部諦めて弟を愛でることにしました
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢に転生したものの、知識チートとかないし回避方法も思いつかないため全部諦めて弟を愛でることにしたら…何故か教養を身につけてしまったお話。
なお理由は悪役令嬢の「脳」と「身体」のスペックが前世と違いめちゃくちゃ高いため。
超ご都合主義のハッピーエンド。
誰も不幸にならない大団円です。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
小説家になろう様でも投稿しています。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
悪役令嬢ってもっとハイスペックだと思ってた
nionea
恋愛
ブラック企業勤めの日本人女性ミキ、享年二十五歳は、
死んだ
と、思ったら目が覚めて、
悪役令嬢に転生してざまぁされる方向まっしぐらだった。
ぽっちゃり(控えめな表現です)
うっかり (婉曲的な表現です)
マイペース(モノはいいようです)
略してPUMな侯爵令嬢ファランに転生してしまったミキは、
「デブでバカでワガママって救いようねぇわ」
と、落ち込んでばかりもいられない。
今後の人生がかかっている。
果たして彼女は身に覚えはないが散々やらかしちゃった今までの人生を精算し、生き抜く事はできるのか。
※恋愛のスタートまでがだいぶ長いです。
’20.3.17 追記
更新ミスがありました。
3.16公開の77の本文が78の内容になっていました。
本日78を公開するにあたって気付きましたので、77を正規の内容に変え、78を公開しました。
大変失礼いたしました。77から再度お読みいただくと話がちゃんとつながります。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる