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第14話 墓地でアンデッドとの闘い
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深緑の森を抜けた俺達はついに、リッチが生息していると言われる、北の荒れ果てた墓地に辿り着いた。
流石に墓地だけあって、不気味なオーラが漂っている。厚い雲に覆われていて、僅かな光さえ差し込んでこない。
しかし、墓地というのはラブコメ的に考えれば、おいしいシチュエーションとも言える。
怖がるヒロイン。主人公に抱き着く。しかし、主人公は平然として男らしさを見せ、ヒロインの好感度が上がる。といった具合でだ。
しかし、俺がモブキャラだからか、当然のように、そんなおいしいシチュエーションにはならないのだ。
剣聖エステルは凛々しいのだ。大の男でもビビってしまいそうなこの状況においてすら、彼女には僅かばかりの動揺も見受けられない。
だから、彼女が一般のか弱い女性のように、恐怖のあまりに俺にしがみついてくる、なんて事はあり得ない事であった。
「……どうしたのですか? カゲト様」
「い……いや、何でもない」
この世界では女性はか弱い庇護するべき対象などではないのだ。LVやステータス、スキルが支配的なこの世界では、男女の差というのは無いにも等しい。
だから、男は女を守るべきだ、とか、逆に女は男に守られるものだ、という現実世界にあるような固定概念自体が存在していないようであった。
俺達は墓地をひたすらに歩く。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
『『『カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ』』』
どこからともなく、不気味な鳴き声が聞こえてきた。そして、骨が動き、接触するような音も。
「な、なんだ、この声と音は……」
なんだ、と言ったものの、半ば予想が付いている。ここは墓地である。そして、アンデッドが出現するという情報も既に聞いているのだ。だから、現れる怪物(モンスター)など、一つしかない。
地中から現れたのは無数のゾンビ。それからスケルトンだった。
俺は解析(アナライズ)のスキルを発動させる。地道な情報収集こそが、確実な勝利の近道なのである。やはり闘いというのは敵の事を知らなければならない。
======================================
モンスター名。ゾンビ。HP20。弱点属性、炎・聖属性
※生きる屍と言われるモンスター。その動きは鈍重だが、耐久力はそれなりに高く、数がいるとそれなりに厄介である
======================================
======================================
モンスター名。スケルトン。HP10。弱点属性、炎・聖属性
※ゾンビとは対照的に、骨だけで出来ているアンデッド。肉体がない分、耐久力は低いが、それでもゾンビとは対照的に動きが早い。ゾンビと同じく、数が集まっていると厄介な相手である
======================================
「くそ……わらわらと出てきやがって」
俺はエステルから貰った……元から言えばあの勇者ハヤトが持っていた剣だろう。勇者の剣を構える。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
『『『カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ』』』
数多のゾンビとスケルトンが俺達に襲い掛かってくる。
『聖光覇斬剣!』
剣聖であるエステルは技スキルを発動した。エステルのステータスを把握していない為、あまりよくわからないのだが、敵全体を攻撃できる、聖属性の斬撃のようだった。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
エステルの聖属性の斬撃により、多くのゾンビとスケルトンが灰燼と化したようだった。
だが、それでもまだ数が残っていた。一個一個の戦力としてはあまり高くないが、それでも数が多いのが厄介だった。
こういった敵にはキングキラーベアの時に使用した技スキル『一刀両断』では効率的に倒せそうにない。二番目に覚えた技スキル『回し斬り』を使う絶好の機会だった。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
俺は二番目に習得した技スキル『回し斬り』を使用する。
一回転し、周囲のゾンビとスケルトン達を一回の攻撃で斬りはらった。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
数多のゾンビとスケルトン達が朽ち果てる。
「ふう……何とかなったか」
俺はほっと、胸を撫で下ろす。
「見てください、カゲト様」
「ん?」
エステルが指を指す。視線の先には、大きな墓があった。恐らくはあそこに噂に聞いたリッチがいるのだろう。
「恐らく、あそこにリッチがいる。向かおう、エステル」
「は、はい! そうですね! 行きましょうか……なんだか不気味で怖いですが」
流石にエステルとて、女の子——というよりは人間であったのならば多少の恐怖心は覚えたのだろう。俺だってそうだ。
だが、虎穴に入らずんば虎子を得ず。俺達はそこに向かう以外に、新しい何かを得られる事はできない。
俺達は危険を承知で、大きな墓——墓地の中にある大墳墓へと向かったのである。
======================================
※先ほどの戦闘でLVが上がりました
臼井影人 16歳 男 レベル:12(NEW)
職業:無職
HP:60(NEW)※以下、パラメーターは更新されています
MP:60
SP:60
攻撃力:60
防御力:60
素早さ:60
魔法力:60
魔法耐性:60
運:60
資金:1000G →1500G (NEW)
