久遠の鼓動

神楽冬呼

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第3章 古傷

虜 (注※R18)

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ずっと思っていた。
なんでSEXなんてしたがるのだろう?と。
自分には必要ない、とさえ思っていた。
キスも同じ、なぜそんなにしたがるのだろう。
何の為にするのだろう。
多分、そんな冷めた考え方が、対峙した橘 詠一おとこに伝わっていたと思う。
気づいたら音信不通、知らないうちに自然消滅。
…違う。
それを招いたのは、自分わたしだ。

優しく柔らかく、互いの唇を確かめ合うように。
まるで儀式のような口付け。
吐息が混ざり、体温上昇や脈拍が加速する。
もっと欲しいと、もっと感じたいと本能が強請る。
「んっ…」
緩急をつけるように時折深く絡みつく要の舌に、ゾクゾクとした快感が走り、ショーツの中がじっとりと濡れていくのがわかった。
やり場の無いじれったさが秘部に宿る。
「……あっ」
要の両手が腰から背中へ滑り、声が出てしまった。
肌を滑る要の指先が気持ちいい。
「すごく感じ易くなりましたね…」
首筋にキスをしながら、要はホックを外しブラを緩めると脇から持ち上げるように胸の膨らみに触れた。
触れられるたびに、くすぐったさよりも気持ち良さが増していく。
「…要くんのせいだよ」
吐息の合間に声を出すと、再び唇が塞がれ、胸に触れていない要の右手が、ルームウェアのパンツとショーツを下げるように腰骨の上をなぞった。
そのまま、ショーツの中に潜り指先が秘部に触れる。
くちゅ、と小さな音が鳴る。
すごく濡れてしまっているのが恥ずかしくて、腰を引くと指が愛液を纏うように秘部の中へと差し込まれた。
膣の中がビクッとうねる。
ゆっくりと差し込まれていく指がトンと内壁を叩き、切なく鈍い衝動が込み上げた。
「あっ…そこはだめ」
「…ここ?」
ぐっと要が指に力を込め押し上げる。
肉の内部からこじ開けていくような鈍い衝動が快感へと変わり駆け抜ける。
「……ああっ」
反らせた胸元に要が口付けて、ウェアのボタンが外され前がはだけている事に気付いた。
要の指がゆっくりと中をかき回す様に内壁を繰り返し押し上げる。
喘ぎが止まらず、膝が小さく震えた。
ギュッと要のシャツを握りしめしがみつく。
ぐちゅぐちゅと卑猥に音を立てる秘部から愛液が流れ出てショーツの隙間から太腿に伝うのを感じた。
「要くん……あっ、やめ…」
背筋が冷たく硬直するかのように、ビリビリと快感が込み上げていく。
鈍く、だけど確実に登りつめていく衝動に頭の芯が熱くなり、腰が震えた。
要の左手がウェアを脱がすように肌を這い、露出した肩に唇が当たる。
「………ッアア!」
熱い舌の感触に刺激されるように、衝動が突き抜けて弾けた。
割れた風船みたいに体の力が抜け、葵は要にもたれるように肩にしがみついていた。
「葵さん、腰を下ろして…」
葵の頬や耳朶にキスをしながら要が囁く。
誘導するように腰に添えられた要の手に任せ、葵は膝をゆっくりと曲げた。
愛液にまみれ熱を帯びた秘所の入口に押し当てられる
硬さに、葵は要の意図を知る。
動悸が早まり、吐息が漏れた。
ヒダを掻き分けるように押し込められる圧迫感に、果てたばかりで痙攣している内壁が敏感に反応する。
「あっ…、んっ」
いやらしく口をついて出る喘ぎ声を堪えるように唇を噛む。
待ち望んでいた瞬間を迎えた時のような高揚感と喜び。
気持ちよくて変になりそうだ。
腰に添えた要の手にぐっと力が込められ、葵は一気に腰を下ろす。
「………っ!」 
ビクンッと何かが弾けるような快感に、頭が真っ白になる。
波打つ膣と瞬時に高鳴る鼓動。
