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第二話 柳沢家の姉妹
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咲希を送るため実家まで行ったはいいが、そこで、玄関の外に出ていた春花や光に止められて、家の中に入る羽目になっていた。
三女の春花は、この春から中学三年生で、少し口数は少ないが、良い子ではある、でも少し欠点があった。重度な怖がりなのだ。特に雷が苦手で、それだけだったらまだ可愛い方なのだが、雷が鳴っていない雨の日夜でも、なりそうだからと晴のベッドに潜り込んでくる。だから、梅雨や夏の時期は暑くてたまらない。
そして、四女の光は春から中学二年生になる。光も良い子ではあるのだけど、とにかく元気が良い、だが、小学校のときはそれでいじめを受けていた。容姿やスタイルが良いことや、家にお金があることもあり、元気が良すぎて怖いなどと言って、仲間外れにされたりしていた。もちろん誹謗中傷など日常茶飯事だった。そのことでとても落ち込んでいた光を、晴が慰めたことがあり、それ以来光は晴の側からほとんど離れなくなった。
五女の凪沙は、春から小学六年生で、凪沙も元気が良い、でも、光の元気とはまた違った感じで、凪沙にはメリハリがある。凪沙は人がほんとに嫌がることはしないし、時たますごく優しい。ただ、すぐに拗ねるのが欠点だ。
基本的には良い子達なのだが、実家に帰った晴にべったりだった。
「晴お兄ちゃんが帰って来るなんて、凪沙嬉しいなぁ」
と凪沙が。
「わ、私だって、嬉しい…」
と春花。
「まさか、晴兄が帰って来るなんてねー、てっきり光達のことが嫌いなんだと思ってた…」
と光。
「光、それは違うんだけどね…?」
そう言って光の言動を否定した。確かに、あまりずっとひっつかれてると疲れる。だけど、妹達が嫌いなわけではない。一人暮らしをする理由は他にある。
「じゃあ…どうしてなの…?」
そう聞き返した春花の頭を撫でながら、ため息を吐いた。
「んー、何ていうか、純粋に興味があったていうのが大きいかな、それと、ここにいると、陽姉や小春、春花や光が俺の身の回りのことをほとんどしてくれるだろ?そうすると、つい皆に甘えてしまうんだよ、それに、小菜も、何かと世話を焼いてくれるし、皆に甘えっぱなしじゃいつか、一人暮らししたときに何もできなくなるからね今の内に自分のことは自分でするっていう癖をつけときたいんだよ」
晴がそう言うと、光がジト目を向けてきた。
「小春ちゃんと住むくせに…」
それを言われると耳が痛い。大体これは母の晴子が言い出したことで、晴に非はないはずだ。
「それは母さんに言ってくれ…」
すると、お茶やおやつを持ってきた陽菜が、春花達を見て、
「でも晴は、春花達もいつでも遊びに来ていいって言ってたわよ」
すると、光の顔が明るくなった。
「やったぁ!中学校の帰りに晴兄の部屋あるから、そのまま行ける!」
「わ、私も行く…!」
「春花はいいけど、光はなぁ」
そう言って春花の頭を撫でながら、からかうように光を見る。
すると光は頬を膨らませ、むぅっと唸った。これ以上からかうと、光は大変になるから、そこまでにしといて、ごめんごめんと一言謝って春花と同じように頭を撫でた。凪沙はというと、姉に甘えることを覚えたらしく、羨ましそうに見ているものの、陽菜の膝の上にいる。
ある程度二人を宥めたところで、「凪沙おいで」と呼ぶと、すぐに晴のもとに来て膝の上に乗った。
「凪沙も遊びに来ていいからね」
「うん、凪沙も行く!」
そう言って、凪沙は嬉しそうにはにかんだ。すると今度は陽菜の視線に気づく。
