16 / 34
016 第三騎士団
しおりを挟む
ルイが嘗て所属していた第三騎士団は王都の警備が主な任務になっていた。
外に出るからこそ他者との接触がしやすい。
その為、王都の警備は基本チームを組んで行うようになっていた。
だが、何事にも例外と抜け穴というものはある。
ルイを嵌めて今も第三騎士団に所属し、今では隊長にまで登り詰めた男が居た。
グレル・アレイシス。
アレイシス伯爵家の三男であり、ルイの腕に傷を付けた人物でもある。
そして不正を行っていた張本人であり、それを悟られないよう上手く誤魔化し続け、ルイを貶めたのもその男だった。
今では止める者も居なくなって以前よりもやり口が大胆になってきている。
そしてその危険性に気付く事もないままに、グレルは堂々とそれを続けていた。
「良いんですかい旦那、お仕事中じゃなかったですかい?」
「ふん、変わりの者を用意しているし問題ないさ。それに隊長の俺に文句を付けるような部下はいねぇよ。」
「さすが準備の良い事で。それで、例の金は用意出来ているので?」
「あぁ、これだ。」
グレルは懐から金の入った袋を取り出すと相手の男に渡す。
その金は騎士団の活動資金からくすねたもの。
帳簿は改竄されており、警備で使用した事になっていた。
この国では領収書などの証明出来る物を発行する所は少ない。
だからこそこのようなやり口が横行しているとも言えるのだが。
店には帳簿はあるので調べれば当然バレる。
だがそれに気付かなければ調べようもない事なのだ。
以前は別の者を使っていた。
だからこそ、ルイを嵌めて罪を擦り付ける事が出来たのだ。
グレルはアレイシス家の息の掛かったこの店を経由する事で金を実家に移すことができている。
この店である程度金が溜まるとそれを本家に届けるようになっていた。
そしてその金は伯爵家の隠し財産として秘密裏に扱われるのだ。
三男という微妙な生まれのグレルはこうして家に必要とされることで自分の居場所をなんとか繋ぎとめていた。
元々野心の強い男だ。
グレルはいずれ伯爵家さえも自分の思い通りに動かせるようになれば…そんな事さえも考えるようになっていた。
そして敵が居なくなった事で何年もこうしてやってきたグレルはいつしか警戒するレベルが下がっていることに気付いて居ない。
彼らのやり取りをじっと見つめる眼があったが、それに気が付くことも無かった。
――――…
「騎士の風上にも置けない男だな。」
「全くです。あんな隙だらけの状態の奴に嵌められたなんて…今更ながら悔しいですね。」
店の向こう側で繰り広げられるやり取りを見ていたシュラは呆れたように呟いた。
その言葉は決して返事を求めたものではなかったが、ルイが苦々しい表情でシュラの言葉に応えた。
かつては友と呼んだ男。
グレル・アレイシスはルイにとって騎士団での同期であり、苦楽を共に過ごした仲間だった。
部屋も同室だったので気心も知れた仲だったのだ。
だが、そう感じていたのはルイだけだったらしい。
あの日ルイがグレルを頼った事こそ間違いだったのだ。
ある店で騎士団の活動資金の一部を第三騎士団のある男が受け渡している事を突き止めたルイはその現場にグレルを伴って抑えようとしたのだ。
だが、後ろから切りつけられてそれは失敗に終わった。
友だと思っていた男はルイの反撃で逃げ出した。
現場で金のやり取りをしていた男を何とか討つことに成功はしたのだが、毒の回った体ではその店から抜け出しただけでも力尽きてしまった。
貴族であり、騎士で無ければあのまま野垂れ死んでいただろう。
だが、結局命は助かったがやっても居ない罪を被されて罪人として魔力も封じられた。
王都を追放されたうえに家からも捨てられたのだ。
だが、こうして戻ってきた。
ルイはシュラの計らいでかつての仇敵に復讐する機会を得たのだ。
命を取るつもりは無い。
だが、今まで奪われてきた騎士団の活動資金はきっちりと返してもらうつもりだ。
そして罪を明かし、自身のかつての冤罪を晴らすことが出来れば幸いだ。
だが、今は盗賊をやっているルイにとっては復讐が成功するだけでも十分な事だと感じていた。
とにかく今は情報を集めることだ。
金をどこに隠しているのか。
それを突き止めて今まで盗んだ金がいくらあるのかをしっかりと調べる必要があるのだ。
それをやらなければ、これまでの努力もただの盗人と変わらない扱いになってしまう。
名前も大して広がっていない黒狼盗賊団ではあるが、その活動への意識は普通の盗賊とは全くと言って良い程違っていた。
――――…
王都に来てから3月が経とうとしていた。
その間、シュラ達一行はグレル・アレイシスとアレイシス伯爵家の息の掛かった店と伯爵家と3つの場所で調べを進めてきた。
そしてとうとう隠し財産の場所を突き止める事もとっくの昔に終えていた。
