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67. 四神獣の誕生と独立権

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「シュンッ…お兄ちゃん、面白い法律が出来たよ」

突然、転移してきた妹が叫びながら彼にそう伝えた。

「面白い法律?」

「そう、今回みたいな解放者となった者に対してだね。
解放者となった者は、本人が望むのであれば解放した施設は自分の物とできるっていう法律だね。
つまり、今回のダンジョンは私とお兄ちゃんの所有物になるってこと!」

面白い法律、それは
〘ダンジョンクリアによって、解放したものは全て、解放者自身の者となる。
また、解放者が死亡した場合、もしくは解放者が放棄を選択した場合は、その国の政府が代わりに所有するが、
解放者自身の選択により、他国に与える事も可能〙
という法律だった。
その為、今回解放された2つの解放物は、彼らの所有物となったのだった。

「となると、ここは…」

「うん、私達だけの陣地だね!
でも、四神獣についてはまだ報道が流れ続けているみたい?
えっとね…ほら!」

そう言って、強引に見せてきたスマホには、
中国・朝鮮・日本の3カ国が四神獣について語る!
という題名の報道だった。
政府に情報を提供した場合、報酬が貰える。
但し、誰が所持しているのかという詳しい情報のみ…
という、クエストのようなもので、世界中でこの噂が広まり、今ではトップクラスの報道となっている…

「ふーん…なるほど、ねぇ…こりゃあ、厄介なことになった…」

「厄介?どこが?」

「例えば、この法律は俺達が死んだら政府の物になるって事だろ?
つまり、政府が無理やりにでも脅してきたりすれば…」

「…あ、最悪…戦力を投入されて、戦闘に繋がるかも…」

そう正にその通りだった。
しかもこれは日本の政府の問題だけでは無い。むしろ、彼が所持しているからこそ、日本の政府が気付いたとしても動くことはないだろうが、他の2カ国にとって、一介のハンター過ぎぬ彼に敵対する可能性は大いにある。
脅しさえすれば、こちらに所有権を譲る。
そういった考えが、各国の政府に繋がってしまう…

「…戦力強化…最悪、ここに転移すれば問題は無い筈だ。芽衣、外に出る時は気を付けろ」

「う、うん…」

兎にも角にも、一度世界中に脅しを掛ければ良い。
彼はそう思い、新たなダンジョンへ向かい、圧倒的実力差を見せつけ、敵対者を消そうという考えに至る。
だが、その前に四神獣を予め用意しておき、戦力を強化しようという話になった。

「…さて、卵を出したは良いが…なぁ、これってどうやったら孵化するんだ?」

ストレージから取り出したのは良いが、動きも何も、まったくと言っていいほど無いその卵を、孫悟空に問い質す。

〚卵は、一定以上の仙気が貯まれば孵化するのだ。
つまり、早急にでも孵化したいのであれば…
小僧の仙気を流し込んでやれば良いだろう〛

なるほど…仙気を流し込む、ねぇ…なら、外法衣仙術の応用、かな…

「パキパキッ(卵が割れる)…お、可愛い」
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