私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

メリッサ皇妃殿下の追跡《エレン side》①

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◇◆◇◆

 ────時は少し遡り、ルパートと別れた直後のこと。
メリッサ皇妃殿下を追い掛けて森へ入った私は、案外あっさりターゲットを見つける。
というのも、相手が慣れない獣道で苦戦していたため。
思ったより、奥に進んでなかった。

「退路を塞ぐ形で、陣形を組める?」

 三十メートルほど離れた場所に居るメリッサ皇妃殿下を見据え、私は騎士達に指示を出す。
すると、彼らは『はっ!』と一斉に返事して相手を包囲した。
これで、本当に逃げ場はない。

「あ、貴方達!騎士を蹴散らしなさい!」

 メリッサ皇妃殿下は焦った様子で部下の一人を突き飛ばし、『何とかして!』と叫ぶ。
マーティンの足止めが効いていないことに、少なからず不安を覚えているようだ。
『ここまで取り乱すなんて、珍しい』と感じる中、あちらの部下達は急き立てられるように武器を構える。

「おや?やり合うのかい?君達じゃ、この包囲網を突破するのは無理だと思うけど」

 こちらの戦力はしっかり訓練を受けた騎士、およそ三十人。
それに対して、あちらは暗殺者みたいな風貌の男性五人程度。
人数差を考えても、歯向かうのは無謀と言える。

「まあ、それでも頑張ると言うなら構わないよ。受けて立とう。でも、ここで剣を下ろしてくれるなら君達の命までは取らない」

 言外に『メリッサ皇妃殿下を見捨てろ』と告げると、あちらの部下達は顔を見合わせた。
どうする?と問い掛け合うように。

「ちょっと、貴方達……!何をしているの!?早く騎士を殺しなさい!」

 『私の言うことが、聞けないの!?』と憤り、メリッサ皇妃殿下は目を吊り上げる。
────と、ここで先程彼女に突き飛ばされた部下が武器を捨てた。
かと思えば、メリッサ皇妃殿下の腕を掴んでこちらに投げる。
差し上げます、とでも言うように。

「貴方の提案を受け入れます」

 こちらの目をしっかり見て宣言し、彼は両手を上げた。
すると、他の者達も同じように降参の意思を露わにする。

「なっ……!?」

 あっさり手のひらを返した部下達に震撼し、メリッサ皇妃殿下は絶句した。
その傍で、部下達は大人しく拘束を受ける。

「さて────これで味方は誰も居なくなりましたね、メリッサ皇妃殿下」
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