8 / 35
8リディアムの事情(リディ)
しおりを挟む
僕の名はリディアム・フォン・リンドバーグ。
ラジアン王国の筆頭公爵家の子息だ。
この国では次男で通しているけれど,本当は嫡子で一人息子。
つまり次期公爵、小公爵である。
母は現国王の妹で、父と大恋愛の末降嫁した。今でもラブラブで見てるこっちが恥ずかしい。
そんな家に生まれたので、それはもう大切に育てられた。もちろん次期公爵としての教育はきちんとされたので、よくある勘違い馬鹿令息にはなっていない、、、と思う。
が、箱入り息子ではあったよね。
ラブラブな両親を見て、僕も大きくなったら、可愛いお嫁さんをもらってすっごく大切にしてめちゃくちゃ愛してあげるんだ、なんて夢見たりもしていた。
そもそも国内で名実共に一番力のある公爵家、政略結婚なんてする必要もない。
ありがたい事に僕の結婚相手は自由に選べるのだ。
けれど、
夢が破れたのは7歳の時か。
初めて王宮に上がった日。
ラジアン王国では子供は7歳になると半成人の祝いをする。
7歳迄の子供の死亡率が高い為、7歳を超えると一安心という思いから。
このまま丈夫に育てという思いと、そろそろ社交を始める頃合いという事で、7歳になる貴族の子を集めて半成人の茶会が王宮で開かれるのだ。
それまで乳兄弟や従者の子らとの関わりはあったけれど、皆男子だったので初めて女の子と出会う機会だったわけで。
そりゃぁもう期待して向かったさ。
ふわふわの砂糖菓子みたいな女の子との運命の出会いが有るかも?なんて。
儚い期待が崩れたのは、会場に入ってすぐの事。
一斉に振り向いた女の子達の猛獣が獲物を見つけたような瞳が今でも忘れられない。
気がついたらボロボロになって、王宮の客間の隅っこで、膝を抱えて泣いていた。
「少しは落ち着いたかしら?」
鈴を転がすような綺麗な声がして、顔を上げるとプラチナブロンドに僕と同じ紫の瞳をした美しい少女が、優雅にお茶を飲みながら僕を見ていた。
「誰?」
「ふふ、挨拶がまだだったわね。」
優雅な仕草で立ち上がり、見惚れる所作でカーテシーを決める。
「初めまして。この国の第二王女レティシアですわ。お会いできて嬉しいですわ、いとこ殿。」
にこりと笑った顔は、ああなるほど、
母様に似ている。
慌てて立ち上がりボウアンドスクレープで返す。
「失礼致しました。お会いできて光栄です。リディアム・フォン・リンドバーグです。」
「ふふふ、落ち着いたなら、どうぞお座りになって。お茶を淹れさせますわ。」
「お気遣いありがとうございます。」
席に着くと侍女がお茶を淹れてくれ、アフタヌーンティーよろしくさまざまな菓子が並べられた。
彼女が目配せすると侍女達はするりと部屋から出て行く。
「もういいわよ、楽にして。お腹空いたでしょう?沢山食べるといいわ。」
「ありがとうございます?」
彼女の雰囲気がガラリと変わったのに戸惑った。
ラジアン王国の筆頭公爵家の子息だ。
この国では次男で通しているけれど,本当は嫡子で一人息子。
つまり次期公爵、小公爵である。
母は現国王の妹で、父と大恋愛の末降嫁した。今でもラブラブで見てるこっちが恥ずかしい。
そんな家に生まれたので、それはもう大切に育てられた。もちろん次期公爵としての教育はきちんとされたので、よくある勘違い馬鹿令息にはなっていない、、、と思う。
が、箱入り息子ではあったよね。
ラブラブな両親を見て、僕も大きくなったら、可愛いお嫁さんをもらってすっごく大切にしてめちゃくちゃ愛してあげるんだ、なんて夢見たりもしていた。
そもそも国内で名実共に一番力のある公爵家、政略結婚なんてする必要もない。
ありがたい事に僕の結婚相手は自由に選べるのだ。
けれど、
夢が破れたのは7歳の時か。
初めて王宮に上がった日。
ラジアン王国では子供は7歳になると半成人の祝いをする。
7歳迄の子供の死亡率が高い為、7歳を超えると一安心という思いから。
このまま丈夫に育てという思いと、そろそろ社交を始める頃合いという事で、7歳になる貴族の子を集めて半成人の茶会が王宮で開かれるのだ。
それまで乳兄弟や従者の子らとの関わりはあったけれど、皆男子だったので初めて女の子と出会う機会だったわけで。
そりゃぁもう期待して向かったさ。
ふわふわの砂糖菓子みたいな女の子との運命の出会いが有るかも?なんて。
儚い期待が崩れたのは、会場に入ってすぐの事。
一斉に振り向いた女の子達の猛獣が獲物を見つけたような瞳が今でも忘れられない。
気がついたらボロボロになって、王宮の客間の隅っこで、膝を抱えて泣いていた。
「少しは落ち着いたかしら?」