「晴は皆に甘すぎない…?私だってお姉ちゃんなんだし…」
と言って陽菜が、晴に近づく。そして、晴の頭を膝の上に乗せた。
それを見ていた小春達が、みんな口を揃えて「お姉ちゃんだ…」と言っていたので、晴は思わず笑ってしまった。そう、子供のころから陽菜は晴に甘く、こうしてよく、膝枕をしてくれた。陽菜は高校一年生のとき、ちょっとした人間関係に巻き込まれ、いじめを受けていた。陽菜はとても人当たりが良く、誰にでも優しく、その上容姿端麗といった完璧超人だった。だが、あるきっかけで知り合いの人間関係に巻き込まれ、陽菜は一人ぼっちになってしまった。そんなことがあり、陽菜はいつも全部我慢するようになっていたのだが、時々こんなふうにわがままを言ってくる。陽菜にとって、晴や妹達は唯一の癒やしらしい。
「陽姉最近はどお?」
「ん?大丈夫だよ?まだ大学も始まってないから、ちょっと不安はあるけどね…?」
そう言って、陽菜は不安そうな顔をした。
「きっと陽姉は大丈夫だよ、俺や小春達がついてるから」
晴がそう言うと、小春達も頷く。すると陽菜は涙を滲ませ、晴の頭をこれでもかというくらい撫で回した。
その後、今日は実家に泊まることになった晴が、陽菜と夕ご飯を作ってる際に、
「ありがとね、晴」
そう、嬉しそうに微笑んだ。
妹達の前ではあまり弱音を吐かないようにしている陽菜だが、晴の前では結構弱いところを見せる。
「俺も、陽姉にはいつも守ってもらってばっかりだったからね、これくらいは当然だよ」
晴は小学生の時、泣き虫で弱かったためいつも陽菜に守られてばっかりだった。だからこれくらいはと、晴にとってはまだ返し足りないくらいなのだ。
「さ、ご飯にしよっ!もうできたよ?晴はみんなを呼んできて!」
そう言って、晴に皆を呼ばせに行かせた。
晴が行ったのを確認した陽菜は、
「ううん、晴は覚えてないかもしれないけど、私も晴に救われたんだよ?」
誰にも聞こえないようにそっと小声で、そう溢した。
晴と小春の高校入学まであと2日!!
三女の春花は、この春から中学三年生で、少し口数は少ないが、良い子ではある、でも少し欠点があった。重度な怖がりなのだ。特に雷が苦手で、それだけだったらまだ可愛い方なのだが、雷が鳴っていない雨の日夜でも、なりそうだからと晴のベッドに潜り込んでくる。だから、梅雨や夏の時期は暑くてたまらない。
そして、四女の光は春から中学二年生になる。光も良い子ではあるのだけど、とにかく元気が良い、だが、小学校のときはそれでいじめを受けていた。容姿やスタイルが良いことや、家にお金があることもあり、元気が良すぎて怖いなどと言って、仲間外れにされたりしていた。もちろん誹謗中傷など日常茶飯事だった。そのことでとても落ち込んでいた光を、晴が慰めたことがあり、それ以来光は晴の側からほとんど離れなくなった。
五女の凪沙は、春から小学六年生で、凪沙も元気が良い、でも、光の元気とはまた違った感じで、凪沙にはメリハリがある。凪沙は人がほんとに嫌がることはしないし、時たますごく優しい。ただ、すぐに拗ねるのが欠点だ。
基本的には良い子達なのだが、実家に帰った晴にべったりだった。
「晴お兄ちゃんが帰って来るなんて、凪沙嬉しいなぁ」
と凪沙が。
「わ、私だって、嬉しい…」
と春花。
「まさか、晴兄が帰って来るなんてねー、てっきり光達のことが嫌いなんだと思ってた…」
と光。
「光、それは違うんだけどね…?」
そう言って光の言動を否定した。確かに、あまりずっとひっつかれてると疲れる。だけど、妹達が嫌いなわけではない。一人暮らしをする理由は他にある。
「じゃあ…どうしてなの…?」
