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第26話 お嬢様??
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そういえばさっきの、店員さん「住川」って言ってた。苗字から思い出したんだけど……ちょっと聞いてみよう。
「えっと……璃緒さんの苗字って、住川みたいなんですけど……それって」
「あ──は、はい──私は苗字住川の通り住川グループの娘として生まれました。ちなみに次女です」
璃緒は俺から視線をそらし、両手を膝に置いて言葉を返す。住川グループといえば、明治時代から存在していた日本有数の巨大財閥がもとになっているグループ。戦後財閥が解体された後も巨大銀行や証券など大企業のして存在している。
お金持ちの、お嬢様だったんだ。
確かに、璃緒は他の人と比べて気品さや上品さを感じた。
人当たりが深くて、教養があって優しい人。動きも服装も上品さというか──お嬢様みたいだなとは思ってた。
まさか、本当に大財閥のお嬢様だとは。なんていうか、俺とは住む世界が違うという感じだ。
でもかんがえてみればそうだ。配信者界隈は、前進となる「N-TUBE」のころから競争が激しい。
収益化にたどり着けるのは投稿者の2割ほど。そのほとんども社会人や学生をしながら兼業や副業といった感じ。動画配信だけで生計を立てられるのは上位2~3%ほど。
だから、専業配信者を目指す人はそれでも生活が困らない家系であることが多いと言われる。声優業界もそうなんだっけ。
だから、こんな高いホテルに。こんな人とコラボが組めるのだろうか。
とりあえず、料理が来るまでコラボの話とかしよう。
「あの、どう戦いますか?」
「えっ?」
「あああ……コラボでの話です。どういう戦術で戦おうかなって」
しまった、わかりやすく順序を立てて話さなきゃ。出されたコーヒーを飲み、落ち着くと話が進む。
「ああ、陣形とかですね。からすみさんと、あのネフィリムさんはどうやって戦っているんですか?」
「ええと、俺もネフィリムも前線で戦ってるタイプなんですよ」
考えてみたら俺もネフィリムもコンビネーションとか考えず目の前の敵を対していくだけのスタイル。
急造だし、俺もネフィリムも並外れたパワーがあるから連携して戦うという発想がないんだよな。ふつうは、璃緒のパーティーみたいに前線で戦う人、後方から援護する人、傷ついた人を回復させる役などバランスを考えてチームを作る。
それに、何度も連携を高めるためにこうして交流を取ったり練習をしているところだてある。
「そうですよね。私、ずっと前線で戦ってきて。一応護衛もできないことはないことはないのですが──」
マジか……俺も前線で戦うタイプだし、ネフィリムも前線で闘うタイプなんだよな。全員前線、戦えないわけではないが大きな攻撃のぶつかり合いになった時が不安だ。その時は、俺とネフィリムが大技を出して対抗するか?
ネフィリムが自分を曲げるとは思えない。多分、最前線で戦うのを希望とするだろう。
「一番身分の高いものが前線で闘わないでどうする? わらわが身の危険を顧みずに戦わなければ、部下は絶対についてこない!!」
そんなことを言っていたな。ネフィリム、頑固なところもあるし後方で援護というのは似合わなそう。
少し考えて──結論を出す。
「とりあえず、初めて戦うダンジョンでは璃緒に後方をやってもらう。まだ俺たちの動きとか見てたわけじゃないし──それで動きとかが理解できるようになったら、少しずつ一緒に戦うというのはどう?」
「なるほど、それいいですね。最初はそういう風にしておいて、戦いながら最適な配置を考えましょう」
「了解」
戦っているうちに互いに理解してくるだろうから戦いながら考えようか。
そんなことを考えているうちに料理が出てきた。
俺はビーフシチュー。璃緒はステーキ。
高そうな銀色の皿、ライスにサラダが付いている。豪華そうな見た目をしている、食べてみよう。
「「いただきます」」
そして、一口ビーフシチューを口に入れてみた。
まろやかで、いい素材を使っているのがわかる。2500円のビーフシチューと聞いてどんな味かなと考えていたが、これなら2500円出しても全く問題ない代物だ。
「すごいですよこの味、初めて食べました」
「ですよね。私もビーフシチューはお気に入りで、ここに来たときはよく食べてるんですよ~~」
ステーキと野菜を食べながらご機嫌そうに璃緒は言う。この店によくきてる?
