料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子

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第3章 咲き誇る竜花と大龍の意志 料理屋「○」拡大成長編1

レジェンド達のエクササイズ〜美容と美食と美酒の宴〜1

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「ここが商業ギルドか・・・デカい建物だなぁ」

俺は朝から商業ギルドに来ている
例のエアマスクに使うマスク素材や他の備品仕入れに良い商人を紹介して貰いに来ていた

「おはようございます!シルバーさんはいらっしゃいますでしょうか?」

受付嬢「アポイントはお取りでしょうか?」

「あー・・・アポイント取らないと会えない感じでしたか?」

受付嬢「お名前お伺いしてもよろしいでしょうか?」

「料理屋「◯」のハルと申します」

受付嬢「かしこまりました・・・いらしたと伝えておきます」

「伝えてくれたら今日会えますか?」

受付嬢「ギルド長はお忙しい方でして・・・会える保証は出来かねます・・・ただお待ちになられるのであれば、そちらのソファでお待ちくださいませ」

「ありがとうございます・・・」

・・・うーむなんか歓迎されてない顔だったな・・・帰ろかな
一応1時間待って駄目なら帰って自分で商人探すか・・・

しばらく待つと・・・入り口から騒がしく入ってくる連中がこちらを無視して横を通り過ぎていく

「副会長!また例の件で御礼の宴をご用意しております、是非うちの商会を何卒よろしくお願い致します」

「ふむ、君はなかなか頑張ってくれるからね・・・善処できるよう口添えしておこう!」

・・・なんか大声で話して良いのか?そんな接待する側と受ける側の見え透いた談合みたいな事・・・

気にしない素振りをしていても会話は聞こえてくるし、内容も含めてあまり良くない雰囲気だなぁ・・・ひょっとして賄賂とか払わないと認めて貰えない風習なのか

シルバーさんは大丈夫かな?
気付いてないとは考え辛いから、しがらみとかで放置してるのかな?ストレス抱えてそう・・・

さっきの受付嬢は商会ギルドの商会員らしき若い経営者と笑顔で話しながらも、時折こちらを見ては馬鹿にしたような態度で2人で話している

ちゃんとシルバーさんに伝えてくれたのかな?
不安になる
シルバーさんは気楽においで下さいって言っていたけどなぁ
そろそろ1時間経つし・・・帰るか

俺が諦めて帰ろうと腰を上げた時に、ガチャリと2階のドアが開き、シルバーさんの声が聞こえてくる

「だから・・・何度も説明したでしょう!その案件はもう予算も担当も決まっていますと、今更新しい人を入れるとか誰が宣っているのですか?!・・・本当に何もわかってないですわね!これ以上話す事は無いです!失礼します!」

・・・うわあ怒ってる

シルバーさんは自室に戻ろうした際に下にいる俺に気付いてあからさまに喜び手を振っている
「マスター来てくれたのですね!待ってましたわ!
何でそんな所で待っているんです?受付嬢に案内されなかったですか?」

「いやそんな忙しいとの事で勝手に待っていただけなのでお気になさらず・・・」

チラリと受付嬢を見るとやばいと思ったのか青い顔で下を向いている

やはり伝えて無かったのか・・・

「部屋にいらして下さい!マスターの事だから、面白い話を持って来たんでしょう?フフフ」

ご機嫌で俺をギルドマスター部屋に招いているので、階段を上がる

「あと、そこの受付嬢・・・後で詳細を報告しなさい!私の大事なお客様を無駄に待たせた理由をね!」

・・・やはり気付いているよなぁ
何かしらあるんだろうな・・・受付嬢は泣きそうな顔で震えていた



・・・俺は先日の山岳ダンジョンの件をシルバーさんに伝え、マスクの素材や弁当の容器、箸やスプーン、フォーク等の備品を仕入れる為に商会を使いたい旨を相談した

「今までの容器はどうしていたんです?」

「それは市場で容器を売っていたので仕入れていたんですが、何度か買うと似たような違う商品に変わるので、安定しないので変えようと思っていたんです」

「なるほど・・・マスクは布製品で耳にかける輪っかのついた薄めの層になった物が有れば助かると・・・確かにあのエリアはそのままだと辛いでしょうから素晴らしいアイデアだと思います」

「それらの備品や消耗品の安定供給に強い商会か商人を紹介頂けたらかなり助かります・・・お店の備品も出来れば一度に頼みたいと」

「それでしたら信頼できる商会の方を後日お店に連れて行きますので、ご安心下さい・・・まともでやる気のある若い商人ですので・・・」

「・・・シルバーさん、もしかして困り事あります?・・・例えばまともでない不真面目な商人の件とか・・・」

「・・・さすがに分かりますわよね、私がギルドマスターになって数年経ちますが、昔からいる商会員は中々曲者揃いの上、元冒険者の私が上にいるのが気にいらないのか・・・邪魔ばかりしてくる連中で・・・」

「・・・それはとても苦労してらっしゃるんですね」

「・・・そうなんです!舐められたらいけないと大きな仕事を何度か成功させて実績があるので、表立って何かしらはしてこない分、厄介というか・・・面倒くさくて・・・あら失礼」

「来週のクエストでストレス解消にでもなれば良いのですが・・・」

「マスターありがとうございます!今から楽しみで仕方ないです」

・・・やはり相当ストレスが溜まっているみたいだ

「シルバーさん、今面白い食材が手に入ったので今度ご馳走しますよ!ティグさんとリュカさんとまた皆んなでクエスト前に食べて英気を養いませんか?」

「・・・それは嬉しいご提案です!ではティグには私から伝えておきます!ひとまず明日にでも商人連れてお店にお邪魔しますね」

・・・俺は礼を言って商業ギルドからでる
さっきの受付嬢はすでに別の受付嬢に交代していて、今頃シルバーさんに怒られているのか顔を見る事はなかった

おそらく副会長が古狸達の親玉っぽいな
何とか力になれたら良いんだけど、下手に突っ込んで色々壊したら迷惑かけるかも知れないから今は騒がず、やれる事で助けていこうと帰路に着くのであった












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