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76.ロロ・ドゥ
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ギシギシと身体が痛む。
体勢を変えようとしたけれど身体が上手く動かない。なんか変だな、と思ってオレはゆっくり目を開けた。
自分の姿を確認して、身体を動かせない理由を理解する。
オレは縄で縛られて、ベッドの上に転がされていたのだ。両手は後ろで縛られ、足も一まとめにされて縛られていた。
いつからこの状態なのかはわからないけれど、身体がギシギシと軋んでいるので、そこそこ長い時間この体勢で放置されているのだろう。
その時になってようやく、王妃の従者に変な薬を嗅がされて意識を失ったことを思い出した。あの時、王妃はオレを始末するように言っていたけれど、目が覚めたということは、とりあえずオレはまだ生きているらしい。
えーっと……それなら、ここはどこだ?
オレは身体をひねって室内を見回した。見たことのない場所だ。
木製の壁、窓にはくたびれたカーテンが掛かっている。普段グエンと過ごしている部屋と比べると、かなり庶民的な雰囲気だ。きっと、王城内ではないのだろう。部屋の広さは、ホテルの一室くらいで、ベッドの他にこじんまりとしたテーブルとソファがあって……
「あ、目が覚めた?」
身体に力を入れたら、ベッドが軋んだ。その音に気付いたのか、ソファに座っていた人物が読んでいた本から顔を上げた。本をテーブルに置いて立ち上がり、オレの前まで近づいてくる。
「おまえ……は……?」
咄嗟に問い掛けたけれど、掠れた声でもちゃんと喋れた。
「うん? 僕はロロ・ドゥだよ」
目の前に居るのは、真っ白な髪に真っ赤な目をした少年だった。
掴みどころのないように感じるのは、若そうに見えるのに髪が真っ白だからだろうか。しかし、肌にはハリがあるし、動きにも若々しさを感じる。だから、多分、まだ少年と呼べるくらいの歳だろうとは思うのだけど……
思わず口にしてしまった質問に、まさか名乗られるとは思っておらず、オレは一瞬面食らう。そして場違いなほど無邪気な笑顔に、何故か寒気を覚えた。
意識を失う直前に聞こえた声は、ジェレール王子が地下室で密会していた相手のものと同じに聞こえた。ロロはあんな不自然な声ではなく、普通の声で喋っているけれど、背格好はあのときの人物と同じくらいに見える。全体的な雰囲気もなんとなく似ているので、やはりジェレール王子が会っていたのはロロなのだろうか?
「いやー、王妃は殺して捨ててこいって言っていたけれど、流石に勿体ないからさ。折角だから、ちょっと僕とおしゃべりしようよ。殺すならその後でもできるしね」
そう言って、少年はドサッとベッドに腰掛けた。ちょうどオレの腹の前あたりに座って、オレを見下ろす。いやいや、軽い口調で言っているけれど、内容はものすごく物騒だぞ?
体勢を変えようとしたけれど身体が上手く動かない。なんか変だな、と思ってオレはゆっくり目を開けた。
自分の姿を確認して、身体を動かせない理由を理解する。
オレは縄で縛られて、ベッドの上に転がされていたのだ。両手は後ろで縛られ、足も一まとめにされて縛られていた。
いつからこの状態なのかはわからないけれど、身体がギシギシと軋んでいるので、そこそこ長い時間この体勢で放置されているのだろう。
その時になってようやく、王妃の従者に変な薬を嗅がされて意識を失ったことを思い出した。あの時、王妃はオレを始末するように言っていたけれど、目が覚めたということは、とりあえずオレはまだ生きているらしい。
えーっと……それなら、ここはどこだ?
オレは身体をひねって室内を見回した。見たことのない場所だ。
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「あ、目が覚めた?」
身体に力を入れたら、ベッドが軋んだ。その音に気付いたのか、ソファに座っていた人物が読んでいた本から顔を上げた。本をテーブルに置いて立ち上がり、オレの前まで近づいてくる。
「おまえ……は……?」
咄嗟に問い掛けたけれど、掠れた声でもちゃんと喋れた。
「うん? 僕はロロ・ドゥだよ」
目の前に居るのは、真っ白な髪に真っ赤な目をした少年だった。
掴みどころのないように感じるのは、若そうに見えるのに髪が真っ白だからだろうか。しかし、肌にはハリがあるし、動きにも若々しさを感じる。だから、多分、まだ少年と呼べるくらいの歳だろうとは思うのだけど……
思わず口にしてしまった質問に、まさか名乗られるとは思っておらず、オレは一瞬面食らう。そして場違いなほど無邪気な笑顔に、何故か寒気を覚えた。
意識を失う直前に聞こえた声は、ジェレール王子が地下室で密会していた相手のものと同じに聞こえた。ロロはあんな不自然な声ではなく、普通の声で喋っているけれど、背格好はあのときの人物と同じくらいに見える。全体的な雰囲気もなんとなく似ているので、やはりジェレール王子が会っていたのはロロなのだろうか?
「いやー、王妃は殺して捨ててこいって言っていたけれど、流石に勿体ないからさ。折角だから、ちょっと僕とおしゃべりしようよ。殺すならその後でもできるしね」
そう言って、少年はドサッとベッドに腰掛けた。ちょうどオレの腹の前あたりに座って、オレを見下ろす。いやいや、軽い口調で言っているけれど、内容はものすごく物騒だぞ?
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