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past2(ローランド)
episode27
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「やれやれ、王子達のやりたい放題には困ったものですなッ!」
ローズ寮の管理長カルヴィンが大きなため息を漏らす。
「と、言いますと?」
理事長のフィリップが紅茶の入ったカップを机に置き、不機嫌そうな顔を誤魔化すようにカルヴィンの話に首を傾げた。
「アルマ様は他の王子と違って真面目な方であると思っていたが、どこを探しても見当たらないんです」
「見当たらない?」
「ええ、寮を隅から隅まで探しましたが。心配ですよ。・・・ああ、そう言えばアルマ様をお探ししている際にローランド殿下にお会いしましたな。それも隠し部屋で」
カルヴィンが不潔だと小声で吐き捨てる様に言うのをフィリップが咎める。
「・・・寮には在籍していた過去もある。いらっしゃってもおかしくないでしょう?」
フィリップが気付かれないようにカウチの方に視線を向け、小さくため息をつく。
「ローランド様の学生時代は今にもましてだいぶ荒れていたそうじゃないですか。彼が今もこの寮で生徒を誑かしているなら!それに、私が隠し部屋を見つけたのだって、生徒達が扉の向こうにアルマ様と見知らぬ美しい男が消えていくのを見たと言うからで──」
「カルヴィン管理長!」
フィリップが席を立ち、押し殺した声で相手をたしなめる。
カルヴィンは知らないが、彼が悪態をつく原因の男は同じ部屋のすぐ側のカウチで横になっているのだ。
「──フフ、俺は随分評判が悪い様だ」
「あッ、ろ───、」
夢中で口を動かしていたカルヴィンが絶句する。
冷えた赤い瞳が奥に置かれたカウチからじっと男を見つめていたからだ。
「アルマならもう教室に戻っている頃だろう。アイツとは自分の足で帰れなくなるほど楽しんでいないからな。そこまで間抜けではないだろ」
丸いテーブルを囲んでいた二人の男の視線が不機嫌そうな声の主に釘付けになる。
カウチが軋み、無造作に金髪をかきあげた男が気だるげに姿を現した。
「ローランド、殿下・・・」
「・・・・」
フィリップの目の前で足を止めたローランドが
、言葉を詰まらせるカルヴィンに見向きもせずに手の甲を差し出す。
「興がさめた。帰る」
「・・・っ」
名残惜しそうにフィリップがローランドの手に口付けると、カルヴィンを一瞥し部屋を出ていった。
ローズ寮の管理長カルヴィンが大きなため息を漏らす。
「と、言いますと?」
理事長のフィリップが紅茶の入ったカップを机に置き、不機嫌そうな顔を誤魔化すようにカルヴィンの話に首を傾げた。
「アルマ様は他の王子と違って真面目な方であると思っていたが、どこを探しても見当たらないんです」
「見当たらない?」
「ええ、寮を隅から隅まで探しましたが。心配ですよ。・・・ああ、そう言えばアルマ様をお探ししている際にローランド殿下にお会いしましたな。それも隠し部屋で」
カルヴィンが不潔だと小声で吐き捨てる様に言うのをフィリップが咎める。
「・・・寮には在籍していた過去もある。いらっしゃってもおかしくないでしょう?」
フィリップが気付かれないようにカウチの方に視線を向け、小さくため息をつく。
「ローランド様の学生時代は今にもましてだいぶ荒れていたそうじゃないですか。彼が今もこの寮で生徒を誑かしているなら!それに、私が隠し部屋を見つけたのだって、生徒達が扉の向こうにアルマ様と見知らぬ美しい男が消えていくのを見たと言うからで──」
「カルヴィン管理長!」
フィリップが席を立ち、押し殺した声で相手をたしなめる。
カルヴィンは知らないが、彼が悪態をつく原因の男は同じ部屋のすぐ側のカウチで横になっているのだ。
「──フフ、俺は随分評判が悪い様だ」
「あッ、ろ───、」
夢中で口を動かしていたカルヴィンが絶句する。
冷えた赤い瞳が奥に置かれたカウチからじっと男を見つめていたからだ。
「アルマならもう教室に戻っている頃だろう。アイツとは自分の足で帰れなくなるほど楽しんでいないからな。そこまで間抜けではないだろ」
丸いテーブルを囲んでいた二人の男の視線が不機嫌そうな声の主に釘付けになる。
カウチが軋み、無造作に金髪をかきあげた男が気だるげに姿を現した。
「ローランド、殿下・・・」
「・・・・」
フィリップの目の前で足を止めたローランドが
、言葉を詰まらせるカルヴィンに見向きもせずに手の甲を差し出す。
「興がさめた。帰る」
「・・・っ」
名残惜しそうにフィリップがローランドの手に口付けると、カルヴィンを一瞥し部屋を出ていった。
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