料理屋「○」～異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした～

第3章 咲き誇る竜花と大龍の意志 料理屋「○」拡大成長編1

ミャオの華麗な休日〜ヤーナリズム男爵の誤算〜1

時は戻り･･･マスターが森奥ダンジョンに入る前夜


「･･･だからこの間、俺は旦那に言ったんですよ！あの店は潰した方が良いって」

「うむ、しかしここまで来ると最早話はそう簡単では無いのだよ･･･あの店には王様やオルステイン侯爵も絡んでるからな･･･」

「それは本当の話なんですかい？」

「間違いないのだよ･･･私が直接見たのだからな」

「何で、あんなチンケな店に国の要人が集まるんです？」

「それが解らんから今回の件で暴いてやろうと思いついたのだよ」

「それにあの店の猫娘がどう絡んで来るので？」

「おそらくマスターや他の従業員は口が固いだろう、1人怪しいのもいたが･･･1番はあの猫娘が口が軽そうだ」

「つまりアイツを攫って口を割らせるって事ですね･･･？」

「そうなのだが、内容次第では下手に痛めつけたりしたら後々、絡んでいく時に支障が出ないとも限らん･･･なので、物や甘い物で釣る作戦で行こうと思う」

「そんな生優しい作戦でいいんすか？旦那」

「良いのだよ、私が決めたのだから絶対に間違いなくあの猫娘は堕ちる･･･」

「分かったよう旦那･･･じゃあ早速明日･･･」

「うむ･･･まずは私の屋敷に連れてくるのだ･･･あとは私に任せるが良い」



次の日、マスターが森奥ダンジョンに出かけるの送り出すミャオ

それを様子見しているヤーナリズムと付き添う男
従業員達も今日は休みという事でいない･･･チャンスだ･･･ヤーナリズムは作戦を開始する
「行くぞ」



一方、ミャオはハルと離れる時間が2日間、長く寂しくも感じるが、1人で過ごす2日間を楽しみでもあった

「今日から2日間何しよっかニャー･･･女子力高めてハルのハートを鷲掴みする日にしようかにゃー･･･？」

そこに近づく怪しい二人、一見優しげな雰囲気で話しかけてくる

「お嬢さん･･･ちょっと良いかな？」

「･･･あー！お前この間の偉そうなヤーナヤーツーこんにゃくにゃ！何なのにゃ？！」

「ヤーナリズム男爵であるわ！そこは間違えるな！」

「･･･旦那すでに警戒されてるじゃないすか」

「お前もこの間リナさんと行ったマズいカフェの店長にゃ！･･･嫌な二人して何なのにゃ？！」
※参照外伝ミャオの休日より

「お前もすでに警戒されておるでは無いか！」
「それは旦那も同じですよね？」
「えーい喧嘩しとる場合では無いのだよ･･･お嬢さん私達は貴女に謝りに来たのですよ」

「謝りに･･･？本当かにゃ？」

「本当である！何なら謝罪の代わりに何でも貴女の望みを叶えてあげようと思っているくらいなのである！」

「本当かにゃ～？」

「本当だぜ嬢ちゃんこの間は悪かったな、お礼に旦那が何でも買ってくれるって言うから俺も一緒に謝りに来たんだよ･･･」

「･･･何でも買ってくれるのかにゃ？」

「何でも大丈夫である！このヤーナリズム男爵に任せるが良い！」

「分かったにゃ！ミャオは許してやるにゃ！じゃあまずは服を買いに行くにゃ！」

「任せたまえ！ミャオ嬢！さぁ服屋に行こうでは無いか！」


「･･･旦那チョロいですね」
「当たり前ではないか私の考えた作戦だぞ･･･ククク」

･･･３人は服屋に移動するのであった
始めに案内してくれたのは貴族向けの店舗
ミャオが中に入ると煌びやかで美しくはあるが動き辛い服メインの店だった

「ミャオ･･･この店には着たい服がなさそうにゃ」
「ミャオ嬢！来たばかりですよ･･･いつかパーティに主人と出るやもしれませんではありませんか？」
「ハルとパーティ？！それは良いにゃ！」

「じゃあミャオ嬢に合いそうな服を見繕ってもらいやしょう」

･･･店員さん達が笑顔で対応してくれる
ミャオは着せ替え人形の様に様々なドレスを着ては着替えをしている
･･･その後3時間程ヤーナリズムとカフェ店長は褒め称えたりしていたが、結局最後に2着選らんで終わる頃にはクタクタになっていた

「･･･何でレディの買い物はこんなに長いんですかね･･･」
「旦那･･･俺はすでに帰りたいすよ」

「お前達！次はご飯にゃ･･･美味しい所に連れて行くのにゃ！」

「任せてくださいよミャオ嬢！では俺の店で･･･」
「店長の料理はマズイにゃ！チェンジにゃ！」
「･･････くっ」
「では私の屋敷でシェフ達に作らせましょう」

「分かったにゃ、それで良いにゃ、でもマズかったら午後は別の服屋もよろしくにゃ！」
「え？まだ買うの？･･･ですか？」
「当たり前なのにゃ･･･お金出すって言ったら最後まで責任取るにゃー！」
「はい･･･お任せ･･･あれ」


「･･･すっかり主導権取られてますけど旦那」
「･･･最後に秘密を暴ければこちらの勝ちなのだよ･･･ここは我慢しろ」
二人は耳打ちしている

ミャオはご機嫌でヤーナリズムの屋敷に向かうのであった