[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました

masato

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8リディアムの事情(リディ)

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僕の名はリディアム・フォン・リンドバーグ。
ラジアン王国の筆頭公爵家の子息だ。
この国では次男で通しているけれど,本当は嫡子で一人息子。
つまり次期公爵、小公爵である。

母は現国王の妹で、父と大恋愛の末降嫁した。今でもラブラブで見てるこっちが恥ずかしい。

そんな家に生まれたので、それはもう大切に育てられた。もちろん次期公爵としての教育はきちんとされたので、よくある勘違い馬鹿令息にはなっていない、、、と思う。
が、箱入り息子ではあったよね。

ラブラブな両親を見て、僕も大きくなったら、可愛いお嫁さんをもらってすっごく大切にしてめちゃくちゃ愛してあげるんだ、なんて夢見たりもしていた。
そもそも国内で名実共に一番力のある公爵家、政略結婚なんてする必要もない。
ありがたい事に僕の結婚相手は自由に選べるのだ。

けれど、
夢が破れたのは7歳の時か。
初めて王宮に上がった日。

ラジアン王国では子供は7歳になると半成人の祝いをする。
7歳迄の子供の死亡率が高い為、7歳を超えると一安心という思いから。
このまま丈夫に育てという思いと、そろそろ社交を始める頃合いという事で、7歳になる貴族の子を集めて半成人の茶会が王宮で開かれるのだ。

それまで乳兄弟や従者の子らとの関わりはあったけれど、皆男子だったので初めて女の子と出会う機会だったわけで。
そりゃぁもう期待して向かったさ。
ふわふわの砂糖菓子みたいな女の子との運命の出会いが有るかも?なんて。

儚い期待が崩れたのは、会場に入ってすぐの事。
一斉に振り向いた女の子達の猛獣が獲物を見つけたような瞳が今でも忘れられない。

気がついたらボロボロになって、王宮の客間の隅っこで、膝を抱えて泣いていた。

「少しは落ち着いたかしら?」

鈴を転がすような綺麗な声がして、顔を上げるとプラチナブロンドに僕と同じ紫の瞳をした美しい少女が、優雅にお茶を飲みながら僕を見ていた。

「誰?」
「ふふ、挨拶がまだだったわね。」

優雅な仕草で立ち上がり、見惚れる所作でカーテシーを決める。

「初めまして。この国の第二王女レティシアですわ。お会いできて嬉しいですわ、いとこ殿。」

にこりと笑った顔は、ああなるほど、
母様に似ている。

慌てて立ち上がりボウアンドスクレープで返す。

「失礼致しました。お会いできて光栄です。リディアム・フォン・リンドバーグです。」

「ふふふ、落ち着いたなら、どうぞお座りになって。お茶を淹れさせますわ。」
「お気遣いありがとうございます。」

席に着くと侍女がお茶を淹れてくれ、アフタヌーンティーよろしくさまざまな菓子が並べられた。
彼女が目配せすると侍女達はするりと部屋から出て行く。

「もういいわよ、楽にして。お腹空いたでしょう?沢山食べるといいわ。」
「ありがとうございます?」

彼女の雰囲気がガラリと変わったのに戸惑った。


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