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第二章
果たせなかった約束《マーティン side》①
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「これ以上、手荒な真似はしたくありません。降参してください」
変なところで善人ぶるルパートは、こちらに選択の余地を与えた。
問答無用で殺すなり、意識を奪うなりすればいいものを……。
『本当に気に食わないやつだ』と憤りつつ、私は眉間に皺を寄せる。
残念だが……こいつの言う通り、私はここまでのようだ。
母上のところには、行けない……だから、せめて────
「────お前だけは道連れにする!」
すぐそこにある剣を素手で掴み、私は天を仰いだ。
「ミストラル!」
自分の使える魔法の中で一番強力なものを発動し、私は不敵に笑う。
己の魔力を極限まで注ぎ込んだソレが、どれほどの威力を持っているのか……私ですら、分からないから。
『まず、コントロールは出来ないだろうな』と考える中、ところ構わず風が吹いた。
それも、暴風と呼ぶべき勢いと荒々しさを持って。
『これできっとルパートも……』と思案し、私は剣を握る手に力を入れる。
「道連れは困ります」
ルパートは荒れ狂う風を一瞥し、私の手から剣を抜き取った。
ビシャッと飛び散る私の血など気にも留めず、彼は背筋を伸ばす。
と同時に、暴風を切った。
比喩表現でも何でもなく、本当に。
「……はっ?」
思わず声を上げてしまう私は、そのデタラメな力に目を見張る。
『そんなこと出来るのか……!?』と動揺する私を前に、ルパートは次々と風を切っていった。
いや、剣を振ったときに起こる衝撃波で相殺して行ったと言った方が正しいか。
とにかく、暴風を無力化していた。
強いのは知っていたが、まさかここまでとは……!
これじゃあ、道連れなんて……夢のまた夢じゃねぇーか!
ギシッと奥歯を噛み締め、私は言いようのない怒りに襲われた。
その瞬間────ふわりと体が宙を舞う。
どうやら、自分の作った暴風に巻き込まれたようだ。
まあ、こうなるのは分かった上で発動したため特に動揺はないが。
「兄上!」
ルパートは心底驚いた様子でこちらを見つめ、一瞬立ち止まった。
恐らく、この風は私の支配下にあると勘違いしていたのだろう。
まさかこんな風に攫われるとは、夢にも思わなかったみたいだ。
「手を……!」
変なところで善人ぶるルパートは、こちらに選択の余地を与えた。
問答無用で殺すなり、意識を奪うなりすればいいものを……。
『本当に気に食わないやつだ』と憤りつつ、私は眉間に皺を寄せる。
残念だが……こいつの言う通り、私はここまでのようだ。
母上のところには、行けない……だから、せめて────
「────お前だけは道連れにする!」
すぐそこにある剣を素手で掴み、私は天を仰いだ。
「ミストラル!」
自分の使える魔法の中で一番強力なものを発動し、私は不敵に笑う。
己の魔力を極限まで注ぎ込んだソレが、どれほどの威力を持っているのか……私ですら、分からないから。
『まず、コントロールは出来ないだろうな』と考える中、ところ構わず風が吹いた。
それも、暴風と呼ぶべき勢いと荒々しさを持って。
『これできっとルパートも……』と思案し、私は剣を握る手に力を入れる。
「道連れは困ります」
ルパートは荒れ狂う風を一瞥し、私の手から剣を抜き取った。
ビシャッと飛び散る私の血など気にも留めず、彼は背筋を伸ばす。
と同時に、暴風を切った。
比喩表現でも何でもなく、本当に。
「……はっ?」
思わず声を上げてしまう私は、そのデタラメな力に目を見張る。
『そんなこと出来るのか……!?』と動揺する私を前に、ルパートは次々と風を切っていった。
いや、剣を振ったときに起こる衝撃波で相殺して行ったと言った方が正しいか。
とにかく、暴風を無力化していた。
強いのは知っていたが、まさかここまでとは……!
これじゃあ、道連れなんて……夢のまた夢じゃねぇーか!
ギシッと奥歯を噛み締め、私は言いようのない怒りに襲われた。
その瞬間────ふわりと体が宙を舞う。
どうやら、自分の作った暴風に巻き込まれたようだ。
まあ、こうなるのは分かった上で発動したため特に動揺はないが。
「兄上!」
ルパートは心底驚いた様子でこちらを見つめ、一瞬立ち止まった。
恐らく、この風は私の支配下にあると勘違いしていたのだろう。
まさかこんな風に攫われるとは、夢にも思わなかったみたいだ。
「手を……!」
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