上 下
62 / 105

61. 白虎の報酬と4体の仙人

しおりを挟む
「さて、白虎の報酬はっと…」

俺はそう呟き、ドロップアイテムを確認した。

爪と、牙と、毛皮と…宝玉、それと…何かの玉、かな?スキルオーブは相変わらず無さそうだな。
まぁ、仙気を使った戦闘の応用なんだからスキルではなく、ただの技か…
剣術だって、斬撃自体はスキルじゃないしなぁ…

そう思いつつ、自身の仙気に反応した白虎の宝玉を吸収した。
やはり、長い間仙人をやっていたからなのか、吸収する仙気の量は尋常ではなかった。

「それにしても、この謎の玉…あの鳥のドロップアイテムからして、これも仙人の卵の1種なんだろうな」

〚ああ。そこから白虎が生まれるのだ〛

やはり、というべきか。形は違えど、仙気が微かに宿った玉は、宝玉と違い、彼の生気の心眼に反応した為、卵だと分かった。
だが、そこであることに気が付いた。

そういえば、さっきのは赤い鳥、今回は白い虎…そして、4体の中国の獣…てことは、やっぱ今回のダンジョンは四神獣、っぽいよな…

四神獣とは、中国・朝鮮・日本における東西南北を司る神獣で、
北の玄武
南の朱雀
東の青龍
西の白虎
これらを四神獣と称し、今回のダンジョンでも既に2体が出現していることから、彼はそう推測したのだろう

「てことは、次は玄武か青龍か…うーん、玄武は亀と蛇、青龍は東洋の龍だったよな…
簡単なのは…青龍の方、だな」

玄武は地に足をつけているとは言え、死角がない。
しかも、亀の攻撃に加え、こちらが行動に移す前に直ぐに蛇の素早い攻撃もある。
そして、蛇や亀というのは隠密が得意で、気配に敏感な為、こちらの攻撃が入る前に防がれてしまう場合もある。
だが、青龍の方は言うなれば飛んでいるだけである。
確かに、空中戦ともなればそれはそれで厄介だが、死角は勿論、弱点だって存在している。
その為、彼は玄武を選んだ。

〚次は玄武だぞ。
青龍最後だ〛

しかし、孫悟空はまるで相手の正体が分かるかのようにそう断定した。
少し不思議に思いつつも、上仙には相手を読み取る力でもあるのかと、関心をした。

「それじゃあ、早速3体目に行こうか」

〚…ああ〛

孫悟空は、素っ気なくそう呟いた。
だがその顔は不満があるのか、心配事があるのか…兎に角、そういった少し険しい顔付きになっていた。

「それにしても、玄武かぁ…突破口あるのか?」

〚む?玄武の突破口?そんなもの、正面から相手の防御を上回るだけでよかろう〛

どうやら、先程の心配事は玄武に対するものでは無いようだ。
玄武の突破口を聞くと、呆れた様子で真正面からと説明をした。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

チート無しの異世界転移

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:333pt お気に入り:1

戦国一の職人 天野宗助

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:69

自由奔放なプレイヤー!〜VRゲームでも気ままに攻略します?〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:181

処理中です...