転生竜と賢者の石な少年

ツワ木とろ

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2章

【57】襲撃!?

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「殺気があります。20個位。こっち向いてます!」

 みんな武器を取り馬車から飛び降りた。

「囲まれてます。気をつけて!」

 ルーシはもう慣れた手つきで左腕のブレスレットをガントレットに直し、右手の指輪をガントレットとディアボロスに戻して構える。

 乗車位置でセド、ヴィオラ、ルーシが馬車の前方。ディオとティチが後方に出ている。

「この森って狼でもいるの?」

 リネットが馬車の上に飛び乗りながら聞く。

「いいえ。鹿等を施設の食糧にしたいから肉食動物は全て狩ったはずです」
「どんな相手なのかは分からないの?」

 ニコラは馬車の中でビックスさん達を守る。
 スムカはこう言う状況が初めてなので、特段怯えている。

「すみません。そこまでは分からないです」

 それがディオのスキルの限界。

「! セドリックさんの方、何か飛んできます!」

 セドが飛んできたモノを剣で防ぐ。
 ディオの前情報がなかったら危なかったかも。
 防いだそれは矢だった。

「矢って、まさか盗賊?」

 相手が獣ではない事により緊張感が走る。

「もう1回飛んで来ます!」

 今度はルーシがディアボロスを振り回して防ぐ。

「迷彩かな。こっちからも見えておかしく無いのに」

 2度も矢を防がれたからかは分からないけど、道の前後にそれらは姿を現した。

「え、ゴブリン?!」

 相手が見えなかったのは森と同系色の肌をしてたから。
 獣でないから人。まさかモンスターだとは考えてもいなかった。

 前方に10体、後方に5体。その全部がクワやらナタやらを持っている。

「全部『武器持ち』‥‥」
「不味いわね。近くにダンジョン出来たんじゃない?」

 姿を現したゴブリンの中に弓持ちは居ない。

「ディオ、森の中にまだ居るんじゃない?」
「はい。前方に5体は感じます」
「俺達はこの森に不馴れだし、居場所も見つけられない」

 とセド。

「ディオとティチで森の中の奴、頼めないか?」
「はい。やれます」
「後ろのはこっちから1人廻るから気にせず行ってくれ」
「後ろにはボクが行くね」
「ああ。ルーシ頼む。ニコラ、リネット、援護宜しく」

 作戦立てる時間が取れたのは助かるけど、ゴブリンのくせに見境無しに襲って来ないのが薄気味悪いわ。

「前方の道の両側に『氷壁』を唱えるから、それを合図に動いて」
「了解」

「『氷壁』!」

 道の両脇に氷の壁がそそり立つ。
 これで弓矢での攻撃は防げるはず。

 すかさずルーシが後方に廻っる。
その時には、ディオとティチは既に森に入っていた。

 後方のゴブリンが駆けて来ている。
 その後ろの3体がゆっくり動いてるのを見るとまずは2体が先行で襲って来るのだと思う。
 こんな森の中じゃ大それた炎は危なくて使えないわね。
 先行の2体の右はクワ。左はナタを持って飛びかかって来た。
 そこにルーシのひと振り。
 右のはクワの柄ごと真っ二つになったが、左のはナタで防いだ。
 ゴブリンが防御して来たのには驚きだけど、そんなの事よりも『石火』を吐き、顔に命中。
 火傷で悶絶するゴブリンをディアボロスで1突き。

 あれ、煙らない?

「モンスターじゃない、魔獣だ!」

 セドが叫ぶ。
 ってことは魔素にあてられた何かって事よね。猿とか?
 側にダンジョンが発生してない可能性が出て来た。
 だとしたら少し安心なのかな。

 残りの3体は1体先頭で、両脇を2体が遅れて向かって来た。
 先頭は斧。奥の2体はナタを振りかぶっている。
 先頭のゴブリンの胴をディアボロスで突き上げると、そいつは口から血を流しながらディアボロスを掴んで離さない。
 その間に両サイドから奥の2体が飛び掛かって来る。

 普通のゴブリンなら無鉄砲に襲いかかって来るだけで、こんな自己犠牲なんてしない。
 モンスターと魔獣でそんな違いがある事に驚いてしまう。

 ルーシに飛び掛かる2体の内の左側のコメカミにリネットの矢が刺さった。
 右はアタシが燃す。


「リネット、有難う。ナナチャも」
   「どういたしまして」

 前も全部倒したのかな。
 ディオ達も戻って来たみたい。

「こんなに魔獣が出るなんて、ここ魔素強いのかしら。今までもこんな事あった?」

 20を越える魔獣の数にニコラが特殊性を感じている。

「俺達の知ってる限りではありません」
「私もディオ達より前から施設に居ましたけど、こんなの聞いたこともないです。」
「何処かから流れ着いたのかしら」
「この森で繁殖してるんじゃない?」

 魔獣はモンスターと違って繁殖能力のある個体もいるらしい。

「そうだとしたら施設のみんなが心配です。先を急いでもらってもいいですか?」

 仲間が家族を心配してるんですもの、言われなくても急ぐわ。
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