何を待っていたのかと言うと資金を移し終えるのを待っていたのだ。
金を手元に置いている間は油断する事は無いだろう。
だが、一度自分の手元から離れた金の行方など意識するはずは無い。
そこを狙ったのだ。
移し終えた次の日の夜、闇に紛れて黒狼盗賊団はアレイシス伯爵家の隠し財産をこっそりと頂戴する事に成功した。
だが、今回の目的は盗まれ続けた騎士団の活動資金を取り返すという目的だけではない。
ルイの復讐も兼ねているのだ。
こっそり頂戴するだけで終わらせる気など到底無かった。
ルイ。かつての名はルイス・シュバリエ。
シュバリエ家から追放されて以降、ただのルイとして生きてきた。
今宵だけはルイスとしてかつての友であった男グレルに引導を渡すため、わざと盗んだ事を披露しに騎士団の宿舎へやって来ていた。
グレルの部屋は当の昔に調べ上げている。
部屋の明かりはすでに消えており、当人はベッドでぐっすりと眠っている。
その部屋の窓に手をかけてルイスはわざと窓のガラスを壊して部屋へと侵入した。
流石にガラスの割れる音で眼を覚ましたグレルはすぐさま臨戦態勢を取っていた。
だが、現れた人物を見て目を瞬く。
「お前はルイス……なぜここに。いや、どうやってここに来た!」
グレルの部屋は3階にある。
当然外にロープなんて掛かっていない。
グレルの顔には有り得ないという表情がありありと出ていた。
「お久しぶりですね、グレル。お元気でしたか?」
のんきに挨拶するルイス。
しかし窓が破られた音で外が騒がしくなって来ていた。
「ルイス、お前は王都を追われたはず。この街にはいる事さえ出来ないはずだ。」
「挨拶もなしですか。この場所にはもちろん魔法を使って来ましたよ?どうやって入ってきたかですが、当然変装してに決まっています。そして、ここに来た理由はグレル…貴方が一番理解しているはずだ。」
「馬鹿な、魔法だと?いや、右腕も…治っているのか。どうやって。」
ぶつぶつと呟いていたグレルだったが、じろりとルイスを睨んだ。
そして、剣を抜いてルイスに襲いかかる。
「どちらにしても賊が相手だ。遠慮はしない。さっさとお縄に付くが良い。」
だが、その剣は簡単に弾かれて手から零れ落ちた。
「その程度で隊長だなんてお笑い種ですね。汚い手を使ってその地位を得て来たのでしょうが、それも今日まで。」
ルイスがじりじりとグレルとの距離を詰める。
グレルは有り得ないと言う表情でルイスを見上げていた。
「な、何が望みだ。」
「生憎と貴方にお願いする事なんて1つもありませんよ。すでに色々と終えて来た後ですし。」
「終えて来ただと?」
「えぇ。貴方が今まで盗んでいた第三騎士団の活動資金はきっちりと回収させて貰いましたよ。そして貴方が関与していた証拠と共にすでに第一騎士団に渡っている頃でしょう。」
「なんだと?馬鹿な……。」
騒がしかった回廊に新たな声が加わる。
「グレル・アレイシス、ここを開けろ!第一騎士団の調査で来た。すぐに開けない場合は強制的に入らせてもらう。」
グレルはその言葉に青ざめている。
そしてルイスは言いたい事は言い終えたとばかりに窓から飛び降りた。
だが、下には多くの騎士が待ち構えている。
しかし、ルイスがそこに到達する事は無かった。
階段のように宙を走りその場から逃げ去っていく。
その姿は宙で消え去った。
まるで亡霊のように消えるルイスを見たグレルは今度こそ腰を抜かして失神したのだった。
外に出るからこそ他者との接触がしやすい。
その為、王都の警備は基本チームを組んで行うようになっていた。
だが、何事にも例外と抜け穴というものはある。
ルイを嵌めて今も第三騎士団に所属し、今では隊長にまで登り詰めた男が居た。
グレル・アレイシス。
アレイシス伯爵家の三男であり、ルイの腕に傷を付けた人物でもある。
そして不正を行っていた張本人であり、それを悟られないよう上手く誤魔化し続け、ルイを貶めたのもその男だった。
今では止める者も居なくなって以前よりもやり口が大胆になってきている。
そしてその危険性に気付く事もないままに、グレルは堂々とそれを続けていた。
「良いんですかい旦那、お仕事中じゃなかったですかい?」
「ふん、変わりの者を用意しているし問題ないさ。それに隊長の俺に文句を付けるような部下はいねぇよ。」
「さすが準備の良い事で。それで、例の金は用意出来ているので?」
「あぁ、これだ。」
グレルは懐から金の入った袋を取り出すと相手の男に渡す。
その金は騎士団の活動資金からくすねたもの。
帳簿は改竄されており、警備で使用した事になっていた。
この国では領収書などの証明出来る物を発行する所は少ない。
だからこそこのようなやり口が横行しているとも言えるのだが。
店には帳簿はあるので調べれば当然バレる。
だがそれに気付かなければ調べようもない事なのだ。
以前は別の者を使っていた。
だからこそ、ルイを嵌めて罪を擦り付ける事が出来たのだ。
グレルはアレイシス家の息の掛かったこの店を経由する事で金を実家に移すことができている。
この店である程度金が溜まるとそれを本家に届けるようになっていた。
そしてその金は伯爵家の隠し財産として秘密裏に扱われるのだ。
三男という微妙な生まれのグレルはこうして家に必要とされることで自分の居場所をなんとか繋ぎとめていた。
元々野心の強い男だ。
グレルはいずれ伯爵家さえも自分の思い通りに動かせるようになれば…そんな事さえも考えるようになっていた。
そして敵が居なくなった事で何年もこうしてやってきたグレルはいつしか警戒するレベルが下がっていることに気付いて居ない。
彼らのやり取りをじっと見つめる眼があったが、それに気が付くことも無かった。
――――…
「騎士の風上にも置けない男だな。」
「全くです。あんな隙だらけの状態の奴に嵌められたなんて…今更ながら悔しいですね。」
店の向こう側で繰り広げられるやり取りを見ていたシュラは呆れたように呟いた。
その言葉は決して返事を求めたものではなかったが、ルイが苦々しい表情でシュラの言葉に応えた。
かつては友と呼んだ男。
グレル・アレイシスはルイにとって騎士団での同期であり、苦楽を共に過ごした仲間だった。
部屋も同室だったので気心も知れた仲だったのだ。
だが、そう感じていたのはルイだけだったらしい。
あの日ルイがグレルを頼った事こそ間違いだったのだ。
ある店で騎士団の活動資金の一部を第三騎士団のある男が受け渡している事を突き止めたルイはその現場にグレルを伴って抑えようとしたのだ。
だが、後ろから切りつけられてそれは失敗に終わった。
友だと思っていた男はルイの反撃で逃げ出した。
現場で金のやり取りをしていた男を何とか討つことに成功はしたのだが、毒の回った体ではその店から抜け出しただけでも力尽きてしまった。
貴族であり、騎士で無ければあのまま野垂れ死んでいただろう。
だが、結局命は助かったがやっても居ない罪を被されて罪人として魔力も封じられた。
王都を追放されたうえに家からも捨てられたのだ。
だが、こうして戻ってきた。
ルイはシュラの計らいでかつての仇敵に復讐する機会を得たのだ。
命を取るつもりは無い。
だが、今まで奪われてきた騎士団の活動資金はきっちりと返してもらうつもりだ。
そして罪を明かし、自身のかつての冤罪を晴らすことが出来れば幸いだ。
だが、今は盗賊をやっているルイにとっては復讐が成功するだけでも十分な事だと感じていた。
とにかく今は情報を集めることだ。
金をどこに隠しているのか。
それを突き止めて今まで盗んだ金がいくらあるのかをしっかりと調べる必要があるのだ。
それをやらなければ、これまでの努力もただの盗人と変わらない扱いになってしまう。
名前も大して広がっていない黒狼盗賊団ではあるが、その活動への意識は普通の盗賊とは全くと言って良い程違っていた。
――――…
王都に来てから3月が経とうとしていた。
その間、シュラ達一行はグレル・アレイシスとアレイシス伯爵家の息の掛かった店と伯爵家と3つの場所で調べを進めてきた。
そしてとうとう隠し財産の場所を突き止める事もとっくの昔に終えていた。
何を待っていたのかと言うと資金を移し終えるのを待っていたのだ。
金を手元に置いている間は油断する事は無いだろう。
だが、一度自分の手元から離れた金の行方など意識するはずは無い。
そこを狙ったのだ。
移し終えた次の日の夜、闇に紛れて黒狼盗賊団はアレイシス伯爵家の隠し財産をこっそりと頂戴する事に成功した。
だが、今回の目的は盗まれ続けた騎士団の活動資金を取り返すという目的だけではない。
ルイの復讐も兼ねているのだ。
こっそり頂戴するだけで終わらせる気など到底無かった。
ルイ。かつての名はルイス・シュバリエ。
シュバリエ家から追放されて以降、ただのルイとして生きてきた。
今宵だけはルイスとしてかつての友であった男グレルに引導を渡すため、わざと盗んだ事を披露しに騎士団の宿舎へやって来ていた。
グレルの部屋は当の昔に調べ上げている。
部屋の明かりはすでに消えており、当人はベッドでぐっすりと眠っている。
その部屋の窓に手をかけてルイスはわざと窓のガラスを壊して部屋へと侵入した。
流石にガラスの割れる音で眼を覚ましたグレルはすぐさま臨戦態勢を取っていた。
だが、現れた人物を見て目を瞬く。
「お前はルイス……なぜここに。いや、どうやってここに来た!」
グレルの部屋は3階にある。
当然外にロープなんて掛かっていない。
グレルの顔には有り得ないという表情がありありと出ていた。
「お久しぶりですね、グレル。お元気でしたか?」
のんきに挨拶するルイス。
しかし窓が破られた音で外が騒がしくなって来ていた。
