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第二章
27 白い影
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
肉襦袢付きドレスを取り敢えず20体用意した。
これを別邸に届けに来たところ、ステラの姿が無い。
逃げた!?
‥‥いや、ボーっとした子だ。
ソレは無いだろう。
森の中で道に迷っているに違いない。
私は別邸の使用人と共に森の中を捜した。
それにしても。
ステラが行方不明だというのに気付かなかった使用人達は全員クビだ!
私の怒りに気付かないのかメイド二人がやたらとベタベタ触って来る。
『そちらは足場が悪くて、ステラ様は避けるはずです』
『そうです、きっとあちらで迷っているのですわ』
成程、意見は参考にしよう。
だが、主であるステラが行方不明だというのにニヤニヤしながら薄い胸を押し付けて来るブス2名には即刻クビを言い渡した。
『そ、そんな!』
『それでは私達、何の為に‥‥』
とかゴチャゴチャ言っていたが騎士に命じて裏門から放り出させた。
それでも怒りが鎮まらない私に、ステラが見つかったと報せが入る。
ステラは城の中にいたらしい。
駆け付け、ステラを見た瞬間、私は打たれた。
何故、何に打たれたのか自分でも分からない。
ステラはいつものボーっとした状態ではなく、何か疲れた様子だった。
『ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございません。
‥‥本日は大変疲れておりますので、もう寝ませて頂きます』
そう言われれば帰るしかない。
だが、何となく離れがたい。
別邸城を出て、森の中を歩きながらふと気付く。
‥‥そうだ、さっきのステラはボーっとしていなかった!?
受け答えもまともで‥‥
『バカが治ったんだ。
良かった良かった!
これで父上もステラを娶る事を認めて下さるだろう。
それにしてもさっきのステラ‥‥
疲れたアンニュイな感じが堪らなくセクシーだったな‥‥
あぁ、あと2~3年は我慢しようと思っていたけど‥‥
もう、我慢出来ない!
今すぐ、既成事実を作って、何もかも、完全に私のものにする!』
そう独り言を言いながら別邸へ戻ろうと振り返ると、何やら白い影がいる。
『――させない』
白い影がそう言った。
『美しいステラを忘れろ。
明日見る変な髪で大きな体のステラが本当のステラだ』
続けてそう言うと、白い影はもうどこにもいない。
全く、何を言っているんだ!?
私が美しいステラを忘れるはずがないだろう!
そう憤ったが、何か気勢をそがれ、今夜は既成事実を作るのをやめ、再び踵を返して本邸城へ戻った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
バサバサバサッ!
私はまたも日記を落としてしまった。
白い影―――?
何だ、ソレは!?
というか、この時点でステラのバカが治っている事に私は気付いていたのだ!
この日に関して、何故私はこんなにも何にも覚えていないのだ!?
私は落とした日記を拾い上げ、その翌日の日記に目を走らせる。
肉襦袢付きドレスを取り敢えず20体用意した。
これを別邸に届けに来たところ、ステラの姿が無い。
逃げた!?
‥‥いや、ボーっとした子だ。
ソレは無いだろう。
森の中で道に迷っているに違いない。
私は別邸の使用人と共に森の中を捜した。
それにしても。
ステラが行方不明だというのに気付かなかった使用人達は全員クビだ!
私の怒りに気付かないのかメイド二人がやたらとベタベタ触って来る。
『そちらは足場が悪くて、ステラ様は避けるはずです』
『そうです、きっとあちらで迷っているのですわ』
成程、意見は参考にしよう。
だが、主であるステラが行方不明だというのにニヤニヤしながら薄い胸を押し付けて来るブス2名には即刻クビを言い渡した。
『そ、そんな!』
『それでは私達、何の為に‥‥』
とかゴチャゴチャ言っていたが騎士に命じて裏門から放り出させた。
それでも怒りが鎮まらない私に、ステラが見つかったと報せが入る。
ステラは城の中にいたらしい。
駆け付け、ステラを見た瞬間、私は打たれた。
何故、何に打たれたのか自分でも分からない。
ステラはいつものボーっとした状態ではなく、何か疲れた様子だった。
『ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございません。
‥‥本日は大変疲れておりますので、もう寝ませて頂きます』
そう言われれば帰るしかない。
だが、何となく離れがたい。
別邸城を出て、森の中を歩きながらふと気付く。
‥‥そうだ、さっきのステラはボーっとしていなかった!?
受け答えもまともで‥‥
『バカが治ったんだ。
良かった良かった!
これで父上もステラを娶る事を認めて下さるだろう。
それにしてもさっきのステラ‥‥
疲れたアンニュイな感じが堪らなくセクシーだったな‥‥
あぁ、あと2~3年は我慢しようと思っていたけど‥‥
もう、我慢出来ない!
今すぐ、既成事実を作って、何もかも、完全に私のものにする!』
そう独り言を言いながら別邸へ戻ろうと振り返ると、何やら白い影がいる。
『――させない』
白い影がそう言った。
『美しいステラを忘れろ。
明日見る変な髪で大きな体のステラが本当のステラだ』
続けてそう言うと、白い影はもうどこにもいない。
全く、何を言っているんだ!?
私が美しいステラを忘れるはずがないだろう!
そう憤ったが、何か気勢をそがれ、今夜は既成事実を作るのをやめ、再び踵を返して本邸城へ戻った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
バサバサバサッ!
私はまたも日記を落としてしまった。
白い影―――?
何だ、ソレは!?
というか、この時点でステラのバカが治っている事に私は気付いていたのだ!
この日に関して、何故私はこんなにも何にも覚えていないのだ!?
私は落とした日記を拾い上げ、その翌日の日記に目を走らせる。
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