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66. 神社の貢ぎ物
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「…さて、それじゃあやっていくか」
〚何をするのだ?〛
「…なんでここに?てか、ここは別スキル内な筈なんだが…」
今、彼はスキル《想像設計図》のフィールドに居る。
しかし、そんなこと関係ない、とでも言うかのように孫悟空が居る。むしろ、実体を得ているほどだった。
〚まぁ良いでは無いか。して、何をしているのだ?〛
「あ?あー…神社に設置するものを作ろうと思っててな。
賽銭箱とは、狛犬とか…あそこ、建物以外…って、お前はまだ見たことないか」
そう告げると、孫悟空は物凄く、嫌そうな顔をした。
〚神には嫌な思い出しかないのだが…〛
確かに、その通りだ。幽冥界でも、天界でも、孫悟空にとっては勝手に殺されたり、下っ端として雇われたりしていたから、その分神には憎い心しか持っていないのだろう。
「それは西遊記での話だろ?あの神社は日本の神しか居ねぇよ。
そもそも、日本の神ってのは、確かに神話に出てくる神も居るが、基本的には八百万の神、つまり数が多いっていう感じだけだし、
日本の考え的にも、神っていうのは事象だけでなく、物の数があるだけ居るって言われているんだ」
〚むぅ…しかしな〛
それでも、孫悟空は不服そうに喉を鳴らしていた。
何をそこまで、という気持ちも無くはないが、何となく、孫悟空と同調している彼にはその気持ちも理解はしていた。
「…まぁ、会ってみたら仲良くなるかもしれないだろ?
神と言っても、そこまで偉いやつじゃない。
代表者みたいなもんだしな」
そう、孫悟空に告げると、イメージが固まったのか、次々に設計図を生み出していった。
狛犬代わりに作り出した四神獣の石像
八百万の神に対し、素朴ながらもしっかりとした賽銭箱
石畳を作る為の石レンガ等、様々な物を設計図にし、それを生産場で作り上げていった。
「…そういや、神ってのは実際何が好きなんだろうな」
そう呟き、真っ先に思い付いたのは酒だった。
しかし、酒は地味に値が張る為、神の数だけ購入するにはどうにも金が足りない、そう思って諦め、神社へと転移した。
『おお!無事だったか!』
「うおっ…だ、誰だお前?」
そう尋ねると、直ぐにその神は自身の紹介をしだした。
背格好からして、物作りの神なのだろうが…
『む、紹介が遅れたか。儂は木工の神だ』
「…あれ、名前みたいなのはないんだな」
『我らは、その役割をお互いの名として使っているのでな。
呼びにくければ、好きに呼ぶが良い。
人の子も、そうやって名前を付けてきたのだからな』
「…まぁ、良いか」
彼は、何となく納得し、作ったものを設置していった。
ただ、道だけはある程度整備していかなければ行けない為、後回しにした。
「…さて、取り敢えず作れるものは作ったから、あとは欲しいものがあるなら言ってくれ」
そう言いつつも、土魔法で少しずつ地面を平にして、柔らかくしていった。
「…あ、そうか。石レンガだけ作っても意味ないな…」
んー、どうやって作るんだろ…調べてみるか。
『む?それはなんだ?』
「これ?スマホっていって、誰かと連絡を取り合ったり情報を調べたり、共有したり…そういったことができる機械だな」
…うーん、なるほど…道となる所を掘り下げて、端と端に石の板を挟む…
「よし、石材…ってか、そうじゃん。石レンガも前の三峰の余り使ってたけど、結局集めてないな…」
『石が必要なのか?』
そういった新たな神が、手に小さな光を持っていた。
すると、そこからどんどん大雑把な石が溢れ出てきた。
「こ、これは?」
『む?石が必要なのだろう?』
「使っても良いのか?」
『適当に作り出した物だから構わぬ』
…石工、いや…土の神、だろうか。そう思いつつ、「有難く使わせてもらう」と返事をして、板を作り、それを掘った穴の端に設置した。
「んで、次は…砕石と敷砂、かぁ…んー、砕石は…小さく砕かれた石…
バキッ(殴る)…これを敷き詰めて…丸太…か、足で均す…
孫悟空、如意棒貸してくれ。
んで、その上に敷砂…えっと…海砂や川砂…うーん、これは取りに行かないとか…ここら辺に海あったっけ?」
すると、また新たに神が現れて…どれだけ出てくるのだと、少ししかめっ面になりつつも、感謝する。
『ならば、海の神である我の出番だ。
海砂だな?…ザラザラザラ…これで良いのか?』
「お、おう…んで、これも均したら…石レンガを嵌めていって…んー、ここもう少し小さくしないとな…
っと、こんなもんかな」
〚何をするのだ?〛
「…なんでここに?てか、ここは別スキル内な筈なんだが…」
今、彼はスキル《想像設計図》のフィールドに居る。
しかし、そんなこと関係ない、とでも言うかのように孫悟空が居る。むしろ、実体を得ているほどだった。
〚まぁ良いでは無いか。して、何をしているのだ?〛
「あ?あー…神社に設置するものを作ろうと思っててな。
賽銭箱とは、狛犬とか…あそこ、建物以外…って、お前はまだ見たことないか」
そう告げると、孫悟空は物凄く、嫌そうな顔をした。
〚神には嫌な思い出しかないのだが…〛
確かに、その通りだ。幽冥界でも、天界でも、孫悟空にとっては勝手に殺されたり、下っ端として雇われたりしていたから、その分神には憎い心しか持っていないのだろう。
「それは西遊記での話だろ?あの神社は日本の神しか居ねぇよ。
そもそも、日本の神ってのは、確かに神話に出てくる神も居るが、基本的には八百万の神、つまり数が多いっていう感じだけだし、
日本の考え的にも、神っていうのは事象だけでなく、物の数があるだけ居るって言われているんだ」
〚むぅ…しかしな〛
それでも、孫悟空は不服そうに喉を鳴らしていた。
何をそこまで、という気持ちも無くはないが、何となく、孫悟空と同調している彼にはその気持ちも理解はしていた。
「…まぁ、会ってみたら仲良くなるかもしれないだろ?
神と言っても、そこまで偉いやつじゃない。
代表者みたいなもんだしな」
そう、孫悟空に告げると、イメージが固まったのか、次々に設計図を生み出していった。
狛犬代わりに作り出した四神獣の石像
八百万の神に対し、素朴ながらもしっかりとした賽銭箱
石畳を作る為の石レンガ等、様々な物を設計図にし、それを生産場で作り上げていった。
「…そういや、神ってのは実際何が好きなんだろうな」
そう呟き、真っ先に思い付いたのは酒だった。
しかし、酒は地味に値が張る為、神の数だけ購入するにはどうにも金が足りない、そう思って諦め、神社へと転移した。
『おお!無事だったか!』
「うおっ…だ、誰だお前?」
そう尋ねると、直ぐにその神は自身の紹介をしだした。
背格好からして、物作りの神なのだろうが…
『む、紹介が遅れたか。儂は木工の神だ』
「…あれ、名前みたいなのはないんだな」
『我らは、その役割をお互いの名として使っているのでな。
呼びにくければ、好きに呼ぶが良い。
人の子も、そうやって名前を付けてきたのだからな』
「…まぁ、良いか」
彼は、何となく納得し、作ったものを設置していった。
ただ、道だけはある程度整備していかなければ行けない為、後回しにした。
「…さて、取り敢えず作れるものは作ったから、あとは欲しいものがあるなら言ってくれ」
そう言いつつも、土魔法で少しずつ地面を平にして、柔らかくしていった。
「…あ、そうか。石レンガだけ作っても意味ないな…」
んー、どうやって作るんだろ…調べてみるか。
『む?それはなんだ?』
「これ?スマホっていって、誰かと連絡を取り合ったり情報を調べたり、共有したり…そういったことができる機械だな」
…うーん、なるほど…道となる所を掘り下げて、端と端に石の板を挟む…
「よし、石材…ってか、そうじゃん。石レンガも前の三峰の余り使ってたけど、結局集めてないな…」
『石が必要なのか?』
そういった新たな神が、手に小さな光を持っていた。
すると、そこからどんどん大雑把な石が溢れ出てきた。
「こ、これは?」
『む?石が必要なのだろう?』
「使っても良いのか?」
『適当に作り出した物だから構わぬ』
…石工、いや…土の神、だろうか。そう思いつつ、「有難く使わせてもらう」と返事をして、板を作り、それを掘った穴の端に設置した。
「んで、次は…砕石と敷砂、かぁ…んー、砕石は…小さく砕かれた石…
バキッ(殴る)…これを敷き詰めて…丸太…か、足で均す…
孫悟空、如意棒貸してくれ。
んで、その上に敷砂…えっと…海砂や川砂…うーん、これは取りに行かないとか…ここら辺に海あったっけ?」
すると、また新たに神が現れて…どれだけ出てくるのだと、少ししかめっ面になりつつも、感謝する。
『ならば、海の神である我の出番だ。
海砂だな?…ザラザラザラ…これで良いのか?』
「お、おう…んで、これも均したら…石レンガを嵌めていって…んー、ここもう少し小さくしないとな…
っと、こんなもんかな」
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