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第38話 フィオナが水着を買うのに付き合う続き
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「いらっしゃいませ、本日はどのような水着がご入用ですか?」
女性の店員がそう言って接客してきた。年齢的に若い感じだった。せいぜいが20代の前半と言ったところであろう。
「うむ。この娘の水着を見てやって欲しいのだ」
「まあ、可愛い方ですね。彼女さんですか?」
店員はそう言ってきた。別に深い意味もない。社交辞令のようなところもあるだろう。状況的に俺とフィオナがそういう関係だと思うのは極めて自然な事だ。
店員の接客になんら非があるわけでもない。
「そ、そういうのじゃないんですっ!」
フィオナは顔を真っ赤にして否定する。
「そ、そうですか。今はまだお友達ですか」
「は、はい。そうです! その通りです まだです! まだ!」
なんだ、その『まだ』って言うのは。『まだ』って言うのは。『まだ』もくそもない。そういう関係になる事は今後ありえないだろうからな。運命(シナリオ)によればそうだ。
今は少しばかり横道に反れているだけなのだろう。少しばかり。そう、それだけの事であるのだ。
「それでは本日はどのような水着をご入用でしょうか? どういった状況で着用されるかによっても、合った水着というのは変わってくるのであります」
女の店員はそう説明する。
「うむ。友達同士であの『マジック・シー・ワールド』に行く予定なのだ。その際に着用する水着を見繕って欲しいのだ」
「かしこまりました。では、試着室で実際に水着を着てみましょうか」
そう言って、俺とフィオナは試着室の方に案内される。そこでファッションショーのようにおすすめされた水着を試着していく事にしたのである。
カーテンが開かれる。水着に着替えたフィオナが姿を現す。
「ぶっ! ……おおっ。これは」
その水着姿を見た、俺は思わず唾を吹き出してしまう。
「あの……これでよろしいのでしょうか?」
おずおずとフィオナが聞いていた。その水着姿は何とも煽情的であった。布の部分が極端に少なかったのである。
胸の突起部分だけが辛うじて隠れる程の布面積であり、そして下の方も極端にその布面積が少なかったのだ。
「まあ、とってもお似合いですよ。今、流行っているタイプの水着なのです。この水着を着れば夏の浜辺の視線を独り占めできますよ」
こんな痴女が着るような水着が流行っていて溜まるか。夏の浜辺はヌーディストビーチなのか?
「恥ずかしいです……こんなもの、殆ど裸みたいなものです。それに見てください」
フィオナは尻を見せてくる。ぷりんとした尻であった。
「この水着、殆どヒモで出来ているからお尻なんて殆ど丸見えなんです」
「いや、わざわざ見せてこんでいい」
俺は目を反らす。
「この水着を着て『マジック・シー・ワールド』に行けば他の男達が放っておかないでしょう。そうなれば気になっている彼の独占欲が働き、あなたの事が気になって仕方なくなるでしょう」
「え? そ、そうでしょうか……」
「どうでしょうか、当店おすすめの水着ですが、こちらをお求めになっては?」
「そ、そうですね。ではこちらに――」
「しなくていい! しなくて! 他の水着にしろ! 絶対他の水着!」
店員に流されそうになっているフィオナを制し、俺はそう言い放つのであった。
「……ちっ。不良在庫がもう少しで捌けそうだったのに、邪魔しやがって」
店員は舌打ちした。
「き、貴様。い、今、舌打ちしただろう! それに『不良在庫』と言ったな! 『不良在庫』と! 売れなくて困っていたものを何とか売り捌こうとしたのだろう!」
「き、気のせいですよ。お客様。ただの空耳でございますわ。おっほっほっほ」
店員は誤魔化してきた。絶対にこんな水着、流行って等いない。嘘を並べやがって。
「もっと普通のにしろ。普通のに」
「普通のですね。わかりました」
店員は渋々頷き、水着を見繕い出した。
◇
試着室のカーテンが開けられる。
「おおっ」
俺は感嘆とした声を上げる。
白いビキニタイプの水着を着たフィオナがそこにはいた。光属性の魔法を使うフィオナにはぴったりである。無難だ。特に言う事がない
「いいではないか」
「えー? でも普通すぎません? やっぱりさっきの水着の方が私は良いと思うんですけどー」
店員は文句を垂れる。
「いつまでも不良在庫を売りつけようとするな! 普通でいいのだ! 普通で! こういうのでいい!」
「ちぇっ……。じゃあ、こちらにします?」
店員は明らかに不満そうではあった。
「ああ、これにする。これに。これでいい」
こうしてフィオナの水着を購入した俺達は水着SHOPを後にするのであった。
