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42 男爵令嬢、反撃開始!
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卒業パーティー会場にヤケクソ気味の入場紹介の声が響き渡る。
「‥テッ、テナークス・アッロガーンス王太子殿下、……うぅ、…ク、クピドゥス・ドロースス男爵令嬢、ご入場~‥」
尻すぼみの入場紹介だが。
パーティー会場は大きな騒めきに包まれる。
「誰!?ドロ何とか男爵令嬢!?」
「どういう事!?王太子殿下のご婚約者って隣国のカリ、カロ、カ?」
「カラクテリスティカ王国よ!」
「そうだ!そこの第一王女のはずだろ!?」
親達は一斉に子供(卒業生)にどうなっているのか確認し。
一斉に王太子殿下の浮気を知る。
それは外国からの来賓達も同様で。
否が応でもドロ何とか男爵令嬢に注目が集まる。
今や注目の的のクピドゥスは度胸の良さなら王族以上。
自信満々に大ホール中央に歩を進める。
その横に立ちクピドゥスに腕を拘束され‥いやエスコートしている顔色の悪い男…
明らかに透明人間になりたそうな男はテナークス王太子殿下。
昨日は1日中クピドゥスの頬を冷やすのを手伝い。
学校へも行けずピウスを垣間見て心を癒す事も出来ずヘトヘトで今日を迎えた。
あと少しでオサラバ出来ると自分を励ましながらクピドゥスの支度を待っていたら…
「な、なんだそのドレスは!?まるで‥」
「そうよぉ、テナ様とお揃よぉ!どう?似合う?」
似合わない!!
細かいデザインは王太子とお揃いでドレスの色は王太子の髪色のレモンイエロー。
レースやフリル、装飾品は王太子の瞳色のキャロットオレンジで統一している。
婚約者でも無いんじゃないかと思われるほどにベタベタに王太子カラーのドレス。
クピドゥス自身はウルトラマリンブルーの髪にベイビーブルー(水色)の瞳。
落ち着いた色合いに明るく華やかな王太子の色は変に浮いてしまって不協和音感が酷い。
胸の露出っぷりも酷い。その上前代未聞のへそ出しドレス。
女性だけでなく男性までもが不快に感じる過剰露出だが本人は『大サービス』の積もりだ。
「…まぁ!何なの、アレ」
「何て下品な…男爵令嬢と紹介されていたけど本当に貴族かしら?」
「茶髪茶目の次に平民に多い髪と目の色よ…立ち居振舞いも平民そのもの…」
扇の奥で交わされる女性たちの囁き。
(ふん、今の内に言ってな!…1時間後にはこのアタシにひれ伏すんだからね!)
「は、早く1曲踊って帰らないか?何だか目眩がするんだが…」
「…まだよ。まだあの女が居ないじゃない」
「!?あの女って…まさかピウス姫?――いや彼女は参加しないだろう。1国の王女がパートナーのエスコート無しに‥」
「ピ、ピウス・カラクテリスティカ第一王女殿下、ご入場~‥」
またも尻すぼみの入場紹介なのはパートナー無しにたった一人で入場するピウスを憐れんでのことか――
「う…嘘だろうピウス姫…私のエスコート無しで…
…たった1人で…」
「ふっ…来たわね!」
パチン!
扇を閉じるクピドゥス。
キャロットオレンジ色の口紅を塗りたくった大きな口は弧を描いている。
(王女様、あんたを――
この大ホールをひっくり返してやるよ!)
「‥テッ、テナークス・アッロガーンス王太子殿下、……うぅ、…ク、クピドゥス・ドロースス男爵令嬢、ご入場~‥」
尻すぼみの入場紹介だが。
パーティー会場は大きな騒めきに包まれる。
「誰!?ドロ何とか男爵令嬢!?」
「どういう事!?王太子殿下のご婚約者って隣国のカリ、カロ、カ?」
「カラクテリスティカ王国よ!」
「そうだ!そこの第一王女のはずだろ!?」
親達は一斉に子供(卒業生)にどうなっているのか確認し。
一斉に王太子殿下の浮気を知る。
それは外国からの来賓達も同様で。
否が応でもドロ何とか男爵令嬢に注目が集まる。
今や注目の的のクピドゥスは度胸の良さなら王族以上。
自信満々に大ホール中央に歩を進める。
その横に立ちクピドゥスに腕を拘束され‥いやエスコートしている顔色の悪い男…
明らかに透明人間になりたそうな男はテナークス王太子殿下。
昨日は1日中クピドゥスの頬を冷やすのを手伝い。
学校へも行けずピウスを垣間見て心を癒す事も出来ずヘトヘトで今日を迎えた。
あと少しでオサラバ出来ると自分を励ましながらクピドゥスの支度を待っていたら…
「な、なんだそのドレスは!?まるで‥」
「そうよぉ、テナ様とお揃よぉ!どう?似合う?」
似合わない!!
細かいデザインは王太子とお揃いでドレスの色は王太子の髪色のレモンイエロー。
レースやフリル、装飾品は王太子の瞳色のキャロットオレンジで統一している。
婚約者でも無いんじゃないかと思われるほどにベタベタに王太子カラーのドレス。
クピドゥス自身はウルトラマリンブルーの髪にベイビーブルー(水色)の瞳。
落ち着いた色合いに明るく華やかな王太子の色は変に浮いてしまって不協和音感が酷い。
胸の露出っぷりも酷い。その上前代未聞のへそ出しドレス。
女性だけでなく男性までもが不快に感じる過剰露出だが本人は『大サービス』の積もりだ。
「…まぁ!何なの、アレ」
「何て下品な…男爵令嬢と紹介されていたけど本当に貴族かしら?」
「茶髪茶目の次に平民に多い髪と目の色よ…立ち居振舞いも平民そのもの…」
扇の奥で交わされる女性たちの囁き。
(ふん、今の内に言ってな!…1時間後にはこのアタシにひれ伏すんだからね!)
「は、早く1曲踊って帰らないか?何だか目眩がするんだが…」
「…まだよ。まだあの女が居ないじゃない」
「!?あの女って…まさかピウス姫?――いや彼女は参加しないだろう。1国の王女がパートナーのエスコート無しに‥」
「ピ、ピウス・カラクテリスティカ第一王女殿下、ご入場~‥」
またも尻すぼみの入場紹介なのはパートナー無しにたった一人で入場するピウスを憐れんでのことか――
「う…嘘だろうピウス姫…私のエスコート無しで…
…たった1人で…」
「ふっ…来たわね!」
パチン!
扇を閉じるクピドゥス。
キャロットオレンジ色の口紅を塗りたくった大きな口は弧を描いている。
(王女様、あんたを――
この大ホールをひっくり返してやるよ!)
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