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第28話 そして、駄々をこねるネフィリム
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子供と同じ視線になって話しかける。色々話を聞いて、お母さんのところにたどり着いた。
「あ、ありがとうございます」
「大丈夫ですよ」
そう言ってまた子供に視線を合わせて、優しくなでた。喜んでいる子供。やってよかったなって思う。
「やっぱり、いい人じゃないですか?」
「そ、そうかな?」
「からすみさん、謙遜しすぎです。もっと、自分の良さをアピールしてもいいと思います」
「そう」
「子供の目線に立つところとか、いい人だなって思いました。いいじゃないですか。もっと、認められるべきとは思いますよ」
「ありがとう」
強気に言う璃緒。俺の良さか、考えたことなかった。なんなんだろうな俺の良さって……何のとりえもない存在としか思ってなかったからな。色々と考えてみようか。
それからも、璃緒とデートのような時間が続く。
餌を買って公園の鳩たちに餌やりをしてみる。
餌を魅せると、鳩たちがこっちに寄ってくる。数匹、璃緒のスカートの下へ。
璃緒が餌をあげた瞬間、鳩たちがバサバサッと羽を上げて飛び上がってしまった。
「うおっ!!」
「きゃぁぁぁぁっ!!」
璃緒が悲鳴を上げる。
スカートだったせいで、少しだけ下着が見えてしまった。璃緒さんらしい白。一瞬視界に入って、すぐに目をそらした。
あとは──近くのデパートでいろいろなものを眺めたりした。璃緒が色々な服を試着したり──。
「この服、どう?」
「か、かわいいんじゃない?」
茶色いボトムズだったり、太ももが丸出しのタンクトップにオリーブ色のジャケット。色白で、適度なの太もも──とってもセクシー。意外な一面があったなとも感じた。
「ちょっと、服に合ってる?」
「う、うんにあってるよ」
後は、お参りとかして──アメ横とかを見て時間を過ごした。アメ横で、人が多いときに璃緒が腕を組んできたときは、びっくりして飛び上がってしまったほどだ。
「あ、ごめんなさい」
「いえいえ、いきなりだったのでびっくりしちゃいました。」
もう夕方、あっという間の時間だった。
夕日を背中にして、璃緒がこっちを向いてきた。
「ごめんなさい……私会話が下手で」
「そ、そ、そんなことないですよ!! 今日は本当に楽しかったです」
会話が下手なのはこっちの方だよ……璃緒は、そんな俺に最後まで明るく接してくれて評価してくれた。こんな人、初めてだ。絶対に大切にしないと。
「これから、絶対璃緒さんの事大切にしますから──こんな私ですけどよろしくお願いします」
「こちらこそ──からすみさんの良いところが引き出せるよう、精いっぱい努力しますので、こんな私ですけどよろしくお願いいたします」
璃緒が、夕日をバックに胸に手を当て頭を下げる。俺のためにここまでしてくれて、こんなに美人でいい人で──こんな経験も、ここまで接してくれた人も初めてだ。
璃緒のために俺も頑張らないと。
そして、俺は璃緒と別れた。夕日をバックに、璃緒はにっこりとした笑顔で
確かに気を使ってなのかもしれない。それでも俺に笑顔でいてくれたのは璃緒の誠実で優しい性格ならでばだろう。俺にはもったいないくらいの、お嬢様という感じ。
あれだけ売れているのに、腰が低くて人が良くて──あれだけいい人というのは初めて見た。
あんな人とコラボするのか──務まるかどうか心配だけど、璃緒に迷惑を掛けないように
一生懸命頑張らないと。
どうするか考えているうちに実家へたどり着くと──。
「ネ、ネフィリム??」
そう、ネフィリムだ。玄関の前で、腕を組んで立っている。
足をコンコンと動かしていて、いかにも機嫌が悪そう。互いの視線が合うなり、ムッと口を尖らせた。
「た、ただいま……」
「生まれて初めてのデートは、楽しかったか?」
「まあ、色々大変だったよ」
「これから、コラボ配信とか大変そうだな──とは思った。あと、やっぱり怒ってる?」
「……言っておくが、そちが璃緒とデートしたこと自体は間違っているとは思っておらぬ。これから連携を高めていくもの同士が事前に交流を取り、親睦を深めるのは全く間違ってない」
「それでも?」
コラボ配信のため、互いのことを知るため実際に会い、心理的な距離を縮める。それは必要なことだしネフィリムだって周囲をまとめるうえで同じようなことをしているはずだ。
必要性はネフィリムも理解していた。それでも──
「わらわも澄人とデートがしたいのじゃ~~。デートしたいのじゃ──っ!!」
そう叫んだ後、地面に倒れこんで回転するようにジタバタし始めた。子供かお前は。
困り果てた。さて、どうしたものか──。
あまり騒がれると周囲にも迷惑だし家族にも注意される。デートがしたいか。そういえばネフィリムと親睦を深める何かって
したことなかったよな。
「わかったから、今度デートするから。約束な」
その瞬間、ネフィリムは泣き止むのをやめて、キラキラした目つきでこっちに迫ってきた。
「信じておるぞ」
こうして、俺はネフィリムとデートすることとなった。
まさか、異世界で死闘を演じた相手とデートをすることになるとは。今日のデートで、女の子を喜ばせることがどれくらい俺にとって難易度が高いか理解できた。
