154 / 208
第二章
追っ手《マーティン side》③
しおりを挟む
「『大人しくしていろ』は、こっちのセリフだ!」
ルパートの胸元目掛けて剣先を突き出し、私は大きく前へ踏み込んだ。
が、あちらの剣に弾かれ、軌道を逸らされてしまう。
よって、ルパートの胸元を……心臓を刺せなかった。
ちょうど彼の顔の横を通り過ぎていった剣を前に、私は眉を顰める。
こいつ……!さっきから、必要最低限の動作のみでこっちの攻撃を躱してやがる……!
『生意気な……!』と苛立ちを募らせ、私は直ぐさま次の攻撃を繰り出した。
が、やはり当たらない。
「チッ……!さっさとくたばれよ!」
『こっちは時間がないんだ!』と焦り、私は勢いよく剣を振るう。
すると、ルパートが跳ね返してきた。
反動で剣を手放してしまう私は、咄嗟に
「ウィンドランス」
風の槍を放つ。
が、あっさり剣で叩き落とされた。
地面に突き刺さり霧散した風の槍を前に、私は数歩後ろへ下がる。
痺れる右手を押さえながら。
「ウィンドラフ」
再び葉っぱをすくい上げて目眩しに使い、私は落とした剣を探す。
さすがに魔法だけで勝てる相手では、ないので。
暗くて、足元が見えない……!ランプの火、もう一度つけるべきか……!?
いや、不用意に明かりを灯せばルパートにこちらの居場所がバレる!
そしたら、確実に追撃が来るぞ!
『とにかく、目を凝らして探すしかない!』という結論に至り、私は右へ左へ視線をさまよわせた。
その瞬間────背後から、肩を刺される。
「後ろがガラ空きです」
「お前っ……いつの間に!」
先程まで前に居た筈のルパートが真後ろに居り、私は動揺を隠し切れなかった。
クソッ……!足元に意識を集中させ過ぎた!
注意が足りなかったことを恥じ、私は歯を食いしばる。
と同時に、ルパートが一度傷口から剣を引き抜き、
「ここまでです、兄上」
私の首筋に当てがった。
『こちらはいつでも、首を刎ねられるんだぞ』ということを、突きつけるかのように。
「これ以上、手荒な真似はしたくありません。降参してください」
ルパートの胸元目掛けて剣先を突き出し、私は大きく前へ踏み込んだ。
が、あちらの剣に弾かれ、軌道を逸らされてしまう。
よって、ルパートの胸元を……心臓を刺せなかった。
ちょうど彼の顔の横を通り過ぎていった剣を前に、私は眉を顰める。
こいつ……!さっきから、必要最低限の動作のみでこっちの攻撃を躱してやがる……!
『生意気な……!』と苛立ちを募らせ、私は直ぐさま次の攻撃を繰り出した。
が、やはり当たらない。
「チッ……!さっさとくたばれよ!」
『こっちは時間がないんだ!』と焦り、私は勢いよく剣を振るう。
すると、ルパートが跳ね返してきた。
反動で剣を手放してしまう私は、咄嗟に
「ウィンドランス」
風の槍を放つ。
が、あっさり剣で叩き落とされた。
地面に突き刺さり霧散した風の槍を前に、私は数歩後ろへ下がる。
痺れる右手を押さえながら。
「ウィンドラフ」
再び葉っぱをすくい上げて目眩しに使い、私は落とした剣を探す。
さすがに魔法だけで勝てる相手では、ないので。
暗くて、足元が見えない……!ランプの火、もう一度つけるべきか……!?
いや、不用意に明かりを灯せばルパートにこちらの居場所がバレる!
そしたら、確実に追撃が来るぞ!
『とにかく、目を凝らして探すしかない!』という結論に至り、私は右へ左へ視線をさまよわせた。
その瞬間────背後から、肩を刺される。
「後ろがガラ空きです」
「お前っ……いつの間に!」
先程まで前に居た筈のルパートが真後ろに居り、私は動揺を隠し切れなかった。
クソッ……!足元に意識を集中させ過ぎた!
注意が足りなかったことを恥じ、私は歯を食いしばる。
と同時に、ルパートが一度傷口から剣を引き抜き、
「ここまでです、兄上」
私の首筋に当てがった。
『こちらはいつでも、首を刎ねられるんだぞ』ということを、突きつけるかのように。
「これ以上、手荒な真似はしたくありません。降参してください」
100
あなたにおすすめの小説
【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
(完結)私より妹を優先する夫
青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。
ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。
ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
妹と婚約者が結婚したけど、縁を切ったから知りません
編端みどり
恋愛
妹は何でもわたくしの物を欲しがりますわ。両親、使用人、ドレス、アクセサリー、部屋、食事まで。
最後に取ったのは婚約者でした。
ありがとう妹。初めて貴方に取られてうれしいと思ったわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる