転生竜と賢者の石な少年

ツワ木とろ

文字の大きさ
28 / 120
1章

【27】装備を揃えましょう

しおりを挟む

 平日の稽古。変わったのは、午後に槍の練習が追加されたのと、夕方にテルティアと共にカシウスも参加するようになった。
 ルーシに敵わないのが悔しいのかロジィさんを独占して練習してる。

 アタシはと言うと、ニコラなしで火ィ吹くの危ない、従魔は主人に攻撃出来ないって通説があるらしいからルーシとも稽古できない。
 まぁ、出来たとしてもルーシと戦いたくわないけど。
 ルーシとアタシを交互に相手してたらロジィさんだけ疲弊しちゃうから、アタシは平日おやすみ。よしよし。


 休日、前回よりもセド達は早く遣ってきた。
午後イチで街に出るために昼食を一緒にしたいらしい。
 今後はもっと早く来て午前から参加しようかって話してる。

「何処のお店に行くか決めてらっしゃるのですか?」

 とセド。

「カタスティマ・ジューイットに行こうと思います」
「おお、それは楽しみです」

 冒険者達、特にセドが食いついた。

「有名なの?」

 とテルティア。

「有名もなにも、ジューイットと言えば希代の名工アルベリヒ・ジューイットから続く名工だよ」
「へぇ」
「貴族御用達で敷居が高くってね。値も張るって話だからワタシ達みたいな冒険者じゃ寄り付けないお店よ」
「そうでもないと思うよ。店主は気さくな女性だし、オーダーメードでなければ兵士でも手の届く位の値段だよ。ねぇ、ロジィ」
「そうですね。防具の既製品は少ないですが、武器なら色々揃っておりますし、当代は腕も優れておりますよ」
「それは楽しみですね」



 カタスティマ・ジューイットは中央広場の北側にあるらしい。
そこまで、ガイウス邸の馬車2台とセド達の馬車で向かう。
 到着まで時間があるので、

「テルティアが羨ましいがるといけないから彼女の前では自重してね」

 そんな前置きからニコラの魔法講習が始まった。

「魔法ってただ、精霊にこんな事したいってお願いしているだけなの。その対価が魔力なのね」

 見た感じだとお願いしている素振りはないけどなぁ。

「体力と同じで、魔力も減ると疲れが出るのだけれど、ちょっと分かりにくいのよね。なまじ体力と気力が残ってると無理してるのも分からず枯渇して、最悪死ぬ事もあるから、違和感を感じたら直ぐに使用を中止しなさいね」

 結構リスキーね。だからみんな使わないのかしら。

「ルーシの適性が低かったのは魔力が少ないって事だから、気を付けないとすぐに枯渇してしまうわ」

 大それた魔法も使おうと思えば使えるけど、キャパオーバーな事したら即死って思っておいた方がいいらしい。

「で、魔力も大事だけど、絶対的に必要なのは想像力ね。生み出したいモノをはっきりイメージ出来ないと精霊は何もしてくれないわ。見てて」

 ニコラは右の人差し指を立てた。

「プアトシャハリアライェティドルタクヒルイブラクラジャイグニス『ライト』」

 指先に明かりが灯る。

「こんな感じ。この魔法はあまり魔力を必要としないけど、灯っている間ずっと魔力を消費するから、必要なければ消すようにしなさい。消す時は念じれば消えるわ」

 明かりが消えた。

 呪文は精霊語ってので「お願いイグニス『ライト』」って言ってるんだって。イグニスは光の精霊の名前。
 厳密には「魔力を対価に想像を具現願う」みたいなセリフらしいけど、どんな時でもセリフは一緒だから翻訳覚えてなくったって問題ないらしい。

 『ライト』は術名と言うより、合図でしかないから自分がイメージしやすければなんだっていい。『ファイヤー』って言って水だす事も可能。ただ、水を想像しながら水の精霊にお願いして『ファイヤー』って言うのもややこしくない?こんがらかったら作動しないしって感じみたいね。

「やってみて」

 檻の中に居た時から見ては居たもの、武器とかよりも断然馴染みがある。
 そんなもの、覚えの良いルーシが真似できないはずもないと。


 ルーシが教わったのは明かりを灯すのと、マッチ位の火を着けるのと、コップに水を溜める魔法の3つ。
 言うところの生活魔法ってヤツ。
 暑い時に風吹かせたり、氷で冷やしたりとかもあるけど、時間がないのと魔力量が心配だからって後々ねって事になった。

 光がイグニスで、火がサラマンデルで、水がニンフ。
 全部精霊って言ってたけど、妖精ってのも居るんじゃなかったっけ。

「妖精は教えてくれないの?ってナナチャが言ってるけど」
「妖精は教えないわ」

 ニコラがちょっと強めに言う。

「妖精って一般的には悪魔って呼ばれているのね。それは優しい振りして魔力を吸い取って行くからなの」

 精霊より曖昧な想像でも具現化してくれて、見た目以上の威力も備えてくれるけど、その分対価も多いんですって。
 しかも呪文が精霊の時とちょっと違って、それを少しでも間違えると調子に乗って対価以上の魔力を持ってくらしい。
 例えば、さっきの『ライト』位の魔法でも一瞬で即死レベルに枯渇したりもあるとか。

「見てみたいな」

 ルーシがボソッと言う。

「ダメよ。見たら遣りたくなるでしょ。あなたなら見ただけで遣れて仕舞うだろうから」

 ルーシならそうね。じっくり見れば誰でも出来そうな節あるし。
 見せる事で想像しやすくなるのはどの子も一緒で、親がそうやって教えるのが一般的だそう。
 ルーシには親が居ないからそういう事言って欲しくなかったのだけれど、まぁ、裕福だったり高貴な家では講師をつけるのが常識らしいから、ルーシは高貴な存在だからって事にしとこうかしら。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト=グリモワール=シルベスタは偉大な師匠(神様)とその脇侍の教えを胸に自領を治める為の経済学を学ぶ為に隣国に留学。逸れを終えて国(自領)に戻ろうとした所、異世界の『勇者召喚』に巻き込まれ、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。 『異世界勇者巻き込まれ召喚』から数年、帰る事違わず、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居るようだが、倒されているのかいないのか、解らずとも世界はあいも変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様とその脇侍に薬師の業と、魔術とその他諸々とを仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話のパート2、ここに開幕! 【ご注意】 ・このお話はロベルトの一人称で進行していきますので、セリフよりト書きと言う名のロベルトの呟きと、突っ込みだけで進行します。文字がびっしりなので、スカスカな文字列を期待している方は、回れ右を推奨します。 なるべく読みやすいようには致しますが。 ・この物語には短編の1が存在します。出来れば其方を読んで頂き、作風が大丈夫でしたら此方へ来ていただければ幸いです。 勿論、此方だけでも読むに当たっての不都合は御座いません。 ・所々挿し絵画像が入ります。 大丈夫でしたらそのままお進みください。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...