私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

プロポーズ②

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「私は強くて、真っ直ぐなルパート殿下のことを────以前より、お慕いしておりましたので」

 『最初はただ憧れているだけだったんですが』と明かすアイリスに、ルパート殿下はもちろん……私も衝撃を受ける。
そんな話、初耳だったので。
『いや、もっと早く言ってよ……』と項垂れる私を他所に、ヴィンセントがパンッと手を叩いた。

「じゃあ、二人は両想いということだね。おめでとう」

 『僕は二人の仲を祝福するよ』と告げ、ヴィンセントはふとこちらを見る。
と同時に、少しばかり表情を和らげた。

「これで気兼ねなく、僕達も結婚話を進められるね」

「えっ?あっ、うん。そうね」

 ルパート殿下とアイリスの恋話に気を取られ、自分の結婚などすっかり忘れていた私は内心苦笑を漏らす。
『そういえば、事の発端は私の輿入れ関連だったな』と思い返して。

「えっと……とりあえず、大団円でいいのかしら?」

「ええ、お姉様と離れ離れになるのは辛いけど、ルパート殿下も一緒なら多分大丈夫だと思うから」

 アイリスは自身の胸元に手を添え、どことなく柔らかい表情を浮かべた。
きっと、ルパート殿下という心強い味方を得られて安心したのだろう。
まだ家族の死を乗り越えられた訳じゃないと思うが、少なからず心に余裕を持てたようで良かった。
『家を出るにあたっての不安が、一つ減った』と思案する中、アイリスはチラリとこちらを見る。

「さっきは無茶を言ってごめんなさい、お姉様」

 『行かないで』と引き止めたことを詫びるアイリスに、私は小さく首を横に振った。

「いいのよ、謝らないで。私も逆の立場なら、同じことをしたかもしれないし……何より、アイリスの気持ちは凄く分かるから」

 『いきなり一人になるのは怖いわよね』と理解を示し、私は優しく頭を撫でる。
────と、ここでヴィンセントが足を組んだ。

「さて、話もまとまったことだし、今後の方針を立てていこうか」

「「「方針?」」」

 反射的に聞き返す私達は、顔を見合わせて首を傾げる。
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