聖剣を錬成した宮廷錬金術師。国王にコストカットで追放されてしまう~お前の作ったアイテムが必要だから戻ってこいと言われても、もう遅い!

つくも/九十九弐式

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四天王ゼロティア参る

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「ほわぁ・・・・・・」

 エルフの門番は欠伸をしていた。随分と緊張感がない。だが無理もない。門番というのは待機するのが仕事である。待機とは退屈と=(イコール)だ。いくら世界が2000年前と同じような混沌に陥ろうとしているとしても、どうしても他人事に感じてしまう。自分達はこれまで何とかなってきた。だからこれからも何とかなるだろう。
 そういった緩んだ思考は人間でもエルフでもある程度共通のものだった。
 だが、災厄は突如としてやってくる。

 物音。そしてそれから人影が見えた。夜間の警備であった為、なかなかに発見が遅れた。気づいた時にはかなりの接近を許していた事になる。

「と、止まれ!」「何者だ!」

 門番二人は槍を構え、警戒する。現れたのは褐色の肌をしたエルフ。ダークエルフの美女だ。闇と光で属性としては異なるが、王女であるシスティアと肩を並べる程の絶世の美女。

「き、貴様はーー!」
「ゼ、ゼロティア様なのか」

 二人は絶句した。二人はゼロティアの事を6歳の頃までしか知らない。それも遠目に見ていただけだ。だが褐色の肌をしたダークエルフがそう世界に何人もいるとは思えない。エルフは個体数が多くない。その中の突然変異であるダークエルフであれば尚更の事である。
 その事から二人は目の前のダークエルフがゼロティアであると推察する事ができた。

「……2000年振りか。エルフの国は。とはいえ先ほどまで眠っていたようなものなのだよ。私は。だから私にとっては久しいというよりは最近の事のように思い出せるよ。くっくっく。お前達はそうではないのかもしれないがな」
「な、なぜですか!! ゼロティア様! なぜ今になってこの国に来たのです!」
「復讐に来たのですか……我々エルフに」
「違うよ。私はこの国にある魔王様の宝玉を破壊しにきたんだ。別に私を虐めていたお前達に復讐しようなんてちっぽけな目的の為にきたのではない。だが、お前達が私の邪魔をするというのなら、容赦をするつもりはない」
「く、くそっ! 皆に警告するんだ! 避難するように! そして国王に援軍の要請を!」

 ただならぬ雰囲気、それから強い魔力を放っているゼロティアはエルフ兵二人では御する事が出来ないと直感的に理解する事ができた。

「ふふっ。邪魔するなら容赦はしないよ。私は。邪魔する奴は鏖(皆殺し)だ」

 ゼロティアは魔法を放つ。ダークエルフ故の高い魔力。放たれる魔法は雷の魔法だ。

「雷撃魔法(ライトニング)!」
「「ぐ、ぐわああああああああああああああああああああああああ!」」

 エルフ兵二人が強烈な雷撃に貫かれて果てた。

「長い間お勤めご苦労様。けど長い間生きても終わりは案外あっけないものだったろう? くっくっくっくっく。あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!」

 ゼロティアの哄笑がエルフの国に響く。ゼロティアは別に逃げも隠れもするつもりもない。情報を聞き出せるまでエルフの民を殺しつくし、そして宝玉を手にするまで直線的に行動をするだけだった。

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