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89. 天帝

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『ギィィ…やっと来たか。遅いではないか』

『お逃げ、くださ…』

「お前が俺をここに寄越したやつか」

俺は、城の中に入ると生命反応のある奴らを片っ端から殺していき、最後の1人となった天帝の元へ向かった。

『む…下界の者よ、案内人はどうした?』

「あぁ?…ああ、これのことか?」

そう言って彼は、最初に殺した神の首を天帝の方へと投げると、天帝がそれを見た瞬間、怒りの矛先を直ぐに彼に向けた。

『貴様ァ!反逆しようというのか!下賎なるものが!』

そう言うと天帝は槍をどこからか取り出し、こちらに投げ飛ばした。

「ガシッ…この程度か」

俺は神の攻撃を掴んだ後、直ぐに投げ返した。

『グサッ…ぐぁぁぁぁ!』

「死に晒せ、天帝。楽には死なせないぞ」


『はぁ…はぁ…なっ…こ、これって…』

『くっ…間に合わなかったか。この天界にはもう、生きた者は…直ぐに、天帝の元へ行くぞ』

そう言うと神達は直ぐに、天帝の居る謁見間へと向かった。
そして、到着したあと、扉を開けてみると…
そこには、致死量の血と、体の至る所に傷を負った天帝の姿があった。

『うそ…て、天帝は中国最強と言える程なのよ…!?』

「ほぉ、それだけか?天帝」

神々は、その声を聞いて一斉に玉座に座っている者を見た。
すると、そこには今まで見たことの無いような、絶対的強者の圧を持った解放者が座っていた。

「神だか何だか知らねぇが…自分の部下の力で殺されるのは、どんな気持ちだ?」

その姿はまるで暴虐無尽、殺意を向けられた訳では無い筈なのに、

"逃げなければ殺される"

そう感じさせる程の、威圧感だった。
彼は笑顔で、天帝を見ると、奪った神の力を1つずつ、発動させては天帝に死なない程度に当てていった。

「ほら、避けないと死ぬぞ?」

しかし、彼の応援に来た神達は動けずにいた。
動けば殺される、そう思ったからだ。

「チッ…脆いなぁ…神のくせして、その程度で気絶するとは…
なら、もう楽にしてやるよ」

そう言うと彼は、天帝の手足や五感を死なない程度に奪いながら、痛みに悶えて死んでゆく天帝の最後見届けると、直ぐに謁見間から出ていき、どこかへ向かった。

『ダンジョン:西遊記の天界を攻略しました。
これより、新たな神々が解放されました。
エラーが発生しました。
修復中…
修復、不可能…

神が解放を望まれない為、新たな神を生み出すか、既に現存している新たな天帝を見つけ出し、祝福か加護を得てください。
得られない場合、これ以上能力者は誕生致しません。
但し、新たに解放される筈だった神々は特定の場所に復活致しました』
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