人間寸劇

宮浦透

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3.野良人間の戯言

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 オレンジ色に染まったその空は私に異常なまでの嫌悪感を与えた。電車と共に流れていく景色はマンネリズムになり初めの感嘆などどこへか去ってしまっていた。特に目立った人なども居なくただただ面白みのない日だけが目立った。これでは誰も変わらないのでは。と疑問を口に出そうになったのを喉に戻して何にも縛られないふりをして外を見つめていた。
 少しでも座る隙を探していた私の前に立ち憚った今回の邪魔者は髪の薄い男の人と社会に慣れ始めたくらいの女の人だった。二人して画面に夢中なようで、こちらにはまるで興味は示さなかった。そんな面白みもない画面の中に囚われた方々に蔑んだ目を送ってしまう。しかしその面白みもない画面に夢中になるのは私も同じで、またその自分への場合ですらも、蔑みの目を向けてしまった。
 人間はとても愚かだが、それ自体が人間であり、とても趣を感じた。
 体を揺られながら外を眺めていたら、ある時にそのガラスに反射して二人が入り込んでいる画面が目に入った。一人は昔の漫才、もう一人は何かの解説を見ているのだ。二人して対象的だが、どちらも夢中になっていた。
 その一部始終を見た私は、これもまた、人間か。などとと勝手に思い込んだ。そして私もまた、人間なのである。それらは実に愚かだった。
 気付けば外は既に暗く、窓の外を覗き込める余裕はなかった。
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