鈴を転がすような綺麗な声がして、顔を上げるとプラチナブロンドに僕と同じ紫の瞳をした美しい少女が、優雅にお茶を飲みながら僕を見ていた。
「誰?」
「ふふ、挨拶がまだだったわね。」
優雅な仕草で立ち上がり、見惚れる所作でカーテシーを決める。
「初めまして。この国の第二王女レティシアですわ。お会いできて嬉しいですわ、いとこ殿。」
にこりと笑った顔は、ああなるほど、
母様に似ている。
慌てて立ち上がりボウアンドスクレープで返す。
「失礼致しました。お会いできて光栄です。リディアム・フォン・リンドバーグです。」
「ふふふ、落ち着いたなら、どうぞお座りになって。お茶を淹れさせますわ。」
「お気遣いありがとうございます。」
席に着くと侍女がお茶を淹れてくれ、アフタヌーンティーよろしくさまざまな菓子が並べられた。
彼女が目配せすると侍女達はするりと部屋から出て行く。
「もういいわよ、楽にして。お腹空いたでしょう?沢山食べるといいわ。」
「ありがとうございます?」
彼女の雰囲気がガラリと変わったのに戸惑った。
630
あなたにおすすめの小説
愛を知らないアレと呼ばれる私ですが……
ミィタソ
恋愛
伯爵家の次女——エミリア・ミーティアは、優秀な姉のマリーザと比較され、アレと呼ばれて馬鹿にされていた。
ある日のパーティで、両親に連れられて行った先で出会ったのは、アグナバル侯爵家の一人息子レオン。
そこで両親に告げられたのは、婚約という衝撃の二文字だった。
夫婦という名の協力者、敵は令嬢
にゃみ3
恋愛
齢十二歳にして公爵夫人となった、セレスティア。
常に命を狙われる危険と、露骨な敵意に晒される立場。
同年代の令嬢たちからは妬みと侮蔑を向けられ、年長の貴婦人たちからは距離を置かれる。
そんな生活を送り始めて、早くも六年が経った頃。
「私、公爵様とお近づきになりたいんです!」
夫に好意を寄せる、自らが公爵夫人の座に就きたいと言い出した令嬢が現れて……。
黒く爛れた世界でたった二人の幼い夫婦が、どれほど苦しい思いをして生きてきたか。それは、当人である二人にしか分からないことだ。
とある侯爵令息の婚約と結婚
ふじよし
恋愛
ノーリッシュ侯爵の令息ダニエルはリグリー伯爵の令嬢アイリスと婚約していた。けれど彼は婚約から半年、アイリスの義妹カレンと婚約することに。社交界では格好の噂になっている。
今回のノーリッシュ侯爵とリグリー伯爵の縁を結ぶための結婚だった。政略としては婚約者が姉妹で入れ替わることに問題はないだろうけれど……
妹なんだから助けて? お断りします
たくわん
恋愛
美しく聡明な令嬢エリーゼ。だが、母の死後に迎えられた継母マルグリットによって、彼女の人生は一変する。実母が残した財産は継母に奪われ、華やかなドレスは義姉たちに着られ、エリーゼ自身は使用人同然の扱いを受ける。そんなある日――。
冷徹公に嫁いだ可哀想なお姫様
さくたろう
恋愛
役立たずだと家族から虐げられている半身不随の姫アンジェリカ。味方になってくれるのは従兄弟のノースだけだった。
ある日、姉のジュリエッタの代わりに大陸の覇者、冷徹公の異名を持つ王マイロ・カースに嫁ぐことになる。
恐ろしくて震えるアンジェリカだが、マイロは想像よりもはるかに優しい人だった。アンジェリカはマイロに心を開いていき、マイロもまた、心が美しいアンジェリカに癒されていく。
※小説家になろう様にも掲載しています
いつか設定を少し変えて、長編にしたいなぁと思っているお話ですが、ひとまず短編のまま投稿しました。
夏の眼差し
通木遼平
恋愛
伯爵令嬢であるティナの婚約者とティナの妹が恋仲になり、ティナは婚約を解消することになる。婚約者に対して特に思い入れはなかったが、姉妹の婚約のすげ替えについての噂と勝手なことばかり言う妹に気疲れしたティナは、昔から彼女を気にかけてくれていたイライザ夫人の紹介で夫人の孫娘リネットの話し相手として雇われることになった。
家から離れ、リネット共に穏やかな日々を過ごすティナは、リネットの従兄であるセオドアと出会う。
※他サイトにも掲載しています
籠の鳥
夜宮
恋愛
エリーは子爵家の跡取り娘だ。
まだ幼い頃に母を亡くしたものの、愛してくれる父と可愛い妹がいる。
何不自由なく暮らしていたが、年頃になり、婚約者候補の青年ができることになるとエリーの胸にある思いが浮かび上がるようになる。
もう一人の青年に出会うことで生まれた思いを胸にエリーは一つの選択をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる