転生竜と賢者の石な少年

ツワ木とろ

文字の大きさ
70 / 120
3章

【69】ルングスまでの道すがら①

しおりを挟む

「あぁ、かったるいにゃ。」
 村を出てからは普通の馬が進むスピードで進んでいる。
「ナナチャの速さに馴れちゃったから。」
 先に見えるは草原。まだまだ景色が変わらないから飽きちゃう気持ちも分かるわね。
「どうせこんな見晴らしの良い場所で盗賊何かに出会う訳ないんだからもっと早く進みもうにゃ。」
 確かにね。アタシの今の視野だったら300度は見えるし、ナミルも目が良い見たいだから何かあったらすぐ分かりそう。
「もう、ナミルは堪え性がないんですからあ。ナナチャさん、お願い出来ますかあ?」
「任せといてだって。」
 アタシもダルくなってきた所だったし、全速力で走り出す。
「そうそう。この刺激がたまらないんだにゃ。」
 荷台に伝わる衝撃を楽しんでやがる。
ジェットコースターとでも思っているのかしら。
 荷馬車が壊れないように常にスキル使ってるルーシの労力に感謝して欲しいものね。

 森が見えて来た。その中に道が続く。
「居るとしたら絶対あそこにゃ。」
 道の両側すぐ側まで木々が生い茂ってるから、潜みやすそう。
「あそこはゆっくり進む?」
「そうですねえ。お願いしますう。」

 半日程掛けて進んだのに何にも現れず、間もなく森が切れる。
「居なくなっちゃったのかな。」
「逃げちゃったかにゃ?」
「まだ気を抜かない方がいいですよお。」
 森を抜けると、目の前と遠くの明るさが同じになったので遠くまで良く見える様になった。
 馬になっても視力が変わらないのは幸いね。
「結局何も起きなかったにゃ。」
「もう少し様子見ますう?」
「ナナチャが遠くに何か見えた見たい。馬車じゃないかって。」

 森の中を通った時と同じスピードで進んで行く。
「確かに馬車にゃ。」
 1キロ位の距離まで近づいた。
「私にはまだ見えないですう。」
「何台かあるにゃ。人も降りてる。」
 屋根のある大きめな馬車が5台。その側でくつろいでる人が十数人。
「休憩してるのかな。」
「その様にゃ。」
「盗賊の事、教えてあげなきゃ。」
「そうですねえ。私達が出会さなかったからってもう居ないとは言えないですからねえ。」