そう聞き返した春花の頭を撫でながら、ため息を吐いた。
「んー、何ていうか、純粋に興味があったていうのが大きいかな、それと、ここにいると、陽姉や小春、春花や光が俺の身の回りのことをほとんどしてくれるだろ?そうすると、つい皆に甘えてしまうんだよ、それに、小菜も、何かと世話を焼いてくれるし、皆に甘えっぱなしじゃいつか、一人暮らししたときに何もできなくなるからね今の内に自分のことは自分でするっていう癖をつけときたいんだよ」
晴がそう言うと、光がジト目を向けてきた。
「小春ちゃんと住むくせに…」
それを言われると耳が痛い。大体これは母の晴子が言い出したことで、晴に非はないはずだ。
「それは母さんに言ってくれ…」
すると、お茶やおやつを持ってきた陽菜が、春花達を見て、
「でも晴は、春花達もいつでも遊びに来ていいって言ってたわよ」
すると、光の顔が明るくなった。
「やったぁ!中学校の帰りに晴兄の部屋あるから、そのまま行ける!」
「わ、私も行く…!」
「春花はいいけど、光はなぁ」
そう言って春花の頭を撫でながら、からかうように光を見る。
すると光は頬を膨らませ、むぅっと唸った。これ以上からかうと、光は大変になるから、そこまでにしといて、ごめんごめんと一言謝って春花と同じように頭を撫でた。凪沙はというと、姉に甘えることを覚えたらしく、羨ましそうに見ているものの、陽菜の膝の上にいる。
ある程度二人を宥めたところで、「凪沙おいで」と呼ぶと、すぐに晴のもとに来て膝の上に乗った。
「凪沙も遊びに来ていいからね」
「うん、凪沙も行く!」
そう言って、凪沙は嬉しそうにはにかんだ。すると今度は陽菜の視線に気づく。
「晴は皆に甘すぎない…?私だってお姉ちゃんなんだし…」
と言って陽菜が、晴に近づく。そして、晴の頭を膝の上に乗せた。
それを見ていた小春達が、みんな口を揃えて「お姉ちゃんだ…」と言っていたので、晴は思わず笑ってしまった。そう、子供のころから陽菜は晴に甘く、こうしてよく、膝枕をしてくれた。陽菜は高校一年生のとき、ちょっとした人間関係に巻き込まれ、いじめを受けていた。陽菜はとても人当たりが良く、誰にでも優しく、その上容姿端麗といった完璧超人だった。だが、あるきっかけで知り合いの人間関係に巻き込まれ、陽菜は一人ぼっちになってしまった。そんなことがあり、陽菜はいつも全部我慢するようになっていたのだが、時々こんなふうにわがままを言ってくる。陽菜にとって、晴や妹達は唯一の癒やしらしい。
「陽姉最近はどお?」
「ん?大丈夫だよ?まだ大学も始まってないから、ちょっと不安はあるけどね…?」
そう言って、陽菜は不安そうな顔をした。
「きっと陽姉は大丈夫だよ、俺や小春達がついてるから」
晴がそう言うと、小春達も頷く。すると陽菜は涙を滲ませ、晴の頭をこれでもかというくらい撫で回した。
その後、今日は実家に泊まることになった晴が、陽菜と夕ご飯を作ってる際に、
「ありがとね、晴」
そう、嬉しそうに微笑んだ。
妹達の前ではあまり弱音を吐かないようにしている陽菜だが、晴の前では結構弱いところを見せる。
「俺も、陽姉にはいつも守ってもらってばっかりだったからね、これくらいは当然だよ」
晴は小学生の時、泣き虫で弱かったためいつも陽菜に守られてばっかりだった。だからこれくらいはと、晴にとってはまだ返し足りないくらいなのだ。
「さ、ご飯にしよっ!もうできたよ?晴はみんなを呼んできて!」
そう言って、晴に皆を呼ばせに行かせた。
晴が行ったのを確認した陽菜は、
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