今度はネフィリム。璃緒と違って腰は低くないし色々ダメ出しとかされそう。想像するだけで胃が痛くなってくる。
色々ひっかきまわされて、これはこれで大変そうだ。
「あ、ありがとうございます」
「大丈夫ですよ」
そう言ってまた子供に視線を合わせて、優しくなでた。喜んでいる子供。やってよかったなって思う。
「やっぱり、いい人じゃないですか?」
「そ、そうかな?」
「からすみさん、謙遜しすぎです。もっと、自分の良さをアピールしてもいいと思います」
「そう」
「子供の目線に立つところとか、いい人だなって思いました。いいじゃないですか。もっと、認められるべきとは思いますよ」
「ありがとう」
強気に言う璃緒。俺の良さか、考えたことなかった。なんなんだろうな俺の良さって……何のとりえもない存在としか思ってなかったからな。色々と考えてみようか。
それからも、璃緒とデートのような時間が続く。
餌を買って公園の鳩たちに餌やりをしてみる。
餌を魅せると、鳩たちがこっちに寄ってくる。数匹、璃緒のスカートの下へ。
璃緒が餌をあげた瞬間、鳩たちがバサバサッと羽を上げて飛び上がってしまった。
「うおっ!!」
「きゃぁぁぁぁっ!!」
璃緒が悲鳴を上げる。
スカートだったせいで、少しだけ下着が見えてしまった。璃緒さんらしい白。一瞬視界に入って、すぐに目をそらした。
あとは──近くのデパートでいろいろなものを眺めたりした。璃緒が色々な服を試着したり──。
「この服、どう?」
「か、かわいいんじゃない?」
茶色いボトムズだったり、太ももが丸出しのタンクトップにオリーブ色のジャケット。色白で、適度なの太もも──とってもセクシー。意外な一面があったなとも感じた。
「ちょっと、服に合ってる?」
「う、うんにあってるよ」
後は、お参りとかして──アメ横とかを見て時間を過ごした。アメ横で、人が多いときに璃緒が腕を組んできたときは、びっくりして飛び上がってしまったほどだ。
「あ、ごめんなさい」
「いえいえ、いきなりだったのでびっくりしちゃいました。」
もう夕方、あっという間の時間だった。
夕日を背中にして、璃緒がこっちを向いてきた。
「ごめんなさい……私会話が下手で」
「そ、そ、そんなことないですよ!! 今日は本当に楽しかったです」
会話が下手なのはこっちの方だよ……璃緒は、そんな俺に最後まで明るく接してくれて評価してくれた。こんな人、初めてだ。絶対に大切にしないと。
「これから、絶対璃緒さんの事大切にしますから──こんな私ですけどよろしくお願いします」
「こちらこそ──からすみさんの良いところが引き出せるよう、精いっぱい努力しますので、こんな私ですけどよろしくお願いいたします」
璃緒が、夕日をバックに胸に手を当て頭を下げる。俺のためにここまでしてくれて、こんなに美人でいい人で──こんな経験も、ここまで接してくれた人も初めてだ。
璃緒のために俺も頑張らないと。
そして、俺は璃緒と別れた。夕日をバックに、璃緒はにっこりとした笑顔で
確かに気を使ってなのかもしれない。それでも俺に笑顔でいてくれたのは璃緒の誠実で優しい性格ならでばだろう。俺にはもったいないくらいの、お嬢様という感じ。
あれだけ売れているのに、腰が低くて人が良くて──あれだけいい人というのは初めて見た。
あんな人とコラボするのか──務まるかどうか心配だけど、璃緒に迷惑を掛けないように
一生懸命頑張らないと。
どうするか考えているうちに実家へたどり着くと──。
「ネ、ネフィリム??」
そう、ネフィリムだ。玄関の前で、腕を組んで立っている。
足をコンコンと動かしていて、いかにも機嫌が悪そう。互いの視線が合うなり、ムッと口を尖らせた。
「た、ただいま……」
「生まれて初めてのデートは、楽しかったか?」
「まあ、色々大変だったよ」
「これから、コラボ配信とか大変そうだな──とは思った。あと、やっぱり怒ってる?」
「……言っておくが、そちが璃緒とデートしたこと自体は間違っているとは思っておらぬ。これから連携を高めていくもの同士が事前に交流を取り、親睦を深めるのは全く間違ってない」
「それでも?」
コラボ配信のため、互いのことを知るため実際に会い、心理的な距離を縮める。それは必要なことだしネフィリムだって周囲をまとめるうえで同じようなことをしているはずだ。
必要性はネフィリムも理解していた。それでも──
「わらわも澄人とデートがしたいのじゃ~~。デートしたいのじゃ──っ!!」
そう叫んだ後、地面に倒れこんで回転するようにジタバタし始めた。子供かお前は。
困り果てた。さて、どうしたものか──。
あまり騒がれると周囲にも迷惑だし家族にも注意される。デートがしたいか。そういえばネフィリムと親睦を深める何かって
したことなかったよな。
「わかったから、今度デートするから。約束な」
その瞬間、ネフィリムは泣き止むのをやめて、キラキラした目つきでこっちに迫ってきた。
「信じておるぞ」
こうして、俺はネフィリムとデートすることとなった。
まさか、異世界で死闘を演じた相手とデートをすることになるとは。今日のデートで、女の子を喜ばせることがどれくらい俺にとって難易度が高いか理解できた。
今度はネフィリム。璃緒と違って腰は低くないし色々ダメ出しとかされそう。想像するだけで胃が痛くなってくる。
色々ひっかきまわされて、これはこれで大変そうだ。
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