星月夜の間で。

玖優

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第1章 高校生編

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   「 起立、礼、ありがとうございました。」
      「ありがとうございました。」

    「やっと終わった~。つき、先にいってるよー」
      「月夜、さきにいってる。愛、走るなよぶつかるぞ、」

      「はい、終わり次第いきますね。」

  二人を待たせてはいけないので、手早くいきましょう。    

  兄さん今日は遅くなるといっていましたね、あの言い方だと仕事ではなさそうです。父さんと母さんが死んでから、僕に気を使ってか、仕事以外で遅くなることはありませんでしたからね。誰か仲の良い方でもできたのでしょうか。

  、、、喜ぶべきことなのでしょうが、ちょっと複雑ですね。

     いけません!この気持ちは隠し通すと決めたのです。普通の兄弟ならこんなことで嫉妬などしないはずです。

    ちゃんと  掃除に集中しましょう。
   はっ、掃除といえば、兄さんがそろそろ倉庫の整理をしようといっていましたね。明後日の日曜は休みでしょうか。

   って、また考えています。そうだ、平家物語でも暗唱していましょう。

    祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
    沙羅双樹の花の色…

     「なんで朏は平家物語暗唱しているんだ?」
    
      「さあ、そういう気分の時もあるんじゃないか。」

       「、、、あるか?」

         「ないな」

    「「頭のいい奴の考えはわからないな」」

    ふー、終わりました。なにか見られているような気がしましたが、気のせいですかね。
ちょうど、ゴミ捨ての人が帰ってきました。

    「「お疲れ様でした。」」

  少し、遅くなりましたね。急ぎましょう。

      「つき~、ここだよ。」

      「すみません。遅くなりました。」

      「大丈夫。宿題少し解いてたから。」

      「それで、わからない箇所はどこですか?」

       「ここだよ。何回解いても答えがあわなくてさー。あっ、あとここも。ここまではいったけど、ここからわからなくなった。」

       「ああ、ここですか。ここは、背理法で証明するのですが、多分ここでは対偶を考えた方が簡単です。それで、こちらは、ここの計算間違いから全てずれています。…」

     「ありがと~、助かった」 

    「そういえば、朝啓くんが言いかけていたことはなんですか?」

     「いや、悲しそうに見えたから。月夜は嫌なことがあっても自己完結させるからね。
それで、なに考えてたの?」

      それは、、あの気持ちは誰かに言えるようなものではないです。どうしましょう。
誤魔化すにも、啓くんにはバレそうですし…

     「まぁ、いいや。無理に言わせたいわけじゃないから。何かあったらいいなよ。」

     こういう時に、啓くんはあまり突っ込んで聞いてこないのが助かります。

     「なーに二人で話してるの?」

      「いえ、なにもありませんよ」

     「愛斗には秘密。」

        「なんだよー、おれ一人だけ仲間はずれかよ~」

      「じゃあ、また明日な」

       「はい。また明日」

       「じゃーな、明日学校で。」

    それでは、スーパーに寄って、帰りますか。魚の煮付けとえんどう豆と玉ねぎの卵とじにする予定なので、必要なものは、魚とえんどう豆ですね。そういえば、牛乳切らしてましたね。それも、買っていきましょう。


     「ただいま、帰りました。」

   かえってきましたね。明日は土曜日なので、少し夜更かしして本でも読みましょう。
  ああ、兄さんに日曜日は仕事が休みか明日きくことを忘れないようにしないといけません。さて、夕飯の支度をしますか。

   
    お風呂にも入りましたし、歯磨きもしました。あとは、寝るだけです。 今日は、何の本を読みましょう。この本も面白かったですし、これも捨てがたいです。時間がたくさんあるとなると迷ってしまいますね。
 
  よし、今日はこの本にします。岡崎先生がおすすめされていて気になっていたのですよね。

  
   もうこんな時間ですか、気づきませんでした。一階の戸締りはしましたし、火の元も確認しました。 
   のどが渇きました。水でも飲んでから寝ましょうか。

  あれ?扉の開く音が聞こえました。兄さんが帰ってきたのでしょうか。ちょうどいいタイミングですね。明日と、明後日の予定を聞いておきましょう。

    話し声が聞こえます。兄さん一人のはずですよね。もしや、泥棒が入ったのでしょうか。どうしましょう。と、とりあえず中をのぞいて、、
  「あれ、月夜まだおきていたのか。」

    兄さんです。それではさっきの話し声は誰だったのでしょうか、電話でもしていたのですかね。

   「兄さん、お帰りなさい。楽しかったですか?」

   「ただいま。うん、楽しかった。こんな夜遅くまでなにしてたんだ?」

    楽しかった、ですか。その言葉を言う兄さんの顔が、ほころんでいて本当に楽しかったのだと分かります。もしかして、彼女でもできたのでしょうか。モテますからね、いても不思議ではないです。

   ああ、だめですね。僕もなんておもってしまうなんて。ただでさえ、迷惑をかけているのです。兄さんに彼女がいても僕が口出しなんてできるわけないではないですか。

   「泣きそうなかおしてるけどどうしたのか?学校で嫌なことでもあったの?」

   「い、いえ。なんでもないです。夜遅いし僕、もうねますね。おやすみなさい」

   「あ、ああおやすみ。、、、何かあったのか。あの子はなにも言わないからわからないな」

     逃げるように出てきてしまいました。
結局、予定も聞けませんでした。彼女がいるなんてまだ一言も言っていないのに、こんなに動揺してしまうなんて。これから先、もっとあるだろうに、 今から態度に出さないように練習しましょう。

  今度こそ、本当に寝ましょう。 
     
      おやすみなさい。
     
   
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