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22.賢者のお時間です
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「いっぱい出たな」
オレの出した白濁で汚れた手をしげしげと見ながら王子が言った。そんなものをじっと見ないで欲しい。
というか、他人の手でイってしまったこととか、自分が出したものを王子にまじまじと見られる恥ずかしさとかで、今すぐこの場から消えてしまいたい気分だ。この瞬間、日本に帰れたり……なんてしないよね!? 帰れるなら本当今すぐ日本に帰りたい。……いや、だからっていっても素っ裸で日本に送り返されてもかなり困るけれど……
しかし射精すものを射精したオレは、身体がスッキリしたことで頭もだんだんスッキリしてきた。
グエナエル王子はオレがビジュだということをすんなりと受け入れているようだけど、それはあまりにも不自然な気がする。だって、この世界には、ポメラニアンになる人間は居ないハズだ。いくらオレが王子の前でポメラニアンの姿から人の姿に変化したと言っても、普通はその瞬間に大声を出したり、部屋から追い出したりするんじゃないかと思う。
それに、本当のオレの名前はビジュではなく『氏木翔太』だ。そのあたりを含めて、ちゃんと話をしたほうがいいかもしれない。
「あ、あの……」
そう思って口を開いたんだけど、その瞬間、自分が全裸であることを思い出してしまった。しかも、王子の手はまだオレの精液まみれだし、それどころかシャツにもオレの精液は飛んでいた。そのことに気づいて、思わず顔に血が上る。
「す、すみません……」
「いや、当然のことをしたまでだ」
「は、はひっ!?」
当然!? いったい今の行為の何が当然だったんだろうか!?
聞き返した声が思いっきりひっくり返ってしまったけれど、王子からはそれ以上の説明はなかった。
「服は隣の部屋に用意してある。私も着替えるからちょっと待っていろ」
「あ、はい……」
そう言い残した王子は、寝室の奥に向かった。そこには王子専用のバスルームある。きっとそこで手を洗ってくるつもりなんだろう。
早く服を着たいという気持ちはあるけれど、王子の手を汚してしまったのは自分だ。仕方ないから全裸のままベッドに腰かけて王子が戻ってくるのを待つ。うーん、とても居心地が悪い。
ていうか、オレは人間の姿に戻ったら王子の前から消えるはずだったのに、なんで王子に手コキなんてされちゃったんだ!? しかも、昨日は全裸で王子と同じベッドで寝ていたらしい。全裸なのは今も変わらないけれど……
ポメラニアンの姿のときは、何も着ていなくても全く気にならなかった。というか、「ふさふさの毛並みがオレの自慢の服だ!!」くらいの感覚だったかもしれない。あのふさふさの毛は人を癒すだけじゃなくて、ポメラニアンにとっても大切な役割があったんだな……などと、今更ながら思う。
だけど、今はオレはポメラニアンではなく人間だ。いくらいままで城内を全裸で歩き回っていたとしても、犬と同じ調子でいることはできない。
そういえば……あんまり自覚していなかったけれど、オレってばこっちの世界に来てからずっと全裸で過ごしていたのかー……まじかー……今更ながらにそんなことに気づいて、ちょっとだけ凹んで思わず視線が下を向く。そしたら自分の腹にもべったりとついた精液が視界に入って、さらに凹んだ。
「待たせたな」
声を掛けられて顔を上げると、オレの正面に塗れたタオルを手にした王子が立っていた。
王子はオレが汚してしまったシャツを脱いでいたので、上半身裸だ。
「ひぁっ……!!」
不意打ちで王子の半裸を見てしまい、思わず顔に血が上る。
うわー、やっぱり王子の身体つきはイイ!! ……って、そうじゃなくて!!
「な……いったい何を……!?」
王子がタオルでおもむろにオレの身体を拭き始めて、思わず叫んだ。
「汚れたままだと気持ち悪いだろう?」
「わっ! そ、そうですけれど……じ、自分でできますから……!!」
「気にするな」
「気になります!!」
なんとか王子からタオルを奪おうしたのだけれど、あれよあれよという間にオレはキレイに拭き上げられてしまったのだった。
***
20話の次に23話を投稿してしまいました。21話と22話を翌日投稿しています。すみません。
オレの出した白濁で汚れた手をしげしげと見ながら王子が言った。そんなものをじっと見ないで欲しい。
というか、他人の手でイってしまったこととか、自分が出したものを王子にまじまじと見られる恥ずかしさとかで、今すぐこの場から消えてしまいたい気分だ。この瞬間、日本に帰れたり……なんてしないよね!? 帰れるなら本当今すぐ日本に帰りたい。……いや、だからっていっても素っ裸で日本に送り返されてもかなり困るけれど……
しかし射精すものを射精したオレは、身体がスッキリしたことで頭もだんだんスッキリしてきた。
グエナエル王子はオレがビジュだということをすんなりと受け入れているようだけど、それはあまりにも不自然な気がする。だって、この世界には、ポメラニアンになる人間は居ないハズだ。いくらオレが王子の前でポメラニアンの姿から人の姿に変化したと言っても、普通はその瞬間に大声を出したり、部屋から追い出したりするんじゃないかと思う。
それに、本当のオレの名前はビジュではなく『氏木翔太』だ。そのあたりを含めて、ちゃんと話をしたほうがいいかもしれない。
「あ、あの……」
そう思って口を開いたんだけど、その瞬間、自分が全裸であることを思い出してしまった。しかも、王子の手はまだオレの精液まみれだし、それどころかシャツにもオレの精液は飛んでいた。そのことに気づいて、思わず顔に血が上る。
「す、すみません……」
「いや、当然のことをしたまでだ」
「は、はひっ!?」
当然!? いったい今の行為の何が当然だったんだろうか!?
聞き返した声が思いっきりひっくり返ってしまったけれど、王子からはそれ以上の説明はなかった。
「服は隣の部屋に用意してある。私も着替えるからちょっと待っていろ」
「あ、はい……」
そう言い残した王子は、寝室の奥に向かった。そこには王子専用のバスルームある。きっとそこで手を洗ってくるつもりなんだろう。
早く服を着たいという気持ちはあるけれど、王子の手を汚してしまったのは自分だ。仕方ないから全裸のままベッドに腰かけて王子が戻ってくるのを待つ。うーん、とても居心地が悪い。
ていうか、オレは人間の姿に戻ったら王子の前から消えるはずだったのに、なんで王子に手コキなんてされちゃったんだ!? しかも、昨日は全裸で王子と同じベッドで寝ていたらしい。全裸なのは今も変わらないけれど……
ポメラニアンの姿のときは、何も着ていなくても全く気にならなかった。というか、「ふさふさの毛並みがオレの自慢の服だ!!」くらいの感覚だったかもしれない。あのふさふさの毛は人を癒すだけじゃなくて、ポメラニアンにとっても大切な役割があったんだな……などと、今更ながら思う。
だけど、今はオレはポメラニアンではなく人間だ。いくらいままで城内を全裸で歩き回っていたとしても、犬と同じ調子でいることはできない。
そういえば……あんまり自覚していなかったけれど、オレってばこっちの世界に来てからずっと全裸で過ごしていたのかー……まじかー……今更ながらにそんなことに気づいて、ちょっとだけ凹んで思わず視線が下を向く。そしたら自分の腹にもべったりとついた精液が視界に入って、さらに凹んだ。
「待たせたな」
声を掛けられて顔を上げると、オレの正面に塗れたタオルを手にした王子が立っていた。
王子はオレが汚してしまったシャツを脱いでいたので、上半身裸だ。
「ひぁっ……!!」
不意打ちで王子の半裸を見てしまい、思わず顔に血が上る。
うわー、やっぱり王子の身体つきはイイ!! ……って、そうじゃなくて!!
「な……いったい何を……!?」
王子がタオルでおもむろにオレの身体を拭き始めて、思わず叫んだ。
「汚れたままだと気持ち悪いだろう?」
「わっ! そ、そうですけれど……じ、自分でできますから……!!」
「気にするな」
「気になります!!」
なんとか王子からタオルを奪おうしたのだけれど、あれよあれよという間にオレはキレイに拭き上げられてしまったのだった。
***
20話の次に23話を投稿してしまいました。21話と22話を翌日投稿しています。すみません。
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