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第33話 寮内でリオンと会話
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「……で、どうなった?」
寮の自室にいたリオンが俺が戻るなり、聞いてきた。俺がゴタゴタを解決する為に色々と動き回っていた事をこいつも知っていたのである。多少は気になっていた様子だ。
無理もない。とてつもない存在感を放っているこの俺様の行動が気になるというのは自然な事だ。例え相手がこの王国の第二王子だったとしても。
「驚け。この俺様が貴様と闘う事になった」
俺はリオンを指さす。
「はぁ……なんで?」
リオンは首を傾げる。俺の説明があまりに端的過ぎたからだ。無理もない話だ。
「うむ。実はかくかくしかじかでな」
今度はできるだけわかりやすく説明する事にした。
「はぁ……。そんな事があったんだ」
「うむ。そういう事があったのだ」
俺は頷く。
「へー。それで魔法武闘大会で優勝しなきゃいけなくなったってわけ?」
「……うむ。そういうわけだ。それで、貴様に折り入って頼みがある」
「頼みって?」
「わざと負けてはくれないか? 頼む。この通りだ」
俺は頭を下げる。俺はまだ学園を退学になるわけにはいかない。この学園にやってくる死亡ルートその2を防ぐ為にはまだこの学園を去るわけにはいかないのだ。
「やめてよ。頭なんて下げないでよ。そんな君を見たくないよ。それに、どうして僕が負ける必要があるの?」
「貴様は優勝候補だ。そして、恐らくは貴様は勝ちあがってくる」
「それに関しては自分で言うのは嫌味な感じするだろうけど、そうだろうね。恐らくその通りだ
「そして、俺様と当たるだろう」
「当たるだろうね」
「そこでだ。頼みがある。負けてくれ」
「僕にわざと負けてって言うの?」
「そうだ。わざと負けてくれるなら、尻の穴を貸す以外の事であれば何でも言う事を聞いてやろう」
「尻の穴って……僕にその気(け)はないよ」
「……どうだ?」
「嫌だね。僕がわざと負けるなんて、そんな事するわけないだろ」
リオンの返答はあまりに予想通りだった。こいつはそういう奴なのだ。根っからの負けず嫌いだし、融通が利かない性格なのだ。
「確かに僕はアーサー君の事が好きだし」
「やはり、お前はそっちの気(け)があるのか」
背筋が震えあがる。
「そういう好きじゃないよ。愛情的なあれじゃなくて、友情的なあれ。というかさ、話の腰を折らないでよ。無駄に話長くなるからさ」
それもそうである。その通りである。
「アーサー君に退学して欲しいわけじゃない。けど、それは別に君が勝手にした約束であり、僕がしたわけではない。僕は基本的にはその約束とは無関係だ。少なくとも責任はない」
うんうん。俺はこいつがこういう奴だとは思っていた。
「だから、それとこれとは話が別だ。勝負となったら、例え僕はアーサー君が相手でも全力で戦うよ。勿論、手加減なんてしない」
「……くっ。わかってはいたが、そういう奴だったか。やはり、お前の身内を誘拐でもして脅迫するしかないようだな」
俺は嘆いた。
「普通、本人を前にそんな事言う?」
リオンも嘆いた。
「王族の誘拐なんて普通に即時処刑ものの重罪だよ。それに、僕の妹は国外で留学しているし、他の兄弟達も誘拐されるような奴等じゃないよ」
「……ふっ。そうか。やはり、貴様は正々堂々、正面から闘うしかなさそうだな」
「最初からそう言いなよ。締まらないなぁ」
「その日まで、首を洗って待っているがよいぞ。がっはっはっはっはっは!」
俺は高笑いをした。こうして俺達はその日を終えるのであった。
寮の自室にいたリオンが俺が戻るなり、聞いてきた。俺がゴタゴタを解決する為に色々と動き回っていた事をこいつも知っていたのである。多少は気になっていた様子だ。
無理もない。とてつもない存在感を放っているこの俺様の行動が気になるというのは自然な事だ。例え相手がこの王国の第二王子だったとしても。
「驚け。この俺様が貴様と闘う事になった」
俺はリオンを指さす。
「はぁ……なんで?」
リオンは首を傾げる。俺の説明があまりに端的過ぎたからだ。無理もない話だ。
「うむ。実はかくかくしかじかでな」
今度はできるだけわかりやすく説明する事にした。
「はぁ……。そんな事があったんだ」
「うむ。そういう事があったのだ」
俺は頷く。
「へー。それで魔法武闘大会で優勝しなきゃいけなくなったってわけ?」
「……うむ。そういうわけだ。それで、貴様に折り入って頼みがある」
「頼みって?」
「わざと負けてはくれないか? 頼む。この通りだ」
俺は頭を下げる。俺はまだ学園を退学になるわけにはいかない。この学園にやってくる死亡ルートその2を防ぐ為にはまだこの学園を去るわけにはいかないのだ。
「やめてよ。頭なんて下げないでよ。そんな君を見たくないよ。それに、どうして僕が負ける必要があるの?」
「貴様は優勝候補だ。そして、恐らくは貴様は勝ちあがってくる」
「それに関しては自分で言うのは嫌味な感じするだろうけど、そうだろうね。恐らくその通りだ
「そして、俺様と当たるだろう」
「当たるだろうね」
「そこでだ。頼みがある。負けてくれ」
「僕にわざと負けてって言うの?」
「そうだ。わざと負けてくれるなら、尻の穴を貸す以外の事であれば何でも言う事を聞いてやろう」
「尻の穴って……僕にその気(け)はないよ」
「……どうだ?」
「嫌だね。僕がわざと負けるなんて、そんな事するわけないだろ」
リオンの返答はあまりに予想通りだった。こいつはそういう奴なのだ。根っからの負けず嫌いだし、融通が利かない性格なのだ。
「確かに僕はアーサー君の事が好きだし」
「やはり、お前はそっちの気(け)があるのか」
背筋が震えあがる。
「そういう好きじゃないよ。愛情的なあれじゃなくて、友情的なあれ。というかさ、話の腰を折らないでよ。無駄に話長くなるからさ」
それもそうである。その通りである。
「アーサー君に退学して欲しいわけじゃない。けど、それは別に君が勝手にした約束であり、僕がしたわけではない。僕は基本的にはその約束とは無関係だ。少なくとも責任はない」
うんうん。俺はこいつがこういう奴だとは思っていた。
「だから、それとこれとは話が別だ。勝負となったら、例え僕はアーサー君が相手でも全力で戦うよ。勿論、手加減なんてしない」
「……くっ。わかってはいたが、そういう奴だったか。やはり、お前の身内を誘拐でもして脅迫するしかないようだな」
俺は嘆いた。
「普通、本人を前にそんな事言う?」
リオンも嘆いた。
「王族の誘拐なんて普通に即時処刑ものの重罪だよ。それに、僕の妹は国外で留学しているし、他の兄弟達も誘拐されるような奴等じゃないよ」
「……ふっ。そうか。やはり、貴様は正々堂々、正面から闘うしかなさそうだな」
「最初からそう言いなよ。締まらないなぁ」
「その日まで、首を洗って待っているがよいぞ。がっはっはっはっはっは!」
俺は高笑いをした。こうして俺達はその日を終えるのであった。
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