そして翌日、ついにはその『マジック・シー・ワールド』を訪れる事になる。
女性の店員がそう言って接客してきた。年齢的に若い感じだった。せいぜいが20代の前半と言ったところであろう。
「うむ。この娘の水着を見てやって欲しいのだ」
「まあ、可愛い方ですね。彼女さんですか?」
店員はそう言ってきた。別に深い意味もない。社交辞令のようなところもあるだろう。状況的に俺とフィオナがそういう関係だと思うのは極めて自然な事だ。
店員の接客になんら非があるわけでもない。
「そ、そういうのじゃないんですっ!」
フィオナは顔を真っ赤にして否定する。
「そ、そうですか。今はまだお友達ですか」
「は、はい。そうです! その通りです まだです! まだ!」
なんだ、その『まだ』って言うのは。『まだ』って言うのは。『まだ』もくそもない。そういう関係になる事は今後ありえないだろうからな。運命(シナリオ)によればそうだ。
今は少しばかり横道に反れているだけなのだろう。少しばかり。そう、それだけの事であるのだ。
「それでは本日はどのような水着をご入用でしょうか? どういった状況で着用されるかによっても、合った水着というのは変わってくるのであります」
女の店員はそう説明する。
「うむ。友達同士であの『マジック・シー・ワールド』に行く予定なのだ。その際に着用する水着を見繕って欲しいのだ」
「かしこまりました。では、試着室で実際に水着を着てみましょうか」
そう言って、俺とフィオナは試着室の方に案内される。そこでファッションショーのようにおすすめされた水着を試着していく事にしたのである。
カーテンが開かれる。水着に着替えたフィオナが姿を現す。
「ぶっ! ……おおっ。これは」
その水着姿を見た、俺は思わず唾を吹き出してしまう。
「あの……これでよろしいのでしょうか?」
おずおずとフィオナが聞いていた。その水着姿は何とも煽情的であった。布の部分が極端に少なかったのである。
胸の突起部分だけが辛うじて隠れる程の布面積であり、そして下の方も極端にその布面積が少なかったのだ。
「まあ、とってもお似合いですよ。今、流行っているタイプの水着なのです。この水着を着れば夏の浜辺の視線を独り占めできますよ」
こんな痴女が着るような水着が流行っていて溜まるか。夏の浜辺はヌーディストビーチなのか?
「恥ずかしいです……こんなもの、殆ど裸みたいなものです。それに見てください」
フィオナは尻を見せてくる。ぷりんとした尻であった。
「この水着、殆どヒモで出来ているからお尻なんて殆ど丸見えなんです」
「いや、わざわざ見せてこんでいい」
俺は目を反らす。
「この水着を着て『マジック・シー・ワールド』に行けば他の男達が放っておかないでしょう。そうなれば気になっている彼の独占欲が働き、あなたの事が気になって仕方なくなるでしょう」
「え? そ、そうでしょうか……」
「どうでしょうか、当店おすすめの水着ですが、こちらをお求めになっては?」
「そ、そうですね。ではこちらに――」
「しなくていい! しなくて! 他の水着にしろ! 絶対他の水着!」
店員に流されそうになっているフィオナを制し、俺はそう言い放つのであった。
「……ちっ。不良在庫がもう少しで捌けそうだったのに、邪魔しやがって」
店員は舌打ちした。
「き、貴様。い、今、舌打ちしただろう! それに『不良在庫』と言ったな! 『不良在庫』と! 売れなくて困っていたものを何とか売り捌こうとしたのだろう!」
「き、気のせいですよ。お客様。ただの空耳でございますわ。おっほっほっほ」
店員は誤魔化してきた。絶対にこんな水着、流行って等いない。嘘を並べやがって。
「もっと普通のにしろ。普通のに」
「普通のですね。わかりました」
店員は渋々頷き、水着を見繕い出した。
◇
試着室のカーテンが開けられる。
「おおっ」
俺は感嘆とした声を上げる。
白いビキニタイプの水着を着たフィオナがそこにはいた。光属性の魔法を使うフィオナにはぴったりである。無難だ。特に言う事がない
「いいではないか」
「えー? でも普通すぎません? やっぱりさっきの水着の方が私は良いと思うんですけどー」
店員は文句を垂れる。
「いつまでも不良在庫を売りつけようとするな! 普通でいいのだ! 普通で! こういうのでいい!」
「ちぇっ……。じゃあ、こちらにします?」
店員は明らかに不満そうではあった。
「ああ、これにする。これに。これでいい」
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そして翌日、ついにはその『マジック・シー・ワールド』を訪れる事になる。
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