「ルイス、お前は王都を追われたはず。この街にはいる事さえ出来ないはずだ。」
「挨拶もなしですか。この場所にはもちろん魔法を使って来ましたよ?どうやって入ってきたかですが、当然変装してに決まっています。そして、ここに来た理由はグレル…貴方が一番理解しているはずだ。」
「馬鹿な、魔法だと?いや、右腕も…治っているのか。どうやって。」
ぶつぶつと呟いていたグレルだったが、じろりとルイスを睨んだ。
そして、剣を抜いてルイスに襲いかかる。
「どちらにしても賊が相手だ。遠慮はしない。さっさとお縄に付くが良い。」
だが、その剣は簡単に弾かれて手から零れ落ちた。
「その程度で隊長だなんてお笑い種ですね。汚い手を使ってその地位を得て来たのでしょうが、それも今日まで。」
ルイスがじりじりとグレルとの距離を詰める。
グレルは有り得ないと言う表情でルイスを見上げていた。
「な、何が望みだ。」
「生憎と貴方にお願いする事なんて1つもありませんよ。すでに色々と終えて来た後ですし。」
「終えて来ただと?」
「えぇ。貴方が今まで盗んでいた第三騎士団の活動資金はきっちりと回収させて貰いましたよ。そして貴方が関与していた証拠と共にすでに第一騎士団に渡っている頃でしょう。」
「なんだと?馬鹿な……。」
騒がしかった回廊に新たな声が加わる。
「グレル・アレイシス、ここを開けろ!第一騎士団の調査で来た。すぐに開けない場合は強制的に入らせてもらう。」
グレルはその言葉に青ざめている。
そしてルイスは言いたい事は言い終えたとばかりに窓から飛び降りた。
だが、下には多くの騎士が待ち構えている。
しかし、ルイスがそこに到達する事は無かった。
階段のように宙を走りその場から逃げ去っていく。
その姿は宙で消え去った。
まるで亡霊のように消えるルイスを見たグレルは今度こそ腰を抜かして失神したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】純血の姫と誓約の騎士たち〜紅き契約と滅びの呪い〜
来栖れいな
恋愛
「覚醒しなければ、生きられない———
しかし、覚醒すれば滅びの呪いが発動する」
100年前、ヴァンパイアの王家は滅び、純血種は絶えたはずだった。
しかし、その血を引く最後の姫ルナフィエラは古城の影で静かに息を潜めていた。
戦う術を持たぬ彼女は紅き月の夜に覚醒しなければ命を落とすという宿命を背負っていた。
しかし、覚醒すれば王族を滅ぼした「呪い」が発動するかもしれない———。
そんな彼女の前に現れたのは4人の騎士たち。
「100年間、貴女を探し続けていた———
もう二度と離れない」
ヴィクトル・エーベルヴァイン(ヴァンパイア)
——忠誠と本能の狭間で揺れる、王家の騎士。
「君が目覚めたとき、世界はどう変わるのか......僕はそれを見届けたい」
ユリウス・フォン・エルム(エルフ)
——知的な観察者として接近し、次第に執着を深めていく魔法騎士。
「お前は弱い。だから、俺が守る」
シグ・ヴァルガス(魔族)
——かつてルナフィエラに助けられた恩を返すため、寡黙に寄り添う戦士。
「君が苦しむくらいなら、僕が全部引き受ける」
フィン・ローゼン(人間)
——人間社会を捨てて、彼女のそばにいることを選んだ治癒魔法使い。
それぞれの想いを抱えてルナフィエラの騎士となる彼ら。
忠誠か、執着か。
守護か、支配か。
愛か、呪いか——。
運命の紅き月の夜、ルナフィエラは「覚醒」か「死」かの選択を迫られる。
その先に待つのは、破滅か、それとも奇跡か———。
——紅き誓いが交わされるとき、彼らの運命は交差する。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました
鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。
けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。
そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。
シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。
困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。
夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。
そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。
※他投稿サイトにも掲載中
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる