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11. パリィを発動せよ!

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彼は第3階層でコボルト3匹と出くわすと、直ぐに練習用の一体を残して他は討伐した。

「えっと、取り敢えず1匹まで減らすか。
んー…よし、それじゃあ…2匹は拘束して、剣で首を…ザシュッ」

さて、これで残りは1匹。んじゃ、ここからはパリィの練習をしていこう。

「えっと、確かパリィは敵の攻撃に合わせるって言ってたけど…んー、相手の攻撃に垂直にするのが受け流しで…
これは、盾でもできるけど、剣でも出来る。正直これの方が楽だが…チャージの発動を考えたら使えないか。
となると…相手の攻撃の威力を殺しつつ相手の体勢を崩せるタイミング…ふぅむ」

考えろ…どのタイミングだ?防御するだけなら簡単に出来る、が…それだと"防戦"になる。だが、俺がしたいのはパリィ…つまり、"無力化"だ。
…あ、そうか…そういや、1歩踏み出すって言ってたのは…なるほど。

「相手が振りかぶったタイミングで相手に1歩踏み出し…攻撃のタイミングで一気に強く突き飛ばすイメージで…!
相手の攻撃の威力を下げるには、相手の攻撃の着地地点をズラすことだな。
野球でバットを振る時、芯に当てれば飛ぶが、相手の球が早かったりしてタイミングがズレた時…
つまり、芯以外に当たった時は、威力が落ちて飛距離が減る。
それと同じ要領で、
相手の剣を振るう際、相手に当たるタイミングをバットが球に当たるタイミングと仮定し、
それまでの振るう距離が威力を最も出すことの出来る素振りの距離と仮定を置く。
そうすれば、手前で留めるほど、威力が弱くなり、着地地点に近づく程止めるのが難しく、威力が上がる…
この法則を利用してパリィをするのか…」

てことは、あの時の乱戦…芽衣は相手の攻撃が同時に来るタイミングを見計らって合わせていたのか…なるほど、そりゃ確かにうまいわけだ。
俺も、一対多数をもっと練習しないとな。

そして、初のパリィを成功した後、俺は直ぐに道を進み、次の相手を探し出した。

「さて、それじゃあ次の相手だが…五体エンカウント…丁度良い。
防御、受け流し、パリィの練習をしよう。
その為には、相手を殺さないことだな。
ってか、こいつら統率なんてないも同然みたいな動きだなぁ…めんどっちぃ」

すると突然、勘なのか直感なのか、はたまた本能なのかは分からないが、盾を使うタイミングに、薄らとその軌道のようなものが見えた為、直ぐにそのタイミングで相手の攻撃に合わせて実行してみた。

…あ、このタイミング…よし、完璧!

「チャージは…えっと、相手が構える前に放つ方がいいけど、溜めるほど威力が上がるから…ギリギリまで溜めて…ここ…!」

…よし、全員ワンパン!ふぅ…取り敢えず休憩だな。解体スキルのおかげで血の匂いとかも残らないし…
アイテムを確認しよう。

「えっと…通常アイテムは…鎧、剣、盾…牙?あとは、核の魔石と…うん、こんなものかな。
んで、レアアイテムは…あれ、この剣だけなんか違う…?」

うーん、振っても分からない…まぁ、後で見てもらうか。
んで、あとは…スキルオーブが前の戦闘と合わせて16個。

【剣術】
【嗅覚強化】
【追跡】
【索敵】
【盾術】

…うん、この5つみたいだな…

『コボルトの情報を全て獲得した為、称号を獲得』

『スキルの複合が可能』

「複合?…あ、やべ…」

【騎士道】

「う、うーん…効果は盾と剣を装備した時…ねぇ。
剣だけの方が良かったんだが…って、あれ。
スキルは1回だけ複合で、もっかいでもに入れたら元のスキルとして獲得できるのか…あれ、てことは…剣と盾を持った状態だと、実質2倍の効果?」

…これは全部スキルMAXにするしかない!
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