Wit:1/もしも願いが叶うなら〜No pain, no live〜

月影弧夜見(つきかげこよみ)

文字の大きさ
50 / 256
アーティフィシャル・マインド

シグマドライヴ、解放/空(から)の剣

「お友  、ダ   チゴッコ、、は   終わりマ    シタか??」

「……ジェネラル様……」
「行くぞコック、感傷に浸る暇は、ない……!」

 見上げると、ツタを破ったものの、自身の触手によって自分自身を締め付けている機体が。……が、その両極端の触手には。


「あナ タ  の! お友達ハあ、、、!! みんなみんなこ         のザマ!! です! デス!!!!」


 2人共、気を失ってる……のは分かるが。
「……マスター、あのお2方はマスターの仲間……でよろしいですか?」

「ああ、もちろん。……んで、アイツらは大丈夫なのか?」
「はっきり言うと……生命的にかなり危ない状態です。すぐさま助けださないと……」


『アレン、後ろだ!』


 突如上空から響き渡る声。言われた通り振り向くと、3本もの触手が。
「神威、きど……」

「……マスター、貴方は私がお守りいたします」

 コックの円筒へと変貌した右手が前に突き出され、そこから放たれた魔力弾が迫り来る触手を消し飛ばす。



「コック、俺の周りは任せたぞ……!」
「承知しました、マイマスター」

 背後、声のした方角を向けば、先程まで触手に縛られていたサナとセンの姿が消えており。






『……また、戦う事になるとはな』

 代わりにそこにいたのは、紛れもなく。

「兄さん、まさか一緒に……?」


 そう、兄さんが———堂々とそこに立っていた。……その横腹には激しい血痕もついていたが、そんなものをものともせずに兄さんは動き続ける。

「勘違いするな、貴様がここで死ぬという運命が受け入れられなかっただけだ。

 あんな遺物を前に死ぬくらいなら、魔王とでも戦って潔く散った方がマシだろうからな」


「……サナを助けたかっただけとk……」

「それ以上口にするな貴様も斬られたいかっ!」

「———ところでサナたちは……?」

「後ろに置いてきた、ただアイツらの方もどこまで持つか分からない、迅速に決めるぞ……!」

 憤慨する兄さんに背中を合わせ、刀を構える。

「神威、起動……!」
「やるぞ、アレン……!」


「そ  ン名!! 、。 ! 白様! あなたは私 、、の!  [偉大なるご厚意]     ムダニ   しタ!! 

 せっっっっかク、、貴ナタ様の! [[[お友達ゴッコ]]]をモ     リ    上げたト    言ウ    ノニ!!!!

 コレは モう!    [一家揃ってご臨終オプション][ご愁傷様でした]  するシ化ナイ! [[[アムのようにするしか]]]   ナイっ!」


 
 機械とは思えないほどに激しく脈動し痙攣するリー。
 必死に目を見開き、張り裂けんとする口から放たれるその一言一言には、もはや生気は残っていなかった。

「気持ち悪いヤツだぜ、変な喋り方しやがって」

「兄さん構えて、来る!」


 迫り来る、無数の触手。
 それら全て、1本残さず捌き切る。
 流れ狂う水を連想させるそれは、だが切断すればあまりにも力無く、自由落下する水のように勢いが消え落ちてゆく。

「どうしたアレン! スピードが落ちているんじゃないのかっ?!」

「兄さんだって、さっき1本、取り逃したじゃねえか……っ!」


「……マスター、蒸発させるだけでよろしいのですか? 次の指示は……」

 若干置いていかれ気味なコックを横目に機を伺う。
 もうそろそろ……来るはずだ……!


「あレ    、。??  液ガ……出 ナい?!どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてど……」


 ……やはりだ。前の全身スライムの身体の時よりも、出せる液体の数が少なくなっている……!
 無尽蔵とは言えど、無限ではないはずだ。つまり、これで……!



「コック、兄さん! 一気に畳み掛けるぞ!」

「一気に……つまりお前についていけ、と?」
「ええマスター、仰せの通りに」



「背水の、陣っ!」

 少しでも早く。
 ヤツのツタがこちらに迫ってくるよりも前に。

 頬が少しばかり湿った風を撫でる。が、今はそんな心地よい気分を感じている場合ではない。

 狙うはヤツの機体、その中枢部、ヤツの記憶装置……!
 コックの記憶を……取り返す為にも……!