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流石に墓地だけあって、不気味なオーラが漂っている。厚い雲に覆われていて、僅かな光さえ差し込んでこない。
しかし、墓地というのはラブコメ的に考えれば、おいしいシチュエーションとも言える。
怖がるヒロイン。主人公に抱き着く。しかし、主人公は平然として男らしさを見せ、ヒロインの好感度が上がる。といった具合でだ。
しかし、俺がモブキャラだからか、当然のように、そんなおいしいシチュエーションにはならないのだ。
剣聖エステルは凛々しいのだ。大の男でもビビってしまいそうなこの状況においてすら、彼女には僅かばかりの動揺も見受けられない。
だから、彼女が一般のか弱い女性のように、恐怖のあまりに俺にしがみついてくる、なんて事はあり得ない事であった。
「……どうしたのですか? カゲト様」
「い……いや、何でもない」
この世界では女性はか弱い庇護するべき対象などではないのだ。LVやステータス、スキルが支配的なこの世界では、男女の差というのは無いにも等しい。
だから、男は女を守るべきだ、とか、逆に女は男に守られるものだ、という現実世界にあるような固定概念自体が存在していないようであった。
俺達は墓地をひたすらに歩く。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
『『『カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ』』』
どこからともなく、不気味な鳴き声が聞こえてきた。そして、骨が動き、接触するような音も。
「な、なんだ、この声と音は……」
なんだ、と言ったものの、半ば予想が付いている。ここは墓地である。そして、アンデッドが出現するという情報も既に聞いているのだ。だから、現れる怪物(モンスター)など、一つしかない。
地中から現れたのは無数のゾンビ。それからスケルトンだった。
俺は解析(アナライズ)のスキルを発動させる。地道な情報収集こそが、確実な勝利の近道なのである。やはり闘いというのは敵の事を知らなければならない。
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モンスター名。ゾンビ。HP20。弱点属性、炎・聖属性
※生きる屍と言われるモンスター。その動きは鈍重だが、耐久力はそれなりに高く、数がいるとそれなりに厄介である
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モンスター名。スケルトン。HP10。弱点属性、炎・聖属性
※ゾンビとは対照的に、骨だけで出来ているアンデッド。肉体がない分、耐久力は低いが、それでもゾンビとは対照的に動きが早い。ゾンビと同じく、数が集まっていると厄介な相手である
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「くそ……わらわらと出てきやがって」
俺はエステルから貰った……元から言えばあの勇者ハヤトが持っていた剣だろう。勇者の剣を構える。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
『『『カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ』』』
数多のゾンビとスケルトンが俺達に襲い掛かってくる。
『聖光覇斬剣!』
剣聖であるエステルは技スキルを発動した。エステルのステータスを把握していない為、あまりよくわからないのだが、敵全体を攻撃できる、聖属性の斬撃のようだった。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
エステルの聖属性の斬撃により、多くのゾンビとスケルトンが灰燼と化したようだった。
だが、それでもまだ数が残っていた。一個一個の戦力としてはあまり高くないが、それでも数が多いのが厄介だった。
こういった敵にはキングキラーベアの時に使用した技スキル『一刀両断』では効率的に倒せそうにない。二番目に覚えた技スキル『回し斬り』を使う絶好の機会だった。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
俺は二番目に習得した技スキル『回し斬り』を使用する。
一回転し、周囲のゾンビとスケルトン達を一回の攻撃で斬りはらった。
「「「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」」」
数多のゾンビとスケルトン達が朽ち果てる。
「ふう……何とかなったか」
俺はほっと、胸を撫で下ろす。
「見てください、カゲト様」
「ん?」
エステルが指を指す。視線の先には、大きな墓があった。恐らくはあそこに噂に聞いたリッチがいるのだろう。
「恐らく、あそこにリッチがいる。向かおう、エステル」
「は、はい! そうですね! 行きましょうか……なんだか不気味で怖いですが」
流石にエステルとて、女の子——というよりは人間であったのならば多少の恐怖心は覚えたのだろう。俺だってそうだ。
だが、虎穴に入らずんば虎子を得ず。俺達はそこに向かう以外に、新しい何かを得られる事はできない。
俺達は危険を承知で、大きな墓——墓地の中にある大墳墓へと向かったのである。
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※先ほどの戦闘でLVが上がりました
臼井影人 16歳 男 レベル:12(NEW)
職業:無職
HP:60(NEW)※以下、パラメーターは更新されています
MP:60
SP:60
攻撃力:60
防御力:60
素早さ:60
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魔法耐性:60
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資金:1000G →1500G (NEW)
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