 もう間もなく側に付く。
相手も流石にこちらを認識しているわ。
「何か人数多くにゃい?」
 15人。他に馬車に乗ってて見えない人が居るならもっと。
「しかも全員男ですう。」
「武器らしい武器は無さそうだし、防具も着けてはいないにゃ。でも、行商には多すぎるにゃ。何者だろう。」
 馬車が停まって居るのは3方向に道が別れる所だった。
「やぁ、こんにちわ。凄く立派な馬だね。」
相手から声を掛けて来た。
「こんにちわ。」
馬車を停めてルーシが対応する。
「君達、森を抜けて来たのかい?」
「うん。そうです。」
「盗賊が出るって聞いたけど。」
「出会さなかったですよ。」
「そうなんだ、出るって聞いてたから遠回りするつもりだったんだよ。」
 それで別れ道で一旦休憩してたって事かしらね。
 ナミル、コリティスが馬車を下りた。
「大人数ですねえ。」
「男の人しか居ないのかにゃ?」
「え?ああ、俺達旅一座なんだよ。今は巡業中でね、色恋沙汰は揉めるから女は居ないんだ。」
 座長だと言う男は2人の口調に少し戸惑って居るみたい。
 剣劇とかやっているのかな。みんな役者さんなんだろうけど、目付きが鋭い。悪役か?
「へー、見てみたいなぁ。」
「機会があったら見に来てよ。」
「うん。何処でやるの?」
「色々回ってるよ。。それより、君達は3人で旅してるのかい?」
「そうですよお。」
「女子供だけで旅するなんて危険だよ。」
 座長が頭の後ろに手を回す。
「良かったら俺達が送ろうか?」
 残りの男達がおもむろに立ち上がり、伸びをしたりしている。
 そろそろ出発なのか?
「大丈夫にゃ。」
「大丈夫じゃないでしょう。」
座長が何処からともなく剣を抜いた。背中に隠してたのか?
 残りの男共もマジックみたいに剣を出現させてアタシ達を囲んだ。
「貴方達が盗賊だったんですねえ」
「いやいや、俺達はお前達みたいな怪しい女が魔女じゃないかって、教会に連れていって確認して貰おうと思ってるだけだよ。」
「その必要はないにゃ。」
 ナミルがネックレスを見せる。
「ちっ、教会の輩だったか。」
「そもそも一般人が怪しいってだけで捕縛したらもうそれは人さらにゃ。普通に犯罪者にゃ!」
「親方ぁ、もうばれてるんだから取り繕わなくて良くないっすか?上玉過ぎてムズムズしますは。」
一際小さな男達がルーシを見ながら股ぐらを握ってる。
   うわ、下品。
「そうだなぁ、1人は仕上がってるし2人も育ちそうだな。 引き上げようと思ってた矢先の棚ぼただ。 ウチで飼っちまうか!」
「「「いえーい!!」」」
男共が歓喜する。
「まず逃げられねぇ様に馬車落とすぞ。」
チビスケは案外上位の人間らしく、4人従えてアタシの前で構える。
「ルーシ、馬車お願いにゃ。」
「うん。任しといて。」
「あー、なるべく殺さないで下さいねえ。」
「(じゃぁ、ディアボロス使わない方がいいのかなぁ。)」
 アタシにしか聞こえない声でルーシが言う。
   「どうだろう。錬金で切れ味調整出来たりしない?」
「そっか。やってみるね。」
 ルーシが馴れた仕草でアクセサリー状態のガントレットとディアボロスを元に戻す。
「!どっからそんなもん出しやがった。スキルか?」
「生意気言うだけあってえげつない得物じゃねぇかよ。」
 盗賊共は一瞬怯んだけど、ディアボロスとルーシの不釣り合いさにニタ付く。
 完全に舐めてるわね。
   「ルーシ、アタシも元に戻してくれない?馬のままじゃ足手まといになるし、殺さないってんならアタシの攻撃は有効だから。」
「うん。わかった。」
 ルーシの手がアタシに触れると瞬時に元の姿に戻る。
「何だその変な生き物は」
   失礼ね。
 アタシはそんな失礼な事言った盗賊の側に飛んでいき、顔の前で1回転。
 尻尾が見事顎に入って失神させた。
「遣りやがったな!もう容赦しねぇ!」
チビスケが見た目通り小者なセリフを吐く。
「あぁあ、もう始めちゃったにゃ。」
「ナナチャさんは血の気が多いですう。」
   あれ?駄目だったの?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト=グリモワール=シルベスタは偉大な師匠(神様)とその脇侍の教えを胸に自領を治める為の経済学を学ぶ為に隣国に留学。逸れを終えて国(自領)に戻ろうとした所、異世界の『勇者召喚』に巻き込まれ、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。 『異世界勇者巻き込まれ召喚』から数年、帰る事違わず、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居るようだが、倒されているのかいないのか、解らずとも世界はあいも変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様とその脇侍に薬師の業と、魔術とその他諸々とを仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話のパート2、ここに開幕! 【ご注意】 ・このお話はロベルトの一人称で進行していきますので、セリフよりト書きと言う名のロベルトの呟きと、突っ込みだけで進行します。文字がびっしりなので、スカスカな文字列を期待している方は、回れ右を推奨します。 なるべく読みやすいようには致しますが。 ・この物語には短編の1が存在します。出来れば其方を読んで頂き、作風が大丈夫でしたら此方へ来ていただければ幸いです。 勿論、此方だけでも読むに当たっての不都合は御座いません。 ・所々挿し絵画像が入ります。 大丈夫でしたらそのままお進みください。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...