(いま、挿入したいれただけで…)
奥まで這入った衝動で、軽く達してしまった。
荒い息を繰り返しながら葵は茫然としてしまった。
そんな葵の体を要は抱き止める。
「…愛してます」
耳元で囁く声に、葵は要の首に絡めた腕を解く。
ゆっくりと身体を離し、要の頬へと手を添えた。
その手を取り、要は葵の手のひらへ口付ける。
手のひらへのキスは懇願…
愛おしむように細めた要の瞳には、願望も浮かんで見える。
「私も…愛してる」
自分の想いを心に刻みつけて欲しい。
葵は自分から唇を寄せ、もう一度唱える。
「…愛してる」
唇を合わせると要の熱い舌が待ち受けていた。
要の両手が腕から肩、肩から背中へと流れ腰で止まる。
啄ばむようなキスが止まると、その手に力が込められた。
「…あ、はぁ」
吐息のような声が出る。
ゆっくりとスライドするように腰を揺らされ、粘膜が擦れ合うと、ぐちぐちと秘所が音を立てた。
下腹部から背中へ駆け抜ける痺れるような快感に、葵は背中を仰け反らせる。
自然と自分から腰が揺れていた。
要の片手が胸の膨らみを掴み、頂きが口に含まれる。
「あ……んっ!」
突起を転がすように舌が動く度に膣がギュッと締まり、要の熱い吐息が胸元で漏れた。
要が葵の体を持ち上げ、ソファへと向き合うように体勢を変える。
その葵の背後から首筋にキスを落とし、はだけたウェアを脱がしていくと自分のシャツも床へと脱ぎ捨てた。
ソファに突っ伏す形で床に膝をつく葵の背筋を、ツツ…っと要の指が走り、その後を追うように舌が這う。
「ああっ……ん!」
そのまま要が背後から押し入ってきて、ねっとりとした愛液に招かれ一気に奥まで入り込んだ。
先程までとは違う部分が刺激され、行き場をなくした愛液が溢れ出て脚を伝う。
ちゅ、と音を上げ要が背中を唇で愛撫し、胸の脇からアンダーバストに向け優しく揉み上げながら緩々と腰を動かした。
快感に沈む体や意識を保ち、声を上げることに夢中になっていた。
もう何がどの感覚なのか、わからない。
わからなくて、急に怖くなった。
「…ん、もう…だ、め」
堪らず、胸にある要の手を掴む。
「痛い?…」
要の荒い息遣いが耳元で聞こえる。
小さく首を振り、葵はソファに手をついた。
「…気持ち良くて、変になりそ」
「それなら、もう少し…」
要のクスッと笑う声がして、首筋を強く吸われた。
「…乱れてください」
要が秘部の割れ目へと指先を入り込ませる。
指先が肉芽に触れ、ビクンと背中が反るほどの快感が突き抜けた。
そのまま上下に擦られ続け、電流が流れるような快感が何度も何度も頭の芯に向けて突き抜ける。
「あっ……あ、はっ、あん…あ」
指先と同時に腰が動き出し、抽挿が速度を速めて行く。
深く奥を刺激される度、下腹部が熱く力がこもる。
そして電流がスパークしたような衝動に、ビクビクと激しく肉芽と膣内が痙攣した。
それでも要の腰遣いは勢いを無くさず、律動が繰り返えされ、弛緩した体を支える様に要の力強い腕が腹部にあてがわれた。
体中を支配する快感とお腹や背中に感じる要の硬い筋肉と汗ばんだ肌の感触、荒く早い互いの息遣いだけが空間を占めていた。
ぐぐ、と要の腕に力が入り、更に律動の勢いが加速する。
「……あ、要くん…い、や…ああっ!」
肩口に要の柔らかい唇が押し付けられ、ビクッと要の体が震えるのを感じた。
はぁ、と要の熱い吐息を真っ白になった頭の中で最後に聞いた。

ずっと思っていた。
なんでSEXなんてしたがるのだろう?と。
自分には必要ない、とさえ思っていた。
知れば、最期…
欲しくて堪らない温もりを貪り、与えられる快感に溺れる。
愛しい相手との愛欲の情事。

知れば最期、虜になる。
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