流石はお嬢様──。他のメニューだって負けないくらい美味しいのだろう。そんな料理を、何度も。
本当に住んでる世界が違うんだなぁ。
感激していると璃緒は、ステーキの肉を一口分フォークにさしてこっちに向けてきた。何のことかわからずきょとんとしていると璃緒が話しかけてきた。
「あ、こっちのステーキも一口どうかと思って──とっても美味しいですよこれ」
ステーキ? 食べ比べってやつ? 初めての経験。にっこりといた笑顔──断るのも気まずいけど、出会ってはじめてこれは──。
でも、好意なんだからしっかりと受け止めないと。そっと、差し出されたステーキを一口食べる。
うん、程よく脂がのっていて、柔らかくておいしい。高級品だけはある。
あ、璃緒がくれたならこっちも与えたほうがいいか。
「じゃあこっちも一口あげるよ。お礼」
「あ、ありがとうございます」
「えっと……璃緒さんの苗字って、住川みたいなんですけど……それって」
「あ──は、はい──私は苗字住川の通り住川グループの娘として生まれました。ちなみに次女です」
璃緒は俺から視線をそらし、両手を膝に置いて言葉を返す。住川グループといえば、明治時代から存在していた日本有数の巨大財閥がもとになっているグループ。戦後財閥が解体された後も巨大銀行や証券など大企業のして存在している。
お金持ちの、お嬢様だったんだ。
確かに、璃緒は他の人と比べて気品さや上品さを感じた。
人当たりが深くて、教養があって優しい人。動きも服装も上品さというか──お嬢様みたいだなとは思ってた。
まさか、本当に大財閥のお嬢様だとは。なんていうか、俺とは住む世界が違うという感じだ。
でもかんがえてみればそうだ。配信者界隈は、前進となる「N-TUBE」のころから競争が激しい。
収益化にたどり着けるのは投稿者の2割ほど。そのほとんども社会人や学生をしながら兼業や副業といった感じ。動画配信だけで生計を立てられるのは上位2~3%ほど。
だから、専業配信者を目指す人はそれでも生活が困らない家系であることが多いと言われる。声優業界もそうなんだっけ。
だから、こんな高いホテルに。こんな人とコラボが組めるのだろうか。
とりあえず、料理が来るまでコラボの話とかしよう。
「あの、どう戦いますか?」
「えっ?」
「あああ……コラボでの話です。どういう戦術で戦おうかなって」
しまった、わかりやすく順序を立てて話さなきゃ。出されたコーヒーを飲み、落ち着くと話が進む。
「ああ、陣形とかですね。からすみさんと、あのネフィリムさんはどうやって戦っているんですか?」
「ええと、俺もネフィリムも前線で戦ってるタイプなんですよ」
考えてみたら俺もネフィリムもコンビネーションとか考えず目の前の敵を対していくだけのスタイル。
急造だし、俺もネフィリムも並外れたパワーがあるから連携して戦うという発想がないんだよな。ふつうは、璃緒のパーティーみたいに前線で戦う人、後方から援護する人、傷ついた人を回復させる役などバランスを考えてチームを作る。
それに、何度も連携を高めるためにこうして交流を取ったり練習をしているところだてある。
「そうですよね。私、ずっと前線で戦ってきて。一応護衛もできないことはないことはないのですが──」
マジか……俺も前線で戦うタイプだし、ネフィリムも前線で闘うタイプなんだよな。全員前線、戦えないわけではないが大きな攻撃のぶつかり合いになった時が不安だ。その時は、俺とネフィリムが大技を出して対抗するか?
ネフィリムが自分を曲げるとは思えない。多分、最前線で戦うのを希望とするだろう。
「一番身分の高いものが前線で闘わないでどうする? わらわが身の危険を顧みずに戦わなければ、部下は絶対についてこない!!」
そんなことを言っていたな。ネフィリム、頑固なところもあるし後方で援護というのは似合わなそう。
少し考えて──結論を出す。
「とりあえず、初めて戦うダンジョンでは璃緒に後方をやってもらう。まだ俺たちの動きとか見てたわけじゃないし──それで動きとかが理解できるようになったら、少しずつ一緒に戦うというのはどう?」
「なるほど、それいいですね。最初はそういう風にしておいて、戦いながら最適な配置を考えましょう」
「了解」
戦っているうちに互いに理解してくるだろうから戦いながら考えようか。
そんなことを考えているうちに料理が出てきた。
俺はビーフシチュー。璃緒はステーキ。
高そうな銀色の皿、ライスにサラダが付いている。豪華そうな見た目をしている、食べてみよう。
「「いただきます」」
そして、一口ビーフシチューを口に入れてみた。
まろやかで、いい素材を使っているのがわかる。2500円のビーフシチューと聞いてどんな味かなと考えていたが、これなら2500円出しても全く問題ない代物だ。
「すごいですよこの味、初めて食べました」
「ですよね。私もビーフシチューはお気に入りで、ここに来たときはよく食べてるんですよ~~」
ステーキと野菜を食べながらご機嫌そうに璃緒は言う。この店によくきてる?
流石はお嬢様──。他のメニューだって負けないくらい美味しいのだろう。そんな料理を、何度も。
本当に住んでる世界が違うんだなぁ。
感激していると璃緒は、ステーキの肉を一口分フォークにさしてこっちに向けてきた。何のことかわからずきょとんとしていると璃緒が話しかけてきた。
「あ、こっちのステーキも一口どうかと思って──とっても美味しいですよこれ」
ステーキ? 食べ比べってやつ? 初めての経験。にっこりといた笑顔──断るのも気まずいけど、出会ってはじめてこれは──。
でも、好意なんだからしっかりと受け止めないと。そっと、差し出されたステーキを一口食べる。
うん、程よく脂がのっていて、柔らかくておいしい。高級品だけはある。
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「じゃあこっちも一口あげるよ。お礼」
「あ、ありがとうございます」
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