「とった!」

 ヤツの眼前へと跳び上がり、刀を構える。
 ヤツのツタは発射寸前。
 だが、この距離であれば俺の方が…早い!







「なーーーーーーんて!

 誰 が予想、、できマし   たでしょう、か、??? 、そンな [お約束]   そンな[どんでん返し]  認メ  、ル  訳にはいきマセン!
 ココカラですヨ!!!! 最後 、、ノ          [ショーダウン]   は午後8時ヨ り後悔!!!!!!」




 ……ああ、今度こそ、終わった。
 これまで、幾度となく瀕してきた危機。
 ……が、こいつは、致命傷、だ……


「マスターーッ!!」

「ア……レン、貴様……っ!」



 あったかい。
 あったかくて、お母さんの胸の中にいるような、そんな、血のあたたかさ。


 いしきが、だんせん、する。
 がんぜんが、うすれて、こんだくしていく。
 あったかい、むねはあったかいよ。
 だけど、ちょっと、さむい、かなあ。







********

 突如、の背中を突き破った、巨大な金属の針。
 そこから滴り落ちる血を見る限り、アレン、貴様はやはり……!

「コック……とか言ったか。……アレンは……死んだ。……だろう?」

「ええ、マスターの生体反応、魔力反応は、もう……!」


「……っおいまずいぞ、ツタが!」

 突如背後の地層より滲み出てきたツタにより、完全に身体が捉えられる。



「……が……っぐ……っ…!」

 じわじわと締め付けられる。骨が軋む。
 このままでは骨折も……残り数十秒……!

 俺様も、か?
 俺様も、ここで死ぬってのか?
 何の、抵抗も、できずに……?










「個体名:『アダム・セイバー』起動。
 肉体認識:『アレン・セイバー』、
 連続的思考途絶。思考装填。
 『全知全能ザ・オールマイティ』、起動」



「ナン でスか? 急、、ニ喋っテ、、、   、!!

 [抵抗]ス るおつもりナのデスか? [やめましょう、無駄な抵抗はやめましょう]
 ド うセ私ヲ倒すな ん  て出来ヌ!!!
 [どんな手段]ヲ用いても! [どんな方法]ヲ用イテモ!! 何、、、 、  。、モ、出来ナ……





 アre         。??  視カイが      ? 2つ、、、ニ??」




 それは、一瞬だった。
 ……いや、一瞬ですらなく、それ以下の何かの間。
 1秒、いや0.1秒、いや0.0000000000……そのくらい考え込むほどの速すぎる斬撃。


 掠れた視界にて捉えたのは、そのあまりにも桁外れな一閃。

 ……あれは……いや、そうだろう、それしか考えられない。
 ヤツは、アレンは、今の一瞬、動いてすらいないまま、「斬った」という結果のみを残した。

 事実、時が進み、気がついた頃には、既に敵は斬れていた。
 まるで何もなかったところに一瞬にして物が出現するように。

 何の傷もなかったヤツの身体は、たった一瞬、いや一瞬に満たない時間、すなわち「0秒」で斬り落とされた。

 ……そう、たったの0秒で、ヤツの身体を斬ってみせたんだ、アレンは……







 シグマドライヴ:からの剣。
 空白の時間が、眼前の敵を斬り裂いた。
感想 203

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

絶交した幼馴染と大学の合コンで再会した。

孤独な蛇
恋愛
中学生の浅野春樹は上級生と喧嘩騒動を起こしたことがあった。 その上、目つきが悪く地毛は茶髪のため不良少年のような扱いを受けて学校では孤立していた。 そんな中、幼馴染の深瀬志穂だけは春樹のことをいつも気遣ってくれていた。 同じ高校に行こうと声を掛けてくれる志穂の言葉に応えたい一心で受験勉強にも力を入れていた。 春樹にとって、学校で孤立していることは問題ではなかった。 昔から志穂が近くにいてくれるから……。 しかし、3年生なってから志穂の態度がよそよそしくなってきた。 登下校も別々になり、学校で話しかけてくることも無くなった。 志穂の心が自分から離れていってしまっている気がした春樹は焦っていた。 彼女と話がしたい。笑った顔が見たい。 志穂と一緒に帰ろうと、彼女が部活動を行っている体育館へ向かったのだが……。 そこで春樹が耳にしたのは、自分の悪口を言って部活の友達と楽しそうにしている志穂の声だった。 その瞬間、春樹の中で志穂に対する想いや信頼は……消滅した。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。